駐車地の広場(白山神社跡の石碑がある広場)から少し道を戻ったところに,このアルミ製のハシゴがあり,ここから漆谷左岸尾根に取りつく。
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駐車地の広場(白山神社跡の石碑がある広場)から少し道を戻ったところに,このアルミ製のハシゴがあり,ここから漆谷左岸尾根に取りつく。
最初は植林も多いが,次第に立派なブナの混じる自然林となる尾根を進む。
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最初は植林も多いが,次第に立派なブナの混じる自然林となる尾根を進む。
昨夜まで雪が降っていたようで,真っ白な姿となった磯倉が朝日を受けて輝いている。これは根雪になるかもしれない。
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昨夜まで雪が降っていたようで,真っ白な姿となった磯倉が朝日を受けて輝いている。これは根雪になるかもしれない。
三等・村平(△881.2m)通過。
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三等・村平(△881.2m)通過。
これから下降する漆谷流域は,雲海に埋め尽くされている。若丸山やスギクラといった越美国境の山々も,新雪を戴いて白くなっている。
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これから下降する漆谷流域は,雲海に埋め尽くされている。若丸山やスギクラといった越美国境の山々も,新雪を戴いて白くなっている。
朝日に輝く雲海の徳山湖。息を呑む眺め。
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朝日に輝く雲海の徳山湖。息を呑む眺め。
今季一番の冷え込みが作り出した,幻想的な風景。
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今季一番の冷え込みが作り出した,幻想的な風景。
雲海を両側に眺めながら,冬枯れの尾根を行く。
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雲海を両側に眺めながら,冬枯れの尾根を行く。
三等・村平の先のCa890mピークから,北西尾根を辿って漆谷へ下降していく。雲海の中に降りていくような,不思議な感覚。
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三等・村平の先のCa890mピークから,北西尾根を辿って漆谷へ下降していく。雲海の中に降りていくような,不思議な感覚。
漆谷に降り立った。想像していた通りの穏やかな流れ。この辺りは過去に伐採が入ったようで,わずかに植林らしきものの見受けられる。
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漆谷に降り立った。想像していた通りの穏やかな流れ。この辺りは過去に伐採が入ったようで,わずかに植林らしきものの見受けられる。
左右に渡渉を繰り返しながら,二俣を目指す。さすがにもう12月,水が冷たい。
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左右に渡渉を繰り返しながら,二俣を目指す。さすがにもう12月,水が冷たい。
二俣に到着。まずは右の南又へ。
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二俣に到着。まずは右の南又へ。
南又もやはり穏やか。滝は全く出てこない。奥に進むにつれて,周囲には大きなトチやサワグルミも見られるようになり,良い雰囲気の森に包まれていく。ダムができる前は本郷など大きな集落に近い谷だったはずなので,これほどの自然が残されているのは意外だ。
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南又もやはり穏やか。滝は全く出てこない。奥に進むにつれて,周囲には大きなトチやサワグルミも見られるようになり,良い雰囲気の森に包まれていく。ダムができる前は本郷など大きな集落に近い谷だったはずなので,これほどの自然が残されているのは意外だ。
緩やかに蛇行を繰り返す谷を辿っていく。待望の朝日が谷底に差し込むと,急にぽかぽかと暖かくなり,初冬の谷に恩寵のようなぬくもりを与えてくれる。
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緩やかに蛇行を繰り返す谷を辿っていく。待望の朝日が谷底に差し込むと,急にぽかぽかと暖かくなり,初冬の谷に恩寵のようなぬくもりを与えてくれる。
びっくりしたのが,谷の途中で写真の小さな石積み(ケルン)に出会ったこと。ダム湖に閉ざされた漆谷に人が入ることはあまりないだろうと思っていたので,ちょっと驚いた。何かのマーキングだろうか,それとも,たまさかの訪問者が休憩時の戯れに積んだのだろうか。
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びっくりしたのが,谷の途中で写真の小さな石積み(ケルン)に出会ったこと。ダム湖に閉ざされた漆谷に人が入ることはあまりないだろうと思っていたので,ちょっと驚いた。何かのマーキングだろうか,それとも,たまさかの訪問者が休憩時の戯れに積んだのだろうか。
葉を落とした冬枯れの谷は日が良く差し込んで意外に暖かく,河原の岩に寝転んで昼寝していきたい誘惑に駆られる。
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葉を落とした冬枯れの谷は日が良く差し込んで意外に暖かく,河原の岩に寝転んで昼寝していきたい誘惑に駆られる。
初夏の緑や秋の紅葉もきっときれいだろうが,冬枯れの森も清潔で美しい。特に今日のような晴天の日は。
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初夏の緑や秋の紅葉もきっときれいだろうが,冬枯れの森も清潔で美しい。特に今日のような晴天の日は。
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ひたすらに穏やかな谷が続く。沢仕舞いの逍遥に訪れるにはぴったりの谷だ。
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ひたすらに穏やかな谷が続く。沢仕舞いの逍遥に訪れるにはぴったりの谷だ。
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本流は穏やかなのだが,両岸の枝谷はことごとく滝となって落ちてくる。穏やかさの影に,発達した岩盤を隠している谷だ。これはもしかしたら,源頭部で苦労するタイプの谷かも知れないな,とちょっと思った。(のちに,この予感は的中することになる)
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本流は穏やかなのだが,両岸の枝谷はことごとく滝となって落ちてくる。穏やかさの影に,発達した岩盤を隠している谷だ。これはもしかしたら,源頭部で苦労するタイプの谷かも知れないな,とちょっと思った。(のちに,この予感は的中することになる)
これも枝谷の滝。立派な5段の滝だ。
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これも枝谷の滝。立派な5段の滝だ。
本流にもやっとまともな滝が現れた。通過は簡単。
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本流にもやっとまともな滝が現れた。通過は簡単。
漆谷を南又から北又へ周回する場合,標高580m付近二俣で左俣に入って中間尾根を乗り越すのが一番近道なのだが,今回は敢えて本流の右俣を進んでみた。と,いきなり両岸が高い岩壁となり,目の覚めるような立派な滝が出現してびっくり!
