両神山(日向大谷口〜剣ヶ峰参拝、ピストン)、下山、道迷い・滑落要注意
- GPS
- 10:00
- 距離
- 11.7km
- 登り
- 1,478m
- 下り
- 1,472m
コースタイム
- 山行
- 6:57
- 休憩
- 2:53
- 合計
- 9:50
天候 | 青天、壮快微風 |
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過去天気図(気象庁) | 2021年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
●登山口から頂上までの標高差が約1000メートル。全行程10キロ以上、要注意。 ●会所から薄川の沢を右に左に数回上り下りするが、薄川を横断するところは、一か所木の橋があるところ以外は数メートル、石づたいに渡ることになり、足が水没するリスグあり。水量が多いと渡れないのでは? 水量が多い時は登山を中止すべきと思う。無理して渡ったとしても下山で困難するだろう。水量が増しているかもしれないから。 ●登山口から八海山まではずっと沢沿い、右か左か道幅は細く絶えず沢に滑落のリスクがあり、気が抜けない。特に筋肉が疲労した下山時に、滑落リスクが高い。事実、下山で滑落事故が発生していると聞く。 ●両神八海山から弘法の井戸の区間、道が分かりづらく、慎重にピンクリボンを探す必要あり。私はこの区間で、上りで一度、下りでは数度、10メートルくらいずれただけだが、一度登山道から外れると、急斜面はこまかなガレで、上りも下りも難渋するアリ地獄となる。 ●清滝小屋からは、道は明確だが急斜面の連続。岩場の鎖場が数か所。頂上は狭く荒々しく、切り立った岩登り。 |
写真
装備
個人装備 |
Tシャツ
ソフトシェル
ズボン
靴下
グローブ
雨具
日よけ帽子
靴
ザック
昼ご飯
飲料
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
保険証
携帯
タオル
ストック
カメラ
固形燃料
簡易コンロ
ライター
|
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感想
●私の体力と経験に不相応な険しい山
埼玉県の百名山、両神山は、日向大谷口からちょうど標高差が1100メートルほどあります。ほぼ5000メートル横移動して1100メートル登りますので、急登を覚悟しました。ガイドブックには「上級」とあり、私の体力と技量で「ちょっときつい山だな」と心配しました。
★駐車場標高620m/頂上標高1723m/距離5760m
勾配19.1%/傾斜10.8度
★会所697m/両神山神社標高1627m/距離3120m
勾配29.8%/傾斜16.6度
●山のリスク回避――ココヘリ+山岳保険
なぜか、YouTubeやウェブで、山の遭難事故が目立つようになり、両神山で、何年かまえ七滝沢ルートの途中で滑落し骨折をしながらも、14日後に発見され助かった人がいたという話から、両神山は、滑落事故が多い山だという情報がじわじわと伝わってきて、ビビる気持が出てきました。心配になったので、万一の滑落事故で早く助けてもらえるよう、保険を見直しました。調べと「ココヘリ」は発見に特化したシステムで、発信機を持って登山すれば、万一の時にそこをヘリからビーコンによってピンポイントで場所を特定してくれるという仕組みが、安心材料になります。また、家族にも安心をしてもらえるので、ココヘリの端末を入手しました。それで、多少リスクがある山にも、行けるような気になりました。
●行きはよいよい、帰りは魔の道――八海山のポイント
私は道迷いの常習者です。山道の状況把握能力が劣っています。右目がよく見えないことが原因の一つ、もう一つはメガネをかけていて、登りも下りも汗だくでレンズが曇っていて見えにくいという二重の権威があり、ひょっとしたら、経験不足による判断力が未熟、つまり頭が悪いというのが原因と自分で考えています。今回、登りはほぼほぼスイスイと行けました。薄川の沢沿いの道は、事前チェックで気にしていませんでしたが、行ってみたら、徒渉するリスクがあるか所がたくさんありました。薄川の自然石を選んで渡り、対岸の沢の脇を登って下ってまた薄川を対岸に渡り、沢の脇を登って下る……の繰返しが数回……。渡る側のピンクリボンと、対岸のピンクリボンを目印に渡りますが、水流はかなりあります。帰りが心配になりました。
