世界自然遺産登録20周年『白神岳』へ


- GPS
- 07:05
- 距離
- 13.6km
- 登り
- 1,070m
- 下り
- 1,064m
コースタイム
天候 | くもり(蟶山より上はガスと強風)、蒸し暑い |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・登山道の状況−良好(案内板の案内も良好) ※現在、青森県自然保護課発注の登山道整備工事中 ※危険箇所等は特になし、ロープ箇所は数カ所あるが特に危険はない ※階段2カ所、旧登山口に靴の泥(種子等の持ち込みを規制)落とし装置有り ※旧登山口に記帳所(登山名簿)有り ※トイレは登山口に有り ※水場は二股分岐〜蟶山分岐までの間に数カ所(湧水)最後の水場以降は無し ・駐車場 ※100台程度の駐車可 |
写真
感想
平成5年12月、青森県と秋田県にまたがる16,971haの広大なブナの森「白神山地」が世界自然遺産に登録された・・・・それから20年・・・・
青秋林道の建設反対運動を新聞記事で読んだのは・・・昭和50年代の後半??だったでしょうか??
昭和60年代の始め・・・青森・秋田の両県にわたる反対運動で二つ森付近の青森県境まで整備が進んでいた青秋林道の建設が止まった・・・・
真瀬川のブナは伐採されたが・・・粕毛川源流部や青森側の笹内、追良瀬、赤石源流部のブナの森は守られ・・・
そして・・・平成5年12月、世界自然遺産遺産へ登録された。
ブナの森の保護にご尽力されたたくさんの関係者の皆様に感謝、感謝です。
次世代への貴重な贈り物・・・本当にありがとうございます。
50年くらい前・・・秋田の国有林にはたくさんのブナの森があった・・・
しかし、そのブナの森は昭和30年代に始まった「拡大造林計画」のもと、次々に伐採されて杉の人工林に変わっていった。
森吉山の広大なブナの森も・・・玉川流域のブナの森も次々に伐採された。
人間の経済理論に基づく「営林事業」の結果である。
しかし・・・この「拡大造林計画」はことごとく失敗に終わり森は荒れた。
ブナはもともと標高600m〜1200mのブナ帯に生育しており、杉の生育には環境が悪すぎたのである。あとの祭り、後悔先に立たず・・・(涙)
林野庁は農林水産庁の外局ではなく・・・環境省の外局となり・・・名実ともに環境サイドからの森林管理を行って欲しいものである。
未だに・・・伐採後の国有林を見ると・・・荒れ放題・・・経済性を追求した機械化施工の結果である。
国有林の伐採は原則不可として・・・国民の共有財産である国有林の維持ぐらいは「税金」でしっかりと保護するべきである。社会福祉も大切であるが・・・・環境保護はもっともっと・・・大切である。私益よりも公益・・・である。
それから20年、世界自然遺産登録20周年の節目の年、秋田の白神山地(藤里駒ヶ岳や小岳など)は8月9日の集中豪雨でアプローチとなる県道、町道や林道が多数被災し、交通不能となった・・・復旧には数年かかるようである。
20周年の記念の年に集中豪雨でアプローチできないとは・・・登山客は無論のこと・・・関係者のみなさんは何ともやりきれない気持ちで・・・・
しかし、これが自然の現実である。
自然の偉大さ・・・・をあらためて思い知らされた結果である。
秋田の白神山地(藤里駒ヶ岳や小岳など)は今回登山した白神岳などに比べると容易(安易)に登山できる利点はあるが・・・・・私個人としては・・・物足りない・・・山になってしまい、最近は敬遠していた。
藤里駒ヶ岳や小岳などは登山口から山頂まで1時間程度(私の足)であり、岳岱のブナ(自然観察教育林??)は・・・・・・他にもたくさん良い森が・・・(すみません)
リピーターはちょっと期待できないし、実際・・・・毎年、登山者(入山者)は減っている現状である。魅力がなければ・・・リピーターは期待できない。現実は厳しいものである。
秋田白神にとっては・・・今年は世界自然遺産登録20周年の節目の年であり、富士山が世界文化遺産に登録され、また登山ブームの風に乗り・・・起死回生の絶好のチャンスだったのに・・・集中豪雨に襲われて・・・残念。
登山アプローチや施設の複線化や多様化がされていないことも・・・残念な結果に拍車を・・・。
そこで・・・提案・・・唯一アプローチできる藤里駒ヶ岳(素波里ダム側の樺岱)から入山し、藤里駒ヶ岳を経由して県境の冷水岳へ、それから県境を西に向かい小岳へ・・・こんな縦走なら秋田白神の自然を十分に満喫できる最高のコースになると思いますが・・・・また、藤里駒ヶ岳(樺岱)から入山し、藤里駒ヶ岳を経由して岳岱のブナを見学して同じコースを戻る・・・歩きがいがある登山らしいコースである
。
既存の施設(コース)に満足せずに、多様なニーズに応えるためにもコースの複線化や多様化は必要です。秋田白神の関係者のみなさん・・・是非検討して欲しいものである。
また、入山を規制している核心部の粕毛川源流部の利活用も必要と考えている。
古くから山には人が入り利用してきた。
一律に規制だけでは無く、利用してこそ価値が出るものである。規制・管理しながら最小限の人間に入山を許可する(ガイドを義務化するなども・・・必要かも)ことも必要と考えている。
さて、本題へ・・・
危機管理を生業としている私は8/9の豪雨後、業務多忙のため山行はご無沙汰・・・仕事のストレスと脳の酸素不足(笑)で心身共に限界に達した。
しばらくぶりに土日の休みとなった今週・・・これまた、しばらくぶり(2008以来6回目)に白神岳へ・・・・
