雪目の恐ろしさを知る 富士宮口から富士山ピストン



- GPS
- --:--
- 距離
- 6.8km
- 登り
- 1,387m
- 下り
- 1,381m
コースタイム
天候 | 快晴のちガス |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
※富士宮口はカーナビで目的地に設定できない場合があるので、その場合"水ヶ塚公園"を目的地として入力すると良いとのことです。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
他の年の残雪期はおろか、夏の富士山にも登ったことが無かったため、例年と比較することはできませんが、2月の大雪の影響等で積雪は多いと思われます。 往路:夏道よりも西側から登り、登山口から山頂まで完全に雪渓及び雪原を繋いで進むことが出来ました。カチカチに凍結しているような箇所はありませんでしたが、八合目を過ぎると表面がクラストした状態になっている箇所が多く、気温が低ければ滑落により注意する必要があります。人は少なめで静かな富士山が楽しめます。 復路:往路よりも東側から小屋を繋ぐように下りました。こちらは多くの人が使っているコースのため、踏み跡やシリセードの跡だらけでした。新六合目から登山口までは雪渓に沿って下る冬季限定の道ができていたので、こちらを利用しました。こちらのコースも新六合目の小屋前以外は最後まで雪道でした。 |
予約できる山小屋 |
|
写真
感想
午前3時にレンタカーで自宅周辺を出発。前日仕事を早めに切り上げられず、徹夜での出発である。
寝不足のため、高山病のリスクも高まるのではと若干心配である。
以前沢登りに一緒に来てくれたH.N.さんを都内で拾い、明け方の東名高速を一路西へ。
事前の予報どおり完璧な快晴で、首都高を出ないうちに、早くも本日の目的地が目に飛び込んでくる。
いきなりテンションアップだ。
ただ、北海道沖に進んだ低気圧がこの時期にしては相当発達しており、等圧線の込み具合が気になる。
順調に現地に着いたはいいものの、順調すぎてゲートオープンよりも1時間近く早く富士スカイライン入り口についてしまった(^^ゞ
ゲート手前5分ほどの位置にある水ヶ塚公園で、しばらく時間を潰すことにする。
#H.N.さんの調べた情報では、カーナビで「富士宮口」「富士宮五合目」などと入力しても検索に引っかからない場合、この公園を目的地に設定するのがセオリーだそうな。
ゲートが開き、ワインディングロードを抜け、富士宮五合目に到着♪
さすがに駐車場には空きが大量にあったが、一方でガラガラというわけでもなかった。
閉山期間中のこの時間帯にこれなのだから、夏場は一体・・・?
多くの人は駐車場の東の端から登山を開始するが、今回はトイレに行ったついでに建物のすぐそばの雪面から取りつく。雪は腐っているもののそこそこ固い部分もあり、初っ端からアイピケ装着。
頂上付近が見えているが、距離感が全くつかめない。
実際登り始めると、行けども行けども頂上までの距離が縮まらない。
ひたすらアイピケによる斜登行を繰り返す。。
こちらは山小屋連鎖ルートから外れていることもあり、人は少ない。
前方と後方にそれぞれ2,3パーティがいる程度だ。
つぼ足、ボーダー、スキーヤー、それぞれのスタイルで登っている。
独立峰だけあり、やはり眺望は見事。愛鷹山、駿河湾、伊豆半島、相模湾などを一望できる贅沢さだ。
途中で、前のパーティの方が落とした荷物の袋(中身はヘルメット?)が雪田を一直線に転がり落ちてきたので、走っていってキャッチする。
(その後、無事に返却しました(^^))
八合目あたりから若干傾斜が増し、ステップを切りつつ登っていく。
雪の表面はパリパリの氷になっていいたので、気温が低い場合は滑落しないように結構注意が必要かもしれない。
一時的にガスった部分もあるが、基本的には好天。
渦巻く雲の欠片が、山頂付近の大気中に存在する複雑な乱流を時折可視化している。
その雲の向こうにある今までに経験のないほど青さが深まった空は、普段よりも少しだけ宇宙に近づいたことを教えてくれる。
この雪質であれば雪崩の危険は少なさそうなので弱層テスト等は実施しなかったが、積雪状況によっては全体が雪崩危険斜面になるだろう。
九合目付近からは右手の岩と雪のミックスを登っていく。
九合五勺で一般のルートと合流。
人口密度が十倍くらいになる。
「なんでやねん!」って突っ込みたくなるほど人が多い。冬山でこれかよ・・・
多分夏来ることはないだろう。
アイピケ歩行にまだ慣れきっていないH.N.さんのペースが若干落ちたのでゆっくり登っていく。
幸い二人とも高山病にはなっていないようだ。
・・・というか、周りの皆さんのペースも結構落ちてるみたい(^^;
そんなこんなで、無事富士浅間大社奥宮に到着!!
