厳冬期南ア・聖岳敗退(芝沢ゲート〜薊畑まで)
- GPS
- 18:16
- 距離
- 27.0km
- 登り
- 3,117m
- 下り
- 3,137m
コースタイム
- 山行
- 6:53
- 休憩
- 0:33
- 合計
- 7:26
- 山行
- 8:05
- 休憩
- 2:35
- 合計
- 10:40
【注意】
*表記の距離と累積標高は実際のものと違い正しくありません。
・今回初めて冬期(低温環境下の雪山)でスマホのヤマレコアプリによるログ採りとなり、
低温環境下でのスマホのシャットダウンを防ごうとズボンのポケットに入れて歩いていたところ、
始点の芝沢ゲートから易老渡の手前辺りまでのログが大きく暴れていることに気づきました。
これは足の上下動の影響によるものではないかと思い、途中から胸ポケットに変更したところ
その後は暴れなくなりまともなログになりました。
結果、このレコに添付したログは最初に暴れていた分の影響で距離と累積標高が増えています。
*足の上下動の影響のためか、特に累積標高の差異が著しく酷く(2倍近く)になっています。
・従って今回の正確な距離は芝沢ゲート〜薊畑往復で約22.5km程度(らくルート計算)
累積標高もこのルートはアップダウンが殆どなかったので、芝沢ゲート(712m)から
薊畑の少し先(約2430m)までの高低差がそのまま累積標高差(約1700m強)
になると思います。
天候 | ・1日目(1月1日) 天候:晴れ 風:無風〜微風 (芝沢ゲートから標高2020m付近、苔平のテント適地まで) ・2日目(1月2日) 天候:晴れ 風:苔平から薊畑手前までの樹林帯内はほぼ無風 薊畑付近の開けた場所で5〜10m/s前後の寒風 |
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過去天気図(気象庁) | 2022年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
■アクセス ・自宅出発(山行前日、12月31日、20:50) ・高速:圏央道〜中央道/八王子JCT〜岡谷JCT〜中央道/松川IC (途中、駒ヶ岳SAにて車中泊:約4時間半、11:25〜4:00) ・下道:松川IC(4:15)〜県道59〜一般道〜県道18〜県道251 〜R474(三遠南信道/矢筈トンネル)〜R152 〜一般道(芝沢ゲートまでの山道:約14km) 〜芝沢ゲート着(1月1日、6:05着) *途中、コンビニ休憩、駒ヶ岳SAでの車中泊4時間半含めて 自宅から約9時間15分で移動 (グーグルナビの直行で約4時間40分) ■下道の距離と移動時間は以下の通り <中央道/松川ICから芝沢ゲートまで> ・距離:約61km ・所要時間:渋滞無しの直行で1時間50分ほどで移動 *R152から分岐する芝沢ゲートまでの道(約14Km)は道幅1.5車線の 細い山道となります。その中で”民宿ひなた”を過ぎた辺りから先の 区間は落石多数のため走行注意。また、芝沢ゲートの手前約1.5kmの 最後の区間はダート路となります。 ■駐車場について ・上記の通り”芝沢ゲート前の駐車場”(空きスペース)を利用 ・料金:無料 ・駐車台数:30台ほど ・トイレ、水道、自販機無し(その他施設も無し) ・ゲート無し、夜間入出庫可 *この日は早朝6時過ぎ着で8台ほど駐車していました。 (この中には光岳方面の登山者の車も含まれていた模様) ■登山ポスト ・芝沢ゲート前にあります(用紙もあり) ■コンビニ ・松川IC出て数分のところに大手コンビニ2軒あり。 その後は芝沢ゲートまで1軒も見かけませんでしたので、 食料など必要なものは上記のコンビニで調達した方が良いでしょう。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【ルート状況、積雪状況など】 2022/01/01-01/02 現在 <芝沢ゲート〜易老渡〜便ヶ島〜西沢渡> ・芝沢ゲート〜易老渡〜便ヶ島までは約6kmの林道歩き。路面の一部に 薄い積雪個所や氷結個所があったもののそれ以外に危険個所は無し。 *以前、この区間にあった林道の崩落個所は既に復旧済みだったようで そのまま普通に林道を歩いて便ヶ島まで着きました。 ・便ヶ島〜西沢渡間の遊歩道(約2km)は、全般的に落石個所が多め でしたが、歩いて進むにはそれほど支障はない状況でした。 *但し一ヶ所だけ崩落個所の危険なトラバースがありました。 ここにはお助けロープがかかっており、そのロープを掴みつつ 慎重に通過しました(写真11) ・西沢渡の渡渉用ゴンドラは健在でしたが、その上流側に木製の仮設橋 が架かっておりこちらも利用可。また、この日は沢の水量が少なく、 さらに水際が凍っていたことで沢の幅が細かったのでそのまま飛び石 で渡渉できました(写真12.13.38) <西沢渡〜苔平〜薊畑まで> ・西沢渡の少し先から本格的な登山道に入ります。