【奄美】青久川タキ川遡行・ツネツユ川[ツネフユ川]下降、青久の滝登攀
- GPS
- 09:56
- 距離
- 7.8km
- 登り
- 1,031m
- 下り
- 1,040m
コースタイム
- 山行
- 6:20
- 休憩
- 3:36
- 合計
- 9:56
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
青久の海岸へ向かう道路の行き止まりの手前に駐車、1台のみ可。100m程度戻れば数台駐車可能か。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
青久の滝へ青久から行く場合は、潮を確認してから行った方が良い。今回は潮が高めの時間帯だったため、多少海水に濡れたが、干潮時であれば楽に通過できるのではないか。なお、青久は電波圏外。 青久の滝は、小阪けんじり氏が過去に下降しているそうだが、登攀記録は見かけず、今回が初登と思われる。 |
その他周辺情報 | 現在、青久の住民は1世帯1人とされているため、その方が離れた場合は道路が維持されなくなる可能性もある。行きたい人は早めに行った方が良いかもしれない。とはいえ、上流の林道からのアプローチも可能。 沢名は、全国Q地図の鹿児島県森林基本図により、青久川、タキ川、ツネツユ川とした。下記、錦鮒出版で公開されているPDFにはツネフユ川とある。 https://nishikibuna.web.fc2.com/download.html 青久の滝のある沢については沢名が不明であるため、鹿児島県森林基本図で南にある地名「亀石」から、「亀石川」と仮称しておく。 ※以下の部分は6日間の記録で共通※ 【2022.11.2-7 6日間の記録一覧】 11/2生勝の滝 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4865794.html 11/3青久 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4872765.html 11/4フウチブルの滝 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4876015.html 11/5茂田原の滝 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4882050.html 11/6ウチミズ川・滝ノ鼻川(仮) https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4889520.html 11/6トンジュウロウの滝(観瀑) https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4890504.html 11/7タンギョの滝 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4893061.html 【島での生活】 ○キャンプ場 大浜海浜公園内、小浜キャンプ場を使用。1泊1張600円と格安で、平らで広い。初日は午後6時半ごろまでに、奄美海洋展示館で受付・支払いを済ませる必要がある。各種キャッシュレス・電子マネー使用可能。テントサイトは駐車場から徒歩3分程度。トイレ・炊事場でコンセント使用可能。水シャワー無料。トイレは綺麗。島の中心である名瀬市街からも遠くなく、キャンプ場としては便利な立地だと思う。混雑は全くなく、1日当たり1〜3張程度であった。殆どは1泊のみの利用者。使いかけのOD缶やCB缶が炊事場に残置されていた。 ○食事 今回は、朝食はコンビニ(ファミマ名瀬平田店)で買い食い、昼食はスーパー(タイヨーが便利)やドラッグストアで買ったパン、夕食は外食とした。24時間営業のコンビニはファミマのほか、名瀬市街の島人マート石橋店がある。夕食を食べられる店は、空港〜名瀬と古仁屋以外にはほぼ無い。 ○銭湯 11月ともなると、水シャワーを夜に浴びるのは気が進まない。銭湯は名瀬にはなく、龍郷と住用にあるが、住用のものは故障中で利用不可であった。両銭湯は500円程度。名瀬にも日帰り入浴可能なホテルはあるが、利用料金が高い。6日間で龍郷の銭湯を2回利用した。 【島での山行】 ○ハブ 奄美・沖縄で山に入ると言えば毒蛇のハブが気になるところ。実際には、6日間での遭遇は、ヒメハブ10個体程度、ハブ1個体で、特にヒメハブは本土の蛇類と比べても非常に多い。しかし、ハブは暑い時期の夜に活発になる生物で、11月の昼間はかなり不活発であった。棒で突いても逃げもしない個体もいるほど。踏みつけたりしない限りは噛まれないのではないかと思う。 また、藪の中で見かけることはなく、沢中の岩・石の上でとぐろを巻いているのをよく見かけた。単純に藪の中にいた個体を発見できなかっただけかもしれないが、岩・石の上を歩くときは、足下をよく見ながら歩いたほうが良い。 念のため、ポイズンリムーバは必携。 ○山の様子 地域によっては、道のない山は藪が酷くて歩けたものではないが、奄美の山は、基本的に藪が薄く、歩きやすい。旺盛な照葉樹林により林床が暗いためかと思われるが、有難いことである。ただし、海風が強い等の理由により森林が発達せず、日当たりの良い場所には歩けないほどの藪があることもある。 奄美大島・加計呂麻島にはリュウキュウイノシシが多数生息しており、ぬた場や獣道がよく見られる。獣道は非常に明瞭なものもあり、うまく利用すると時短になるが、油断すると沢に戻りにくくなることもある。 あまり人が入らないように見える山中にも人間活動の痕跡は多く、取水施設の跡、地籍調査のマーキング、測量基準点のような残置物、マングース捕獲用の罠とその巡視路、古い農具等、様々なものを見かける。 ○沢での装備 全体的によくぬめる箇所が多く、フェルトソールが良い。滝もフェルトソールで登れたが、クライミングシューズの方が登りやすかっただろうと思われる滝もあった。カムは4番まで1セット+リンクカム1セットで十分だった。全体的には脆い岩(砂岩・泥岩)が多いが、脆い箇所を落とせば大抵はそれなりに堅い岩が出てくる。ハーケンは時々使用、ペッカーはウティミズの滝のみで1回使用、フック類・ナッツは不使用。 ○参考文献 小阪・酒井, 2021. 奄美群島の海岸瀑, ROCK & SNOW. (91): 44-47. |