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漆谷を南又から北又へ周回する場合,標高580m付近二俣で左俣に入って中間尾根を乗り越すのが一番近道なのだが,今回は敢えて本流の右俣を進んでみた。と,いきなり両岸が高い岩壁となり,目の覚めるような立派な滝が出現してびっくり!
標高620m付近二俣の右俣出合にかかる美しい15mほどの滝。この枝谷は三等・鴨(△1212.3m)に直接突き上げているので,同三角点を目指す際の登路になりうるかもしれない,と思っていたのだが,この様子ではかなり苦労しそうだ,両岸も高い壁で高巻きも容易ではない。
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標高620m付近二俣の右俣出合にかかる美しい15mほどの滝。この枝谷は三等・鴨(△1212.3m)に直接突き上げているので,同三角点を目指す際の登路になりうるかもしれない,と思っていたのだが,この様子ではかなり苦労しそうだ,両岸も高い壁で高巻きも容易ではない。
この枝谷を見送って,本流と思われる標高620m二俣の左俣へ進む。左俣も両岸が立ち,谷中には巨岩が詰まって険しそうな風情。それまでの心穏やかな谷歩きから一変,急に遡行に緊張が走る。
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この枝谷を見送って,本流と思われる標高620m二俣の左俣へ進む。左俣も両岸が立ち,谷中には巨岩が詰まって険しそうな風情。それまでの心穏やかな谷歩きから一変,急に遡行に緊張が走る。
そして滝が現れる。5mほどで大きくはなく,直登もできそうなのだが,さすがにこの時期にシャワークライミングは御免被りたい…。右岸から高巻きに入る。
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そして滝が現れる。5mほどで大きくはなく,直登もできそうなのだが,さすがにこの時期にシャワークライミングは御免被りたい…。右岸から高巻きに入る。
手掛かりに乏しい土の急斜面で,ヒヤヒヤものの高巻きとなった。谷底には,先ほどの滝の上にも,さらに滝が続いているのが見える。気が付けば,穏やかだったはずの漆谷は,険悪なゴルジュの谷へと変貌していた…!
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手掛かりに乏しい土の急斜面で,ヒヤヒヤものの高巻きとなった。谷底には,先ほどの滝の上にも,さらに滝が続いているのが見える。気が付けば,穏やかだったはずの漆谷は,険悪なゴルジュの谷へと変貌していた…!
