丹沢/玄倉川石小屋沢
- GPS
- 11:27
- 距離
- 25.4km
- 登り
- 3,783m
- 下り
- 3,787m
コースタイム
- 山行
- 9:49
- 休憩
- 1:33
- 合計
- 11:22
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
玄倉林道ゲート前の駐車場に駐車。約20台は駐車できる。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◆玄倉林道 場所によっては落石が多い模様。 トンネルが8個あるが、いずれも照明は無い。青崩隧道は通過に5分程掛かるのでヘッドランプは必要。石崩隧道でも必要だろう。 ◆石小屋沢 全体にぬめりが多くスラブの登攀は「丹沢の谷110ルート」刊行時(2級とされている)よりも難度が上がっている印象。 また巻き道はいずれも足場がズルズルと崩壊するので悪い。 詰めの尾根への取り付きも同様であり当時のガイドでは出合から石小屋ノ頭まで2時間とされているがとてもその時間では登れないと思う。(我々は時間を掛け過ぎているだろうけど。) ◆同角山稜 ユーシン〜大石山間はそれなりに整備されているが大石山から北側は余り登られていない模様。特に1350mベンチ近辺は踏み跡レベルであり登山道近くまでアザミが植生範囲を拡げている。 |
写真
感想
丹沢最奥地と言っても良さそうなユーシン谷の石小屋沢に行ってきた。1時間半の林道歩きを強いられアプローチが悪くなったせいか人が入った気配が少ない静かな沢だった。が、ぬめって滑る滝と足元から崩れる高巻きが手強くて予想外に大変だった。
涼しくなってそろそろ丹沢の沢登りも解禁?とのAki-CLさんからのお誘いで玄倉川石小屋沢へ。丹沢湖ビジターセンターで登山届けをポストして玄倉林道の駐車場に向かうが、キャンプシーズンも盛りを過ぎたのか空きが目立つ。林道を8つのトンネルを潜りながら1時間半歩いてユーシンロッジに到着。秋ではあるが林道沿いの崖も花が彩っている。紅葉見物には未だ数週間早い。天気予報では晴れだったが尾根にガスが掛かりたまに遠雷も聞こえたりして、少し先行きが不安な天気模様だ。
駐車場から沢登りの4人パーティが先行して青崩隧道で沢に入って行った他にはユーシンまで(と言うかそれ以降は誰にも逢わなかった)ハイカー1人、サイクリスト1人、釣り師らしき人1人に逢っただけだ。ユーシンは実に丹沢とは思えない静かな所だ。今見ても豪奢な県立ユーシンロッジだが使われていないのが勿体ない。公衆便所は綺麗に清掃されているので定期的にメンテナンスはされていると思われる。昔、キャンプファイヤーをしたと思われる円形広場で沢装備を身に着けて出発とした。
ロッジの脇の道を行くとのことなので素直に道を歩いて別棟のような建屋を過ぎて行くところでロッジの奥を眺めると鳥居らしきものが見えた。実際にはロッジの建屋のすぐ脇を抜けて行くと鳥居のある階段に通じるようだ。階段を登ると祠があったので、安全を祈願して行く。その先にもう一つ建屋が見えるがこれが明治薬科大学の山小屋だった。資材置き場との間に通っている道を行くと数分で右から涸沢が入る。そこのザレた斜面を行けと杉の木に赤ペンキで上向きの矢印が描かれていた。その通りに10m程登ると何やら昔は登山道だったらしき所に出て、これを出来る限り水平に辿って行く。出来る限りと言うのは所々崩壊しており、一旦下って登り返すようなことがその度に必要になる。標識の痕跡も2ヶ所程で見かけた。ユーシン沢を見下ろしながら進んで行き、2つの滝を数えて少し先に石小屋沢の出合があった。
