赤抜沢左俣

2022年09月04日(日) 〜 2022年09月05日(月)

• GPS: 27:32
• 距離: 10.9km
• 登り: 1,541m
• 下り: 1,982m

コースタイム

1日目

• 山行: 4:47
• 休憩: 0:01
• 合計: 4:48

11:11 赤抜沢橋
15:09 15:10 二俣
15:59 宿泊地

2日目

• 山行: 8:11
• 休憩: 0:30
• 合計: 8:41

6:02 宿泊地
9:57 10:12 稜線
10:16 10:20 赤抜沢ノ頭
11:06 11:07 鳳凰小屋分岐
11:40 11:45 鳳凰小屋
12:49 12:54 燕頭山
13:14 13:14 旭嶽
14:43 御座石鉱泉

天候

1日目：晴れ後雨
2日目：晴れ後曇り

アクセス

利用交通機関：

電車 バス

写真

9/4 10:51

赤抜沢橋の手前でバスから下ろしてもらう。

9/4 11:13

出だしは荒れているが左岸の草付きから簡単に上流へ。

9/4 11:24

三つ目の堰堤を左から越える。

9/4 11:48

…と、巨岩帯。

9/4 12:26

ガレの供給源はこれか。

9/4 12:35

連瀑帯の入口の滝。左岸の斜面を簡単に登れる。

9/4 12:57

落ち口近くは中央のクラックから登った。

9/4 13:12

連瀑帯が続く。ここも右壁を快適に登る。

9/4 13:40

きれいな釜を見下ろしながら、引き続き右から。ところによりIII級テイスト。

9/4 13:55

これは左から。

9/4 13:58

意外に踏み跡が明瞭。

9/4 14:42

少しの間落ち着いて、左岸から半島のように尾根が出っぱったあたりで再び滝。

9/4 14:46

これも簡単に巻ける。

9/4 15:01

二俣直前のきれいに苔むした滝。

9/4 15:02

苔むした滝の上は小さい連瀑になっている。

9/4 15:09

二俣。ここは左へ。

9/4 15:13

左俣にも滝は続く。これは左から巻いた。

9/4 15:18

ふと見下ろすと石の橋。

9/4 15:28

せっかくなので沢筋に戻って橋をくぐることにする。

9/4 15:33

アプローチがよければ名所になってもよさそう。

9/4 15:40

これは右から巻き。

9/4 15:43

これは右壁直登。III級程度だがスリップ注意。

9/4 15:53

そろそろテントを張りたいが、まだ滝があるのか…。

9/4 15:56

右岸の高いところをトラバースして滝を巻くと…。

9/4 15:59

落ち口の左岸に平坦地。見れば焚き火の跡もあり、幕営地としては申し分ない。

9/4 16:49

というわけでここ（標高2,300mくらい）で泊まることに。あいにく薪はびしょ濡れで、焚き火はできなかった。

9/5 5:59

薪は集めておきましたので、次にここに泊まる方はどうぞお使い下さい。

9/5 6:13

昨日は途中から雨に降られたが、一夜明けてどうやら快晴。

9/5 6:19

ガラガラの沢筋にところどころ滝を掛ける。

9/5 6:30

標高2,400mで左岸から滝が落ちる。ここが赤抜沢ノ頭に通じる沢筋のはず（このずいぶん手前に高嶺へ突き上げる沢筋が分岐していたはずだが、右ばかり注意していたせいか見落としてしまった）。