写真
感想
【アプローチ】
一軒しかない集落に行く、ということで、車でのアプローチがまず悪かった。ただ、こんなところでも電線が整備されているのが、さすが日本だなぁ、と。
今日は結構歩くので、寒がりの自分もさすがにロングジョンはナシにした。(結果、正解。)
とくに迷うところもなく、F1到着。
【滝登攀】
F1 は順番でリードを担当。流れがある中のリードはかなり久々だったので、無理に手前の凹角を登ろうとしてあたふた。
tamoshima の指示で、流心の弱点に移動して無事突破。慣れないと流心に入るのを躊躇してしまうなぁ。。
左俣大滝は、下部はフリーソロで上部のみロープを出して、tamoshima リード。
てこずっていた中間部がやっぱり悪く、なんとか届いたホールドを使って強引に突破。
ロクスノ91 の記事では、最初は右から行ってるけど、それはそれで、結構立ってきてから流心横断になるのでかなり厳しそう。
F3 は泳いで取り付き。流心の右をステミングで傾斜を殺しつつ突破。
意外とフットホールドがつるっとしているのが怖くて、カム取りまくりで時間を要してしまった。
その後は平凡な渓相で、車道まで抜けて、右俣から下降してみたものの、ゴーロ歩きで終了。
【おまけの青久滝】
終わった後に時間があったので、遠目には黒い染みにしか見えない、青久滝に行ってみることに。
近づいてみると結構水量がある&登れそうということで、tamoshima リードでとりつき。数か所てこずっていたものの、無事抜ける。さすが。
ふつー、登ってみると意外と寝てることが多いと感じることが多いものの、ここは、むしろ立って感じて、フォローでも高度感がすごかった。
初登リードは登り切れるかどうかもわからない中での登攀なので、リードはかなりの精神力使いそう。。
2P目に簡単な滝があったので、こちらをリードして、平凡になるところまで詰めて終了。
無事登り終えて、意気揚々と帰ろうとしたところ、でアクシデント発生。
海岸アプローチで波をかぶらないようにと急いで飛び石に移ったところで、つるっと滑って左足の親指を激しく突き指。。
タビなので防御力も皆無でかなり痛めてしまい、びっこひきつつ、帰るハメに。
明日以降、歩けるのか不安になりつつ戻ることに。。
本日のハブ:0
奄美遠征2日目は、中程度の滝を登ろうということで、落差50mの滝があるされていた青久へ。
青久へと至る道は未舗装で、奄美のうち、集落へ向かう道としては恐らく最も悪い。急カーブもあり、軽でなければ少し面倒かもしれない。
良い感じの駐車スペースは無かったので、行き止まりの手前の道の真ん中に駐車して、まずはタキ川へ。序盤は平凡だったが、滝が出始めるとなかなか良い。
大滝はロクスノ記録では3ピッチに分けて登っていたが、その1ピッチ目は前衛滝12mという感じで、フリーソロ。2ピッチ目とされていた2段35m滝下部も容易でフリーソロし、結局残り1ピッチ。ここはtamoshimaがリードしたが、水線に拘ったらワンポイント難しかった。登攀ラインは、水流横断からの水線左。左から巻き気味に登ればもう少し容易になると思う。
大滝が終わってもそれなりに滝があり、遡行を続けると林道に出る。
ツネツユ川の方も等高線が混んでいる箇所があるので、それなりに滝があるかと期待していたが、沢幅が狭まることはなく、急なゴーロがあるばかりで、そのゴーロも脇の獣道から容易に巻け、全く期待外れの沢であった。
ということで時間が余ったので、海岸を歩いて青久の滝へ。たまたま潮が高めだったこともあり、少し海水に濡れて滝に辿り着くと、遠望したよりは立派で、計測すると落差は38m。登れそうに見えたのでtamoshimaリードで取りついてみたが、見た目よりは悪い。いろいろ試行錯誤した結果、2回水流を横断し、さらに昨日のような根っこ登りをして、何とか落ち口まで。難しかったが、水際を登り続けられる良い滝である。もしかしたら、右壁通しの方が登りやすいかもしれない。
以降も等高線が混んでいるのでどんな滝が出てくるかと思っていたが、割と登りやすい滝が続いた後、脆い上にCSが厄介そうな滝が出てきた。気にはなるが、トライすると暗くなりそうなので、ここで引き返す。2回懸垂下降して海岸に戻り、大して潮位の変わっていない海岸を戻ったが、ここでmashikotteが足指を怪我。普段歩きなれない海岸で滑りやすく、波も来るので焦ったようだったが、こんなどうでも良いところで怪我するとは…
【総評】
青久川タキ川は、50m3pの大滝を期待すると裏切られるが、それなりに立派な滝が3つあって楽しめる。1世帯しかない青久集落の雰囲気もついでに味わえるし、一登の価値はある。青久の滝は典型的な海岸瀑で、1pで登れるものの登り応え十分。クライミング力が高ければもっと水線を攻めたラインも取れそうだったので、腕に覚えのある方はトライしてみてはいかがだろうか。
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