黒負山

- GPS
- 09:10
- 距離
- 14.1km
- 登り
- 1,719m
- 下り
- 1,710m
コースタイム
- 山行
- 8:51
- 休憩
- 0:20
- 合計
- 9:11
天候 | 高曇りのち晴れ。10時半ごろから突風。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
下山時、南面は点発生表層雪崩が多発。森林限界より上の南面はザラメが育っていたが、他の面、森林内はまだまだといったところ。 |
その他周辺情報 | 山神食堂ネオ 十郎の湯 |
写真
感想
「ロングルートに行きたい」というyoshikitoの希望、ちょうど前日の候補として挙がった黒負山へ。このルートは全く知らなかったが、記録を調べると知り合いや、超有名ヤマレコユーザーが絶賛していて、とても興味を持っていた。全行程20km、標高差累計2000mは未知の世界で、何とかやり遂げたいという思いは強かった。
当日、3時起床。前夜は宿が騒がしくて途中1時間ほど眠れなくなってしまい、正直眠い。宿を出る前に完璧にパッキングをし、車一台をサンサンパークに停めて木地谷集落の出発は5時半頃。なんだかんだで結構時間がかかってしまった。タイムリミットは12時と決める。最初は小さな山のコルを越えて川沿いの林道を目指すのだけど、まぁ大した斜面じゃないからとシールをつけたまま滑走したのは失敗。雪が悪いのにシールがあることで横滑りしなくなるので、すこぶる滑りにくい。結局シールは外すことになり、時間と体力を無駄にしてしまった。これは大失敗。
林道に降りる場所はちょっと迷ったが、結局過去ログを頼りに同じ場所に行ったら、あっさりと道に降りられる場所があった。ここまでの突破に時間がかかったが、二回目にくれば時間は短縮できるだろう。
林道を移動、川を渡ってからが本格的な登り。最初は林道沿い、途中からは地図を読みながら、乗りやすそうなところで小尾根に乗り、尾根を目指す。雪質は、重いところとザラメに近い感じになっているところのミックス。滑走に苦労しそうなので、余裕が持てるくらいの体力を残しておかなくてはならない。いつものごとくyoshikitoからかなり遅れるものの、ペース的には1時間300m近くは上がれていたので、これは行けそうだ、と思った頃に、キックターンした瞬間に変な転び方をした。と思ったら、シールが完全に剥がれていた。昨日に続いての、シールトラブル。今日は、氷の粒がシールとの間に挟まり、そこから雪がどんどん入っていったようだった。ここまで来てシールトラブルで撤退は悲しすぎる、と濡れた滑走面とシール部分を手拭いで拭いたら、何とか粘着力が復帰してくれた。これにはヒヤヒヤした。
あと400m、というところで大きく雪庇が出ているところがあり、yoshikitoが「クトーを付けよう」と言い出した。後ろを歩いていた私は気が付かなかったが、そこから先はカチカチになっていたらしい。風が強くなってきたのでシェルを着ようかと出そうとしたら、風が急にすごくなってくる。シェルが飛ばされそう。クトーを出すどころか、シェルを飛ばされないように着るのに必死。強弱の波がある風かと思ったら、その勢いでずっと吹いていたので、高度によって風の強さが違ったということなのかもしれない。これは無理だ、ということで、あと1時間半のところで強風撤退。これは仕方ないとはいえ、ゴールが見えていた場所だったので残念。
しばらくシールのまま高度を下げ、やっと風が弱くなったところで休憩&滑走準備。滑走はどうなるものか、と思っていたが、日当たりが良い場所はかなりザラメ化が進んでいて、滑りやすいところもあった。が、まだまだ極上ザラメとは言えない状況。途中のポコがあるあたりからはシールをつけての移動に変更、最後の橋へ降りる斜面だけ再度滑走モードに切り替えた。ちょうど日当たりもよく、滑るたびに小さな湿雪雪崩が発生するので緊張感があった。万一足を取られたりすると、埋まることはないけど、木に激突しかねない。一か所、変なところで足を取られてマジコケしたので、反省。
