膝が笑った 大倉〜蛭ヶ岳往復 ばてた体に鞭打って
- GPS
- --:--
- 距離
- 25.1km
- 登り
- 2,413m
- 下り
- 2,407m
コースタイム
4:32 大倉高原山の家
5:01 一本松
5:43 堀山の家
6:32 花立山荘
6:51 金冷やし
7:10 塔ノ岳
7:45 日高
8:01 竜ヶ馬場
8:26 丹沢山(トイレ、どら焼き)
9:36 不動の峰
10:02 鬼ヶ岩の頭
10:36 蛭ヶ岳(みたらし団子、おにぎり)
12:25 丹沢山(ポカリスエット購入)
13:58 塔ノ岳
17:02 大倉バス停
天候 | 曇りのち晴れ 午後からはもや 尾根上は風が強く、体温を持っていかれる |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
土曜日日曜日 1日800円 平日は500円なのだそうだ。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
大倉から塔ノ岳までは基本的に、岩、階段、土のミックス。階段多め、雪は数か所のみでアイゼンは要らず。帰りは泥だらけになっているところもあった。1200m以上の標高差があるので、とくに帰りはうまく歩かないと、膝が笑ってしまう恐れある。私も、今回は帰りの階段の連続で膝が笑ってしまった。 塔ノ岳から丹沢山が一番雪が多く、行きは塔ノ岳からの下りに気を使う、しまってがちがちの雪であるため、初心者はアイゼンがあった方が良いかも・・・私は一応6本爪を持っていきましたが、使わずでした。帰りは、雪が緩むため踏み抜き必至。30回以上踏み抜いた気がする。 丹沢山から蛭ヶ岳は、雪は減るがそれでもかなりの雪道である。 塔ノ岳から蛭ヶ岳までは、100mほどのアップダウンを繰り返しながら進んでいく。したがって、急降下と急登を繰り返す。距離的には短いように見えるがこのアップダウンでばててしまうような気がする。 温泉は、湘南天然温泉 湯ノ蔵ガーデン http://www.yunokura.com/ ナトリウム・カルシウム・塩化物泉 硫黄泉(これは、ここから出たものではないようだ) 休日大人 850円なり。 |
写真
感想
昨年8月に登山を再開した私には、一つの目標があった。「神奈川県最高峰の蛭ヶ岳の頂上に立つこと。」神奈川に住み始めて9年が経とうとしている。私の心の半分以上は北海道民だが、数割かは神奈川県民化してきているような気がするのだ。
1月に当初の目標としていた沼津アルプスを登ってから、3月までの目標として、私は「蛭ヶ岳の頂上に立つこと」と設定し、情報取集と準備を重ねてきた。なぜ3月末かというと、年度替わりであるということ、4月になると丹澤はヒルが増えてくるという情報があることである。この目標をクリアしたら、4月からは日本百名山〜三百名山、新日本百名山、花の百名山、関東百名山、静岡百山などを中心に計画を立てようと思っている。
丹沢山塊は広い。そしてさまざまな楽しみがある。あの深田久弥氏の著作「日本百名山」にも「丹沢は一つの峰をもって名山とするべきでない、丹沢山塊全体をもって名山とすべきである」というような感じで書かれている。そして、今回の目標の蛭ヶ岳は、その丹澤山塊の中央部でどの登山口から入っても最低5時間はかかるという。ちなみに、今回の大倉→蛭ヶ岳は、コースタイム6時間30分〜7時間である。そんな奥の奥にある山に登るんだからいろいろな可能性を考えなければならない。
宿泊の可能性、ピストンではなく縦走登山の可能性、そして今回採った夜明け前からの登山である。
幸いにも私は車があり、大倉には24時間コインパーキングがあるという。これを利用しない手はない。
3時20分ごろコインパーキングに着き準備を始める。一番困ったのは、大倉バス停にある公衆トイレである、夜間は電気がつかない。ヘッドランプをしながら大用をする。登山届も書いて入れた。
3時45分ごろ出発、最初は舗装道路である、そしてそこから階段と土の道に変わっていく。幸いにもえっどランプだけでも安全に登ることができる。途中大倉高原山の家で秦野の夜景写真を撮り、快調に登っていく、まだこのあたりは緩い登りだ。
