下ノ廊下(黒部ダム〜欅平)


- GPS
- 13:20
- 距離
- 27.3km
- 登り
- 3,653m
- 下り
- 4,484m
コースタイム
- 山行
- 7:13
- 休憩
- 0:31
- 合計
- 7:44
- 山行
- 5:16
- 休憩
- 0:14
- 合計
- 5:30
阿曽原温泉〜欅平:約5時間30分(5時間15分)
※( )内ヤマプラ
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
|
写真
感想
友人が下ノ廊下に行きたいと言っているのを聞いて、調べてみると面白そう。しかも、この季節しか行けないという。それ以来、機会を狙っていました。土日は混むので避けたい所。今回ちょうど木金でいい天気の予報でしたので、行ってきました。
【前日】
・信濃大町駅前駐車場まで移動し、車中泊。近くにきれいなトイレあり。料金は時間制だが、最大で1,500円。後で他の登山者から聞いたが、近くに無料駐車場もあるらしい。
【1日目】黒部ダム〜阿曽原温泉
・信濃大町から扇沢へバスで移動。6:15出発。1390円。
・時刻表記載の6:55より早く、6:45頃に扇沢に到着。すでにチケット売り場には大行列ができている。並んでいるとweb予約について話している人がいたので慌てて調べてみると、予約できるのは前日の昼まで。どこに行くのか決めたのが前日の夕方だったので、どちらにしろ間に合わなかった。
・行列がすごかったので始発(7:30発)に乗れるのか心配だったが、無事チケットを購入できた。
・黒部ダムには今まで3度来ているが、下ノ廊下方面への看板を見た記憶がなかった。今まで気づかなかったが、バスから降りてすぐに看板が出ていた。一般の出口方面には向かわず、走ってきたトンネルをさらに先に進み、扉を開けると外に出れる。途中にトイレや水道もある。
・よく考えてみると、スタート地点が最標高地点というのも珍しく、新鮮な気分。
・急な下りが続く。今回トレッキングポールを持ってくるか迷ったが、ここでは大活躍。その後、ジャマになる区間もあるが、全体的にはあった方が歩きやすいので、持ってきて正解だった。
・川まで下ると、橋を渡って対岸へ。橋からは黒部ダムが見える。観光放水もやっていた。山に隠れて全部は見えない。
・しばらくは普通の道を行く。この辺り、紅葉も始まっている。日が射し始め、とてもきれい。
・まだ道は険しいわけでなく、しばらくは川の流れや滝を楽しみながら歩く。
・歩き始めてから3時間弱、ようやく核心部に入っていく。岸壁に取り付けてくれている番線に手をかけながら進む。道幅も狭く、すれ違いできる場所も限られている。川の水流は激しく、落ちたら助からないでしょう。ひたすら慎重に進む。
・トレッキングポールをしまい忘れていた。しまいたいが、いい場所がない。しばらくそのままポールを持ちながら進む。大ヘツリのハシゴ場の中段で少しスペースがあったので、そこでザックをおろしてポールをしまう。それにしても立派なハシゴを整備してくれている。
・黒部別山谷。緊張が続いていたので、ここで休憩して一息つく。
・まだまだ難所が続く。別に難しいわけではないが、ちょっとバランスを崩すとそのまま死につながりそうなので、ひたすら慎重に進む。緊張感と恐怖感が続き、精神的に疲れる。
・十字峡では前に歩いていた人につられて、展望台に寄るのを忘れてそのまま吊り橋を渡ってしまった。吊り橋からの光景も十分に素晴らしい。
・やがて樹林の中の道が多くなっていく。崖側に草木が生えていると、つい安心感が出てきてしまうが、下をのぞき込んでみるとそう簡単には木にひっかからずに、どこまでも落ちていきそう。気をゆるめないように気を付けながら慎重に進む。
・S字峡。ここも美しい。
・黒四地下発電所が見えてくると、間もなく吊り橋を渡る。ここでまたトレッキングポールを取り出す。やっぱりあると全然楽。
・地図にも書かれていない分岐があった。他の登山者にも聞いて、覆道に進む。
・ようやく仙人ダムに到着。ダム上から下流を見下ろしてみる。放水の勢いが迫力ある。しばらく休憩。試しにスマホを見てみたら、電波が入った。
・阿曽原へは管理所の中を通っていく。ドアを開けて中にはいると通路があるので、それを進む。トロッコのレールと交差している。ダムから見えた橋の上は駅になっているようで、作業の方がトロッコを待っていた。時刻表も貼ってあり、ちゃんと決められた時刻に来るみたい。
・通路をさらに進むとかなりの熱気。この辺りが小説で有名な高熱隧道らしい。小説を読んだのはかなりの昔。また読もうと思う。
・外に出ると、突然目の前に立派な建物がそびえたつ。ビックリ。
・急登が始まる。ここまでほとんど下りで、それに体が慣れてしまっているせいか、かなりしんどい。
・登り切って、少し進むとトンネル。途中、崩れた箇所もある。
・しばらく水平な道が続き、今度は急な下り。これも足に応える。
・15時半過ぎ、無事、阿曽原温泉小屋に到着。テン場1000+温泉800円。手続きをして、テントの設営を済ます。
