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Yamareco

記録ID: 417911
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍

霞沢岳西尾根(戦略的転進)

2014年03月15日(土) 〜 2014年03月16日(日)
 - 拍手
namemania tanoo その他2人
体力度
3
日帰りが可能
GPS
10:52
距離
9.6km
登り
1,223m
下り
1,304m
歩くペース
標準
0.91.0
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

15日 8:47取り付き点9:06-10:50幕営地(1940m付近)12:20-13:20 2100m付近13:30-14:10幕営地
16日 6:00幕営地-10:20転進地点10:25-12:50幕営地13:10-14:13取り付き点14:27-15:00釜トンネル入口
天候 15日:晴れ
16日:晴れのち雪
過去天気図(気象庁) 2014年03月の天気図
アクセス
利用交通機関:
タクシー 自家用車
新島々や沢渡から釜トンネル入口まで歩くのは非現実的なので、タクシーまたはバス利用になります。今回は沢渡からタクシーで行きました。
コース状況/
危険箇所等
のっけから急登です。
ほぼひたすら尾根を通るので、トレースがなくとも、岩峰より手前ではルート迷いの可能性は少ないでしょう。

下山後は竜島温泉に行きました。
2014年03月15日 09:04撮影 by  DSC-TX30, SONY
3/15 9:04
2014年03月15日 09:04撮影 by  DSC-TX30, SONY
3/15 9:04
最初の急登を登ったところ。電線が邪魔ですな。
2014年03月15日 09:13撮影 by  DSC-TX30, SONY
3/15 9:13
最初の急登を登ったところ。電線が邪魔ですな。
2014年03月15日 09:51撮影 by  DSC-TX30, SONY
3/15 9:51
2014年03月15日 12:16撮影 by  DSC-TX30, SONY
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3/15 12:16
写真が下手ですが、乗鞍が見えました。
2014年03月15日 13:20撮影 by  DSC-TX30, SONY
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3/15 13:20
写真が下手ですが、乗鞍が見えました。
焼岳。
2014年03月15日 14:11撮影 by  DSC-TX30, SONY
1
3/15 14:11
焼岳。
穂高はでかいですね。
2014年03月15日 17:27撮影 by  DSC-TX30, SONY
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3/15 17:27
穂高はでかいですね。
一朝一夕には写真がうまくなりません。六百山方面です。
2014年03月15日 17:27撮影 by  DSC-TX30, SONY
1
3/15 17:27
一朝一夕には写真がうまくなりません。六百山方面です。
2014年03月16日 06:56撮影 by  DSC-TX30, SONY
3/16 6:56
2014年03月16日 06:56撮影 by  DSC-TX30, SONY
3/16 6:56
戦略的転進地点。
2014年03月16日 10:22撮影 by  DSC-TX30, SONY
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3/16 10:22
戦略的転進地点。
急な下りは念のため懸垂下降を。
2014年03月16日 12:20撮影 by  DSC-TX30, SONY
1
3/16 12:20
急な下りは念のため懸垂下降を。
旧釜トンネルに興味津々の廃墟マニア。
残念ながら入れません。
2014年03月16日 15:25撮影 by  DSC-TX30, SONY
3/16 15:25
旧釜トンネルに興味津々の廃墟マニア。
残念ながら入れません。

感想

1 記録
(1)概要
全体的に雪が多く、しかも全然締まっていませんでした。
しばらく前に付けられたと思しきトレースの跡は比較的歩きやすかったのですが、
そこから少し外れると簡単に膝〜股くらいまで沈みます。
しかも、踏み固めようとしてもなかなか固まらず、困難を強いられました。
雪山の経験豊富なSLによれば、例年の2月に相当するのではないかとの由。
ちょっと時期が悪かったです。


(2)幕営地まで
冬期間は釜トンネルから先には車では入れません。
今回は、沢渡に車を止めてタクシーで釜トンネルの入口まで移動しました。
時間や人数次第ではバスでの移動もありでしょう。なお、タクシーは2800円でした。

釜トンネルは1310mの間ひたすら登ります。
地形図上は標高差は170mくらいでしょうか。
非常用の明かりしか付いていません。
ヘッドライトを使う方がよいでしょう。
なお、入山日はダンプカーが通行していました。
轟音を響かせながらの通行なので気がつかないことはないと思いますが、十分にご留意下さい。

釜トンネルを抜けてしばらく進むと、右手に国土交通省松本砂防事務所の建物があります。
そこに向かう道に進み、頭上に電線があるあたりから取り付きました。
下りに用いたと思われる歩幅の大きなトレースの痕跡のみありました。

そこからはひたすら尾根を登ります。
赤布はあるので(目立たないものも散見されますが。)、
それを追いかけていけば道迷いはないでしょう。

霞沢岳西尾根の経験者はCLだけだったのですが、
CLが前回幕営した標高1940m付近で今回もテントを張りました。
16日の予報が晴れだったこともあり、山頂アタックは16日にまわし、
15日の午後はトレースを付けることを兼ねてルートを偵察しました。
標高2100mあたりまで行ってテントへ帰りました。
翌朝は4時半起床だったので、20時半ころ就寝しました。


(3)幕営地から岩峰まで
日曜日は風が強いという予報がありましたが、
夜が明けてみると風も全然なく、予定どおり6時ころ出発します。
前日の偵察+ルート工作のため、サクサク進みます。
2100m付近までの所要時間は偵察時の半分くらいでした。
が、ふと脇を見ると、どんどんガスが谷底から上がってきます。
気がつくと強い風が吹き始め、おまけに雪まで舞い始めていました。