駒止山荘あたりで夜が明け、ヘッドランプをしまう、ここからが大倉尾根の真骨頂である。
大倉尾根は通称「バカ尾根」と呼ばれている、「バカにできない尾根」の意味で、昔の歩荷さんが、この尾根で上の山荘に荷物を歩荷できれば日本どこの山域でも歩荷として働けると言われたようである。たしかに、7kmで1300mほど高度を上げていくのである、1300mというと、富士山富士宮口が2500mで山頂が3776mなので、ほぼ同じである。
とにかく階段である。階段と岩、石の登山道。途中途中休憩を入れながら登る。気温は高くもう私は半そでである。
金冷やしに着く、まだまだ快調だった私は、「帰りは鍋割山で鍋焼きうどんもいいなあ」とのんきなことを考えていたりもする。そこからまた登り、塔ノ岳には7:10ごろ到着する。大倉から3時間25分、まあまあのペースである。
山頂にはご夫婦、尊仏山荘で宿泊し蛭ヶ岳を目指すそうである。私はお茶を飲んで、丹澤山を目指す。丹澤山まで2.6kmである。
塔ノ岳からの下りはアイスバーンである、アイゼンをつけずにストックワークと、雪を読み足を載せることを繰り返して安全な所にやってくる。ノーアイゼンだったらダブルストックは必須かもしれない。そこからは、風景がきれいな尾根道である、みやま山荘や蛭ヶ岳山荘が見え、左には富士山がどーんと構え、右側には宮ケ瀬湖や仏果山をはじめとする東丹沢の山々が見え、いいペースでアップダウンを繰り返す。1時間15分ほどで丹澤山にたどりつく。この時点では、まったくもって快調なのである。
丹澤では、トイレで用を足したあとの紙は袋に入れて持って帰らなければならない。みやま山荘の公衆トイレで用を足したので、トイレットペーパーを袋に入れてザックに括り付ける。
ここで、宮ケ瀬の方から登ってきた青年と話をし、私はいよいよ蛭ヶ岳に向かって足を進める。蛭ヶ岳まで3.4kmだそうだ。
100mほどのアップダウンを繰り返す、不動の峰、鬼ヶ岩を通り越してもまだ、蛭ヶ岳山荘は遠い。実は、塔ノ岳から降りるとすぐに蛭ヶ岳山荘は見えているのである、見えているからこそ歩いても歩いても近づかない、本当にもどかしく、期待値が高い分心の疲労が蓄積されていく。
「ああ、ここを戻るのか・・・いっそ、蛭ヶ岳から姫次、焼山登山口でバスに乗るのはどうだ・・」とか考えだしてしまう。でも、車は大倉だ。しかも、焼山登山口だとバスは三ヶ木経由橋本駅行きだ、そこから町田に出て小田急で渋沢、バスで大倉と移動せねばならない。焼山登山口からのバスの時刻によっては、大倉にたどり着けないのではないか・・。とも考えていた。
そんなことを考えてると、もう蛭ヶ岳山荘が見えている。そうだ、頂上だ、神奈川県最高峰に立てるのだ。力を振り絞って、最後の登りをゆく。爽快、すがすがしい。10:38である。
蛭ヶ岳頂上では、丹澤山でも一緒にお話しした宮ケ瀬から来た青年と話す。お互い、丹澤は初めてであること、楽しい話でした。ありがとうございました。
11時にはスタートしたいところだ。
さて、戻る際中、鬼ヶ岩で右足がつる。これは脱水症状の前触れ+ミネラル不足である。持ってきたお茶を多めに飲み、塩飴をなめる。5分後、もう足はつらない・・・。後はスポーツドリンクがあれば万全なので、みやま山荘でスポーツドリンクを買おうと思う。
足の筋肉に乳酸がたまり、力は80%くらいしか発揮できない。となると、100mほどのアップダウンがこたえるのである。
何とか最後の急登を超えて丹澤山に戻ってくる、結構な盛況である。ポカリスエットを500円で買い、3分の1飲む、残りは竜の馬場、塔ノ岳で3分の1ずつ飲む。もうこれで足はつらない。
丹澤山から塔の岳までは、雪は緩み、何度も足で踏み抜く。「まあ、いっか。これにより空気と触れる面積が大きくなり、雪解けが進むのだから」と勝手に解釈して、自分を慰める。踏み抜きたくないのは当たり前、でも雪が緩むと踏み抜いてしまうのである、こういう時こそポジティブに考えないと・・・。
