高野山町石道(九度山町P〜慈尊院〜大門〜千手院橋BS)【和歌山県、高野山】


- GPS
- 06:56
- 距離
- 23.8km
- 登り
- 1,562m
- 下り
- 806m
コースタイム
- 山行
- 7:13
- 休憩
- 0:45
- 合計
- 7:58
九度山町駐車場 0925 ― 慈尊院 0939/0942 ― 百八十町石 0942 ― 丹生官省符神社 0944 ― 紀ノ川フルーツライン乗越 0954 ― 百六十七町石 1005 ― 展望台 1010 ― 榧蒔石1025/石往復/1026 ― 銭壷石 1028 ― 雨引山分岐 1034/雨引山往復/1049 ― 百四十九町石 1058 ― 接待場 1100 ― 笠取峠 1107 ― 六本杉峠 1121/1123 ― 百三十三町石 1127 ― 古峠(百廿四町石) 1140 ― 二ツ鳥居 1146/昼食/1156 ― 白蛇の岩 1204 ― 神田地蔵堂 1210 ― 百七町石 1217 ― 百二町石 1223 ― 九十六町石 1231 ― 八十六町石 1245 ― 笠木峠 1246 ― 七十六町石 1301 ― 六十八町石 1311 ―六十三町石 1316 ― 矢立(六十町石)1322/トイレと休憩/1332 ― 押上石 1344 ― 四十七町石 1357 ― 国道480号横断 1408 ― 三十七町石 1416 ― 三十町石 1427 ― 鏡石 1432 ― 廿四町石 1439 ― 二十町石 1446 ― 十三町石 1457 ― 雨具準備 1459/1500 ― 大門 1517 ― 六町石 1521 ― 四町石 1524 ― 金堂、根本大塔 1529/1546 ―一町石 1548 ― 金剛峯寺 1557/1601 ― 千手院橋BS 1610
(千手院橋 / 高野山、1613/ 1628、南海りんかんバス)
(高野山 / 極楽橋、1633/ 1639、高野山ケーブル)
(極楽橋 / 九度山、1643/1713、南海電車)
九度山駅 1713 ― 九度山駐車場 1721
● 行動時間 6:45+0:08=6:53
天候 | 曇り、晴れ、小雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
(和歌山市内=九度山町駐車場) 九度山町P―慈尊院―二つ鳥居―矢立―大門―金剛峯寺―千手院橋BS (千手院橋=高野山駅=極楽橋駅=九度山駅=和歌山市内) ●登山口へのアクセス ○慈尊院 ・南海電車の九度山駅あるいは、JR和歌山線の高野口駅から徒歩で行く。どちらも徒歩30分以上 ・九度山駅から慈尊院の間には、無料の町立駐車場が複数あるので、いずれかを利用することができる。今回利用した駅に近いほうの駐車場は、18時に門が閉じられるので注意を要する ○千手院橋、大門など山上にあるバス停 ・ケーブルカー高野山駅から大門向けあるいは奥の院向けにバス便がある。南海電車、ケーブルカーと乗り継いできたら、これらのバスで山上部に向かうことができる ・運転間隔は不定。現状では、各方面に、一時間に1〜2本あるようだ (いずれの記述も2021.8現在) |
コース状況/ 危険箇所等 |
○慈尊院〜古峠〜矢立 ・慈尊院から丹生官省符神社への石段を登ると、その途中に百八十町石がある。そこから町石を頼りに山道を進むとになる。町石は、平均的には100m程度ごとに建っているようで、たいていは1、2分も歩くと次が現れる ・道は、柿園の辺り以外は、あまり急坂になることもない。柿園の先までと弘法大師像から笠取峠までは、軽自動車ならば走れてしまいそうな道が続いている。そこからは山道のようになるが、相変わらずに急坂はあまりない ・最後矢立には、下り道で到着する ○矢立〜鏡石〜大門 ・矢立から四十町石にかけては「五十町坂」と呼ばれており、本コースの中で随一の坂道。一定の斜度で継続的に登る ・十町石くらいから大門にかけては、急斜面をへつり登る。登り切ると、いきなり大門の前に飛び出すことになる |
その他周辺情報 | ●買う、食べる ・山頂部には、みやげもの、喫茶、甘味処、食事処などがあるようだが、時間の関係なのか、あまり人影はなかった ・九度山町の歩行区間にはコンビニはなさそうだが、道の駅があるので、開いている時間であれば、食べることもできそうだ ●日帰り温泉 ・橋本市内には「紀望の里」、かつらぎ町には「八風の湯」など、付近にはいくつかあるようだ (2021.8現在) |
写真
感想
高野山にお参りに。和歌山にいながら、世界に冠たる密教文化遺産を知らないままではいかんだろう。