天気は相変わらずの霧(ガス)・・・ガス男??復活(笑)
登山口には他県ナンバーの車が数台・・・ここでは私も他県(秋田)ナンバーである(笑)
10分ほど旧登山口までアスファルトの道を歩き、旧登山口に到着、世界自然遺産の大きな案内が目に付く。
登山口には記帳所や登山靴へついた外来種等の持ち込みを禁止する目的か??靴底清掃用のブラシのついた泥落としがある。きやすめと思いつつ・・・
途中、入山者数を管理するカウンターもある、また1人カウントされた。
二股分岐までは平坦な道。
二股分岐はヒノキ(ヒバ)の暗い林だが、立派な案内板もあり、迷うことはない。
数カ所の水場を越えて・・・最後の水場では忘れずに水を補給しよう。
最後の水場を越えるとしばらくして蟶山分岐までの急登となるが、登山道はしっかりしている。
息を乱して・・・蟶山分岐に到着。
蟶山山頂へのアプローチは確認できないが、ここで少し休憩し、エネルギーを補給(パンを食べる)し体力回復(笑)
蟶山分岐から大峰分岐までは蟶山への支尾根上を歩くことになる。展望のない単調な歩きである。
登山道は適度な間隔で標識もあり、立派な登山道である。
977mの標高点を越え、いよいよ急な登りになる。
森林限界を越えるとさらに急登となり、真っ白なガスに中、大峰分岐に到着となった。左は大峰を経由して十二湖へ。右は山頂へ。
ここからは、世界自然遺産地域の境界部(稜線)を歩く。
左側は世界自然遺産の笹内川源流部で反対側には白神山地最高峰の向白神岳や岩木山が望めるはずだが・・・相変わらず真っ白なガスに中。残念(涙)
ほどなく、小さい祠のあるピークを越える。ここが白神岳の最高地点(標高1235m)であるが、一等三角点(標高1231.9m)はもう少し先に鎮座している。
真っ白なガスに中から突然建物が・・・山頂のトイレである。横を通り過ぎるとすぐに山頂避難小屋、さらに進むと一等三角点(標高1231.9m)があり、二股コースの合流する白神岳山頂である。
山頂は相変わらず・・・真っ白なガスに中で山頂からの展望はなく・・・。
展望を楽しみにしている私にとってはとても残念な山旅となった(涙)が、これも自然現象であり・・・仕方のないことである。
向白神岳や岩木山、秋田白神の山々を想像して・・・・
避難小屋で食事と休憩をして・・・・ブナの森を愉しみながら登山道をゆっくりと下山した。
視界不良の天候ではあったが・・・・白神岳の自然を満喫できた???山旅であった。
(H25.9.17加筆修正)
コメント
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白神。。。わたしは一度登りましたが、途中で辞めようと思ったのはここだけです。
あまりに長い展望のかわらないブナ林歩き。暑かったせいもあってほんと嫌になりました。結局自分を奮い立たせて山頂までは行きましたが、二度と行きたくない山ナンバーワンになったままです。
しばらくしてもう一度改めていくとまた違うのでしょうかね?その時が来るのはいつになるやら。。。
こんばんは
メッセージありがとうございます。
確かに・・・白神岳は山頂まで展望はありませんね。
花もありませんし。
他の山に比べると魅力は少ないです。
私の中では・・・白神山地の登山可能な最高峰という位置づけですね。展望のないブナ林歩きは・・・運動には最適です(笑)
しばらくぶりでしたね
山の方は、ガスっていて残念でしたね。でも6回目となると、ガスの向こうの景色が目に浮かんでいるのでは・・と拝察しますよ
白神山地の世界遺産登録は、保全という面では最良の結果だと思いますが、問題もいろいろあるようですね。また、ここで生活する人にとっては、利活用したいと考えるのは当然でしょう。指定ガイド義務付け少人数ツアーのみ、ルート限定・・といった案はその一つかもしれませんね。
好き勝手に歩くのが好きな私としては、ご提案の駒〜冷水岳の残雪期縦走なんか魅力的に思えますが
今年は本当に災害の多い年になりました。750RSさんがのんびりできる日が訪れるよう、祈っています。
メッセージありがとうございます。
大変ご無沙汰していました。
今日も台風通過に伴う降雨等により、大雨・洪水・暴風などの警報や土砂災害警戒情報も発令されました。
県内各地に避難勧告や避難指示も出ましたね。
毎週・・・土日は何かありまして・・・ゆっくりできません(笑)
危機管理って何?っていう仕事をしています。(笑)
はい、そうですね。ガスっていても遠くの景色はよく見えますよね(老眼??(笑))
全くそうですね。世界遺産登録により保全された面ではいい結果ですよね。
しかし、その自然を相手に生活している方もいるわけですからね。
いきなり・・・立ち入り禁止はいかがなものかと思いますよね。
山を理解している方には是非利活用してもらいたいですよね。
また、意識のある山人には・・・ルート限定で少人数ツアー・・・指定ガイド義務付け・・・いいですね。
はい、藤駒〜冷水の縦走なんかとても魅力的ですよ。
確かに・・林道は狭くて長いし路面の維持は最悪(特に小岳の大滝林道)ですからね。
藤駒は黒石口からだとあっという間に山頂です。藤琴から登山口までのクルマの時間の方が長いです(笑)
秋田の白神はもう少し工夫しないと・・・リピーターは無理でしょう。登山者として・・魅力を感じません。
はい、ありがとうございます。
本当に災害の多い年になりました。
のんびりと紅葉を眺める山旅をしたいですね。
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