【東北ワンダー2】朝日連峰(日暮沢から主脈縦走)


- GPS
- 54:45
- 距離
- 49.3km
- 登り
- 3,263m
- 下り
- 3,248m
コースタイム
根子(500m) 7:30 10℃
日暮沢小屋(620m) 9:20-30
水場(1145m) 11:25-30
清太岩山(1465m) 12:40-55
ユーフン山(1565m) 13:30-40
竜門三叉路(1675m) 14:25
竜門小屋(1575m) 14:40 16℃
Total 21,800歩
累計標高差 上り1330m 下り255m
【2日目(9/30)】竜門小屋〜以東岳往復
竜門小屋(1575m) 5:15 13℃
寒江山(1695m) 6:20
狐穴小屋(1500m) 7:05-10
中先峰(1523m) 7:50
以東岳(1771m) 9:10-45 16℃
※この間に以東小屋往復
中先峰(1523m) 10:50
狐穴小屋(1500m) 11:30-40
寒江山(1695m) 12:40-50
竜門小屋(1575m) 13:45 15℃
Total 31,800歩
累計標高差 上り1495m 下り1495m
【3日目(10/1)】竜門小屋〜大朝日岳〜根子
竜門小屋(1575m) 5:10 10℃
竜門山(1688m) 5:25
西朝日岳(1814m) 6:15-20
大朝日小屋(1830m) 7:30-40
大朝日岳(1871m) 7:50-8:00 16℃
大朝日小屋(1830m) 8:05-20
小朝日岳分岐(1505m) 9:20
分岐合流(1560m) 9:40
ハナヌキ峰分岐(1150m) 10:45-55
日暮沢小屋(620m) 12:25
根子(500m) 14:15
Total 38,300歩
累計標高差 上り815m 下り1890m
【総計】
Total 91,900歩
累計標高差 上り3640m 下り3640m
天候 | 1日目(9/29)晴れ 2日目(9/30)am晴れ→pmガス 3日目(10/1)晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
事前の現地情報確認不足のため慌てた。 以下は、今回の山行で確認したわたしの体験情報にすぎない。状況は時々刻々変わると思われるので、同様のルートを取る場合は地元に確認し(西川山岳会HPなど)、自己責任のもと慎重に安全を確保願います。 日暮沢を起点としたルート(清太岩山コース、ハナヌキ峰コース)は基本的に「通行止め」扱いです。 ◇根子〜日暮沢林道の通行止め 本年7月の豪雨被害により林道は寸断されている。根子からすぐの地点で道路が崩壊してなくなっている。ここは徒歩でも横断は危険なため、高巻きの道(幅員2mほど)がつけられている。但し地元のひとしか使用しないため高巻き道の分岐部分には、それを示す表示はない。根子から日暮沢に入る場合はこの高巻き道を利用すること。 林道はこの崩壊箇所以外も数カ所土石流等で寸断されたり、路面が抉られたりしている。徒歩では問題なく横断可能。 この林道が自動車で走行できるまでにはまだ時間がかかりそうだ。 ◇ハナヌキ峰からの下山路 古寺鉱泉分岐から根子川までの下りは特に問題なし。 根子川に沿った水平道になってから1ヶ所沢ごと大きく抉り崩壊しているところがある。沢に昇降する部分に補助ロープがぶら下がっており、これを利用すればなんとか上り下りできる。その他2ヶ所ほど土石流で荒れているところがあるが、徒歩で歩く分には問題なし。 |
写真
感想
◇はじめに
わたしの東北の山旅第二弾はかねてより憧れの朝日連峰の縦走。
かつてマイカーなど持っていなかった頃、アプローチが大変そうで近寄りがたかった。一方マイカーでアプローチするとなると、縦走することがなかなか難しい。パズルを解くようにどんなプランを立ててみても納得いかない中で、日暮沢を起点に歩くのが大朝日岳と以東岳を一気呵成に歩くのにベストのように思われた。
◇第1日目
そのベストプランがとんでもない間違いだった。
早朝勇んで高速道を月山ICで下り、大江西川線を一路南進、根子の村落で日暮沢への林道に入ろうとしたところで、なんと、道路に「通行止め」の表示。ちょうど畑に出ていたご老人に聞くと、「7月の豪雨で道が崩れてしまったよ」
どうする?ここで中止はない。近くの登山起点の古寺鉱泉に転進するしかないか。そう結論し、クルマを発進した。しかし走りながら、林道はクルマで走れなくても徒歩なら大丈夫では、2時間も歩けば起点の日暮沢に着ける。プランを大きく変更する必要もない。古寺鉱泉に行きかけて、再び根子に戻った。
根子から日暮沢の林道の豪雨被害は想像以上だった。
