高取〜比婆山〜イワス☆新緑と大展望と


- GPS
- 04:03
- 距離
- 9.1km
- 登り
- 513m
- 下り
- 504m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
前日は1日中雨が降り続いていたが、この日は朝から快晴が広がっている。よりによってこの日は朝からオンラインの会議である。出発が遅くなるが、午後の短い時間で鈴鹿の北部に出かけることにする。
霊山の西側の一帯は山に抱かれるように多くの廃村があるが、廃村を取り巻くこじんまりとした山々には独特の魅力がある。特に植林の間には随所に林相の実に美しい自然林に出遭えるのが楽しみだ。
風穴で有名な河内を過ぎて今や廃村となった落合集落が近づくと狭い道を下ってくる車と多くすれ違う。道路脇にはかなりの数の車が路駐されている。そのほとんどは霊仙に向かう登山者のものだろう。
落合集落の最奥の駐車場にたどり着いてみると、数台分の車の空きがある。この駐車場に車を停めるにはかなり早くにここに来る必要があるだろうが、丁度、下山する頃合だろう。折しもご夫婦と思しきカップルが降りてこられたのでご挨拶すると、6時半の時点でこの一帯の最後の一台だったとのこと。
落合集落から林道を歩き、男鬼(おおり)の方に進む。左手の植林の斜面に取り付くと、すぐに植林を抜け出し、新緑の美しい自然林の斜面が広がった。
前日の雨のせいで地面が濡れており、足元が滑りやすい。いかにもヒルが跳梁跋扈していそうなところだ。この季節はまだいないことを期待するがそれは甘かった。家内が早速にもヒルを見つける。近寄ってみると5cmほどある大きな個体だった。
高取のピークから北東に伸びる尾根に上がると、日差しのせいで新緑が一層鮮やかだ。若緑の透過光のシャワーを浴びながら尾根を進む。ca600mまではちょっとした急登となっているが、美しい新緑に見惚れるうちになだらかな尾根になった。
高取のピークを過ぎると尾根の植林の中へと入ってゆく。忽然と尾根を横切る人工的な溝が現れる。山城に見られる堀切のようだと思っていたら、平坦な広場のあるp673に到着する。ここは男鬼入谷城跡だったらしい。尾根を進むと曲輪と思しき階段状の平坦地が次々と現れ、再び堀切を過ぎると広い平坦地が現れる。かなり大きな山城があったのだろう。
その後も杉の植林が続く。比婆山への登りに差し掛かると上から単独行の男性が降りてくる。陣尾山から縦走して来られたとのこと。尾根を登ると石灰岩の集簇が現れる。岩の上に攀じ登ると鍋尻山と御池岳の展望が広がる。
尾根を先に進むとすぐに比婆山の山頂に到着する。北東が大きく切り開かれており、正面には霊仙山の大きな山容が大迫力で展開する。同時に霊仙のパノラマを縁取る新緑が美しい。
比婆山のピークにリュックをデポしてイワスを往復することにする。鞍部を過ぎたところで送電線鉄塔が現れ、南北に展望が広がる。北側には植林に囲まれた男鬼山とその右手に伊吹山が見える。男鬼山の山頂は植林の伐採後に放置されて荒れるがままになっているが、ここから見上げる山頂がそのような状態になっているとは想像もつかない。
尾根伝いに歩いてイワスを目指す。イワスの山頂部は植林を抜け出し、キャンプ場のようななだらかな広地が広がっている。西側には石灰岩の崖が広がっており、その上からは黄金色の夕陽を反射する琵琶湖方の景色が広がる。
再び比婆山に戻ると山頂からは自然林の広がるなだらかな北斜面を加工して比婆神社を目指す。すぐに石灯籠が現れる。西側斜面をトラバースする参道を進むと、門の奥に忽然と大きな岩とその下に立派な社殿が現れる。社殿の前には大きな杉の樹が聳え、なんとも壮麗で幻想的な雰囲気だ。
尾根まで林道が続いているが、尾根上には古い参拝道と思しき石段が続いているので、石段を下降してみる。石段はca450mのコルまで続いており、小さな鳥居が現れる。果たして誰がこんなところまで来られるのかとも思うが、注連縄に下垂する白い紙の紙垂(しで)が真新しい。いまだに神社への信仰を受け継ぐ方がおられることに感心すると同時に嬉しく感じられる。
右手の植林の谷を下降すると再び林道に合流する。谷の下に小さな流れが見えるので、急斜面を下降してゆくと忽然と斜面に一面の山芍薬の大群落が出現した。
林道を下るとすぐにも男鬼の廃村に出る。家々のつくりは立派ではあるが、扉や雨戸が開け放たれ、家の中が荒廃している様を目にするのは痛ましい感じがする。集落の中にはいくつもの広場や大樹が目立つ。人々が生活していた頃はさぞかし美しい山村風景だったのだろう。
集落を後にすると林道を歩いて20分と少しで車を停めた落合の集落に帰着する。流石に他の車はいなくなっていた。落合から河内にかけては林道ぞいに多くの射干(シャガ)が咲き乱れている。シャガの淡い薄紫色は日陰の方が目立つようだ。
車で京都方面に向かって湖東三山ICで名神高速に乗ろうとしたところ、なんと京都東まで渋滞が20km70分と表示されている。仕方がないので琵琶湖の湖岸に向かい、琵琶湖大橋を渡って帰ることにする。
先ほどまではほとんど雲ひとつない晴れ空が広がっていたが、琵琶湖の西の比良の山々の上に雲がかかり始めたかと思うとみるみるうちに比良の山々を包み込んでゆく。明日は天気が悪そうだ。
コメント
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いつもレコを楽しく拝見させて頂いてます。
毎回奇抜なルートでの山行は大いに興味をそそられてます。今回のこのルートもまた、よくぞこんな山行を思いつかれるなと敬服致しております。😔
故に時々yamanekoさんの軌跡をなぞらせて頂いております。
この界隈にもヤマシャクが自生してるのですね。大変勉強になりました。
また機会がありましたら訪れたいと思います。これからも素晴らしいレコ期待しております。??
山行ではないのですが泊りがけで出かけており、レスが遅くなり失礼しました。
今回のこのルートはkitayamawalkさんに教えて頂いたでした。
山芍薬は近くの霊仙がはるかに人気ですね。しかし、この界隈は訪れる人が少なく、静寂が魅力かと思います。
過分なご評価に恐縮の限りです。私の過去のレコを振り返ってみましたが、大半は一般的なルートを歩いているかと思います。
10年くらい前にイブキまで縦走しましたが、気になっていたところを歩けて良かったです。
その時にヤマシャクヤクの木をいっぱい見つけて、、GWに検証に行きました。
素晴らしい群落でしたね。\(^o^)/
時間があれば勿論のことイブキまで私達も縦走したいと思っていたのですが、何しろ午前中の仕事のせいで出発が遅かったので(-_-;)
jionさんも見たであろう光景を見ることが出来て良かったです。
当日、我々も山芍薬を観に行っていました。前半のル−トは一緒で、我々が下山した頃高取にいらっしゃったとは。全くの偶然ですが好天下の山芍薬が観られて良い山でした。
shikakuraさん達とは山行先が似ているので、いつどこで出遭っても不思議はないのですが、この日の午前中の仕事がなければ、高取でshikakuraさんがお遭いした三人組の方達と行動を共にしている予定だったので、またまた山中でばったり遭遇することになったかと思います。
またどこかでお目にかかるのを期待しております。
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