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記録ID: 4803785
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ハイキング
京都・北摂

【京都北山】光砥山・天狗峠周辺の谷歩き(長治谷,フカンド谷,滝谷左俣,同右俣)

2022年10月16日(日) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
10.3km
登り
935m
下り
924m

コースタイム

日帰り
山行
6:20
休憩
0:00
合計
6:20
9:40
90
長治谷出合
11:10
11:10
20
長治谷とフカンド谷の間の最低鞍部
11:30
11:30
20
フカンド谷の790m二俣
11:50
11:50
60
P927の東の鞍部
12:50
12:50
70
滝谷の600m二俣
14:00
14:00
50
14:50
14:50
40
P936付近から南東尾根へ
15:30
15:30
30
京都府立大演習林事務所
16:00
長治谷出合い
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2022年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
久多川沿いの道路の長治谷出合付近の路肩に2台分程度のスペースがあり,そこに駐車。
コース状況/
危険箇所等
・ 長治谷(久多川右岸の支流で,滝谷の一本南の谷)は,かなり奥まで林道跡が続いていて植林に覆われており,滝があるわけでもない平凡な谷だが,谷中は明るく雰囲気はそれほど悪くないので,光砥山〜天狗峠間の稜線への登路としてはありかもしれない。
・ フカンド谷(能見川源流,光砥山の東側を流下する谷)も基本的に植林の谷だが,標高790m二俣の右俣は出合からすぐナメ滝が連続する滝場があってなかなか美しい。
・ 滝谷左俣は,右俣と分かれてすぐの位置に5mほどの見栄えのする滝(上部のナメ滝部分も合わせれば15mほど)があるのが唯一の見せ場で,それ以外は植林に覆われた平凡な谷。(下山後に調べたところ,今年5月にyamaneko0922さんらパーティーも歩かれていました。)
・ 滝谷右俣は天狗峠への登路として時々記録を見る谷(自分自身,かなり以前にここから天狗峠に登ったことがある)。今回歩いた谷の中では唯一自然林が基調の谷で,雰囲気は最も良い。目立った滝場は特になく穏やか。
・ 今回は沢足袋を使用したが,いずれの谷も穏やかで,数少ない滝場も容易に巻くことができるので,普通の登山靴でも歩けると思う。もちろん,沢足袋か沢靴で歩いたほうがより趣深い山歩きができることは言うまでもない。