次の難関は、八海山のポイントから沢を離れ、清滝小屋まで登りますが、すぐに道迷いをしました。岩の前のピンクリボンがあったので、右と判断して登ると、道らしきがなく、細かい岩のガレ場で、別の登山者の方が、間違いを教えてくれました。ありがとうございます。が、戻ろうと下りようとすると、ずるずると足元がすべりました。
分かったことは、このあたりの山肌は、踏み固まったいるのは登山道だけで、少しでもはずれると、道に戻るのに難儀をする危険な山だということです。
この八海山から少し上のか所は、私は下山で数度、小さな道迷いを繰り返しました。15時付近になると、晴れでも日差しが陰り、ピンクリボンが発見しずらくなっていました。しかし、なんとなく道と見えるようなところがあり、少し行ってみると、ずるずるの山斜面にはまり、元に戻るのがたいへんでした。また、別な登山者の方から教えてもらったこともありました。ありがとうございます。
下山では、登りで体力、脚力を使い果たしていると、脚に力が入りません。そして何度か道迷いをすると、恐怖心が募ります。
●脚攣り予防対策――梅干し
厳しい山登りでは、これまで何度か脚が攣る経験をしました。理由を考えました。汗をかいて塩分,ミネラルを失い、水だけを飲んでいると、筋肉が攣ることが主要な原因と考えました。今回は、ポカリとともに、セブンイレブンのはちみつ梅を2時間ほど歩いて一つ、さらに2時間後に一つ、と下山時も含め3粒食べました。水はそこそこ呑みました。もう一つ、ビタミン剤のチュアブルの粒をいくつか舐めながら登りました。それが功を奏したか、攣りそうになったことはありませんでした。この攣り予防は、梅干しで上手くいったと思います。
●下山対策――ヒザサポーター装着
神社本社から清滝小屋の岩場が多い急斜面が下山で心配しました。が、意外にここは、鎖場意外はスムーズに下りられました。鎖場では、鎖に頼ったところは足場を失い、右にぐわんと振られるなど、、手だけでぶら下がるあぶないことが三度ありましたが、今後は足場の確保を十分に考えましょう。清滝小屋まで順調に下りたので、あとはヒザと太股に負担がくる下山堂が予測されたので、ズボンの上からマジックテープで装着できるヒザサポーターを左右に装着しました。はたして下りで、効果はあったのでしょうか、実感がありませんでした。ところが、この下山道、延々と薄川の沢沿いを数回左右に渡り返しして、都度、登ったり下りたを繰返します。ここでヒザサポーターの効果に気づいたのは、登りのときでした。疲れているはずなのに、脚がすいすいと前に出て、ふくらはぎの筋肉疲労がほとんどありません。その効果はすごいと思いました。これは、下り用ではなく、登りから使っておけば、少しは早く登れるかもしれません。次回、試してみましょう。
●汗の問題――背中に隙間ができる特殊構造のドイター製リュック
大汗をかくのが常の私には、背中に背負うリュックは問題です。前のリュックでは、スノコ状の樹脂を入れましたが、そんなことをする必要がない構造のリュックが、ドイター製です。その効果は抜群でした。ただし、かなり涼しくなって下が20度、頂上が12度前後とあった予報で、考えた末、アミアミのミレー下着に半袖のTシャツ1枚、さらにうすっぺらいアミアミベスト1枚と、真夏と変わらない着こなしで登ったのに、案の定、頂上に着いたら上は汗でべったり状態。頂上はほぼ昼で青天ですが、気温は高くはありません。弱く風が吹いて汗を乾かしてくれるのが、とても気持ちよく、寒さを感じることがなかったので、1時間ほど休憩しましたが、着込む必要はなく、終始そのままで下山しました。車までたどり着くと、ズボンの下まで汗まみれでした。すべて着替えないと、車に乗れません。バスで北なら、着替えは持ってこれませんから、私はビショ濡れでバスに乗車することになります。大汗をかく問題は、私には着替えしか方法がありません。
