信仰の山 七面山 で、ばったり出会った


- GPS
- --:--
- 距離
- 13.8km
- 登り
- 2,033m
- 下り
- 1,857m
コースタイム
天候 | 晴天 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
神通坊(角瀬)登山口 4:50 安住坊 6:45ー7:35 奥之院 9:30−10:05(15分ロス) 敬慎院 10:30−10:40 七面山 11:30−11:50 希望峰 ⒓:13−12:25 七面山 12:47 山門 13:25-35 中適坊 14:10-14:20 神力坊 15:30−15:40 羽衣橋(表参道登山口)15:45 |
写真
感想
七面山前編
七面山後編
七面山というのは身延山久遠寺の管理するお寺で、由緒ある敬慎院というのは1282年に亡くなられた日連聖人が、山岳信仰の七面大明神をお祭りしたいと考えていたが果たせず、1297年にその意思を継いだ日朗上人と出家して日円上人となった南部実長公が七面山登山を果たし、七面大明神を初めて祀られたのが、この山の縁起であり、七面大明神というのは奈良にその謂れがあるという。
これはネットで調べて後付け。
元々は八紘嶺への縦走というテーマで若い時から山の名前だけは知っていた。二百・三百の名山を登ろうと考えて登ることにした。前日に七面山を登り、身延駅により、52号線の脇のローソンで食糧を仕込んで身延山久遠寺の町に行った。大きな山門に驚く。流石だは。中町の駐車場を借りて夜明かしして、午前3時半ころに、前日に見聞しておいた早川町の角瀬の神力坊の前の駐車場に車を止めて、支度をする。4時50分に寺の境内を通り、赤い立派な鳥居を抜けて裏山道の登山道を行く。
朝暗いうちに山道を行く。蛭対策の塩水を靴とズボンの裾にかけたが、この時期、蛭は出ない。尾根に出るまで九十九折の道を、丁目の石標を数えながら登る。
2時間近く一人だ。山道を歩きながら、<カミ>は、日本人にとってこの「自然」そのもので、宇宙をも含む人間を生かしてくれる<すべて>がカミさまなのではないかと考える。西欧的でも東洋的でもない。西洋的というのは絶対的な人格神を想定するが、東洋的というのは現実的合理主義で、おおらかな神様を想定しない。儒教はその第一だ。それに比べて、我々はなんとおおらかにお天道様を拝み、富士山を拝み、この七面山に大明「神」を拝む。
日本人ほど宗教心を持っている民族はいないだろう。宗教の本質は「拝む」「祈る」であり、神義論とか屁理屈ではないのだ。日本人のもつ素朴な「祈る」思想こそ宗教の本質ではないか・・・
この道は哲学の道になった。斜面が開けたところに安住坊があった。
そこで一息入れようとしたら、中から「早いね」と声があった。住職だった。
「まあ、入りなさい。コーヒーでも飲みますか」と聞かれるので、「いただきます」と答える。
インスタントであっても朝のコーヒーは格別だ。
住職は74歳、15年前にお坊様になった。いろいろご縁があってこの安住坊を任されるようになった。家は府中にある。土日はここへお勤めにこられているようだ。以前は会社を経営していたからかなり生臭い。だから話が面白い。元々はお寺の生まれで、養子に出されたが、回り回ってこうなった。
私は、「やはり選ばれたんでしょうね」と申し上げた。普通の凡人が、こういうふうに坊さんになる機縁などそうあるものではない。この坊を預かっていた人は角瀬の旅館の主人だったが、なくなる前に譲ってくれたそうだ。
この坊の演義が書かれたマンダラも見せてもらう。ともかく50分もここで喋っくったことになる。でもこのおかげで、後にとんでもない出会いが生まれる。
私が立ち去ると大きな読経の声が山の上まで聞こえてきた。朝のお勤めを始めたのだ。
ここの住職にはもう一度会うご縁ができるといいと思う。
