神室連峰 砂利押沢左俣 黒滝沢


- GPS
- 08:26
- 距離
- 14.6km
- 登り
- 1,379m
- 下り
- 1,362m
コースタイム
- 山行
- 7:48
- 休憩
- 0:39
- 合計
- 8:27
天候 | 晴れ 稜線ガス |
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過去天気図(気象庁) | 2022年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
最上川水系 土内川支流 砂利押沢左俣 黒滝沢 体感2級上 フェルト△ SBなし 水量平水 魚影あり ■アプローチ 土内川右岸につけられてる林道を進み、砂利押口の登山道から土内川へ入渓。 土内川を10分程遡ると、左岸から砂利押沢が出合う。 ■砂利押沢左俣 黒滝沢遡行 砂利押沢に入ると小滝が何個か出て来るが難所はない。 450mで二俣。砂利押沢とは登山道が平行している右俣の事であり、今回遡行する左俣は黒滝沢と名前を変える。文字通り主稜線の黒滝峰に突き上げる沢である。 黒滝沢に入ると、小滝が多くゴルジュも出てくるが通過は容易。また渓相が良く未知の沢なのでとても楽しい。 一歩が悪い滝などには釣り師が付けたと思われるロープが垂れているが、沢屋なら触らなくても通過出来る。 釣り師ロープは3か所程あった。 610m付近の左岸から黒光りした威圧的な滝を見送ると、630m付近にこの沢最大の15m滝。 これは右岸ルンゼを少し登ってトラバース。トラバースは足元がグズグズで悪いが、懸垂なしで滝の落ち口にドンピシャで降りられる。 尚、直登するなら要ザイル。中々厳しい登攀になると思う。 程なく行くと渓相はゴルジュ地形になり、その中に4段30m滝。これは全て滝身を直登出来る。 その後、何個か滝を挟んで今度は3段30m滝。 水線は細い滝だが、ゴルジュの中の滝なので中々素晴らしい景観である。 1段目の滝はソロでは渋そうなので左岸から巻き。この左岸の巻きが逆層のヌメヌメ登攀で少々難儀した。 巻き途中から先を見ると、すぐ上に2段目3段目と見えたので、これは登らなければと思い1段目の落ち口に向かって7m程懸垂下降。 尚、ここはわざわざ降りなくても、そのまま2段目3段目も左岸から巻けると思う。 2段目3段目の滝は無事に直登で越える。 その後も滝は続くが全て直登出来る。10m滝は落ち口がちょっといやらしいのでパーティーによってはザイルだろう。 870mの二俣は左へ入る。進む左には3段40m滝となって出合っている。 ここは直進しても稜線には抜けれると思うが、黒滝峰に突き上げるのなら左だ。地形図では沢線が曖昧になってる所で、あらかじめこの場所を気に留めておかないと直進してしまうだろう。 左に入って3段40mを登ってからも滝は続き、さすが神室の沢といった感じである。 沢は次第に急峻な階段状のガレ場になり疲れた体にはキツイ。 源頭になってくると沢型は消え藪漕ぎに突入。途中ポッカリ開けたガレ場に出たりするが、中々の濃密な藪漕ぎである。特にハイマツが混じるので、久々に匍匐前進や枝ジャンプも交えながら約30分の格闘だ。 次第に傾斜が落ち着いてくると登山道に合流。目指した黒滝峰から南に10歩程の所であった。 下山は砂利押の登山道を利用。ここは一部不明瞭であり、気を付けてないと登山道をロストしてしまう。 今回も気付いたら登山道を見失って沢を下ってたので、面倒くさいのでそのまま沢を下降。途中からピンテを見つけて登山道に復帰した。 |
写真
装備
個人装備 |
30mザイル ガチャ類 ビバーク装備
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感想
今シーズン、神室の沢に入るのは4本目であるが、そのうち三本が連峰西面の沢である。
本当は東面の大横川等の沢に入りたいのだが、中々タイミングが合わず今シーズンも見送り濃厚となってしまった。
