白谷から横山岳二峰周回


- GPS
- 05:16
- 距離
- 8.6km
- 登り
- 947m
- 下り
- 981m
コースタイム
- 山行
- 5:13
- 休憩
- 0:56
- 合計
- 6:09
天候 | 晴たり曇ったり |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
よく手入れされた登山道と林道 |
その他周辺情報 | 鈴乃や清泉閣 |
写真
感想
猛烈な暑さが復活している。できれば標高1500m以上の山か沢登りで涼しい思いをしたいところ。だが、パートナーは沢を避けたいようだし、標高のある大峯は帰りの渋滞が気になる。そこで、今年の花の時期に行きそびれた(谷筋の雪が消えなかったため)横山岳に白谷から登ることに。先週は徳島南部の高城山や樫戸丸、そして長山を、車で移動しながら登ったのでマッスル的には弛み気味であった。それを引き締める意味でも、横山岳は有効だろう。なんせ、この暑さ。水に恵まれた谷沿いを登りにとって沢水飲み放題付きコースを選択だ。これなら、暑さでバテることを回避でき、不安材料は天気だけとなる。朝、出がけは真っ青な空が広がっているが、このままいけば午後には積乱雲が発生し、山ではいきなりの雷雨、っていうことも十分ありうる。サッサと登ってサッサと下山を目指す。
阪神高速、名神、北陸道と乗り継いで、間もなく木之本というところで、工事による車線規制で渋滞だ。ちょうど長濱の出口前なので、ここで下道におり、8時半ごろ、白谷登山口の駐車場に到着した。広々した駐車場には3台の乗用車が止まるのみ。データによれば8月は横山岳月別登山人口が最も少ない月の一つである。無理もない。なかなかきついこの山に盛夏を選んで登る物好きはそう多くはあるまい。
白谷ルートは古い作業道から始まり、すぐに谷沿いの山道に変わる。広がりのある明るい谷筋を進む。登山ルートはきれいに刈り払いされてところどころに道標が設置されている。しかし、おおむね左岸に道はついているが、谷側に傾斜し、刈込まれた草の切り口の上を踏んでゆく感じになる。ここは豪雪地帯。春、雪は谷に向かって崩落し、地面は容赦なく削り取られていく。そして雪融け後、積雪に押さえつけられていた草木は我が世の春とばかりにぐいぐいと成長する。このルートのように谷筋をトラバース気味につけられた道は毎年崩落し、草に覆われてしまうものだ。このルートも地元の登山会の手厚い管理なくば、1年で消えてしまうことだろう。その労をたたえたい。
林道をクロスして再び沢に降りる。谷の右岸を見ると、びっしりとオオバギボウシの巨大な葉が斜面を覆っている。こんな大きな葉をしたオオバギボウシが群落を形成しているのを始めてみた。深雪の東北の山ですら、こんな光景を目にしたことはなかった。圧巻である。わずかに進むと立派な滝が眼前に現れる。経の瀧である。滝下を右岸にわたるが、水流真上の高い位置にロープが渡されている。ここで、チロリアンブリッジ! なわけがなく、単にこれをもって渡れば安心でしょ、というお助けロープである。経の瀧は左から大きく巻いて進む。軽いへつりなどを楽しんでさらに登り、随所に小滝を見つつさらに進む。すると、瀑心を陽光に輝かせて落ちる幅広の瀧が現れる。周囲は気持ちの良い開けたところだ。この滝の脇で昼食とする。間もなく谷から離れて小尾根の急登となる筈で、その前に昼飯をいただいて重量を軽くし、同時に沢水を確保しておこうという算段である。
さて、この先、今の滝の上で右から二条になって流下する支谷が合する。これを見送って本流に沿ってわずかに登ると再び視界が開け、数段になって落ちる巨大な直瀑が目に飛び込んでくる。思わず声をあげる見事な滝である。これが五銚子滝である。しばし見入る。この落差のある滝は左から大高巻きで越えることになる。滝下で水を補給するか迷ったが、落ち口上で一旦沢に出ると思ったので、その時に水を汲むとする。ところが大高巻きの後、道は沢床には降りずに尾根に向かっていた。しょうがないのでこの地点で藪を少々こいで澤床へ降り、水をくむ。
そして小尾根の急登である。これが長く感じる。風景が変化しないのがその一因だろう。しかし周りは雰囲気の良いブナ林であり、直射日光を遮ってくれるのが助かる。山頂まで300mの道標が立つ地点にくるが、まだ300mもあるのかと、ちっとも励まされた気分にはならない。それから延々と上って、次の道標に山頂までx00mとある。xが読めない。ここまで随分あったから100mだろう、と確信し、これを過ぎたら後は数十メートルなんだから多少は励みになるか、と思い直して進む。延々と上って、また道標がある、今度は山頂まで100mとはっきり読める。ということは、さっきのは200m!もう、これでは何の励みにもならない。でも、ここからは傾斜がぐっと緩んで、あっという間に横山岳山頂に飛び出した。
横山岳山頂は小広い空間であるが、視界は南に一部開けるだけ。ちょっと休んだら、東峰に向けて出発する。ブナ林を少々進むと伐採された稜線となり、右に琵琶湖、左に美濃の山々の視界が開けて実に気分がよい。ほとんどアップダウンなしの道を進むと再びブナ林に入り、やがて東峰につく。ここからはもっぱら下りの道を豊かなブナ林に安らぎを感じつつ進んでいく。東尾根に入り、最後の激下りをツズラ折れに下りきると林道に出た。ここからは安定した路面の林道をひたすら登山口へと向かうのみだ。路上の水たまりにはサカハチチョウの夏型やウラギンシジミが給水に訪れ、灌木の枝先ではコムラサキが翅を休めている。
数値データでは読み取れない意外に厳しい盛夏の横山岳、変化に富んだ面白い山行であった。
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