9/5 6:32

この滝は右寄りから登れそうだが、落ち口が急傾斜で手がかりの有無が判然としない。

9/5 6:50

よって安全策としていったん入口の滝を見送り、少し上流から巻き戻った。

9/5 6:56

ここから先はトポでも記録でも見たことがない白紙状態での遡行になる。

9/5 7:00

いきなり突破できない関門が現れた。ここで水も涸れるのでPETボトルに水を満たしてから、右寄りの細いルンゼから巻き上がる。

9/5 7:19

細いルンゼを上から見たところ。斜度がある上に足元がザラザラ、側壁はボロボロでかなり緊張した。

9/5 7:27

細いルンゼがわずかに安定したところから左に尾根を乗り越して本流に懸垂下降（ロープ長は20mでぴったり）。

9/5 7:56

幅広いザレ滝。もう水は出てこないのでシューズを履き替えてから、左から巻いた。

9/5 8:03

巻き終えて沢筋に戻るところでGPSをチェックすると、赤抜沢ノ頭に向かう谷筋の一本左に入ってしまっている。

9/5 8:24

尾根を越えて軌道修正。このあたりは鹿の踏み跡に助けられた。

9/5 8:27

ところが本流と目していた谷に入ると、行く手には明らかに越えられそうにない涸滝。このときは一瞬目の前が暗くなった。

9/5 8:34

仕方ない、藪漕ぎだと思って本流左岸の尾根に入ると、意外に歩きやすい。鹿さん、ありがとう。

9/5 8:41

とは言ってもこうした藪はところどころ出てくる。

9/5 8:43

時折見える白い稜線を励みにがんばる。

9/5 8:59

やっと森林限界を抜けて白ザレの斜面に出た（標高2,600m）。

9/5 9:14

開けたところから振り返ると、背後に白峰三山。

9/5 9:28

かつてシレイ沢を遡行したときにも苦しめられたが、白ザレの斜面はフリクションがきかず案外手強い。

9/5 9:44

あれは観音岳。

9/5 9:45

途中から現れた踏み跡（誰か最近ここを登っていたのか？）に導かれて観音岳方面へトラバース。

9/5 9:56

最後は少し切り返して赤抜沢ノ頭（最高点）のやや南東側へ。

9/5 10:11

縦走路に出て遡行終了。

9/5 10:16

赤抜沢ノ頭の最高点から、地蔵岳のオベリスクを見ていい気分。

9/5 10:16

ところが、赤抜沢側を見下ろすと自分の踏み跡が見え、その途中からこの最高点へ通じるラインも見ることができた。そうか、ダイレクトにここに登ることができたのか…と少々落胆。

9/5 11:00

気を取り直してザックを回収し、観音岳を目指す。これはその途中にあった天然盆栽。

9/5 11:06

観音岳と鳳凰小屋との分岐点。先ほどからガスが上がってすっかり展望がなくなっており、ここで鳳凰小屋から御座石鉱泉へ下ることに決めた。

9/5 11:40

懐かしの鳳凰小屋。かつてここに泊まったのは1986年のこと。

9/5 12:20

燕頭山へ向かう道のしっとりした感じもそのときと同様。

9/5 12:47

サルオガセ。

9/5 13:15

旭岳の石碑は講中登山が盛んだったことを示しているが、どうしてこのなんでもない（ピークですらない）地点をゴールにしたのかは謎。

9/5 14:38

御座石鉱泉に降り着いて山行終了。にぎやかなおばちゃんに親切に勧められて、冷たい水で顔や体を拭いてさっぱりすることができた。

撮影機器：

OLYMPUS Tough TG-6 オリンパス

iPhone SE (第2世代) 128GB au Apple

感想

juqcho

南アルプス・鳳凰三山の西面の赤抜沢左俣をソロで遡行。赤抜沢ノ頭へほぼダイレクトに抜けました。

この沢はあまりネット上の記録がなく、特に左俣の途中から右の赤抜沢ノ頭に向かう記録は見たことがありません。また私の手元にあるトポも右俣のものなので、いわば初見の状態で挑みました。等高線からあらかじめ予想していた通り、かなりの斜度でぐいぐいと高度を上げる沢筋はところどころで突破できない涸滝が行く手を阻み、勘を働かせながら巻いては沢筋に戻ることの繰り返しでなかなかスリリング。最後は赤抜沢ノ頭近くの白ザレの斜面となり、背後の白峰三山に励まされながら稜線を目指しました。

実は、8月中旬にシャモニーから帰国したときには広背筋が炎症を起こしていてクライミングどころではなく、症状が治まった後も燃え尽き症候群のように心身の疲労が抜けなかったのですが、ジム通いをしながら徐々に体調を戻して、ようやく山行に乗り出すことができました。ここから再始動です。

詳細な記録はこちらです。→ https://climb.juqcho.jp/2022/20220904.html