橋を渡ってからは、雪崩地帯の林道を慎重に超え、最後の登りへ。この300mが、地味にしんどい。やっとコルを越えて駐車地点に到着。なんやかんやで総行程14km、標高差1,700mと、日帰りの山滑走としては、最も長い行程だったのでは?登頂できなかったのは残念だったけど、いずれまたリベンジしてみたい。
その後、汗だくだったので温泉にいき、毎度おなじみのギョーザを食べ、帰宅したのは22時半。かなりタフな週末になった。
※ 今までの日帰り行程全体としても最長、最大高度差なのでは?と思って過去記録を見たら、羅臼岳の羅臼温泉ルートのほうが勝っていた(16.6km、1,975m)。登頂できてたら、塗り替えられたのにな。
【備忘録】
・この日はルート的にも風が予想されたので、LWアンダー上+厳冬期用シャツ、MWアンダー下を着用。日光はそれほど強くなく、風もあったのでちょうど良かった。
・水は1000mlをちょうど飲みきった。これくらいのロングルートだと、あと500mlは持っていても良かった。太陽が思ったよりも出たのと、気温の問題で喉が渇いたのかもしれない。
・行動食はサツマイモパイ、前日の残りのチョコケーキ、ホイップあんぱん、チョコリエール、豆菓子小袋数個。これだけ汗をかくとしょっぱいものが欲しくなるので、もうちょいしょっぱいものがあっても良かったかも。
・春は水を吸い取るための吸水タオルを用意したほうが良いかも。今回のようなケースでも使えるし、泊まりでシールを乾かすときも、水を取ってからのほうが良いかも。
3日目は黒負山へ。第一計画は五竜岳〜白岳沢滑走だったが、この気温だと五竜岳のトラバースはぐずぐず、、風も強そうだし、、さらに前日に村尾根BCに入っていたKさんから標高高くても北面以外はダメだったという情報を聞いて、今シーズンも遠見尾根はお預けとなった。歩くと気持ちよさそうなんだけどな。来シーズンの3月くらいに狙おう。代替案の黒負山も遠見尾根に負けないロングルート。獲得標高で見ると2倍以上の2000m超になる。山スキーヤーがしばしば絶賛しているルートなので、五竜がダメになっても期待は膨らむばかりである。前日はゆっくりお風呂に入り、ドラステで快眠して準備万端。朝3時に起床して、木地屋の除雪終了点には5時過ぎに到着した。朝の冷えた空気と、到達できるのかという緊張の混ざった感じは何度経験しても気持ちが良い。少し斜面を登り、ハイクして1本目の滑走地点へ。尾根を意識して滑ったがやや南側の崖に寄り過ぎてしまった。軌道修正して大所川の林道に合流。橋を渡り、急斜面を登って黒負山への主脈に至ったのが8:30。ここまでに3.5時間、ショートルートならもう終わっているような長さだ。主脈に乗ってからは景色も見え始めて、風も吹くので涼しくて快適。最近、温冷交代浴で整うということを覚え始めたが、スキーのハイクアップも自分で体温を上げ、稜線上の風で冷やされることで結構整う。進捗と残り時間、体力を考えながら歩き続けると、計画上では厳しかなと思っていた山頂着が見え始めた。残り1.5時間で400m, 十分に間に合いそうだ。Co1650の尾根の角度が変わるところで、風の通りが良くなり前方の斜面がテカテカしていたのでシェルとクトーを出す。後ろからTartletさんが追い付いてくると、風が一層強くなってしまった。突風時は不安を感じるほどの強さだったので、こらあかんわと撤退を決めた。風を避けるために少し下って滑走準備。景色と斜面は素晴らしい!が雪があまりよくない。まあ春だし、滑走しにきたわけではないので仕方ないが。グズグズになった急斜面に緊張しながら下りた!と思ったら、林道も良くない。雪崩斜面の箇所があり一人ずつ大急ぎで通過したが、ここが今回一番緊張した。そして登り返し。暑すぎるのと山頂取れなかったのでテンション上がらず、、上まで行けたら意気揚々だったんだろうな。そうは言いつつ怪我なく下山できてよかった。来年はもっと強くなっているので、同ルートではなく赤黒ラインか厳冬期かな。お付き合い、ありがとうございました。
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