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Yamareco

記録ID: 3532146
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
鳥海山

鳥海山 〜きっと秀峰なのだ、それどころではなかったが〜

2021年09月19日(日) [日帰り]
 - 拍手
体力度
4
1泊以上が適当
GPS
09:22
距離
16.2km
登り
1,379m
下り
1,376m
歩くペース
標準
0.91.0
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
8:16
休憩
0:59
合計
9:15
7:04
6
7:10
7:10
47
7:57
7:59
28
8:27
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16
8:43
8:44
8
8:52
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19
9:11
9:11
10
9:21
9:29
87
10:56
11:05
31
11:36
11:45
18
12:03
12:19
54
13:13
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8
13:21
13:27
19
13:46
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20
14:06
14:10
12
14:22
14:24
13
14:37
14:37
11
14:48
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12
15:00
15:02
25
15:27
15:27
52
16:19
鉾立
天候 快晴
過去天気図(気象庁) 2021年09月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス タクシー
9/18 新宿駅西口21:10発(エクスプレス鳥海号、8800円)
9/19 象潟駅着5:30(鳥海ブルーライナー、3000円)鉾立口着7:00
鉾立口発17:40(定刻は16:40、鳥海登山エクスプレス、2800円)遊佐駅着18:10、発18:24(JR、680円)鶴岡駅着19:39
バス、乗合タクシーはすべて予約制。
コース状況/
危険箇所等
往路は外輪山を行くべし。眺望良く、アップダウンも少ない。
御室から山頂へは東側ルートを行くべし。上り下りの人が圧倒的に少ない。
登りは湯の台口コースがお勧め。公共交通機関利用だと滝ノ小屋に前泊する必要あるが、車でアクセス、往復であればこちら。急登あるが、この季節は雪渓少なく、象潟口(鉾立口)のだらだら坂を通らずに済む、と乗合タクシーの同乗者が言っていた。
その他周辺情報 鉾立の売店(稲倉山荘)は17時閉店。
象潟駅に到着したエクスプレス鳥海号。夜行バス8時間の移動は快適だった。
7
象潟駅に到着したエクスプレス鳥海号。夜行バス8時間の移動は快適だった。
象潟、いいなあ。
4
象潟、いいなあ。
鳥海ブルーライナーは定刻どおり6:20発。
4
鳥海ブルーライナーは定刻どおり6:20発。
7時、鉾立発。
振り返れば日本海。雲が山並みのよう。
6
振り返れば日本海。雲が山並みのよう。
期待どおりの快晴。
6
期待どおりの快晴。
笹原が朝陽に輝く。
7
笹原が朝陽に輝く。
賽の河原を過ぎ、御浜小屋を目指す。
5
賽の河原を過ぎ、御浜小屋を目指す。
見飽きない。
御浜小屋から鳥海湖を見下ろす。
8
御浜小屋から鳥海湖を見下ろす。
溶岩ドームが見え始めた。
5
溶岩ドームが見え始めた。
鳥海湖の向こうに庄内平野と月山。
8
鳥海湖の向こうに庄内平野と月山。
御田ヶ原から山頂部を望む。
8
御田ヶ原から山頂部を望む。
この下降、下山時の登り返しが脳裏を過る。
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この下降、下山時の登り返しが脳裏を過る。
七五三掛から扇子森を振り返る。
5
七五三掛から扇子森を振り返る。
外輪山コースを分ける。右に進むべきだった。
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外輪山コースを分ける。右に進むべきだった。
千蛇谷を下降し、火口原へ。そして御室への登り。厳しい。
5
千蛇谷を下降し、火口原へ。そして御室への登り。厳しい。
11時、御室に到着。ザックをデポしてすぐに登りにかかる。
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11時、御室に到着。ザックをデポしてすぐに登りにかかる。
山頂部へ登る人が列を成す。ここでも選択を誤った。東側へ回り込むべきだった。
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山頂部へ登る人が列を成す。ここでも選択を誤った。東側へ回り込むべきだった。
外輪山上の人を望む。渋滞を嫌い、ルートを離れて登る。
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外輪山上の人を望む。渋滞を嫌い、ルートを離れて登る。
山頂手前で順番待ち。外輪山を見て落ち着かせる。
6
山頂手前で順番待ち。外輪山を見て落ち着かせる。
6、7人しか立てない岩頭部。辛うじて写真に収める。
12
6、7人しか立てない岩頭部。辛うじて写真に収める。
山頂往復に1時間を要した。予定外に体力を消耗してしまった。
5
山頂往復に1時間を要した。予定外に体力を消耗してしまった。
外輪山を見上げる。乗合タクシーの時間まで4時間15分。この疲労状態で間に合うだろうか。
5
外輪山を見上げる。乗合タクシーの時間まで4時間15分。この疲労状態で間に合うだろうか。
12:50乗った。
御室と新山を望む。
5
御室と新山を望む。
火口原を見下ろしながら進む。
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火口原を見下ろしながら進む。
文殊岳を通過。気が急く。
5
文殊岳を通過。気が急く。
山頂部を振り返る。良い山だったけど。
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山頂部を振り返る。良い山だったけど。
まだ鳥海湖。この後の1時間20分、一心不乱に歩いた。
9
まだ鳥海湖。この後の1時間20分、一心不乱に歩いた。
未だ陽は高い。日本海に沈む夕陽を見てみたい。
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未だ陽は高い。日本海に沈む夕陽を見てみたい。
象潟行きバスの発車時刻に戻って来た。長かった。乗合タクシーが来るまであと20分のはずだったのに、何故か鉾立から夕陽を見ることになってしまった。
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象潟行きバスの発車時刻に戻って来た。長かった。乗合タクシーが来るまであと20分のはずだったのに、何故か鉾立から夕陽を見ることになってしまった。