塔ノ岳は登山客であふれていました。大倉やヤビツ峠から来る登山者の中で、5%は蛭ヶ岳、15%が丹澤山、、そして80%が塔ノ岳までであるように感じる。腰かけるスペースをやっと探し座る。
近くにいるベテランさんと話をする、「今日は蛭ヶ岳まで行ったこと、蛭ヶ岳の積雪状況、ヒルについて・・・」いろいろありがとうございました、大変貴重な話を伺いました。
「下りは2時間で大倉まで行けるよ!!」と、ベテランさんは私の前をスタコラサッサと行ってしまいました。私も、また大倉尾根(通称バカ尾根)を下り始めます。
しばらくすると両膝に異変が・・・。「ああ、笑ったな・・・。」昨年8月に登山を復活してから、膝が笑ったのは2回である。初回は、日光男体山、2回目は数馬〜陣馬公園下バス停(笹尾根)の時である。前者はやはり高低差1200m程度で岩ばかり、後者は23kmというロングコース、いずれも膝に負担が来るのであろう。
休憩を多くし、だましだまし、太ももの筋肉で体重を受け止めるようにして降下する、こんな時に1300mの下り、しかも負担がかかる階段。皆さんに抜かれながらゆっくりゆっくりと下っていく。
しかし、こんな時間にまだ登りに来ている人もいるのである。なんにんかにきいてみると、花立山荘や見晴茶屋で宿泊する人、日没後の夜景を眺めてからヘッドランプを使って降りてくる人などいろいろであった、これだけ山小屋が充実していると、さまざまな楽しみ方ができるのだなと思う。
見晴茶屋で、好青年と話をする。丹澤のこと、北海道のこと、スキーのこと・・。山は結構気軽にさまざまな人に話しかけたり話しかけられたりする。これも登山の醍醐味ですね。
結局、大倉尾根を約3時間かけて降下してきた。来るときは暗くて見えなかった丹澤クリステルらも写真に収めて、大倉バス停にたどり着く。トイレを済ませ、靴を洗い(写真にあるように本当にひどい状況になっていたが、靴下には一切沁みなかった)
準備を済ませ、車に乗って帰宅する。平塚で温泉、茅ケ崎で食事、自宅ではアルコールを飲んだ時点で布団にもぐりこむ。そうだ、昨日は睡眠事案が足りないのだ、運転中に眠気が来なくてよかったと思う。
さて、今日は大倉から蛭ヶ岳ピストンだったが、このコースは丹沢の中でも体力を消費するコースの一つであると思う。本当は、もっと楽なコースから初めて、徐々にレベルアップをしていくのだろうと思う。これ以上ハードルは上げられない、でも丹澤には面白いところがたくさんありこれから何度も行くことができるのだろうと思う。
これを書いている次の日も、両ひざには湿布、痛み止めの薬(市販)であるが、心の中は「ただただ楽しかった」である。どんなに痛い思いをしても、終わってしまった山行はただただ楽しく、懐かしくなっていくものだ。4月からもまたいろいろ計画して登ってみたい、3月までに蛭ヶ岳の頂上に立つという大きな目標を達成できた、また新たな目標を考えたいと思う。
長いことお読みいただきありがとうございました。
バカ尾根コースお疲れ様でした。結構足にきますよね。
今年は例年にない大雪でしたが、だいぶ雪も少なくなりましたね。
ところで、26枚目の写真の植物はキブシではないでしょうか。
それほど植物に詳しいわけではないので間違っていたらすみません。
yamaboさま、コメントありがとうございました。コメントいただけると嬉しいですね。
画像を確認したところ、確かに「キブシ」と一致しました。
あとで、写真コメントは書き直します。こうやって一つ一つ植物を覚えていくのですね。
ここを目標にいろいろ山歩きをしていたのですが、バカ尾根はやはりきかったです。でも、今(30日夕刻)は、もう痛みもなくなって「次はどこに行こうかな?」とうきうきしています。
今からGWまでが、丹澤のいい時期かもしれません。これ以降は「ヤマビル」が出るということですので。
もう一回ぐらい、春のうちに丹沢山塊(少し楽な所)に行こうと思っています。
コメントありがとうございました。yamaboさんもよい山歩きを!!
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