歩き始めてすぐに、道路がものの見事に大崩壊して無くなっている。崩れた斜面にわずかに出ている岩に足をかけ、泥からむき出しになった木の根にぶら下がって、ようやく崩壊地の底におり、あとは土石流のデブリをよじ登って、なんとか通過した。あとで竜門小屋の小屋主さんに聞くと、巻き道がちゃんと山側につけられているとのこと。とんだくたびれ儲けだった。
それ以降、日暮沢までの林道はさしたる問題はなかったが、何カ所も土石流のデブリなどで道路は傷ついていた。簡単に修復できそうにない損傷と見えた。
日暮沢から急坂を登っていると、先行されているご夫婦に追いつく。そのおふたりも崩壊地点をおっかなびっくり通過したとのこと(ご夫婦については後述)
もともと通行止めのコースであり、竜門小屋での同宿者を除けば、お会いしたのはこのおふたりだけだった。
1350m付近までは展望のないひたすら忍耐の登り。清太岩山(せいたいわやま)に近づくと灌木帯となり、主稜線は大きな屏風のように眼前に展開する。圧倒的な迫力だ。竜門岳の肩には竜門小屋が見える。遠い。
竜門小屋では水道設備の補修のため、工事資材をこの日ヘリで荷揚げ。静寂の朝日岳にしては賑やかな一日だった(この日、大朝日小屋と狐穴小屋にも工事資材を荷揚げしていたとのこと、ヘリが終日大活躍)
無人の避難小屋だと思っていたが、しっかりとした小屋主もいて安心。
小屋の施設も想像を越える素晴らしさ。特にトイレが国内でも最高レベルだろう。完全リサイクルの水洗式バイオトイレ。排水を一切出さないシステムだと。臭気もまったくない。むしろ、こちらの身体の方が臭いくらいだろう。
この日の同宿者は先のご夫婦以外に別のご夫婦とソロの男性1人、だから全部でこの日の宿泊者は6人だった。
夜各自の食事が終わってから、小屋主の遠藤さんからつい先日でかけたK2遠征のお話を写真を見ながら、聞かせて頂いた。また朝日連峰の自然の話も興味深かった。
◇第2日目
以東岳を往復し、朝日連峰を文字通り堪能した一日だった。
遠藤さん曰く「ここ朝日は、人工物といえば、小屋と道くらいのもので、道標も最小限にしている。自然そのものの山域なんだ」と。
体力と経験のある本当の山好きしか来ないから、自ずとひと気が少ない。
太古からの重厚な自然が、深い静寂のなかに果てしなく広がっている。山稜の一角を歩きながら、浮き立つような気分にはならず、何か畏怖のようなものを感じてしまう。今回はじめてクマ鈴をつけて歩いた。いつなんどきクマやカモシカが目の前に現れてもおかしくない、そんな息づかいを感じる山域だった。
以東岳の山頂から眺める大鳥池は静かで神秘的。あのたたずまいを目にした人は誰しもその畔に立ってみたいと思うだろう。山頂からは佐渡の金北山の山影もかすかに望見できた、ラッキー〜
狐穴小屋ではヘリで入山した職人さんらが小屋の補修工事をこの日からはじめていた。山形県の施策には敬服します。
◇第3日目
主峰の大朝日岳を登り、ハナヌキ峰経由で下山。
朝方こそ曇っていたが、すぐに晴天を回復し、大朝日岳の山頂に立ったときは、まさしく360度のパノラマが展開。東北の山旅のクライマックスを早くも迎えてしまったような気分だった。
大朝日小屋の小屋主さんにハナヌキ峰下山路の様子を確認。別に徒歩で下る分には問題ないとのことで、ひと安心。
小朝日岳はあまりに急峻に見えたので、安直な巻き道を利用。とにかく早く日暮沢小屋までたどり着いて、ほっとしたかった。ハナヌキ峰から根子川まで700mほどを約1時間でたちまち下った。渓谷の道は懸念した通り、1ヶ所崩壊したところがあったが、補助ロープが設置されていたので、それほどの労もなく通過。
日暮沢以降は、消化試合のように淡々と林道を歩いた。最後の崩壊地点は巻き道を利用して簡単にかわすことができた。根子の神社境内には、愛車が黙って主人を待っていてくれた。ありがとう。
◇補足
1日目登りのときにお会いしたご夫婦、今回ご縁があったのか1日目、2日目とも同じコースとなり、竜門小屋では隣り合って寝起きし、親しくさせていただいた。3日目はわたしが大朝日岳を周回したのに対して、ご夫婦は1日目と同じコースを戻られた。
それでさよならと思ったが、帰路大井沢で偶然出会い、民宿のきのこ蕎麦をご一緒させて頂いた。お邪魔虫、大変ありがとうございました。民宿の親父さんのきのこ談義もなかなか面白かった(例:やまに入って舞茸を見つけると大きくなるまで何日も傍らで露営するとか)
※ご夫婦はいわき市で「シェ・栗崎」フレンチレストランを経営されている。
HPやブログ(山の話など)も内容豊富なようです。
このヤマレコをご覧頂いた方は下記のURLも訪問くだされば…
http://www.chez-kuri.com/
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