眩しすぎる―ひねくれ者にはハードルの高い高尾山のダイヤモンド富士



- GPS
- 03:35
- 距離
- 8.4km
- 登り
- 512m
- 下り
- 511m
コースタイム
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
写真
感想
友人に誘われて高尾山にダイヤモンド富士を見に行く。
富士山に夕日が重なる(富士山の東にあたる関東では夕日になる。)ダイヤモンド富士は、富士山が見える方向によって時期がずれるので時期を調整すればどこからでも見ることができる。
子供の頃から冬場は高尾山や富士山方面に夕日が沈んでいくというのは日常の光景で、時期によっては富士山に沈んでいくこともある。
その頃は「ダイヤモンド富士」なんていう名前は付いていたのだろうか。
ただ、高尾山からのダイヤモンド富士はちょうど冬至の前後なので分かりやすい。
冬至になると高尾山からダイヤモンド富士が見られる、ということは知っていたが、時期が分かりやすいうえに高尾山なので混まないはずがない。
人混みが嫌いなので、今まで行ったことがなかった。
富士山の好きな友人は、お手軽な高尾山からダイヤモンド富士が見られるのに行かないなんてもったいないということで、毎年見に行っているとのこと。
本来は平日の昨日に休みを取って行くはずだったのに休みが取れず行けなかったということで、今日行くことにしたらしい。
そんなことでダイヤモンド富士のお誘いがあった。
行こうと思えばすぐそこにある高尾山だし、地元の「名物」である高尾山からのダイヤモンド富士を1回くらいは見ておいてもいいかなと思い行くことに。
先週に引き続きまた寒波が来ていて、昨日は北西風が強く山の上なんてめちゃくちゃ寒そうで、今日もそんな感じだったらお断りしてしまおうかななんてちょっと思ってしまったが、今日は風も穏やかだった。
今から20年ほど前の冬場の高尾山は正月三が日を除けば閑散としていて、冬場に観光客を呼び込もうと京王電鉄が「冬そばキャンペーン」なんて始めたが、2007年にミシュラン3ツ星観光地に選ばれたとなるととたんに年中混む観光地になった。
「世界遺産」とか「ミシュラン」とか「○○名山」とかネームバリューに惹かれる人が多いのだろう。
そんなひねくれた感想をぶつぶつ言いながら歩いていたのだが、それを聞き流して受け入れてくれる(?)友人はありがたいものだ。
そして実際のところそれで地元経済の一部が潤っているのだから、ありがたい話なのである。
夕日を見るのだから、陽が沈む時間の少し前に山頂近くに到着していればいいのかなと、高尾山口駅は15時位でいいのかと思っていたのだが、友人によるとそれでは場所がなくなるらしい。
ということで高尾山口駅着13:43着の電車で待ち合わせ、場所取りをするために最短ルートで登ることにする。
高尾保養院の所の「二軒茶屋登山口」から登るほぼケーブルカーに沿ったルートが最短だ。
前を歩く高校生か大学生くらいの若者たちに高尾保養院のところで登山口はどこか尋ねられ、この人たちは帰る時のライトとか持っているのかなあと心配になってしまう。
合流した琵琶滝ルートが1号路に合流する直前で2号路に入り、そこから3号路とぐねぐねと行くのが最近のお気に入りなのだが、今日は場所取りがあるので素直に1号路に合流して薬王院の参道を行くことに。
霞台園地に出ると神奈川県方面の関東平野が一望でき、房総半島がすぐそこの丘陵のようにくっきり。
来月には南房総の富山〜伊予ヶ岳をのんびりハイクする予定だ。
薬王院の境内を突っ切って3号路に合流する道はお寺専用で通れないかと思っていて、高尾山山頂付近では唯一歩いていない道だったのだが、今日はそこに「高尾山山頂方面」という看板があることに気が付いた。
途中薬王院の建物を潜っていくので前はここは閉鎖されていたような気がするが、高尾山登山35回目にしてこのルートを初めて歩くことができた。
本堂、本社、奥之院と続く薬王院の境内が混まないようにする策なのかもしれない。
聞いていたとおり高尾山山頂の大見晴台は大混雑で、友人おすすめの富士見台園地まで行くことにする。
途中富士山のよく見えるもみじ台のところも大混雑だ。
ここにある細田屋もなめこ汁が有名なの?と友人が尋ねてくる。
ここらの茶店はみんななめこ汁ばっかりだよ、どうせスーパーアルプスで買ってるなめこだよと、自分の返答はいちいちなんでこんなにひねくれているのだ?
もみじ台から少し先にあるトイレの先が富士見台園地だ。
ここも日の入りまで1時間以上あるというのにすでに混み始めていた。
なんだか花火の場所取りみたいで嫌なシチュエーションだ。
そもそも花火自体あの腹の底に響く重低音が嫌いなのだ。
ここで1時間以上か、と思っていると友人が呼ぶ声が。
いい場所を発見したらしい。
そこは富士山が良く見えるのに、いかにも通いなれているといった風のベテランさんが2人だけいる穴場だった。
風も弱く、西に傾いた陽射しも暖かく、昼寝もできそうな快適さ。
ゆっくりお茶を飲んで、これなら1時間以上いてもいいなあと思う。
快適な場所を見つけたので、時間が経つのはあっという間だった。
家でぐだぐだしているより山中でぐだぐだするのは本当に気持ちがいい。
雲が流れて夕日に光りながら時折富士山をかすめていくが、それも絵になる風景だ。
そして、ダイヤモンド富士になる瞬間…。
眩しい。
眩しすぎて全然直視できない。
夕日の鑑賞にサングラスが必須だったなんて知らなかった。
横にいるベテランさんはサングラスをダブルで使っているではないか。
太陽を見ると網膜が焼き付くんじゃないか、太陽を撮影するとカメラのCMOSが壊れるんじゃないかとそんなことばっかり考えてしまう人間なので、朝日もあんまり見ないのだが、夕日もこんなにも眩しかったとは。
太陽がほとんど富士山に隠れた頃になってやっと写真を数枚撮り、影富士になってやっと肉眼で鑑賞。
ダイヤモンド富士、ひねくれ者にとってはなかなか素直に楽しむまでのハードルが高い。
帰りはヘッドライトを付けて、久しぶりに快適な6号路で下山。
沢沿いを歩く6号路、勾配が緩いので下山路として好きなのだが、春や秋の混む時期には登り一方通行になってしまい久しく下山で使っていなかった。
6号路を気持ちよく飛ばして歩くのは気持ちがいい。
下山中出会ったのは下っている2人を追い越したのと、登っている5名ほどとすれ違っただけだった。
いや、こんな時間から登っている人っていったい?
しかもライトもつけずに。
ムササビ鑑賞だろうか。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する