月山 〜天橋も長くもがも高山も高くもがも月夜見の〜
- GPS
- 04:52
- 距離
- 10.7km
- 登り
- 625m
- 下り
- 845m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
姥沢発14:20(西川町営バス、500円)西川IC着15:10、西川バスストップ発15:35(庄内交通、1210円)山形駅前着16:25、発17:05(山形新幹線) 月山八合目行きバス https://www.shonaikotsu.jp/tourism/harugo.html 西川町営バスhttps://www.town.nishikawa.yamagata.jp/chomin/11/chomin11020001.html 高速バス山形線http://www.shonaikotsu.jp/highway/yamagata_0701.html#timetable 月山ビジターセンターhttps://gassan.jp/ |
その他周辺情報 | 前泊 ホテルアルファ―ワン鶴岡、快適なビジネスホテルだった。禁煙シングル3870円 姥沢バス停付近に自販機無し。途中の姥沢リゾート前の自販機で購入すべし。 |
写真
感想
(前日からつづく)
期せずして、鉾立で日本海に沈む夕陽を眺め、少しは疲れが癒えた気がした。遊佐駅から酒田駅経由で鶴岡駅へ。しばし暗闇を疾走するローカル線の乗客となる。月山に向かうか、酒田市内で二つの美術館を回るか、その哀愁に満ちた車内でぼんやりと考えていた。
4時過ぎに目覚める。未だ前日の筋肉痛から解放されていない。窓から鳥海山のシルエットを眺めているうちに少なくとも気力は甦ってきた。荷をまとめ、バスターミナルへ。6時発の月山八合目行きバスは鶴岡駅で満席となった。羽黒山山頂で2名を降ろし、終点には定刻どおり8時前に到着した。
駐車場はほぼ満車、前日の鉾立を見て来ただけに驚きは無い。雲一つ無い空と鳥海山に迎えられた。すぐに登山口を発つ。姥沢まで6時間弱の行程、昨日よりは気が楽だ。
弥陀ヶ原を左手に見ながらほぼ平坦な道を進む。時折振り返り、平野部の雲海と日本海を望む。木道の上、心地よい歩行が続いた。やはり来て良かったではないか、陽の光に照らされる草原を見つめ、このまま静かな時間の続くことを祈った。
仏生池小屋を30分程度早い時間に通過する。前日の乗合タクシーの同乗者と出会った。私の「結局来てしまいました」に対し「そう思っていました」、軽く挨拶をし、先行していただいた。時折、微風が火照った額を撫でる。穏やかさを感じていた。
気づくと単独行の女性が多い。皆、歩みは速く、そして花の前で立ち止まる。山名だけでなく、多くの花々も惹きつける理由なのだろう。何もわからない私は、美しい草紅葉と高い秋空ばかり眺めている。
やがて人々の声が多く重なる頃、山頂直下に着いた。一等三角点の有るその場所から庄内平野越しの日本海、そして鳥海山を収め、すぐに神社へ向かう。祀られるツクヨミは夜を統べる神、心なしか本宮内は周囲の喧騒から解放されているような気がした。
小屋から少し南に移った場所で大石に腰を下ろす。標高差600メートル弱の登り、昨日の疲労も消えている。火を熾してコーヒーを味わいたかったが、結局、パン一つ分の時間でその賑わいから離れた。
牛首の分岐までは、ガラ場の急降下が続く。「もうこのあたりで下りるべきよ」「この急な登り、ちょっとおかしくない?」普段はあまり耳にしない言葉が聞こえてくる。多くの登山者と行き交いながら、慎重に下りた。
進行方向には東北の穏やかな山々が在る。今日は好天と眺望に感謝するゆとりが有った。湯殿山への道を分け、姥沢を目指す。気持の良い木道を進みながら、予想どおり歩き続けたい気持ちが満ちてきた。牛首下でリフトへの道を見送り、1時間半の下山路へ進む。
木道と別れ、木々に囲まれ始めるとほどなくリフトの音が聞こえてきた。舗装路を足早に下る。すっかり日灼けした顔を洗いたかった。
13時、姥沢のバス停に到着した。少し早すぎた。1時間20分の待ち合わせ時間の過ごし方について十分悩んだ末、付近の「草付き」に身を横たえた。烈しさと優しさに満ちた二日間だった。この上ない好天のもと、登山の醍醐味を享受できた。諸事情にてしばらく山を訪れることができない。この余韻が長く続くことを心から願った。
天橋も 長くもがも 高山も高くもがも 月夜見(つくよみ)の 持てる越水(をちみず) い取り来て 公(きみ)に奉りて をち得てしかも
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