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Yamareco

記録ID: 424276
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
近畿

熊野古道 小辺路

2014年03月27日(木) 〜 2014年03月30日(日)
 - 拍手
tkdryo その他1人
GPS
80:00
距離
58.6km
登り
4,046m
下り
4,804m

コースタイム

27日 8:15小辺路入り口ー10:05大滝ー12:35大股ー14:40なんちゃら小屋跡
28日 7:10なんちゃら小屋跡ー8:20伯母子峠9:55ー9:35上西家跡ー11:50下山ー13:20三浦峠登山口ー14:45三十丁の水ー15:50三浦峠
29日 6:40三浦峠ー8:20下山ー10:50昴の郷13:30ー16:20果無峠
30日 5:00出発ー6:30七色集落ー7:00分岐ー7:30下山ー9:00熊野本宮大社
天候 27曇り、ガス
28晴れ
29曇り
30大雨
過去天気図(気象庁) 2014年03月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス 自家用車 ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
コース状況/
危険箇所等
雪なし

感想

熊野古道。小辺路。

今回のこの山行には色んな意味がある。
まず第一の意義。それはロングトレイル入門。
黒部の下ノ廊下を歩いていたとき、登山ではなく、ただただ歩いて移動する、ということの魅力を発見。
ピークハントではなく、移動を目的にした山行に興味をもった。
私はピークハントでもよいのだが、パートナーりかこはこの点に食いついた。

常に私の発案で山行が行われる中、りかこからの初めての発案で生まれたこの山行。しかも世界遺産。
将来サンティアゴの巡礼を歩きたいとも言っているからまずは日本から、という意味合いもある。本当は大峯奥駈道を歩きたいけど日程的に困難なのとそもそも女人禁制の地域があるらしい。残念。

春休みを利用して、大阪観光もかねての1週間旅行。うち3泊4日は小辺路ということに決定。

第二にウルトラライト入門。ウルトラまでいかないのでただのライト化だな。
ひとまず黒部以降、アメリカのロングトレイルの本やライト化についての情報を集めてみた。
徹底的にはやらないものの興味をもった。
今回新規購入したものをあげていく。いっそのこと、と思い一気に買った。

①ツェルト ファイントラック、ハイカーズデポのステルスロングバージョン。
ステラリッジ2型1.65kgから400g強へ。(ペグ、ガイライン含む)

ツェルトを建てることのわずらわしさはあまりない。ただし、風、雨なしの場合。一番不満に思ったのは高さが足りない。まっすぐ座れないので寝る体勢が基本になる。ここは非常に問題に感じた。たぶん建て方の問題ではないはず。
腰痛発症していたので本当につらかった。でも1.2kg差はでかい。今後は使い分けていくことになりそうだ。
また森林限界超えてからはなかなか使うのは難しそう。やはり風には弱い。
また雨への対策が必要。
4日目は本降りの雨だったがやはり浸水。シュラフはナンガのオーロラだったが防水にも限界があり、少し濡れた。特にジッパーからの浸水は顕著。
畳むのが楽でした笑

②テントシート
ひとまずわからんので先人をひたすらパクる。AMKのエマージェンシーブランケット。2人用。
銀マット?gから100g程度へ。
あってよかった!地面からの結露対策に必須だと思った。
ただ折りたたんでも元のケースには入らず。家でやっても同じ。今後はジップロックに収納。黒い文字がはげてくるのも不満。サイズもでか過ぎた。一人用でいいかも。不満は多いが必須。

③シュラフマット
山と道のU.L.pad 15s+。15sではどーも寝心地、耐久性に不安があったので+のほうを。
モンベルU.L.コンフォートシステムパッド120の435gから113gへ。
初めてのクローズドセル。寝心地は少し悪くなったけど300g軽くなるなら可。という程度の差。外付けは少し邪魔だけど。かっこいい。気分の問題。100センチという長さもちょうどよい。

④アルコールストーブ
カタディンストーブという高出力アルスト。クッカーも合わせて購入。
重量変化はわからず。少し軽くなったくらい。
最初の点火がうまくいかないことがある。雨、低温だとどうなるかわからず不安。
500ml程度沸かすのに50〜60mlのアルコールが必要。意外と多い。
音が静かなのは確かにいいが、ガスの方が圧倒的に使い勝手がいい。
要検討。