※ 念のため注記すると,天狗峠は天狗岳(928m)の別名です。
久多川源流の澄んだ流れを渡渉して長治谷へ。出合にはコンクリート橋の残骸が残っている。
久多川源流の澄んだ流れを渡渉して長治谷へ。出合にはコンクリート橋の残骸が残っている。
長治谷の左岸には林道跡と思われる平場が続いており,そこを辿って歩いて行く。
長治谷の左岸には林道跡と思われる平場が続いており,そこを辿って歩いて行く。
基本的に植林に覆われているが,谷中は明るく,雰囲気は悪くない。
基本的に植林に覆われているが,谷中は明るく,雰囲気は悪くない。
580m付近二俣。林道が途切れて植林が自然林に変わる瞬間を心待ちにしていたのだが,結局ここまで林道が続き,そして残念ながら植林はその奥にも広がっている。まあ,穏やか谷だから仕方ないか…。
580m付近二俣。林道が途切れて植林が自然林に変わる瞬間を心待ちにしていたのだが,結局ここまで林道が続き,そして残念ながら植林はその奥にも広がっている。まあ,穏やか谷だから仕方ないか…。
ここから谷は複雑に枝分かれするが,慎重に読図して600m二俣の右俣に入る。すぐに小規模な滝場。この谷唯一の滝場と行っていい。
ここから谷は複雑に枝分かれするが,慎重に読図して600m二俣の右俣に入る。すぐに小規模な滝場。この谷唯一の滝場と行っていい。
長治谷とフカンド谷の間の最低鞍部を目指して源頭を詰めていく。
長治谷とフカンド谷の間の最低鞍部を目指して源頭を詰めていく。
尾根に乗り上げた。
尾根に乗り上げた。
ここからフカンド谷に降りる…のだが,フカンド谷側も植林が広がっているのを見てちょっとがっかり。このあたりって,こんなに植林が多かったっけなぁ…。久しぶりに歩くので忘れていた。
ここからフカンド谷に降りる…のだが,フカンド谷側も植林が広がっているのを見てちょっとがっかり。このあたりって,こんなに植林が多かったっけなぁ…。久しぶりに歩くので忘れていた。
それでも,フカンド谷へと降りていく斜面で,かなり立派な天然スギの巨木に出会った。
それでも,フカンド谷へと降りていく斜面で,かなり立派な天然スギの巨木に出会った。
フカンド谷に降り立つと,周囲は植林が多いものの,意外にナメが多く現れて,苦しゅうない雰囲気。
フカンド谷に降り立つと,周囲は植林が多いものの,意外にナメが多く現れて,苦しゅうない雰囲気。
こんな小滝も。フカンド谷は地形図からは穏やかな印象だったので,小滝が多いのは意外だ。
こんな小滝も。フカンド谷は地形図からは穏やかな印象だったので,小滝が多いのは意外だ。
そして,790m二俣。この二俣も,両俣ともにナメ滝になって出合っている。
そして,790m二俣。この二俣も,両俣ともにナメ滝になって出合っている。
ここから右俣に入る。ここは等高線の感じからして絶対に滝があるだろ,と思っていた箇所なのだが,思った通りナメ滝が連続する滝場となっていた。
ここから右俣に入る。ここは等高線の感じからして絶対に滝があるだろ,と思っていた箇所なのだが,思った通りナメ滝が連続する滝場となっていた。
小滝ばかりではあるが,その一つ一つに沢足袋を丁寧に浸しながらナメ滝を乗り越えていく。
小滝ばかりではあるが,その一つ一つに沢足袋を丁寧に浸しながらナメ滝を乗り越えていく。
なめらかな黒い岩を滑り落ちていく水が涼やかで気持ちいい。
なめらかな黒い岩を滑り落ちていく水が涼やかで気持ちいい。
右岸側には大きな岩壁が聳え立っている。
右岸側には大きな岩壁が聳え立っている。
そしてその岩壁の傍らには巨大なスギの倒木が。この木が現役だったころはどれほどの巨木だっただろう,と思わず想像してしまうくらいの大きさだ
そしてその岩壁の傍らには巨大なスギの倒木が。この木が現役だったころはどれほどの巨木だっただろう,と思わず想像してしまうくらいの大きさだ
滝場最後の,5mほどの斜滝。なめらかな岩の感触を楽しみながら直登して越える。小さいながら美しい滝場だった。
滝場最後の,5mほどの斜滝。なめらかな岩の感触を楽しみながら直登して越える。小さいながら美しい滝場だった。
その後は地形図通り穏やかな源頭となり,そのまま尾根へ。
その後は地形図通り穏やかな源頭となり,そのまま尾根へ。
P927の少し東側の尾根に出た。
P927の少し東側の尾根に出た。
そこから直接北側の滝谷左俣へ下降。
そこから直接北側の滝谷左俣へ下降。
残念ながら,この滝谷左俣も植林に覆われていた。谷自体の雰囲気は悪くないのだが…
残念ながら,この滝谷左俣も植林に覆われていた。谷自体の雰囲気は悪くないのだが…
このまま二俣かな,と思っていると,急に目の前の谷が急峻になり,10mほどのナメ滝が現れた。
このまま二俣かな,と思っていると,急に目の前の谷が急峻になり,10mほどのナメ滝が現れた。
ナメ滝はそのまま暗い落ち込みへと吸い込まれていく。右岸から巻いていくと…
ナメ滝はそのまま暗い落ち込みへと吸い込まれていく。右岸から巻いていくと…
5mほどの,なかなか見栄えのする滝であった。上部のナメ滝部分も合わせれば,15mほどの規模になる。滝谷は一の滝と馬尾滝だけかと思っていたら,こんな滝もあったんだなぁ。
5mほどの,なかなか見栄えのする滝であった。上部のナメ滝部分も合わせれば,15mほどの規模になる。滝谷は一の滝と馬尾滝だけかと思っていたら,こんな滝もあったんだなぁ。
滝谷右俣と左俣の二俣。ここは大きなトチノキもあって雰囲気の良いところ。流れの傍らの岩に腰かけて,テルモスの紅茶とアンパンで休憩した。
滝谷右俣と左俣の二俣。ここは大きなトチノキもあって雰囲気の良いところ。流れの傍らの岩に腰かけて,テルモスの紅茶とアンパンで休憩した。
小憩の後,今度は滝谷の右俣へ。この谷は10年ほど前に一度歩いたことがある。ここまで植林ばかりだったので,自然林の谷にほっとする。
小憩の後,今度は滝谷の右俣へ。この谷は10年ほど前に一度歩いたことがある。ここまで植林ばかりだったので,自然林の谷にほっとする。
滝谷右俣は穏やかな谷で滝などの見せ場はほとんどないが,心穏やかに谷の散歩を楽しむにはぴったりだ。
滝谷右俣は穏やかな谷で滝などの見せ場はほとんどないが,心穏やかに谷の散歩を楽しむにはぴったりだ。
詰めはやや急になるが,藪もなくそのまま稜線へ。
詰めはやや急になるが,藪もなくそのまま稜線へ。
天狗峠分岐。ここは来るたびにマーキングが変わるなぁ。「外すな!」の文字に,マーキング肯定派と否定派の攻防が読み取れる。
1
天狗峠分岐。ここは来るたびにマーキングが変わるなぁ。「外すな!」の文字に,マーキング肯定派と否定派の攻防が読み取れる。
天然スギの巨木の尾根を,天狗峠へ。
天然スギの巨木の尾根を,天狗峠へ。
巨木3兄弟。天狗峠の周辺まで来ると,京都北山の深部の入り口に来たな,という気がする。
巨木3兄弟。天狗峠の周辺まで来ると,京都北山の深部の入り口に来たな,という気がする。
小野村割岳方面の眺め。低くても深い,まさに京都北山という眺め。
小野村割岳方面の眺め。低くても深い,まさに京都北山という眺め。
天狗峠に到着。

