細川尾根〜武奈ヶ岳〜釣瓶岳〜イクワタ峠☆好展望の雪稜に
- GPS
- 05:37
- 距離
- 9.9km
- 登り
- 1,089m
- 下り
- 1,094m
コースタイム
- 山行
- 5:12
- 休憩
- 0:24
- 合計
- 5:36
天候 | 曇り時々雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険箇所は特になし |
写真
感想
前日は北陸に至るまで絶好の好天が広がっていたが、この日は日本海沖を通過する低気圧のせいで夜半から雨が降り続いる。この雨は山の上では雪となっているだろう。日中は京都よりも南は晴天となりそうだが、北は天気があまり優れないことは承知の上で、降雪後の雪景色を期待して北に向かうことにする。
一週間前に歩いたばかりではあるが、まずは細川尾根から武奈ヶ岳を目指す。前回は悪天で釣瓶岳から下山してしまったのだが、釣瓶岳からイクワタ峠にかけての雪稜を歩きたいと思っていたのだった。
R367で敦賀街道を北上すると、いつもは花折峠のトンネルを過ぎると雪景色が広がるのだが、この日は周囲の山々には驚くほど雪がない。前日の気温が高かったせいもあるのだろう、どうやらさほどの雪にはならなかったようだ。
坊村の市民センターの駐車場に水を汲みに立ち寄ると、駐車場にはかなりの車が停められている。細川では休憩舎の前には既に車が停められているので、細川のバス停の近くの除雪された広場に車を停めて出発する。空からは晴空が覗き、陽が当たるとかなり暖かく感じられる。雪景色は期待できないだろうが、山頂での暖かい日差しを期待したいところだ。
細川尾根は先週とは様相ががらりと変わり、尾根には前日のものと思われる多数のトレースが刻まれている。ワカンとツボ足による真新しいトレースもあるのでどうやら先行者がおられるようだ。
尾根を登るにつれて樹間からは安曇川の流れる谷間を挟んで、対岸の白倉三山が姿を見せる。尾根の上の方から五人組のパーティーが下降して来られる。おそらくは登りの真新しいトレースの方達だろう。
高度が上がると西の空が曇り、雪が降ってきた。同時に風が強くなり、体感温度が急速に低下する。先週とは違って気温がそれほど低くないせいだろうか。稜線に上がると風雪がさらに厳しいことが懸念されたが、30分ほどで風雪はおさまってくれる。
樹林を抜け出すち、まずは左手に釣瓶岳、そして右手には西南稜から山頂にかけての稜線が視界に飛び込む。すぐに北稜と合流し、山頂に到着する。先週は完全に暴風雪とガスの中だったが、この日は驚くほど風は穏やかで、すっきりと展望が広がっている。山頂には人影は見当たらず、静かな山頂を独占する。
山頂の南の西南稜への分岐まで歩いて、西南稜を見下ろすと、西南稜を登って来られる男性が目に入る。振り返ると山頂直下の東側斜面にイグルーが作られており、その中に男性が一人おられた。声をかけてご挨拶すると、男性が来られる前に誰か他の方が作られたものらしい。
釣瓶岳は雲の下になってしまったようだが、その向こうで蛇谷ヶ峰に陽射しがあたり、明るく輝き始めた。気が付くとナガオ尾根の向こう側には虹が出ている。
釣瓶岳に向かって北陵を下降する。前回はわずかな先しか見えないガスであったが、釣瓶岳を正面に、右手には文字通り広い広谷を見下ろしながら広々とした雪稜を下降してゆくのは格別の爽快感がある。
ところが、尾根を下降するうちに西の空が暗くなり始めたかと思うと再び風雪が始まる。急速にあたりの景色は雪に烟ってゆくが雪がそれほど多くないせいだろうか、武奈ヶ岳や釣瓶岳の景色が見えなくなるほどではないようだ。
釣瓶岳への登り返しに入ると雪も徐々におさまってくれる。ca1040mのピークから前回下降した八幡谷の右岸尾根に向かって下降するトレースがついている。
山頂に到着する頃には雪も止む。山頂の杉の樹の影で休憩する。ナガオの尾根には前日のものと思われる一人分のワカンのトレースが続いている。
釣瓶岳の山頂からもイクワタ峠に向かって好展望の雪稜が続いている。正面に蛇谷ヶ峰を眺めながら広々とした尾根を下降する。尾根には所々に佇むブナの孤樹が景色にアクセントを添えてくれる。
細川尾根を登るアドヴァンテージは武奈ヶ岳の北陵、さらにはこのイクワタ峠に向かっての釣瓶岳の北尾根への周回を可能とすること尽きるのではないかと思う。
尾根の上部からはそれなりの距離があるように見えるのだが、イクワタ峠に辿り着いてしまうのが残念なところではある。ちなみにここに昨年の夏にテン泊した際、深夜に起き出すと下の樹林から熊に威嚇されたのだが、今後もこの場所を通るたびに熊の唸り声を思い出すことになりそうだ。イクワタ峠からはコメカイ道に向かって尾根を下降する。尾根は北側に雪庇が張り出しており、しばらく蛇谷ヶ峰の好展望が続く。
ca840mのあたりで樹林に入ったところで尾根の左側に好展望地があることに気がつく。立ち寄ってみると正面に鎌倉山と桑谷山を眺望することが出来る。積雪期ゆえの展望地かと思ったが、開けた広地となっているので無雪期でもこの展望が期待できそうだ。これまでにも何回かここを通ってはいるが、気がつかなかったようだ。桑谷山が雪に烟っているので、また雪になりそうだと思っていると、案の定、すぐにも雪が降り始める。
すでに標高が低くなっており、白倉三山の陰に入るのだろう、風はさほど感じられない。この尾根はあくまでも傾斜は緩やかだ。笹峠道の出合からは夏道は尾根の左側をトラバースしながら下降することになるが、トレースのない尾根芯を歩く方が積雪期は歩きやすいように思う。
コメカイ道の出合となるca650mを過ぎると尾根には2019年の台風による倒木の集中地帯となる。ここはyoutoushaさんが道を整備して下さっており、倒木の集中地帯を右手(尾根の北側)に巻いて通過する。
植林の中をつづら折りに下降する掘割の古道を適当にショート・カットしながら登山口に出る。最後は国道を歩いて15分ほどで細川の駐車地に戻ることが出来た。
京都への帰路を辿ると予想通り、大原ではすっかり青空が広がっている。家の近くで夕食の買い物をすませると西の空に夕陽が沈んでゆくところであった。
雪には何度も降られたが要所要所で好展望に恵まれた山行であった。
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