⑤ザック
迷いつつゴッサマーギアゴリラに。
定番すぎて嫌だったんだけどやはり定番の安定感をとってしまった。
しかし結果、大満足のチョイス!
まずサイズ感がちょうどいい。3泊4日の行程でクッカー類、テント類全部もって少し余裕があるくらい。
1週間とかは可能なのだろうか。再考が必要。
ヤフオクで落札し、ウエストベルトなしだったのはきつかった。
スタート時12kgほど。これを肩で背負うのはやはりきつい。
10kgまでは平気だった。
水2.5kg、酒500ml、燃料600ml弱、食料6食と行動食で12kgなので十分に軽量化できたように思う。
背中のメッシュポケットと両サイドのポケットがとにかく使い勝手がいい。
行動食なんでもぶちこみ、小物も全部いれ、雨具だって濡れたツェルトだってなんでも入る。これはすごい。
ウエストベルトは今度買おう。

⑥トレランシューズ
モンベルのテナヤブーツからスポルティバのクロスオーバーgtx。
もう大成功。特に小辺路は舗装路が多いので登山靴で行きたくなかった。
このシューズは簡略化されたゲイターがついた防水のトレランシューズ。
とにかく足取りが軽かった。
不満点はあまりなし。母子球はやはり少し痛くなった。最近歩いてなかったししょうがないか。
この靴でどこまでやれるのかが課題。岩稜帯、残雪でどこまで食いつけるか。
ただりかこは初めてのトレランシューズで初日から足首ねんざ。軽いけど繰り返す。のでテーピングをしっかりして対処。以降ひねらなくなったがやはりケガが心配だな。

第三に夏のキリマンジャロの準備開始。
まだキリマンジャロに行ける保証もないが、準備を始めねば。テント生活に慣れること。長い日数歩き続けること。
とにかく長時間歩行と長期山行に慣れなくてはならない。
長期山行はもうあとGWくらいしかできないだろうけど。
今後も残雪を楽しみながら山行を増やし、体力強化に努める。

やっと本題に入りましょうか。
26日出発予定だったが、天気の関係で27日出発に。
26日は、それはそれはすさまじい雨でした。しかしこの影響で最終日にすさまじい豪雨に襲われることはまだ知らない。

26日は金剛三昧院に宿泊。
直前予約のため11000円。高すぎだろ。ふざけるな。坊主のくせにとりすぎ。

橋本駅に車をおいて、高野山、ケーブルカー、バスと乗り継ぎ到着。
金剛三昧院自体が世界遺産ということを知って少しテンションがあがる。

朝、夜の食事は精進料理。
思ったよりおいしい。そしておなかもいっぱいに。
なるんだが、どこか満足感が足りない。脂質が足りていない。
毎日こんなものを食べていたら健康的になるかわりにエネルギーもすべてなくなってしまいそうだ笑

10時台には寝てすでに山時間モード。
6時起床。
6時半から朝のお勤めでお経を聞く。
今回の山行の安全を祈る。

少し脱線しますが、日本の宗教観てのはほんと不思議です。
普段参ることも、なにもしないのに当たり前のように葬式に何十万、何百万と使い供養する。
形骸化したものにお金を払いたくないなー。
お参りするのも大変だろうから、私の場合は葬式もいらないし、墓もいらない。追悼会みたいのを開いて大いに懐かしみながら宴会してもらいたい。

そんなことはさておき、8時15分歩き始め。
この日は天気も悪けりゃ見所もまったくない。半分は舗装路という散々な一日だった。
10時5分大滝。13時40分大股。
ガスっているのが神秘的で展望がない分それだけがキレイだった。14時40分伯母子岳の最初の小屋に到着。
三泊四日のんびり山行予定なので幕営。

人はいない。というか登山客に一人たりともあっていない。
北海道の縦走のときに一日の移動は15キロ前後でつらかったので三泊四日の行程を組んだのだが全然たいしたことない。
休憩含めて6時間半で18.7キロ歩いた。休憩してるのに時速3キロペース。
小辺路恐るるに足らず!
舗装路ってのは楽なもんだね。