頂上富士館は屋根のみ露出していた。
時間の関係もあるのでもともと予定していたお鉢巡りはやめ、剣ヶ峰ピストンに切り替える。
山頂付近では流石に風が出てくるが、それでも一般的な冬山の風に比べれば微風の領域。
出発時の心配は杞憂だったか・・・
H.N.さんは以前夏の富士山に登ったことがあるそうだが、その時は剣ヶ峰40分待ちだったそう(~_~;)
まぁ、ゴールデンウィークのUSJで「ジュラシック・パーク・ザ・ライド」に乗るよりはマシかもしれない。
富士山頂には、かつて気象庁が台風の早期観測等を目的として建設した富士山レーダーの跡がある。
現在は運用を終了し、レドーム自体も既に撤去されているが、レーダの設置は大変な難工事だったことが新田次郎の小説「富士山頂」などに描かれており、当時に思いを馳せてみたりする。
剣ヶ峰の直下から、火口の底に向けて数本のシュプールが刻まれていた。
やはり、こちらに滑り込む人も多いみたいだ。
記念撮影をしてテルモスを飲んで下山開始。
下山は、小屋をつなぐルートに変更。こちらはメインのルートということで、踏み跡とシリセードの跡が無数にあった。シリセードを交えつつガンガン下っていく。
途中で一時的にホワイトアウトしたが、コンパスで角度を切り構わず下る。
それにしても単調だ・・・
新六合目の小屋からは夏道とは異なる雪渓の端をたどるルートをとり、五合目駐車場の東の端に飛びだした。
なお、下山したところでアンケートを実施しており、登山経験、登山計画書の提出の有無、富士登山に関するガイドラインについて知っているか否か、携帯トイレは持っているかなどいろいろ聞かれた。
このアンケート、何に利用するんだろ??
さて、通常はここで山行記録はおしまいになるが、今回下山後に結構大変な事態となったので、若干このことについて書いておきたいと思う。
再び車を運転し、高速に乗ってから眠気を感じたので、某SAに入ってしばらく仮眠することにした。
が、突然目に激しい痛みを感じ強制的に起こされる。
どうやら雪目を発症してしまったらしい。(一般的に、受傷後発症まで4時間程度要する。)
たしかに、ゴーグルは付けていたものの、時々曇って鬱陶しかったので、結構外していた区間があり、これが原因と考えられる。いままで雪山で発症したことがなかったので、雪目を甘く見ていたのが良くなかった。
それにしても痛く、目を開けることさえできない状況だ。特に、光が入ると相当痛み、涙がボロボロと出てくる。
とにかく独りではどうしようもないので、詳細は省くが、H.N.さんに手伝ってもらい、たまたま近くに住んでいた家族やレンタカー屋の人に迎えに来てもらうなど、色々な方面に迷惑をかけてしまった。
猛省。
翌日も相変わらず目を開けるのすらしんどい状況で、とりあえず病院に行き目薬をもらう。
やはり、典型的な雪目の症状との事。
その翌日は一日休暇をとり、ようやく火曜日から仕事に復帰したものの、PCの画面を見るのすらしんどい状態。
輝度を最低に落として何とか乗り切る。
現在は本レコを問題なく書けるまで復活したが、とにかく一度雪目になると大変なので、今後はゴーグルと併せて晴天時用に目が曇らないサングラスを持参し、山中では外す必要がないようにするなど万全の対策をして入山したい。
一つ学んだ山行でした。
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