めげずに進み、岩峰もCLの華麗なリード&ビレイで難なくクリアし、
次に控えるナイフリッジ(ただし、積雪のために単なるトラバースでした。)も
念のためザイルをフィックスして通過ましたが、どう見てもその先はホワイトアウト。
SLによれば、ザイルがあればホワイトアウトでも何とかクリアできる方法があるそうですが、
あいにくナイフリッジでザイルをフィックスしていました。
その状態で迷わずに下山できる保証もないので、ここで戦略的転進を図ることに。
なお、この時点ではnamemaniaは気がついていませんでしたが、
ここに着いたのが10時20分ころと予定より大幅に遅れており(当初想定は9時山頂でした。)、
山頂まで行った場合、迷わずに下山できたとしても相当遅くなることは必至でした。


(4)下山まで
幕営地までは当日付けたトレースをそのままたどるだけです。
岩峰は結構新しい残置のザイルがあったので、これで懸垂下降しました
(岩峰を下りきるところまでの長さはなかったので、最後は後ろ向きで下りました。)。
ただし、次のシーズンまで持つ保証はありませんので、
この駄文を見てアタックを試みる方はザイルを忘れないようご留意下さい。
なお、CLが前回登頂したときは30mザイルで懸垂下降したようですが、1ピッチでは下りられなかったそうです。

そこから先は、雪が締まっていれば普通に歩いて下りられるのではないかと思われますが、
今回は雪が締まっていなかったため、懸垂下降や後ろ向きでの下降を適宜併用しました。

幕営地でデポした荷物を回収して下山しましたが、ここから先はトレースが前日のものしかなく、
降雪のため消えかけているところもありました。
もっとも、前記のとおり、赤布は豊富にあるうえに、
ルートが尾根上であることから、さほど困難を伴わずに下山できました。


2 感想
(1)取り付きまで
紆余曲折を経て15日の午前2時ころ沢渡へ。
翌日は1940m付近での幕営の予定だったこともあり、7時ころまで仮眠をしました。
誰かがトレースを付けていればいいなという淡い期待のもと、何となく全員の行動もゆっくり。
タクシーの予約はしていなかったものの、準備を終えたころにちょうど
空のタクシーが駐車場に来たのでこれで釜トンネルまで。
普通は釜トンネルはあっさりとバス/タクシーで抜けるので実感しませんが、
やっぱり釜トンネルは長いです。トンネルを抜けたときに核心部をクリアしたと思ったのは秘密です。
そこから取り付き点までは困難な箇所もなく、特に感想はありません。


(2)幕営地まで
取り付き点からいきなりの急登が始まります。
ここの急登はせいぜい標高差が30m程度ですが、直登なのでさすがに堪えます。
このくらいで音をあげるようではどうしようもないのですが。
その後もただひたすら登ります。前記のとおり雪の状態があまりよくなかったため、
1箇所トラバース気味に登るところが、ちょっと怖い感じがしましたが、
そこ以外は特に困難に思ったところはありません。


(3)偵察兼ルート工作
偵察はしなくてもいいのではと密かに思っていましたが、
幕営地からほど近いところのトラバースではちょっとルートを迷いました。
また、岩峰以外で懸垂下降をした箇所は、登りのラッセルが大変でしたが、
いずれも偵察時に工作をしていたこともあり、16日は余裕で通過できました。
ルート工作は意外と大事なようです。
2100m付近まで行ったあたりで、なんとなく一仕事終えた感じになって一休みした後に幕営地へ。


(4)岩峰まで
天気予報は、晴れるものの風が強いというものであったので、
namemaniaは一抹の不安を抱えておりました。
実際、1時40分ころに強風がテントを叩いたのでどうなることかと思いましたが、
夜が明けてみると、樹林帯の中であることも相俟ってかほぼ無風。
前日のルート工作もあって、偵察時の最高到達地点にはあっさり到着。
この分なら大して苦労せずに岩峰までは行かれると思ったその矢先、
ラッセルが必要な場所が顔を出し始めます。
水平移動や下りは大したことはないのですが、雪の状態により、登りはかなり難儀します。
CLがラッセルしても、CLよりも体重の重いnamemaniaやSLが通過すると思いっきり沈むこと知んぬ多少ぞ。
やっぱりまじめにダイエットしないといけませんね。

岩峰の登りはザイルなしでもさほど難しくないように思いました。
ザイルで確保されていたからいえることかも知れませんが。
下りは懸垂下降するのが楽なので、ザイルは持って行くのがいいでしょう。
バリエーションルートでザイルを持って行かない人はいないと思いますが。

そんなこんなで核心部を抜けましたが、上記のとおりそこで戦略的転進をすることに。
また、二週連続で(以下事情により自主規制)ということもありました。
CLは山頂に行きたかったと思いますが、その判断は素直に評価したいです。なんか偉そうですが。


(5)下山
下山は黙々と歩いたのみで特にコメントがありません。
敢えていえば、取り付き地点直前の急斜面でシリセードで下りればよかったかな、というくらいですかね。
食糧担当はシリセードしてました。
密かに悔しく思ったのは秘密です。

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霞沢岳西尾根
利用交通機関:
技術レベル
5/5
体力レベル
5/5

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