三ツ下谷南尾根からシェール道を経て長峰山


- GPS
- 04:58
- 距離
- 12.5km
- 登り
- 746m
- 下り
- 880m
コースタイム
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
上りのルート、とりつきを除きマーキングあり。 |
その他周辺情報 | 灘温泉(炭酸泉) |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
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感想
この前の週末は秋吉台、さらにその前は京丹後の磯砂山と、2週にわたって”外遊”となったが、今日は裏山の六甲を単独行だ。静かな山行を楽しむなら裏六甲。ただし、冬場は太陽の位置が低くなるために、裏六甲は六甲山自体の影に入って陽射しがなくなる。行くなら秋までだろう。まだ歩いていない場所の一つとして、三ツ下谷南尾根がある。ここは何人かの岳人が登行記録を残しており、いずれも尾根の南側、下水谷の水道施設側からアプローチして、藪に池にフェンスにと、幾多の障害に悩まされたことが読み取れる。しかし、尾根のとりつきはそれを挟む二つの谷の出合と相場が決まっている。つまり、下水谷と三ツ下谷の出合から取り付くのが普通だろう。ということは、北側からアプローチするということだ。asakinuは一か月前に三ツ下谷をわらじと地下足袋で遡行したが(記録ID: 4739540)、出合のすぐ上に築かれたこの谷唯一の堰堤である丸山上流堰堤は左岸から大高巻きで越えるように踏み跡がついていたので、これを使えば容易に尾根に乗れるはず、と考えた。これを試すのが今日の最初のミッションである。
今日は素晴らしい秋晴れ。kinuasaに新神戸まで車で送ってもらい、地下鉄でズドーンとトンネル一発で谷上駅へ。前回、三ツ下谷遡行の時には、最初の山田道でまさかのローストだったので、今日はその時の間違いがどこに起因するのか、それを解明することも念頭に置いていた。まず判明したのは、神鉄の高架をくぐってすぐの道標のところで、山田道は階段を下り、川べりを行くべきなのに、前回は道路を直進していたことだ。これで解決と思いきや、川べりの道は間もなく道路に合流してしまった。ここで第二の発見があった。この地点にも道標が立っていて、橋を渡ったところで山田道は右に一旦は川の下流方向へと進んだ後、方向転換して上流へと向かっているのだ。前回、この指導標の→の向きを確かめもせず直進して堰堤下で行き詰ったのだった。つまりは、2回にわたって不注意な失敗をしでかしていたわけだ。これで気分はすっきりして、三ツ下谷に意識を集中させる。
丸山谷の傾いた橋も、今回は無理して越さずに上流側の飛び石伝いの渡渉でかわす。三ツ下谷出合へのY字分岐には、先月来た時にはなかったタイガース風シマシママーキングがべっとりと張られていた。出合に降り立って、左手から堰堤で流入する三ツ下谷の左岸につけられた巻き道へと進む。まず副堰堤を越え、さらに主堰堤を巻く踏み跡を辿る。堰堤天板より高い地点に達したのち、巻き道は下りに入る。はたせるかな、この「最高地点」で右上方へとさらに登っていく薄い踏み跡を発見。これを進むと展望が開け、すぐに稜線上に立つ。実に簡単に目的は達成された。ここからは平穏な尾根をただひたすら登っていく。途中からマーキングが目立ってくる。何の問題もないが、地形はそれなりに複雑で、道型が曖昧な部分もあるので、油断するとローストしかねない。やがて左手には、木々の隙間から双子山、天狗岩、石楠花山が臨まれるようになる。実に静かで穏やかなルートである。マツタケが生えそうな雰囲気なのだが、勿論一本たりとも存在しない。
有馬路の 六甲の山を歩けども 松茸一本 なきぞ寂しき
(「六甲の山」は旧称である”むこうのやま”と読んでください)
どこぞの名歌の剽窃との声もあるが、まあいい。
淡々と進むと唐突に立派な登山道に飛び出す。右方向にわずかに進むと、高圧線鉄塔が立っていた。そのちょい先から左手に下ると、山上を貫くドライブウェイに降りたった。車に注意しながらしばらくはドライブウェイを行く。今日第二のミッションは、このドライブウェイからマムシ谷にストンと出る技を見つけることだ。獺池からシェール道へとマムシ谷を下る時、途中の堰堤越えでガッツリ登らされるのが気に入らないので、すぐ上のドライブウェイから下降してその登りを回避できないものかと日頃から思案していたのだ。その下降路入口として狙いを定めていたドライブウェイの地点は、丁度工事中で片側交互通行状態。交通整理のおっちゃんが、私の行動を制止する。いや、そっちに行きたいの!といってガードレールをまたぎ、ササに隠れた踏み跡に踏み込むと、おっちゃんは鳩が豆鉄砲食らったような驚きの表情で「こんなところ、よく知ってんな―」。
目論見通り、堰堤巻き道の最高点近くに下降成功である。無難にシェール道に出てゆるりゆるりと登っていく。この辺り、温帯広葉樹林に囲まれて生田川が流れ、六甲の中でもとりわけ潤い豊かなところだ。さて、今日最後のミッションが間もなく実行される。気分のいいシェール道ではあるが、穂高湖の堰堤のところで大回りするのが無駄である。ここをショートカットして徳川道にでる道があるようなので、それを試してみるのだ。そろそろその道がある筈、と注意していると、道標の裏から谷に下る道があった。道標にはこの道についての記載はなし。この側路を辿ると、生田川の渡渉の後、徳川道の基部近くへと導かれた。これで今日の課題は全てこなしたわけだ。
杣谷峠からは、長峰方向に歩を進める。前回は最短路の山羊戸渡を下山したが、今日の秋晴れは天狗塚からの眺望を期待させる。ということで、長峰山経由に決めた。叔母山町への道が土砂崩れで崩壊したころ、篠原台―大月台へのルートは薄い踏み跡に過ぎなかったが、今やしっかりと踏まれている。住宅地に出るところにはいつの間にか木組みの階段になっている。道路に出たところからの大阪湾の眺望はいつ見ても雄大である。深呼吸をしながらその眺めも一緒に吸い込んだ気分だ。昼下がりの強い日差しを受けながら、今日一日の山行を反芻して家路についた。
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