テントたててからはまずお酒。早速日本酒330mlを飲み、就寝。
起きて夕飯食べて就寝。幸せなテント生活。
テントでだらだらするのが目的と言っても過言ではない。

二日目は5時半起床?だったかな?
まったく寒くない。服も着込まずに寝袋へ。
寒くないと朝の準備がはかどる。

ご飯は基本的にフリーズドライ二食とスープ二個。
行動中は二人で4日間で
ナッツ200g、ドライフルーツのマンゴーとパイン。
ゼリー3個。ソイジョイ8本。
パン多数。パックを5袋くらい?
ガンガン食べた。けどおなかは空くもんですね。

7時10分発。8時半に伯母子峠着。
どーも行程が早すぎるのでのんびり30分休憩。
ところどころ道が崩れている。どうも地盤が弱いみたい。
地元の整備のための人とすれ違う。ありがたいことです。

このあたりから旅籠の上西家跡など世界遺産感がやっとでてくる。
11時50分下山。
集落だ。天気もいいし川もあってひなたぼっこ。
こんなのんびりした登山もいいもんだ。

1時間以上その場にいた。
本日の幕営地は三浦峠。
途中の三十丁の水で給水。
自然の水ってのはなんとおいしいことでしょう。雑味がない。うまいんだなー3時50分峠着。
今日も登山者に出会うことなし。
18.6キロ、8時間40分。

覚えてないけど21時には寝たかな?5時起き、6時40分発。
8時20分下山。
猛烈に便意が。かけてトイレに行くとなんとバイオトイレ!
まったく臭くないし感動!

こっからはまた舗装路。しかし足取りは軽い!
なぜなら十津川村の昴の郷で温泉に入る予定だったから!
三泊四日ののんびり登山が故です。

ずんずん歩いて10時50分に到着。達成感。
レストラン11時半、温泉12時開始らしくてまずはロビーでビールをぐいっと!
くううううたまらん。なにか涙がでてくる!
くはあ

ひとまずレストランでご飯。ジャンキーにカツフライと海老フライ。やはりこの油がたまらんよ。満たされた。むしろ満たされすぎてお腹いっぱい。
ぐふー
そのまま温泉へ。
軽い硫黄臭がそそる。
3日ぶりの風呂はたまらなかった。
こんな登山あっていいのだろうか。登山とは違うものだったけど満足。旅と登山と観光を合わせたものかな?

吊り橋を渡って最後3つめ、果無峠へ。
果無なんてすごい名前ですね。
さくっと登って16時20分到着。
雨がぱらつき始めるところで急いで幕営。

この雨の中のツェルト泊が一気に心配になる。ついでに天気予報を調べてみると。。。明日までどしゃぶりの雨。
しかも1mm、2mmの話ではない。
最大8mmの雨。
これはまずい。持ちこたえられるわけがない。早朝に起きて出発する計画に変更。
8時くらいには眠りについたと思う。
3時45分起床。雨も強まっている。
残ったパンをほおばり急いで片付け。

5時には出発。ヘッドライトを頼りに下山。
雨具は上々。
いまのところしっかりはじいている。
雨が最大になる9時までには本宮に着きたい。

急いで下山。6時半。集落に着く。
七色集落。
あれ?地図にない。どーやら分かれ道を見逃したようだ。気付けば小辺路の看板を見なくなっていた。
滑る石畳のうえを慎重に下っていたせいで看板を見逃した。
30分登り返して分岐点へ。1時間近くロスしたけど一安心。
諦めてゆっくり下山。
7時半には舗装路にでる。

この頃にはどしゃぶりの雨。
体も濡れてきている。
わずかに休憩してあとは歩き続ける。
なにせ寒いから。
こっからは舗装路を歩いたあと再び山道を。
地面は洪水のように水が流れている。
普段でもなかなかないようなどしゃぶりの雨。
いままで楽だった3日間が嘘のようにハードな最終日となった。
総じてつらい山行だった気がして達成感を感じつつ、本宮に到着。

達成感は十分にあるのだが、寒いしお腹も減ったので本宮もまともに見ずに町へ。
温泉はタクシーが必要な距離。ずぶぬれの体でタクシーに乗るわけにもいかない。ホームセンターでバスタオルを購入し、レストランで着替えつつ、うどん。

11時20分のバスで五條に帰る。

こうして無事三泊四日の熊野古道、小辺路の旅を終えた。

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