湯檜曽川本谷
- GPS
- --:--
- 距離
- 17.1km
- 登り
- 914m
- 下り
- 909m
コースタイム
天候 | 曇り時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
この連休は剱岳の予定だったが、連休2日目午後〜3日目の
天気が悪そうなので中止。代替計画の中から湯檜曽川本谷を
チョイス。日帰りで遡行してきた。
前夜は土合駅でステビ。打ち合わせ方々飲んでいたが、他
パーティと話が盛り上がり、寝る時間が遅くなってしまった。
3:30起床予定だったが、車中泊の私だけ寝坊。駐車スペースまでの
運転をヒロシに任せ、車内でカップラーメンを食べる。トイレにも
いけなかった。
予定より遅れ、5時過ぎに出発。が、ここでトラブル。車の照明を
消し忘れなかったか確認に戻り追いかけたが、他の2人が道を誤って
旧道に向かってしまい、はぐれた。20分ロス。
武能沢までの新道はぬかるみがあったり枝沢をまたぐ箇所があり、
アプローチシューズに侵水してくる。私はアクアで歩いていたので
問題はなかったが他のメンバーは大変そうだった。
仕切りなおして入渓。時間もないので魚止め滝とゴルジュを飛ばして
河原から入渓しようとしたが、当日は武能沢を越えたところから
3分くらいのところで、踏み跡をたどったら、ゴルジュにどんぴしゃ
で出てしまった。が、楽しそうなのでそのまま入渓。
下山時に確認したが、本日入渓したところからあと2分程度でケルンが
積まれ、残置スリングが樹林に巻きつけられた箇所から踏み跡を
辿るのが正解だった。
白樺沢を分けると、最初の滝。左から登ると、次は大きな釜を従えた
滝。釜は想像以上に深く、つま先立ちで何とか胸まで浸かって滝に
取りついた。朝から寒い!
右に屈曲するところは、左手が大きく開けて明るい。登れそうもない
大滝がそそいでいる。ここがウナギ淵。前半のハイライト。
寒いし、水は冷たいが、やはり泳がずにはいられない。流れは強く
ないので、大したことないが、思ったより奥は水流もあり、苦労
してしまった。反省。
ゴルジュを越えると、今度は左に屈曲。うねうねした沢で面白い。
今度はナメを楽しむ。大ナメ滝は迫力がある。左岸からフリクションを
効かせて容易に登れる(歩ける?)この辺り渓相good!
すると、十字峡。それぞれに個性的な沢がそそぎこむ。ずっと
来たかったところだ。一か所で登れる沢を3本同時に眺めれる
なんて、沢好きにはたまらない。天気は思ったよりスッキリしない
曇天模様だが、今日はこれで十分満足。
抱きかえり滝は、部分的にヌメリがあり、登りには慎重さが必要。
その後は、ナメとナメ滝、釜が続き、気持ちよい。途中、
スノーブリッジが崩壊した箇所があり、やや緊張するが、崩れた
スノーブロックを縫うように進めば、問題なく通過できる。
しかし、今年は遅い時期まで雪渓が残った。ここのスノーブリッジも
8月末までは残ったが、かなり珍しいことのようだ。
沢床が低い七ツ小屋沢を分けると、沢は細くなりゴルジュ。
ここから10m程度の滝が連続する。この辺りから、青空がのぞいたり、
僅かな時間だが太陽が差し込んで、沢がキラキラ輝いてくれた。
途中の有名な10m滝は横幅もありかなり迫力がある。水流の裏側を
左上するバンドに沿って登ってから左壁を上がる。水流裏でも当然
水を浴びる。寒いがテンション上がりまくる。当日は慎重にロープを
出したが、不要なレベルだった。
釜を持つ2段12mは赤茶けて岩質がそれまでと異なる。2段目が少し難しい。
2段目だけはロープを出した。ここで高巻きから単独者が現れ、抜かれた。
ご挨拶。
その後も釜やら小滝をこなすと、核心の大滝。上段のみロープを
出して上部灌木でピッチを切る。左側を登るが、1段上に上がるところが
高く、ヌメルため怖い。左右に1か所ずつ残置スリングがあり、後続の
2人はこれを使ってA1。灌木からのトラバースは踏み跡をたどるだけ、
高度感はあるが容易。
大滝を越えると、ほどなくして峠の沢出合い。この先、ナメの渓相が
美しく、200mほど先に大きな滝も望め、池の窪まで行くが悩んだが、
下山も長いので、巡視路を辿って登山道へ出た。
旧国道の登山道は初めて歩いたが、崩れているところも多く、
あまり安心して歩けない。また、泥濘が多く、枝沢をまたぐので、またもや
アプローチシューズがずぶ濡れに。というか、アプローチシューズの
アッパーがかなり剥離していて、中のウレタンや靴下が露出していて、
靴としての機能を失っている。。。もう買い替えないとだな〜。
あと蛇足だが、蛇が多く、途中7〜8匹は見た。
下山はダラダラと長かったが、出発から12時間行動を経て
駐車スペースに戻った。
8月に行く予定だった湯檜曽川本谷。今回、日帰りではあったが、
ようやく遡行することができた。
本谷を最後まで遡行すると1,900m超の朝日岳まで詰め上げることとなるが、
峠の沢で打ち切れば1,400mまでで終われるので、スタートからの標高差も
わずかで、日帰り装備と相まって体力的にラク。こんな転進プランも
いいね。
登攀を中心要素としつつ、渡渉(泳ぎ)ナメ歩きを程よく配置し
十字峡など、枝沢の大滝がアクセントになる。素晴らしい渓相だ。
滝は残置がそれほど多くなくスッキリしている。
次の機会は泊りで。ナルミズ沢とつないで満喫したい。
あとは枝沢の抱き返り沢とか大倉沢を登りたいなと。
今年沢3本目のヒロシも最初は登れずに沢に残置されるなんて言って
不安そうだったが、途中からだいぶ慣れてきて、とてもスムーズに
こなしていた。
また行こうよ、沢。
にしても、今年は17本遡行して、残りの計画は3本。
足りない。もっともっと色んな沢と触れ合いたい。。。!(^^)!