坊の前に大きな栃の木があって樹齢800年という。だからここは「栃の木安住坊」という。
そこから2時間近く歩いて奥の院につく。ここまでが、山道である。奥の院は立派な建物で、読経の声が響いていた。この奥の院から眺める富士山も素晴らしい。
奥の院から敬慎院までは軽トラの走る道。この山上に軽トラが登ってこられる道があるのか訝る。
敬慎院はなるほど歴史的な由緒ある寺なのだ。次回はここいに宿泊して八紘嶺まで縦走してみたい。
先を急ぐために、長居はせずに山門へ登ると、山門の空間に富士山が収まるのだ。一服の絵である。
山門の前は広場になっていて富士山、毛無山、遠く愛鷹山がみえる。荷上場のリフトの脇をぬけて山頂へむかう。ここからは穏やかな道だ。雪がすこし残っている。急な斜面で人が休んでいる。私を眺めてる。その人の前につくと、「やっぱり、あなたでしたね。尾瀬で会いましたでしょう」と声をかけてくれた。そう先週景鶴山に登った宇都宮のKさんなのだ。
これこそ奇遇ですよ。内心、羽衣橋から角瀬に戻るのに、誰かに車で乗せてもらえると助かるな、と念じていたのです。これはこの山のご利益かも。
そんなわけで一緒に山頂に行きます。私はユメさんに電話してこの奇遇を伝えるし、Kさんはお友達に伝える。ユメさんは孫のお守りでおじいちゃんやっていて、山はお休み。お友達はゴルフのプレー中でした。七面山には11:30についた。山頂で写真をとっておたがい希望峰まで行く気なしのまったりムード。そこへ親子3人連れのパーティが来て、希望峰まで行くようす。Kさんはまだ火をつけていないのでお互いの顔を見て、「行きますか!」ということで11:50に希望峰にむかう羽目になった。
我々が着いた時に2人の先客がいたのだが、顔も見ないで挨拶もしなかったので、だれだかわからなかったけれど、なんとヤマレコのmatutarouさんとclioneさんがいたのだという。もし言葉を交わしていたら希望峰まで行かなかったかも。そんなわけで雪の残る道を下って、小高いとんがって南側が開けた希望峰につく。先客が一人この静けさを味わっておられたが、賑やかに邪魔してしまった。しかし、南アルプスの残雪に輝く3000m峯がみんな見えて気分爽快。来てよかった。
希望峰を12:25に降りる。親子の3人はまだとどまっていた。Kさんは奥さんが下で待ってられるので、早く下山することにした。七面山にもどり、山門の前までくる。富士山は空に浮いてるようにみえる。Kさんに山門の向こうに行き、登り返して見てくださいと進めた。やはり山門の間に収まる富士山はナイスだったようだ。13時35分、表参道をくだる。この道は道幅もひろく、お年寄りでも一日かけて登ることができそうだ。20〜30人くらいの講のグループが登山参拝する。途中で登ってくる人たちに出会う。子供らも身軽に降りていく。お坊さんに会う。後ろに中学生ぐらいの娘さんが袈裟を着て多分父親であるお坊さんに着いて登っている。丸い坊さんのかぶる笠の中からおかっぱ頭の黒髪が印象的だった。この子は将来尼さんになるのかな、なんて想像する。中適坊はちょど真ん中辺りの休憩所で、ところてんがあるというので食べる。2時20分。さらに下ります。神力坊につくときには15:30だけど、左の膝とアキレス腱がすこし痛いよと訴えていた。神力坊で、女性が一人でいたので話をしたら、毎月一回参拝登山して、30年続けているという。冬にも来るという。1月には雪はさほどなく、35丁目あたりからアイゼンをつけるという。今年の2月、3月は登れなかったくらいに雪が多かったという。最後の下りはKさんにおいて行かれた。流石に膝とアキレス腱を庇って下ると、クタクタだ。
羽衣橋(表参道登山口)に15:45に到着。疲れた。
Kさんの奥さんが迎えに来てくれて、駐車場へ行く。コーラとドリンク剤を頂く。それにサロメチールのような痛み止めの薬ももらった。ありがとうございました。よく頑張ったかな。昨日も今日も。明日は愛鷹山へと思ったが、家に帰ることにする。無理をすると後が大変だから。