感想

 もう二度とここへは来ない!なんて思った。鉾立まで延々と続く石段を下りながらそう思った。乗合タクシーの発車時間が迫る。筋肉痛と珍しくできたマメのせいで一歩一歩が厳しい。疲労極まって全く山歩きを楽しめない。極上の天候のもと、自分は何をしているのだろう、、、
 けれどもそれから五日、いつの間にか「傷み」は癒え、またいつか、あの頂に立つことを望んでいる。硬派、かつストイックな登山を欲している。

 東北の山に行こうと思ったのは、2ヶ月前、立山から帰宅の途上だった。混雑を避けて紅葉期の少し前に、マイペースで歩こう。公共交通機関を徹底的に調べ、迷うほど多くのコースを思い描いた。月山と鳥海山と酒田市内観光、いずれの組み合わせにするか迷っていた。
 出発数日前、「鳥海ブルーライナー」の運行を再開するとの連絡を受け、俄然鳥海山に登りたくなった。前日、夜行バスの行き先を山形から象潟に変更し、初日にコースタイム9時間の山歩きを敢行することにした。当初は鉾立から入り、滝ノ小屋へ抜けるプランを立てていたが、鉾立往復の方が確かとのアドバイスを受け、鉾立往復に切り替えた。

 快適な8時間のバス旅を経て、象潟で登山バスに乗り換える。40分後、鉾立に到着、駐車場の満車状態に驚く。ただでさえ今日は時間との闘い、渋滞による乗り遅れが脳裏を過った。
 緩やかな石段を登り始める。少し速めのペースで先ずは鳥海湖を目指した。御浜小屋を通過すると共に石畳と別れ、裸地の上を歩く。眼前には山頂部、思っていたほど遠くではない。期待以上に快調だった。
 扇子森を越えてから七五三掛へ登り返すとすぐに運命の分岐点に着く。外輪山を縦走するか、火口原の千蛇谷へ下りて行くか、息を整え悩んだ結果、後者を選んだ。誤りだった。
 当然のように急降下してゆく。火成岩のゴーロを慎重に下りる。息つく間もなく、新山への登りが始まった。250メートルほどの登りだが、炎天下、厳しい。右手のはるか上には、外輪山を行く人々が見える。ますます厳しい。
 何度も立ち止まった末に、ようやく御室へ到着した。目を疑うほど多くの人が休んでいた。計画よりも45分程度早い到達であったが、休む間もなく新山へ向かった。予想どおりの渋滞に気が急く。正規のルートを横目に見て強引に岩場を登る。知らず知らずのうちに体力を失っていった。

 その、溶岩ドームの頭手前には、多くの人が順番待ちをしていた。動かない。何とか標識を写真に収め、すぐに下山を開始した。下山ルートには人が疎らだった。皆、登りルートを下っているのだ。然もあらん。
 胎内くぐりを抜ける頃、急に疲労を感じ始めた。太ももの筋肉痛も生じている。夢中で御室を目指した。待たせていたザックに辿り着き、パンと水を流し込む。往復に1時間を要した。外輪山の稜線を見上げる。動けなかった。
 12時20分、意を決して立ち上がる。よたよたと歩き始めた。追い越す人が不安になるほど、倒れそうな姿だったに違いない。情けないが、いい気になって岩頭部へ駆け上がった報いである。先日、初心に帰ると誓ったが、いけない方の初心者に戻っている。
 何はともあれ、30分かけて外輪山稜線に立った。アップダウンの少ない道であることを強く望みながら、西を目指す。眼下には、火口原が広がり、振り返るとファンタジアの「禿山の一夜」のごとき岩山が聳えている、ように見えた。左手の雄大な山並みを望む余裕無く、山座同定などできるはずもなくひたすら歩を進めた。
 行者岳、伏拝岳、文殊岳という名の付いたピークを越えて、徐々に高度を下げて行く。やはり登りはこちらのコースを選ぶべきだった。この次来るときは左回りで、いやこの次は無いな、ぶつぶつ呟きながらがむしゃらに歩む。

 分岐、七五三掛を過ぎ、御田ヶ原への軽い登り返しが、限られた時間に重くのしかかる。ほどなく御浜小屋。鳥海湖は、午前のその時よりも青さを増している。写真に収めるだけの時間さえ惜しんで出発点を目指した。
 御室を発してから3時間、ようやく賽の河原を通過、まだ1時間以上の行程が残っている。膝が笑い出し、泣き顔になる時間がやってきた。足にマメまで出来ている。往路に予想していたとおり、石畳、石段歩きが煩わしい。
 長い!残り1キロメートル標識からがとてつもなく長い。戻って標識を書き換えようと思えるほどの距離なのである。祈りながら進み、象潟行きバスの発車時刻ちょうどに帰着した。乗合タクシーの出発まで20分、コカ・コーラを飲む時間は有った。
 ところが、出発時刻になっても乗り場に車が現れない。恐る恐る電話をかけると、車両トラブルで代わりの車を手配している、あと1時間程度かかる、とのたまう。何故かけて来ないのか、怒る気力は残っていなかったので、仕方ありませんね、優しいお客様のふりをした。閉店間際の売店でアイスクリームを購入し、ぼんやりと空を眺めることにした。
 日本海に夕陽が沈みそうになる頃、ようやく車が現れた。今にも止まってしまうのではないかと思えるほど年季の入った車両であったが、同乗者の顔にも安堵の表情が見て取れる。運転手に「18時24分の列車に乗りたい」と告げたのち、視線が夕焼け空に釘付けになった。期せずして美しい眺望に出会えた。明日の月山はまたでいいかな。そう思える充足感に包まれ始めていた。(つづく)

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