剱の源治郎〜北方稜線を行く予定が、台風により日帰り湯桧曽川本谷へ転進。
【ドキュメントその1:決行判断まで】
熱帯低気圧が近づいているときから、「これは剱は無理そうだな…」と思っており、
台風に変わってからは「いや、もうないでしょ」と完全に転進モード。
んが、我らがCLはあらゆる情報をかき集め、分析し、剱決行の可能性をギリギリまで探っていた。。
でもでも、「せっかく剱行くなら天気のいい時に行きたい!!」というのが正直な気持ち。
CLが用意してくれた、東北・谷川・南紀・奥多摩のさまざまな代替案(全部沢だけど)の中から
ステキな癒し渓に行きたいと思っていたけれど、
東北はめちゃくちゃ遠いし(3人だと交通費も高いし)、南紀は台風が来るから無理そう。
んで、湯桧曽川本谷に決定。
しかし、グレードは2級上。
わたしは今年、1級の沢に2回しか行っていない。。とてもついていけないのでは…。
かなり不安で、できれば避けたいって思っていてその気持ちも伝えたけど
CL・SLが前後からフォローしてくれるという言葉を信じて最終的には同意。
【ドキュメントその2:前泊で盛り上がり、寝不足】
土合駅で前泊。
テーブルで飲んでいた、キノコ狩りのおじさん3人組とおしゃべり。
おちゃらけたことばっかり言っているけど、よくよく聞くとかなりのツワモノ揃い。岳人に出てた。
2級の沢ではロープ出さないとか…。
「湯桧曽は2級上だから、きっとロープ使うね」って、いやいや1級の沢でもロープ出してもらいますよ。。。
難しい沢に行きたいという1人のおじさんが、うちのCLを熱心に誘っていた。
わたしはちゃっかりキノコ狩りに連れて行ってもらう約束を交わす。マイタケ食べたい!!
そんなこんなで就寝が遅くなり(わたしは他の2人が寝たあとも掴まっており…)、結局2時に寝て3時半起き。
1時間半睡眠でかなりグロッキー。。
用意を済ませて外に出ると、CLがまだ寝ている様子。起こしに行こうとすると、ようやく起きてきた。
寝坊したからって白毛門の駐車場まで代わりに運転するように言われ、
運転したこともない凸凹の林道を暗闇の中運転するハメに。めちゃくちゃ緊張。
モヤがかかっていて前がよく見えないし、助手席のCLはまだ酒が抜け切らず意味不明なことをブツブツ言ってるし、
「スタックしちゃうよ」とか「もっとスピード出して」とか運転にアレコレ文句言ってきて
「自分が寝坊したからだろうが!!」と毒づきたかった。でも言うとめんどくさいので我慢。
早朝からメンタル磨り減った。
【ドキュメントその3:道を間違え、はぐれる】
駐車場で準備し出発。
先に行っててというCLを置いて進むと、すぐ旧道と新道の分岐が出てきた。
ここで待とうかと思ったけど、まだ全然進んでいないし、CLは足が速くいつも置いていかれるので
少しでも先に進んで距離を稼いでおきたいという気持ちもあり、そのまま進んでしまった。
しかし、この分岐で道を間違えていた。。。
旧道が沢のすぐ近くを通っており、下山はそれを利用するという話をしていたので
疑いもせず旧道を進んでしまったのだが、これが大間違い。
途中で待っていると、CLの声が聞こえたので「ここにいますよー」と叫び返し、
もうすぐ追いついてくるだろうと思っていると、全然来ない。
大声で呼びかけるが、返事がない。
近づいてきているはずなのに、さっき聞こえた声が聞こえないのはおかしい。。
これは遠ざかっているな、道を間違えたか?と思ってそこで初めてエアリアを確認。
なんと、新道が正しい道だった…
血の気が引いた。
ヤバイと思って慌てて戻り、新道へ進む。
さらにまた分岐があって、しばらく行くと我々を探しに戻ってきたCLと遭遇。当然ながらモーレツに激怒。
完全に我々のミスで、何も言い訳できず。。。
追いつかないのはおかしいと同じ道を2往復もしてきたというCL。ただひたすら申し訳なく、謝ることしかできない。。
・地図を確認しなかったこと
・そもそも分岐で待っていなかったこと
勝手な思い込みで当然のことを怠ったせいで、大幅なタイムロス。
