羊蹄山三往復(真狩〜喜茂別〜比羅夫)
- GPS
- 32:00
- 距離
- 35.7km
- 登り
- 4,620m
- 下り
- 4,608m
コースタイム
過去天気図(気象庁) | 2014年10月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
喜茂別コースと比羅夫コースでは8合目から上はほぼ雪景色。気温がマイナスになる時は軽アイゼンなどがあった方が無難。 |
その他周辺情報 | まっかり温泉500円 |
写真
感想
今回も8月同様、土曜日の夜8時にスタートして真狩ルートを着々と登る。やはりここを登るのも4回目なので前回よりは早く上がれた。前回難航した岩場は回避して旧避難小屋方面から山頂に向かい、何とか4時間弱で最初の登頂を果たす。
深夜零時の羊蹄山はサラッと雪がかぶっている状態であまりゆっくりしているつもりはなかったのが、結局35分ほど休憩してそのまま喜茂別へ降りることにした。
喜茂別コースに入るとそこは完全に雪景色となり、ここでトレッキングシューズにしたことが正解となった。しかも新品のトレッキングシューズはゴムが柔らかく圧雪状態ではかなり強力なアイテムになった。もしもこの時間にトレランシューズで雪の中を歩いていれば、大変なことになっていたかもしれない。
8合目くらいからは雪もなくなり普通の登山道に戻る。前回は夜間下山を京極にして失敗したが、今回喜茂別コースにして良かった。直線山道が中心ではあるがさほど危険な岩場などはないし、思いのほかすんなり降りることが出来た印象だ。
結局2時間ほどで喜茂別コースを下ったことになり、喜茂別コース登山口では簡単にカステラなどを食べてそのまま登りはじめた。少し歩くと喜茂別コースに車のライトが見えた。やはりご来光を拝むために来た登山客なのだろうが、15分ほど遅れてくると思いそのまま登る。喜茂別コースの最初の林道を歩くと直線で登る登山道を見失っていたようだが、そのまま林道をクネクネ登ると自然と登山道入り口を見つけた。
やはり喜茂別コースの直登はなかなか効くが、月の明かりが足元を照らしてくれるのでヘッドライトはサブ的な感じでスイスイ登ることができた。5合目辺りを過ぎた頃から後ろの登山客のライトがチラチラと見えると同時に東の空が白々と明るくなりつつあった。
そして8合目辺りから再び登山道が雪道になるとご来光の儀式は始まった。最初の光が見えると後はあっという間に太陽がデッカクなってしまう。日の出ってこんなに速いスピードで昇ってしまうのかと思うと、もっとゆっくり昇って欲しいと思った。
この日は午前6時頃に−5℃まで下がる予報だったので雪道も徐々に固くなり、登る時もまず爪先を挿してから登る感じになる。本来こんな時は軽アイゼンなどを使うのかもしれないが、持ってないのでそのままグイグイ登る。
ようやく2回目の山頂に辿り着いた。そして後ろから迫っていた人はなんと女性一人客だった。午前3時にに女の人一人で登ってくるなんて凄い根性だと思いつつ、私は私でゆっくり甘酒を温めおにぎりを食べた。今回もゆっくり40分ほどの休憩で、3つ目のコースは比羅夫にした。
比羅夫コースに向かう途中でなんとGPSの保存を押してしまった。ここまでの履歴が止まってしまったのでヤマレコにはまた手動でルート確保をしなくてはならない。これがかなり面倒なのだ。比羅夫を下る途中で羊蹄山が太陽の影になる「裏羊蹄山」がくっきり見えた。山頂の王冠のような形も出ていてとてもきれいで感動した。なんと貴重な景色だろう。
その下りの途中でさっき山頂で会った女性とすれ違った。お互いに「あれっ」という顔をして「同じ考えだったんですね」と言われたが、私が3回目だと言うと「4回目行くんですか?」聞かれた。私は正直3回でいいかなと思っていたので分らないと伝えたが、彼女は3回目に進んだのだろうか。ちょっと気になる。
3合目を過ぎた頃、今度は元気なご老人に呼び止められた。ご来光を見てきたであろう時間帯に降りる私に、最近回りの山で熊が出ているらしいから夜間登山はもうやめた方がいいと言われた。なんとこのご老人、80歳でありながら60kgはあろうかという荷物を避難小屋まで運ぶそうだ。羊蹄山には450回以上登っているそうで完全に比羅夫コースの主なのだろう。
そんなこんなで比羅夫の登山口に辿り着き、まずは水を確保した。やはり2回の登山が終わると2リットルのハイドレはほぼ空っぽになっていた。これから暑くなる時間帯なのでしっかり水分補給して再び3度目の登頂を目指す。
しかし、比羅夫コースの登りは思いのほか厳しいものとなった。スタミナ切れもあるが、気温の上昇が想定外に疲労を増している。さっきまで−5℃の中を登っていたと思ったら、今度は15度前後の中をの登るのだから体の疲労は半端ないはず。珍しく休憩場所でもないのに時々止まって息をつく場面が増えた。
疲労困憊のまま何とか比羅夫ピークに辿り着き、母釜経由で山頂を目指す。山頂付近では秒速20mはあろうかという風の中、なんとか3度目の山頂に辿り着いた。さすがにさっきの比羅夫での登りを考えると4回目のコースに入る勇気もなく、時間もあることから岩場を楽しみながら真狩ピークに向かった。
やはり岩場は楽しい。規模は全く違うがトムラウシの岩場高原を思い出した。風は強かったが岩の上をヒョイヒョイ歩くと何だか落ち着く。と言ってる間に真狩ピークに着いた。あとはいい天気の中をハイキングのように下るだけ。
しかし、5合目を過ぎた辺りで私が前の人について歩いている時、後ろから凄い勢いでザックザックとプレッシャーを掛けて足音を鳴らす人が来た。さすがに前の人は私たちに道を譲ってくれ、私も少しペースを上げたのだが後ろの人はなんと私にまでプレッシャーを掛けてくる。「節操のない人だな」と思いつつも私は更にペースを上げてみたが、それでも更なるプレッシャーを掛けて来た。いよいよ私もキレてついつい本気ペースで下りをダッシュすると後ろの足音は遠くに消えていった。あのプレッシャーはなんだったのか?私に勝負を挑んでいたのか、ただ単に急いでいただけなのか。いずれにしてもあんなスピードでもプレッシャーを掛けてくるなんてマナー違反も甚だしい。あんな人がいるからトレイルランナーの肩身が狭くなるのだ。
とはいえ、暖かい中、しかも明るいうちに帰ってくれたのはとても充実した3往復だった。帰りはいつものようにまっかり温泉でガッチリアイシングしてから汗を流し、露天風呂からきれいに見える羊蹄山を眺めるのであった。
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