釜ケ谷


- GPS
- --:--
- 距離
- 5.4km
- 登り
- 609m
- 下り
- 602m
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
龍神コースとカモシカコースの分岐から、頂上直下の尾根を直登したが、それ相応の装備が要求される。国土地理院地図には破線があって、いかにも登山道があるように表示されているが、そんなものは一切無い。斜度60度を木の根っ子や岩を掴んで、四つん這いで体を引き上げなければならない。スパイク地下足袋で登ったが、普通の登山靴ではスリップ滑落の危険が大きいだらう。尾根芯を外さなければ迷う心配はないが、巨大岩を巻かなければならない所では注意必要。 一か所ロープが固定されているが、かなり古いもので命を預けるにはやや心もと無い。 登りの場合は気合と根性で何とかなるが、下りに使う場合は懸垂ロープが必要になるだらう。 頂上からの帰路は久しぶりにみぞれ谷を歩いてみたが、途中で登山道が崩落し、寸断されている。初心者や家族連れなら奥の院コースを歩くのが無難。 なお、ジャンルをハイキングとしたが、「ヤブ漕ぎ」というカテゴリーが無いため。 |
写真
小屋の北側は最近、下草刈枝打ちがされていて、いかにも快適な登山道に見えるが、素人が歩けるのはせいぜい50メートルまで。そこから先は職人の世界。鹿が開いた<けものみち>も多い。
感想
そろそろ根尾明神の開拓ルートを歩こうかと考えたのだが、ヤブの状況がいまいち不安に思えて踏ん切りが付かなかった。今年は時節柄、まともな藪や沢を歩けなかったのでうずうずしていたのだが、地図を眺めていてヤブ沢蜘蛛の巣ヒル地獄の釜ケ谷が目に入った。夏だったらそんなとこ、とてもじゃないが歩けないのだが、最低気温も10度ぐらいまで下がったからもう好いだらうと伊自良の村に車を走らせた。
明神洞は雪が降った頃が好いかも知れない。開拓ルートは濡れずに歩ける唯一の道になるはずだから。たぶん、真っ白な明神洞を歩いた強者は数えるぐらいしかいないだらうし。
<寄り道>
伊自良村の民家で柿を分けてもらおうと入ったのだが、干し柿用のものはあるが、生食のものはあと一週間待ってくれと断られた。
話好きの親爺で、延々30分ぐらいの独演会に付き合わされてしまった。数日前にこの近くで6万個の柿が盗難にあったやうだが、「あんなものコンテナトラックで乗り付けないと、運べるものじゃない」「先祖の代からここで柿を作っているが、いままで盗まれたなんて話は聞いたことがない」「うちも路傍の無人販売所をおいているが、いつも金額は間違っていたためしがないさ。」「どうもこりゃあ日本人の仕業じゃないな。終戦のどさくさの時でも岐阜や名古屋から壺や着物を持って来て、柿や芋でも蕎麦でも食えるモンなら何でも構わないからと、交換していったもんさ。日本人だったら、飢え死にしても他人のものは盗らんョ」「うちに立派な軍刀もあるが、あれは名古屋の特攻に行った家の者が、米と交換してくれと置いていったもんさネ。出来たら返したいのだが、今となってはどこの誰ともわからないやね」。
90歳だという親爺は矍鑠(かくしゃく)としていて、まだまだ話が続きそうだったのだが、料金と住所を書いたメモだけを残してそそくさと御無礼した。
見ぬ国へ行きたい日ありいわし雲 丸山圭子(京鹿子)
漕ぎ揃ふ櫂は翼よいわし雲 丹羽啓子(馬酔木)
振り返れ山の帰りの秋の空 マー助
天突き抜けてお地蔵の空いわし雲 マー助
能郷の峰をひと刷きいわし雲 マー助
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