そもそも今日は行動時間が長いのに、しょっぱなから大ポカをやらかしてしまい大反省。。。
【ドキュメントその4:ふくらはぎが痙攣】
ゴルジュ帯へ入渓。
沢はいつも緊張するが、2級上の沢ということでさらに緊張。
水は冷たく、体も硬かったと思う。
大き目の岩にハイステップで乗り上げた時に、ふくらはぎが軽く攣った。
その後も痙攣がおさまらず、半分足が攣ったような状態で遡行する。
これはまずいな、今日最後まで歩ききれるかな?と不安がよぎる。
ウナギ淵の泳ぎでも、途中で足が攣ってしまい後半はほぼ腕だけで泳ぐ。
さすがにヤバイと思って、休憩してストレッチしたいと申し出る。
水に浸かって体が冷えたんだろうと言われた。
たしかに3人の中でわたしがいちばん薄着だった。(みんな同じFTのフラッドラッシュだけど、アンダーが違った)
塩分不足とか、運動の後に足が攣るっていう認識はあったけど
冷えが原因になるという意識はなかった。。
十字峡での休憩でふくらはぎを伸ばし、マッサージ。
さらにお湯を飲んで体を温める。
その後は体がほぐれてきて、気温も上がってきたせいか足が攣ることはなかった。
【ドキュメントその5:2級上でドキドキ】
とにかく「難しい沢」という意識が離れず、ひたすら緊張。足取りも遅かった。
ゴルジュのへつり、泳ぎ、ナメ歩き、高巻き、登攀。
「滑って落ちたらどうしよう」と終始びくびく。
そんなわたしとは違い「キレイだね〜!!」「楽しいね〜」と興奮気味のCL。
同意を求められるも
「そうですね、キレイですね。怖いけど」
「楽しいっていうか、怖いですけど」
と、テンション低めのわたし。
こんな後輩つれてきても、何も面白くないだろうなぁ、と申し訳なさもあるが、でも怖い。
それでも、だんだんとフェルトのフリクションがわかってきて
滑る箇所と滑らない箇所がなんとなく判別できるようになり、
後半は怖がらずに歩けるようになってきて、ようやく楽しめるようになった。
沢ガンガンチームの核となる2人、装備も要所での動きも意思疎通もさすが。
2人で目配せして、ささっとCLがリードで行ってしまう。
次にわたしにSLが指示を出し、フォローしてくれる。
相変わらず的確な指示をくれるやっさん。
どういうムーブで進めばいいかわからないところを、
上から「左足を送って、そのホールドを右で取って…」と細かく言ってくれるので、その通りにすると行ける。
ここは怖い!!というところでは必ずお助け紐を出してくれた。
ヌメっている箇所がけっこう多かったけど、やっさんがアクアステルスで行けてるんだから
フェルトのわたしは大丈夫だろう、という変な安心感まで与えてくれた。
ざっぱは後ろからさりげなくフォローしてくれる。
最初ずっと怖がっていたわたしに「どれくらいフリクションが効くかわからないと怖いよね」と
珍しく優しい言葉をかけてくれたり。
スリングを手で掴むことしか頭にないわたしに「足を入れて使うんだよ」とアドバイスしてくれたり。
最近、女子から人気があるのも頷けますね〜。
2人のフォローがあったからこそ、無事に遡行することができました。
【ドキュメントその6:総括】
こんなに泳いだ沢は初めて。
ザックがあると非常に泳ぎづらいんだなということがわかった。
水が冷たいと体が冷えてしまうということも実感。
足の痙攣がなくなって以降は、あまり寒さは感じなかったけど…
自分がいちばん薄着だったけど、なぜか他2人のほうが寒がっていた。脂肪の多さ??
登攀レベルはそんなに高くないんだろうけど、緊張するところは結構あった。
わたしは無理にへつって釜にドボンするよりは、
水の中を進んで登りやすいところから登る方が安全と思ってそうしたけど
それだと体が冷えてしまうという指摘も受けた。うーん、選択が難しいところ。
自分にはレベルが高すぎると思って不安だったけど、
とりあえず無事に帰ってこれてよかった。
でもやっぱり、癒し渓がいいなぁ〜。
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