スギの巨木とブナが混交する独特の植生。
スギの巨木とブナが混交する独特の植生。
黒々としたスギの木立の合間から秋の澄んだ青空を眺める。
黒々としたスギの木立の合間から秋の澄んだ青空を眺める。
ブナの黄葉はわずかに始まったばかり。
ブナの黄葉はわずかに始まったばかり。
今は自由に立ち入ることのできない京都北山の核心部,芦生研究林方面の山々の眺め。
今は自由に立ち入ることのできない京都北山の核心部,芦生研究林方面の山々の眺め。
ここまで谷ばかり歩いてきたので,下山は尾根を行きましょう。稜線を西進。天狗峠〜三国岳間の稜線は久しぶりに歩くが,こんなに植林や伐採地が多かったっけな…。記憶は当てにならないものだ。
ここまで谷ばかり歩いてきたので,下山は尾根を行きましょう。稜線を西進。天狗峠〜三国岳間の稜線は久しぶりに歩くが,こんなに植林や伐採地が多かったっけな…。記憶は当てにならないものだ。
P936付近から南東方向に派生する尾根へ。
P936付近から南東方向に派生する尾根へ。
恥ずかしながら,この尾根に既存ルートがあることを全く知らずに下ったのだが,マーキング完備のしっかりした踏み跡が続いていました。
恥ずかしながら,この尾根に既存ルートがあることを全く知らずに下ったのだが,マーキング完備のしっかりした踏み跡が続いていました。
最後は京都府立大演習林の事務所小屋の裏手に降りてきた。なるほど,ここにつながってるのね…知らんかった(赤っ恥)
最後は京都府立大演習林の事務所小屋の裏手に降りてきた。なるほど,ここにつながってるのね…知らんかった(赤っ恥)

感想

 この週末は遠出ができないので,地元の京都北山の山歩き。
 京都北山を歩く者にとって共通の悩みは,北山の一番美しいエリアに自由に入れない,ということではないだろうか。「一番美しいエリア」とは,言うまでもなく由良川源流域,つまり芦生研究林のことである。申請すれば一般入林も可能だが,それもごく一部の決められた歩道しか歩くことができない。京都北山でなるべく奥地へ赴こうとすると,いきおい芦生研究林の外縁をさまようような登山になってしまうことが多い。もちろん,芦生の外にも,京都北山にはあまり歩かれていない素晴らしい尾根や谷がまだまだあるはず,という思いでこの山域の山歩きを続けてはいるのだが。
 閑話休題。先日歩いた久多川の上の谷がなかなか良かったので,今回もその周辺の,さらに奥にある谷を中心に歩いてみた。しかし,残念なことに,今回歩いた谷は植林に覆われており,上の谷にあれほどの森が残っていることの稀有さを逆に印象付けられる一日となった。それでも,フカンド谷の790m二俣にあるナメ滝の連瀑や,滝谷の左俣の滝との出会いは,北山の隠れた美景を見つけたようで嬉しくなった。
 それから,天狗峠。この山はやっぱり好きだ。別に優れた眺望があるわけでもないのだが,スギの巨木とブナ・ミズナラが混交する鬱蒼とした森は,まさに北山といった感じで,ふるさとの森に帰ってきたようで何だかとても落ち着くのである。天狗峠の眼下に広がる深い谷間は,由良川の源流。むかし歩いたカズラ谷やアイノ谷,大谷の情景が浮かんでくる。一歩足を踏み出せば,そこは芦生の森だ。

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