二人は翌日櫛形山にいくという。
車で角瀬の駐車場まで乗せてもらう。いや、助かった。ここから一人でテコテコ歩いて戻るのもなにか侘しいものがある。
下ろしていただいて、私は荷物をしまいこんでから、昨日入った下部温泉会館に行ってお風呂に入る。
妻には帰ると告げて、道は高速を使わずに道志村をぬけて相模原へでて、16号で家に帰る。
富士吉田のインターへの道路が大混雑していたおかげで、精進湖から西湖、河口湖の裏側をまわり、山中湖を通って相模原へ道をとる。前を走る車が相模原ナンバーだったからついていった。
10時前に家に帰り着いた。まあ、ラッキーな一日と言えるだろう。
さすが1000mの高度差を二日続けて上り下りしたのは久しぶりで、休んで正解かもしれない。
コメント
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hagureさん こんにちは
2日間続けてお疲れ様でした、最後は同乗させてもらって、超ラッキーでしたねー、不思議に坊さんに朝コーヒーをごちそうになったのでKさんに会えたのですね、2度ある事は3度あるで又Kさんに会いそうですね
それとも日蓮さんのお導ちびきとか??? 御宗旨を変える様でしょうか
ユメさん、ぜひご同行を、宗旨までは変えませんが、面白い山でした。
ぜひ一泊してみたいです。
Kさんは薬屋さん、でした。またどこかで会うでしょう。
お孫さんと沢山遊べて、いいね〜
こんにちは。
自分も去年の11月にhagureさんの取ったルートと真逆の内容で登ったのですが、不思議な印象の山だな、と思いました。
登山しているというより参拝に向かっているような感じでしょうか…。
通常の山行ではなかなか感じられない空気感が面白かったです。
希望峰もしっかり行かれましたね!
あそこからの南アオールスターズ、圧巻ですよね。
聖と赤石の間(手前側)に鎮座している笊ヶ岳も、実はいずれ登りたい山の1つです(笑)
そして、希望峰を目指さないと見ることのできないナナイタガレ。
アルプス主峰へ行かなくてもこれだけのガレが見られるのも凄いと思います。
充実の内容で何よりです
joeさま
面白い山でした。裏から登って正解の気分。あのナナイタガレというのは希望峰の手前で見られるんですね。笊ヶ岳いいですね。迫力あり。わたしなど山中一泊ですよ。
ツエルト用意の山だ・・・
でも行きたいですね。遠征隊募りますか?
七面山の山頂でお会いしたclioneです。
私は「hagureさんじゃない?」って相方のmasataroさんに言ったんですよ。
そしたら「hagureさんにしては若い!違うよ…」とmasataroさん。
人違いでもいいから思い切って聞けばよかった…。
とても残念です
とても静かな七面山の山頂に誰か来るのも驚きでしたが、
まさかのhagureさんですから
若い!若い!だから見極めできませんでした
hagureさん 私も1度お会いしたことあるんですよ…
山ではない都内で
覚えてますか?
連日の1000m以上の標高差行、お疲れ様でした。
いや〜お元気ですね。
宗教的にも趣があり、人気も高いコースで、にぎやかですね。
この週末には、リベンジ山行もありそうで、
ますますご活躍のことでしょう。
今月末もしくは来月初めの御座山(おぐらやま)
楽しみにしております。
ごぶさたしております!
以前、敬慎院の宿坊に泊まって七面山登りました。
朝日の出を拝みながらの南無妙法蓮華経の合唱は圧巻でした
Mt_thetaさま
そうですか。お泊りに、そうでしょうね、朝のダイヤモンド冨士見られたらいいでしょうね。修験の山ですからね。八紘嶺へ縦走を試みますよ。
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