どうせ向かうならば、山登りとして行きたい。調べると、さすがは世界遺産、高野参詣道は複数ある。中でも、町石道(ちょういしみち)は慈尊院から大門に至る道のすべてが世界遺産に登録されている。“高野山入門”として、まずは町石道を歩くこととした。
慈尊院の手前、丹生橋近くの駐車場に停めて歩き始める。
この駐車場は“18時には閉まる”とある。雨模様を見定めている間に出発は9時をはるかに回ってしまった。駐車場までの一周時間を概算すると、もう出発限度でもあり、やや湿り気のある空気の中を出発した。
参詣道とは思わないほどの古い町中の小径の先に慈尊院。まずは本堂で参詣前の無事祈願。石段を踏みしめながら登り、踊り場にある「百八十町石」へ。距離程と石の数からすると、概ね100mごとにあることになる。100mとはずいぶん短い。山でよく見る“合目”とかと比較しても極端に短い。ほかの山はローカル線で、ここは山手線だぞ、と主張しているようだ。さすがは歴史の道だ。
軽自動車も走りそうな道を進む。1、2分に一つは町石が出てくる。立派に整備された農道を横断し、さらに登る。柿園の中を進むうちに展望台へ。橋本市内方向を見渡し、眼下に蛇行する紀ノ川を見る。北面の展望はこれが見納めとなる。
そこからさらに柿の木の中を登り、いよいよ山中へ。
榧蒔石に立ち寄り、雨引山にも立ち寄ってみた。雨引山山頂は少々荒れていた。
弘法大師の座像があるところに丸太ベンチもあり、休憩所となっている。“接待所”とあるくらいでかつてもここが休憩所であったようだ。
笠取峠、六本杉峠と、あまり峠らしくない風情を過ぎる。いずれも参詣の道との離合点という意味での峠のようだ。六本杉峠からは左手に鋭角に方向を変えて進む。全コース通じて、一番急角度の転換のようにも思う。
しばらく登ると小都知の峯への分岐となる百三十三町石。町石が小都知の峯側に付いているのだが、町石は巻き道側とのことなのでそちらへ。すぐに次の百三十四町石が現れ、心配無用とわかる。
古峠も過ぎ二ツ鳥居へ。ちょうどあずまやもあるので、ここで休憩することにした。あずまやからは西の集落や山が見えるが、それよりも目先にある鳥居が気になる。二つの鳥居が横に並んでいる。ちょうど漢字の卌(よんじゅう)のような格好に見える。並ぶ鳥居というのも妙だし、この町石道に対して脇に並んでいるのも妙だ。
現地の立て札によると、この地の鳥居は弘仁10年に弘法大師により建立されたと紀伊国風土記にある由緒あるもののようだ。ここに合流する八丁坂から見た場合の鳥居ということであろうか。
その先、人の声がするのでふと見ると、右手にゴルフ場が見える。町石道のすぐそばまでコースのようで、木々に遮られてはいるものの、明らかに別の世界がそこにある。さらにはコースの一部が隣接しているところも現れる。経緯はあるのであろうが、ちょっと残念な気がする。神田地蔵堂付近ではイノシシよけの電気柵が並行している。
笠木峠へと方向を変え、再び静寂の道に戻る。その先、矢立に向けては、ほとんど起伏もない歩きやすい道。町石が飛ぶように過ぎていき、六十町石のある矢立峠に到着した。
矢立峠には茶屋があり、休憩もしやすい雰囲気だ。ここは国道どうしの分岐にもなっているところで、自動車の行き交いが目立つ。
十分に休憩した後、コース残り1/3へ。ここからは、いきなり急坂が始まる。弘法大師が一休みした“鞍懸石”とか歴史的な謂れを伴うものが路傍を賑わす。一気に標高差200mほどを登って国道を横断する。ここにはトイレも設置されている。さらに登って鏡石。確かにテカリのある石が目に付く。
ややあって、十三町石あたりで空気が重くなり小粒の雨が落ちてきた。しばらく進むが、やはり鉄則通りは重要なので、雨具装備を調える。ただし、ほとんど山道状でもないので傘を使うことにする。
最後の十町石を越えてからは、大門に向けて急な斜面にジグザグを切って登っていく。ここに来ての急坂はキツい。何事につけ“九合目から先がもっとも辛い”と人に言っているのだが、ほとんどその通りだ。
やっとの思いで登り切ると、そこには大門。ここまでの険路を思うと不似合いなほどに大きい。十八世紀の慶派の手による阿形吽形二体の仁王像を鑑賞し、壇上伽藍の境内へと進む。大門のそばにすでに六町石がある。寺院内というべきなのか門前町というべきかはよくわからないのだが、バス道を進むと、しばらくで四町石が現れる。
ややあって金堂へ。高野山の本堂だ。本堂と根本大塔にお参り。いろいろと祈願した。寺務所で一町石を伺うと、金堂より手前にあったようだ。見逃していたとは、残念。後付けながら、戻って一町石を確認した。
最後の雨は残念だったが、山中においては天候にも恵まれた。そんなこともあって、法力を得たような気になって帰路についた。
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