今回遡行する砂利押沢左俣の黒滝沢は、沢登りとしての詳細な記録は一切なく、地元山岳会の備忘録を読んで知った沢である。
砂利押沢の名前は登山道が付けられているので知っている人は多いかと思うが、その左俣は黒滝沢と名前を変え、主稜線の黒滝峰に突き上げる沢だと云うのを知る人は少ないだろう。
実際私もその備忘録を読むまでは知らなかったし、小又山の南にある小ピークが黒滝峰と云う名前が付いているのも初めて知った。
しかもこの主稜線の黒滝峰、地形図にも名前どころか標高も記載されていない小ピークだが、以前厳冬期に小又山に登った際に主稜線の合流地点として確かな存在感を示していたピークである。
今改めてその時のルートを見ると、登りに使った尾根は、今回遡行した黒滝沢の右岸尾根と云う事になるのだろう。
山も沢も、点が線になる瞬間とはこういう事を云うのだろう。もちろん単純に歩いたルートが線で繋がったという意味ではない。
尚、黒滝峰の詳細な場所だが、今回私が詰め上げた地形図には名前も標高もないピークが黒滝峰だと思うのだが、いまいち確信が持てない。どなたか確実にご存知の方がおられればご教示願いたい。
さて、黒滝沢。
備忘録を読んでいたとは言え、そこは何が出てくるかまったくわからない未知の沢である。しかも大好きな神室の沢とあって、とにかくワクワク感やドキドキ感が半端なく武者震いまで起きるくらい胸は高まっていた。
写真でも紹介したように、渓相はとても素晴らしかった。滝も多く、全体を通しても簡単過ぎず難し過ぎずといった感じで、バランスがいい素晴らしい沢であった。
わざわざ関東等からとなると、やはり東面の沢の方が魅力はあるだろうが、東北の沢屋さんで行く場所がない時などは是非訪れてみるのもいいかと思う。
しっかりしたリーダーがいれば初級者でも楽しく遡行出来るだろう。
神室の西面の沢シリーズは実はまだまだ行きたい沢がある。
しかし本当に行きたい沢は東面の沢であり、こちらは中々ソロで入るのは難しい事から、気を揉む事が多いのも正直な所だ。どなたかご一緒したいと云う方がいれば嬉しい限りである。
いずれは神室の全ての沢を遡行してみたい。そんな大それた事を目標にまた次の沢を見繕いたいと思う。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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無名山や登り古された山でも季節やルートを工夫すれば、いくらでも驚きや発見があります。これからもどこでも自由にルートをとって山歩きをしたいと思っています。
沢登りの醍醐味はその自由さですね。
まさに冒険であり、記録がない場所はホントにワクワクしますね。
面白山の記録拝見しました。
私も二口のそちら側は入ったことがなく、色々興味がある場所です。貴重な記録ありがとうございます。
これからもお互い安全に楽しく山や沢をやっていければいいですね😊
またどこかでお会い出来るのを楽しみにしております。
拙ブログにコメントをいただきありがとうございました。
霧の山稜で突然単独の沢屋さん出会って驚きました。
神室の沢を単独で登るとは流石です。
来年3月にまた写真展を行いますので、是非お越しください。
尚、突き上げたピークは黒滝峰で間違いないです。
下山時に釣り師の方とお会いしたと仰ってましたが、おそらく私が先日火打沢を遡行した下山時に会った釣り師の方ですかね。その方に黒滝沢はいいよと教えてもらい今回の遡行に繋がりました。
やはりあのピークが黒滝峰でよかったんですね。ありがとうございます。スッキリしました。
神室は夏も冬も大好きな山域ですので、またお会い出来たら光栄です。
来年3月の写真展の時は今度こそ声かけさせて頂きます😊
ありがとうございました!
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