出合は大岩が目印になっているがそれ以外特徴は無い。水流も殆ど無い。石小屋沢に入るとすぐに6mCS滝だが、これは下を潜って抜ける。(滝の表示はkamogさんの記録 http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-214838.html に基づきましたが「丹沢の谷110ルート」のF番号表記も併記しています。)その後、ナメ滝なのだがはっきり言って見栄えがしない。8m滝はヌメっていそうなのでロープを出す。その上に4m滝があり、ナメ滝が続くが、全体的にヌメっていて結構用心が必要だ。
そして12mの逆層スラブ滝に出合う。これは見るからに登りたくない外観を呈しているので、右のルンゼから高巻きを狙う。最初に5m位登った所からトラバースを図るが足元がグズグズだし途中の切れている所が嫌らしい上に滝の落ち口は未だ未だ上に見えるので、更に5m登った所に進む。そこからロープを出してAki-CLさんがルートを探って行く。10m程トラバースして直上すると後は緩やかに下って行くラインが見えた。その後の樋状の滝の上段スラブ部もヌメっていて登攀困難、右側の苔壁も嫌らしく更に右側の土壁を斜上し、懸垂下降で沢に降りる。上段スラブは右側にクラックが走っているがハーケンを打つには幅があり、むしろチョックとかカムがあると良かったのかもしれない。
懸垂前に「大きな滝が見えるよ」とAki-CLさんが声を上げたが目の前に2段12mが立っている。左壁の隅の苔付きを登れそうとも思ったが、これまでの雰囲気からすると良く滑りそうだしプロテクションの不安もある。真ん中のラインはどうかと見ると残置ハーケンも2ヶ所にあった。13Kさんがリードするが、上部のレイバックからの乗越しが難しく、一旦降りて、ザックを降ろして身を軽くして再度トライ、ムーブを見つけることができた。しかしレイバックから身体を返してのムーブなんてIV級以上でしょう。
しばらく行くと石小屋沢の名前の由来になったと言う3つの巨岩が作る岩小屋風の造形に出合う。ここもまた胎内潜りの様相。その先の6m滝も相当にヌメっていて登攀意欲も湧かず。Aki-CLさんが最初は左壁側から行ってみたがグズグズで結局グズグズ崩れて振り出しに戻ってしまった。諦めて今度は右ルンゼから行くがバイルで足場を切ってルートを作って漸く高巻けた。ヤレヤレ。
荒れた沢を更に進んで行く。あちらこちらに分岐もあり解り難い所だが、白壁の崩壊地が前方に見えて一安心。この先の1065mの二俣で出合が3m滝になっている右俣に進んだが、後で地形図を見るとほぼ直進する左俣を行くと石小屋ノ頭の下に出そうだ。倒木群を超えて最後の8+2+2+2m滝になるが、もう満腹と言った所だ。ここを超えて1150mを目処に左側の尾根に取り付いて行ったがこの斜面も多少ましとは言え結構グズグズでじわりじわりと登って行く。漸く尾根に出たと言っても更に同角山稜の1350mまで30分も掛かった。
同角山稜の1350m地点にはベンチがあり、ここで靴以外の沢装備を解いて下りに掛かる。何しろ時間が押して来たので日暮れまでにはユーシンに着きたい。同角山稜は初めて歩くが1350mベンチ付近は鹿道のような有様に驚いた。大石山まで来ると登山道らしくなるが石小屋ノ頭より北側は結構アドベンチャラスな感じ。ユーシンまでは1時間、ユーシンから駐車場までは1時間20分とここだけはコースタイム通りだったが、やはりヘッデンでの帰還になった。
石小屋沢は、滝にハーケンはあまり打たれいない。自分達でハーケンを打ちながらの登攀となった。巻き道もはっきりしない。遡行に時間がかかり、ユーシンロッジからの林道歩きで日没、ヘッドランプで駐車場に向かった。先日のモチコシ沢もそうだったが、アプローチが長いためか人があまり入っていない様だ。
夜から左手首が腫れてきた。気が付かないうちに虫に刺された様だ。
そういえばモチコシ沢でもヌカカに20ヶ所以上刺されてひどく腫れた。
「想い出の山」写真&レポートコンテスト 「山行記録部門」 by モリパーク アウトドアヴィレッジ(MOV)
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