・本当はすぐに温泉に入りたかったが、時間により男女が決まっている。15時〜男、16時〜女、17時〜男、・・・といった具合に1時間毎に入れ替わる。16時前に入るには時間が足りなかったので、17時から入ることにして、まず一本。
・飲みながら、ついつい隣のテントの人と話がはずんでしまい。17時から遅れて温泉に向かう。テン場から温泉まで少し下る。かなり素晴らしい温泉。気持ちよくつかることができた。
・入浴後、ビールを飲みながら晩飯。隣のテントの人と話がはずみ、楽しい時間を過ごす。
・20時頃就寝。寝袋は3シーズン用を持って行ったが、ファスナーを開いて掛布団として使用しても、全然寒くなかった。例年の今の時期より暖かいというし、標高が850m程度と低いこともある。
【2日目】阿曽原温泉〜欅平
・5時20分起床。コーヒーを飲みながら少しのんびりと過ごし、テント撤収。6時30分に出発。
・最初は登り。朝一番の急登はつらい。すぐに汗ばんでくる。30分ほど歩いた所で休憩。長袖シャツは不要。Tシャツ1枚になる。
・水平道をひたすら歩く。初日は道の様子に物珍しさを感じていたが、これが当たり前になってくるとだんだんと飽きてくる。道としては単調だが、緊張感を絶やすわけにはいかないため、やっぱり精神的には疲れる。
・折尾ノ大滝はかなり立派。
・オリオ谷には堰堤がある。どう進むのかと思ったら、堰堤の中に通路があった。中は泥がたまっていて歩きづらい。
・絶壁の中の道を行くと大太鼓展望台。
・続いては志合谷。こちらは岩盤の中にトンネルが掘られている。基本的に素掘りだが、鋼製支保工がかかっている所もある。中には蝙蝠がいて私から逃げていく。が、突然私めがけて向かってくる。怖かった。
・そのままひたすら歩いていると、後立山連峰の山々も見えてくる。多分、鹿島槍、唐松、白馬などを見ることができた。
・パノラマ展望台からも展望を楽しむ。
・そこからぐっと下ると、欅平到着。12時頃。13:10発に乗ろうと思うと1時間ほどあるので名剣温泉へ急いで向かう。
・名剣温泉はとてもいい感じ。ちょうど誰も入っていなくて貸し切り状態。景色を楽しみながらのんびりとつかる。770円。
・温泉に入ると、やっぱりビールが飲みたくなる。ざっくり計算。一般的に1時間あたりのアルコール分解能力は体重×0.0001らしい。体重70kg×0.0001で7g/h。アルコール量は缶ビール350ml×6%×0.8で17g。17÷7で約2.5時間。車に乗るのが飲み終わってから5〜6時間後になるので、まぁ大丈夫でしょう。切符を買う時に窓口で聞いてみても、トロッコでの飲み食いOKとのこと。せっかくなので地ビール 黒部の月(350ml 360円)を購入。
・トロッコでは、1列を一人で使えて、右左、景色のいい方に移動。気持ちいい。購入したビールも飲む。気持ちいい。
・宇奈月温泉で乗り換え。ちょっと歩く。
・続いては新黒部駅で乗り換え。道路を渡ってすぐに、新幹線の黒部宇奈月温泉駅がある。あっという間に糸魚川に到着。
・糸魚川では乗り継ぎに1時間以上あるので、この切符で途中下車できるのか気になっていたが、新幹線と在来線の改札が離れているので自動的に改札の外に出ることになる。少し見てまわりたかったが疲れていたので、駅構内の施設を少し見てまわり、そのまま待合室で過ごす。
・大糸線。すいている。しばらくは景色を楽しむが、やがて真っ暗。少し眠る。
・南小谷で乗り換え。向かいのホームの車両に移る。
・信濃大町に到着。車で自宅に向かう。
【交通まとめ】
・信濃大町駅前駐車場 1,500円(近くに無料駐車場もあるらしい)
・信濃大町6:15−(バス1,390円)−6:55扇沢7:30−(電気バス1,570円)−黒部ダム
・欅平13:10−(黒部渓谷鉄道 1,980円)−14:28宇奈月/宇奈月温泉14:46−(富山地方鉄道 640円)−15:09新黒部/黒部宇奈月温泉15:23−(新幹線自由席 880円)−15:36糸魚川16:49−17:52南小谷17:57−18:52信濃大町(JR 黒部宇奈月温泉〜信濃大町 1,980円)
・交通費計 8,440円 +駐車場 1,500円 = 9,940円
※最初は扇沢の駐車場利用で計画をたてていたが、それだと下山後に車まで戻るのは無理なので、祖母谷温泉にもう1泊する計画で進めていた。信濃大町に駐車しても始発の黒部ダム行きに間に合うことに気づき、1泊2日でまわることができた。2日目の最終は欅平発16:43〜信濃大町着22:19。
紅葉にはまだ早かったようですが、いい天気の2日間に恵まれて、とても楽しい山行でした。
美しく、面白い所はすごく楽しかったけれど、単調さもあり、飽き飽きした気分にもなりつつも、ちょっとした油断であっさり死ねそうなので緊張感はゆるめることができず、ある意味精神的な面での難しさはありました。実際として無事歩くことができたのも、しっかりとコースが整備されていたことと、天気がよかったことがあると思います。条件厳しければ、やっぱり恐ろしいコースだと思います。
阿曽原温泉も名剣温泉も、とても素晴らしい温泉でした。出会った登山者とも楽しい交流ができ、大満足の山行でした。
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