●登山初心者老人の問題――助けてくれた人達への感謝
今回の登山では、登りと下りで一度ずつ、私の道迷いを教えてくれた方がおりました。下山で数回も道迷いをして心細くなったとき、同時に下山されてこられた若者の男性二人と出会いました。沢渡りをし始めたことで、お二人が沢渡りの場を教えてくださり、見守ってくれました。そこから下山まで2時間近くかかる位置でしたが、その後数か所ある沢渡りが終わるまで、遅い歩みの私をポイント、ポイントで待っていてくださり、下山のサポートをしてくださいました。疲れ切った下山では、沢の脇の道が最も危険と思います。昨年、年配の方が、このルートで滑落死された話を聞き、私のことがとても心配になったとおっしゃってました。ありがたいことです。お二人おお蔭で、私は安心して下山できました。お二人は、バスでお帰りになりましたが、心から、感謝を申し上げます。
この山を登るには能力が欠如していた私ですが、山の神様が登山者の方を通して未熟な私を支援してくれたのだろうと、両神山の山神様に御礼申し上げます。
●スリルとリスクが背中合わせのハードコース
日向大谷口登山コースは、薄川を数度渡り返しながらアップダウンを繰り返す沢への滑落リスクがある長い道の先に、よくあるつづら折り急登で尾根に登り、急登の岩と木の根と数か所の崖の鎖場を登ったところに聳え立つ赤い鳥居の出現、そこは神社の本社、そこからやっと横歩きの尾根道、残念なのは眺望悪く、数十メートルくだったら、いよいよ最後の岩の登りの急登、そして山頂の奥社、空に突き出たまさに剣のような尖った頂上、よじ登って頂上を独り占めできる、変化とスリルに富んだロングコースでした。登りはたいへんでしたが、下りはもっともっと大変でした。しかし、何人か助けてくださった人のお蔭で、下山してみると、両神山は初心者には向きませんが、体力と技量がある経験者にとっては、たいへんにおもしろいコースだと思います。
●白井差登山口コースと八丁峠コース
登山ルートは、他に、白井差登山口からがあり、標高差は900メートルはあり、距離は短いので急登らしいですが、初級向きコースという表示もありましたが、このコースは閉鎖と書いてあるのを見ました。ところが、頂上近くの白井差登山口への分岐では、そのルートに下る人を何人か目撃しました。どういうことでしょうか? たぶんこのルートは私有地になっていて、許可制なのかもしれません。
頂上では、八丁峠と書いた表示板があり、ちょうどお二人の若い男女がヘルメットを被ってその方面に下っていくのを目撃しました。あとで調べると、【上落橋登山口→八丁峠分岐→西岳(1613m)→東岳(1660m)→ 両神山(1723)】というルートがあり、登り口の標高は1150メートルなので両神山との標高差は600メートル、距離も往復6キロ前後と短めですが、鎖場が30か所以上、アップダウンが激しく、滑落事故多発という情報があります。次のサイトに八丁峠ルートについての詳しいルポがあり、とても参考になりました(無断紹介、ご寛容ください)。
https://moripp.com/2021/07/27/ryoukamisan_hattyoutoge/
また、安全確認のため、埼玉県警察の山岳情報も参考になります。
https://www.police.pref.saitama.lg.jp/p0240/kenke/ogano-sangakujouhou.html
●追加情報――両神八海山の名称の由来は、御嶽山の八海山大神?
両神八海山は、大頭羅神王の像があるポイントのようで、いわゆる山ではありません。いったいどうしてこういう名称があるのか、ヒントは、御嶽山の五号目にある、八海山神社に由来があるようで、次のサイトが参考になりました。
http://www.ontake.jp/places/%E5%85%AB%E6%B5%B7%E5%B1%B1%E7%A5%9E%E7%A4%BE
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