基本的に急登の連続 する道となり、今回は薊畑まで先行者のトレースがついていました。 ・ある程度の赤テープがついており、積雪は標高1500m付近で脛程度 テントビバークした2000m付近(苔平)で膝くらいでした。 ・今回の撤退地点となった薊畑の少し先からは股下〜腰の積雪量となり 吹き溜まりではそれ以上だった模様。雪質も降り積もった直後で 締まっていなかった為まともに沈んでしまい、これで山頂までの残り 標高差600mは到底無理だと判断しここで撤退としました。 (恐らくですが、標高2600m付近の小聖岳辺りからの岩場は薊畑ほどの 雪つきはないと思われますが、それでも残りの時間と体力を考慮して ここで撤退としました) *以前、このルート上に多数にあったとされる倒木類は、10月中旬頃に 撤去して頂いたようで、今回は倒木を潜ったり越えたりする個所は ほぼありませんでした。ありがとうございました。 ■ビバークポイントについて ・テント適地は標高1800m、2000m(苔平付近)、2200m付近に それぞれ2〜3張+αほどあります。2400mの薊畑は整地次第で平場を 作れそうでしたが、樹林が開けている個所が多く、その分風当たりが 強いので標高2200mまでの樹林帯内で張ることをお勧めします。 |
その他周辺情報 | ■下山後の温泉はこちらを利用しました↓ ”信州たかもり温泉 御大の館” https://takamori-onsen.com/ ・中央道の松川ICへ戻る際、少し遠回りになるものの、 施設自体はかなり立派で食事処もある日帰り温泉施設。 ・内湯と露天ともに浴槽が広く、ゆったり浸かれるところが好印象。 ・隣接する建物に”湯ヶ洞”(ゆがほら)という施設もあり、 こちらは浴槽が1槽ながらも温泉成分が濃いめの湯とのこと。 但し、湯ヶ洞の日帰り入浴時間は10:00〜17:00まで。 1回の入浴料で御大の館・湯ヶ洞、両方利用可。 (館内の渡り廊下で移動するする為、一度あがって着衣する必要あり) |
写真
感想
明けましておめでとうございます。
今回の山旅は2020年お正月の北岳登頂以来、2年振りとなる厳冬期の3000m峰、そして日本3000m峰全21座の中で最後の1座となっていた南アルプスの聖岳へ挑戦してきました。
計画通りに登頂できれば日本3000m峰全21座のコンプリートでしたが、結果はご覧の通りで、1月の初めとしてはここ近年には見られないほどの深い雪に阻まれて、山頂から遥か手前の薊畑付近で白銀の聖岳を見ることもなく終わってしまいました。
今回と同じお正月山行でも、2年前の北岳登頂の時は山行日直近での大雪がなかった上に入山者もそれなりに多く、その分トレースもできていたので登頂に難儀することはそれほどありませんでした。
しかし今回は元々の積雪量が多かったところに直近の大寒波で降雪があり、サラサラの深い雪に阻まれてしまったこと。そしてやはり定期的にある程度の登山者が入る北岳とは違い、入山者の少ない聖岳は2年前の北岳よりも遥かに登頂条件が厳しく、難易度が高いことを実感させられました。
今回はピストンルートなのですれ違った登山者ほぼ全員と情報交換しましたが、この日の入山者は私を入れて恐らく5〜6名ほど。この人数であの深くて柔らかい雪の中を撤退した薊平から腰ラッセルで進むとなると、山頂までの高低差はまだ600m近くもあり、それを考えるともう絶望感しかありませんでした。この状況の中で単独ラッセルを頑張ろうという気には到底なれず諦めて撤退してきた次第です。
しかし登頂こそ叶わなかったものの、2020年お正月の北岳と2月末の八ヶ岳・本沢温泉&硫黄岳山行以来となる雪中テント泊は十分楽しめました。
コロナ禍以前は冬になると当たり前のようにやっていた大好きな雪山登山と雪中テント泊。
テントも食料も下から全部担ぎ上げて、静かな雪の山中で衣食住の全てを自分で賄う自己完結の山旅。
この雪山登山における当たり前のことをコロナ禍の自粛で約2年近くできなかった訳ですから、今回はそれができたことだけでも私にとっては大きな喜びでした。大好きな雪山で一晩寝ることができただけでも登ってきた甲斐があったなと思っています。
それと、コロナ禍の自粛で全般的に落ちていた山体力と歩荷力でしたが、今回20kg超となる冬装備の歩荷もそれなりにこなせたことで、少しは自信の回復につながったかなと思いました。
そんなことで、敗退で終わった冬の聖岳挑戦でしたが、日本3000峰の完登まで残りはこの1座のみ。こうなれば聖岳登頂のもうひとつのプランだった、無雪期の赤石岳からの縦走で踏もうかなと。しかし今夏も東海フォレスト様のバスが運行しないのでは?との噂もチラホラ聞いたので、今年の夏も冬期と同様に駐車場から全部歩いて踏破することになるのか?