トラバースを続けていくが,両岸はノーロープで下降できるかできないかの絶妙な険しさが続き,なかなか容易に下降に移ることが出来ない。谷底には,滝がさらに谷の奥へと連なっているのが遠望される。
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トラバースを続けていくが,両岸はノーロープで下降できるかできないかの絶妙な険しさが続き,なかなか容易に下降に移ることが出来ない。谷底には,滝がさらに谷の奥へと連なっているのが遠望される。
少し進んでみたが,予想以上に険しいV字谷が当分緩みそうにないことが分かり,これ以上進むのを中止。今回は,あくまで気楽な谷の散歩を目的に来たので,装備(20m補助ロープしか持ってない…)も気合も十分ではない。本流の遡行はまたの機会に取っておくことにして,一旦引き返して別ルートを辿ることにした。
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少し進んでみたが,予想以上に険しいV字谷が当分緩みそうにないことが分かり,これ以上進むのを中止。今回は,あくまで気楽な谷の散歩を目的に来たので,装備(20m補助ロープしか持ってない…)も気合も十分ではない。本流の遡行はまたの機会に取っておくことにして,一旦引き返して別ルートを辿ることにした。
本流から引き返し,今度は標高580m付近二俣の左俣へ。というか,漆谷を周回するなら,本来はこちらが最短経路で,普通のルートと思われる。こちらも出合には20mほどの2段の斜滝。
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本流から引き返し,今度は標高580m付近二俣の左俣へ。というか,漆谷を周回するなら,本来はこちらが最短経路で,普通のルートと思われる。こちらも出合には20mほどの2段の斜滝。
右岸から巻いていく。この高巻きはそれほど難しくないが,さきほどの斜滝はさらに上にも滝を連ねており,思ったより大きめの巻きとなった。
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右岸から巻いていく。この高巻きはそれほど難しくないが,さきほどの斜滝はさらに上にも滝を連ねており,思ったより大きめの巻きとなった。
滝を巻き終え,三俣は真ん中を選択。中間尾根へと詰め上げていく。
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滝を巻き終え,三俣は真ん中を選択。中間尾根へと詰め上げていく。
5mほどの枯滝を登れば,稜線はすぐそこ。
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5mほどの枯滝を登れば,稜線はすぐそこ。
中間尾根を乗り越し,今度は北又へと下降していく。周囲は大きなブナやミズナラの森が広がり,なかなかの雰囲気。
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中間尾根を乗り越し,今度は北又へと下降していく。周囲は大きなブナやミズナラの森が広がり,なかなかの雰囲気。
最初は穏やかで,簡単に下降できるかと思っていたら…
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最初は穏やかで,簡単に下降できるかと思っていたら…
急に滝が出てきて,ストンと空間が落ち込んだ先を覗き込むと,ちょっと下降がためらわれるような不気味な暗いV字谷が続いている…。南又だけでなく,北又の上流部もかなり険悪なようだ。仕方なく左岸の急斜面を慎重に這い上がり,高巻きに入る。
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急に滝が出てきて,ストンと空間が落ち込んだ先を覗き込むと,ちょっと下降がためらわれるような不気味な暗いV字谷が続いている…。南又だけでなく,北又の上流部もかなり険悪なようだ。仕方なく左岸の急斜面を慎重に這い上がり,高巻きに入る。
この高巻きでも思い知ったが,漆谷の両岸は本当に険しい。特に岩壁が切り立っているわけでもなく,一見穏やかそうな土の斜面なのだが,谷底に近づくにつれ急激に斜度が増すような嫌らしい斜面で,しかも手掛かりになる灌木に乏しい。今回もかなり大きめの巻き下りとなり,やっと見つけた写真の小尾根から谷底に下降した。というか,最初からこの小尾根を使って北又に下降すればよかったな…。
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この高巻きでも思い知ったが,漆谷の両岸は本当に険しい。特に岩壁が切り立っているわけでもなく,一見穏やかそうな土の斜面なのだが,谷底に近づくにつれ急激に斜度が増すような嫌らしい斜面で,しかも手掛かりになる灌木に乏しい。今回もかなり大きめの巻き下りとなり,やっと見つけた写真の小尾根から谷底に下降した。というか,最初からこの小尾根を使って北又に下降すればよかったな…。
北又に降り立った。いったん谷底に降りてしまえば穏やかそのもの。さっきまでの厳しいV字谷の高巻きが嘘のようだ。
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北又に降り立った。いったん谷底に降りてしまえば穏やかそのもの。さっきまでの厳しいV字谷の高巻きが嘘のようだ。
北又も南又と同じく,上流部を除けば,穏やかな流れが続き,滝も全くと言っていいほど出てこない。
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北又も南又と同じく,上流部を除けば,穏やかな流れが続き,滝も全くと言っていいほど出てこない。
標高460m付近の大きな二俣は,ゆったりした明るい空間が広がり,いいところでした。
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標高460m付近の大きな二俣は,ゆったりした明るい空間が広がり,いいところでした。
北又と南又を分ける二俣に戻ってきた。
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北又と南又を分ける二俣に戻ってきた。
帰りは,この二又から直接尾根に取りついて,漆谷左岸尾根を目指す。
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帰りは,この二又から直接尾根に取りついて,漆谷左岸尾根を目指す。
ときどき振り返って,残照に沈む漆谷を見下ろしながら,落ち葉を踏んで下山した。
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ときどき振り返って,残照に沈む漆谷を見下ろしながら,落ち葉を踏んで下山した。
お泊りじゃないと、行けないところだと思い込んでいました
反省しています…
足、さすがに冷たかったでしょうか?
もんり
こんばんは〜。今回は日帰りでしたが、おっしゃるとおり泊まりのほうがずっと楽しめそうな谷だな、と思いました。上流部を除けば本当に穏やかで、森もきれいですし、良い夜が過ごせそうです。またいつか初夏に行きたいなぁ。南又の本流がどうなってるのかも気になりますし…。
水は確かに冷たいですが、慣れれば意外に大丈夫ですよ〜。むしろ、アプローチの稜線にうっすら雪が積もってて、そこを沢足袋で歩いたのがしんどかったです笑
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