北鎮岳
北海道
noboro78
その他2人 
体力度について
- GPS
- 09:18
- 距離
- 13.9km
- 登り
- 1,156m
- 下り
- 1,154m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 8:07
- 休憩
- 1:11
- 合計
- 9:18
| 天候 | 晴れ時々曇り |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2022年07月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
ケーブルカー（ロープウェイ／リフト）
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
良好 高山植物開花中 カムイとの遭遇あり |
| その他周辺情報 | 温泉 朝陽リゾート 800円 |
写真
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感想
カムイミンタラでカムイに会ってきました。
カムイミンタラ（神々が遊ぶ庭）、北海道の屋根大雪山をアイヌ民族はこのように呼んでいた。アイヌ民族にとってのカムイはヒグマ、つまり”ヒグマたちが遊ぶ庭”が大雪山だ。
滋賀県から来たお客さんからのオファーがあり急遽日帰りでお鉢巡りをしようと出掛けた。黒岳ロープ―ウェイを利用し高山植物を愛でながら順調に黒岳山頂に到着し雄大な展望と若干の休憩をして石室へ向かう。いつも写真家たちがナキウサギのシャッターチャンスを待つポイントで普段とは逆の桂月岳方向を見ている登山者がたむろしていた。我々も足を止め視線の方向を追うと大小の黒い物体が動いていた。親子のカムイが桂月岳の裾野で戯れていた。この15年間、毎年2〜3回ここに来ているが以前石室のテン場で凌雲岳方向へ向かうカムイを某大学ヒグマ研究会が発見し我々も望遠鏡で見せてもらったことがあったがその時以来2回目だった。今回は肉眼でほぼ限界と思われる程度の距離なので恐らく1�劼禄縞�に離れているように思われた。しばし行動を観察したが左程大きく移動しているようには見えなかったしカムイミンタラなのでカムイが居るのは当然のことだとあまり気にせず石室へ向かった。石室ではテン場から桂月岳裾野周辺をチェックしたがカムイの姿は発見できず今回も凌雲岳方向へ移動するのだろうと考え北鎮岳へ向かって行動を開始した。雲の平は最盛期ほどではないが、コマクサ、イワブクロ、岩キキョウ、コザクラ、メアカンキンバイ、ツガザクラなどなどこの時期の高山植物たちが競うように咲き誇り、中でもチシマツガザクラは見渡す限り一面に広がっていた。
お花たちに心を満たされ北海道第ニ峰北鎮岳とその展望に満足し予定を変更し雪渓を下りきった辺りで凌雲岳裾野に自然の中には無い純黒の物体が目に入った。しばらく注視すると1頭のカムイが凌雲岳裾野周辺を散策している。登山道から相当離れているし北鎮岳からの融雪水が流れる川も挟んでいるので心配は無いと考え行動を継続した。すると雲ノ平の入り口付近で登山者が集団で停滞していた。聞くとハエマツの中に熊が入って行き動かないとの事。ここを通り抜けられなければ北鎮分岐へ戻り北海岳経由で中止したお鉢廻りをしなければ下山できない。リフトの運行時間を考えると時間的にはギリギリなので何とかカムイに除けてもらい通過させてもらうことがベストだ。徐々に近寄り笛を吹き、鈴を鳴らすも反応なし。
しかし、更に近づき笛と鈴を鳴らすとさすがに首を持ち上げ周辺を見回した。目が合った。デカイ！！
怯んで背を向けそうになった。恐怖心が芽生えたが背を向けてはいけないと云う鉄則を思い出しカムイ方向から視線を反らさず我慢し鈴を鳴らし続けた。登山者の中にはリュックに短く装備していたストックを手に取り伸ばし始める姿もあった。カムイと戦うつもりなのか・・・。
そうこうしていると登山者の中からみんなで笛を吹きながら通過しようと声が上がった。先頭にいた私の前を笛を吹き鈴を鳴らしながら通過し始めた。その様子をカムイは改めて首を持ち上げ見過ごしていた。先頭にいた私は最後尾となり通過した。黒岳山頂で環境パトロールの方が双眼鏡でカムイの行動を監視していた。双眼鏡を借り見せてもらうとなんと親子のカムイだった。恐らく、桂月岳裾野で戯れていた個体が登山者が多いにも関わらず登山道を横断し雲ノ平に停滞し授乳していたのだろう。羅臼縦走でも同じ場面に遭遇したことがあるが振り返ってみると全く同じ行動だった。双眼鏡で確認したカムイ親子は仲良く沢筋に戯れながら降りて行った。
今回のカムイミンタラでは3頭のカムイに会い、ここがカムイたちの楽園であることを実感した一日だった。
子育て中にも関わらずカムイミンタラを散策させていただきありがとうございました。
願わくば人との遭遇を避けて行動してください。
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