…何れにしても自分の中で残されたこの頂をどうにかして踏めるよう、今年の目標として精進していきたいと思います。
コメント
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あけましておめでとうございます🎍
新年一発目の山行が厳冬期の南ア挑戦とはサスガです!
今年は南岸低気圧がこの時期にしては多いせいか南アも雪たっぷりですね☃️
撤退となったのは残念だとは思いますが、リフターさんの挑戦心に感服すると同時に、チャレンジするけれども決して無謀な事はしない姿勢がリフターさんらしくてなんかイイなぁと改めて感じました。
リフターさんのチャレンジレコを見ると「自分も頑張ろ」ってやっぱ感化されちゃいます。
今年もリフターさんのレコ、楽しみにしてますね!!
あけましておめでとうございます。
新年早々のコメントありがとうございます
厳冬期の南ア3000峰挑戦でしたが、さすがに今回の積雪量には本当に参りましたよ。
一応、”無謀な進行はせず潔く撤退”としましたが、今回は正直なところ「こりゃ無理だわ」と早々に諦めざるを得ないような状況でしたから。それこそ無謀なこともやる気にならないような感じでしたよ
zawadaさんも山復帰されてレコ楽しみにしていたのですが、最近出てなくてちょっと寂しいです。元々寒いのが苦手なのは知っていましたが、それ以外にも様々な事情があるのだろうと察しています。自分もそうですが、年齢的にも自分以外のことで色んな負担がありますよね。
で、今回の南アは敗退でしたが実は一昨日、zawadaさんも大好きなあの山域とスキー場から2年ぶりに大快晴のピーク踏んできましたよ!
このスキー場も今年は1月初めで麓から真っ白(zawadaさんももう滑ったかな?)
駐車場はもちろんゴンドラ直近のあそこです
そしてまた例のごとく、あのスキー場マニア向けの長ったらしいレコ作り始めてます
やっぱり白銀の尾根とトンガリピークは最高ですね!
レコ出来たらまた見てやってくださいませ
あけましておめでとうございます。
いやいやいやいや、重いのは辛そうだし、山頂まで行けなかったのは残念だったけど
めちゃめちゃ楽しそうですやん!!!
久しぶりとは言え、やはり相当経験を積んでらっしゃるので、
何にしても余裕の楽しみ方ですね。
苔平??なんて良い名前のところで雪中テン泊だなんて。
羨ましい限りですよ・・・・。またコロナが広がってきていて
自粛ムードになるかもしれませんが、楽しい山登りを続けたいですね。
今年もよろしくお願い申し上げます。
あけましておめでとうございます。
確かに重いのは辛いです。ルートは長いし急登もありましたからね。
でも、元々静かな雪山で寝るのが楽しみなワタクシなので、その点では大いに楽しめたと思ってます。それに2年振りだったしね。
コロナ一気に拡大してますね。このままだとまた越境自粛要請が出そうなので、遠方の雪山は行けるうちに行っておこうと思ってます。(実は一昨日、もうひと山行ってきましたよ)
こちらこそ、今年もよろしくお願いいたします。
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