向山連山


- GPS
- 03:59
- 距離
- 6.4km
- 登り
- 584m
- 下り
- 635m
コースタイム
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
よく踏まれた登山道 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
シュリンゲ
|
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感想
当初、雨マークの出ていた土曜日。帯状高気圧が日本列島を覆ってくれたおかげで、素晴らしい好天となった。雪が残っていてくれれば東山に今シーズン最後の雪山行脚となるところだったが、この一週間でほとんど融けてしまったらしい。一方、雪融け後に地表を覆うように咲く花たちは、まだ少し準備に時間がかかりそうである。そんなわけで、どこに行くべきか決めかねていた時、「向山三角点」という自分としてはなじみのない山名が目に入った。『分県登山ガイド 兵庫県の山』に掲載されている山だそうだが、我々がもっている5年前の版には載っていないのである。さしたる考えもなくこの山の情報を眺めていると、ヤマレコの登山記録が4月に集中していることに気が付いた。それが極端で、他の月にはほとんどないと言っていいくらいなのである。これは何か花が咲くとか、はっきりした登山目的があってのことに違いない。そこで記録の中身を調べてみると、図星であった。ヒカゲツツジの群落があるという。一昨年の4月、宍粟の母栖山でヒカゲツツジを鑑賞したが、その時は山行の最後に滝見に行ってヤマビルに食いつかれてしまい、そのトラウマから再訪はあり得ない気分になっていた。今年は桜の開花も例年より一週間早くやって来たので、ヒカゲツツジも今がベストかもしれないぞ。ということで、丹波の氷上の向山にヒカゲツツジを訪ねることとなった。
アプローチはいたってよい。舞鶴若狭道の春日ICからすぐなのである。春日ICと言えば、氷ノ山など但馬の山に行くときに北近畿道へ入る際、必ず使うおなじみのところだが、素通りばかりでその周辺のことを知らずにいた。今日はその空白を埋める第一歩というわけである。登山口は水分れ公園にある。日本一低い分水界を謳っているところで、桜の花見でも賑わうそうだが、我々が駐車場についた時間には、登山者のものと思われる数台の車しか止まっていない。小川にそって植えられたソメイヨシノが、快晴の空に薄紅に輝く花の雲を作り上げていた。車を停めてトイレを借りようと公園の入口に向かう。ちょうどトイレの横辺りで川が分岐しており、一方は瀬戸内海、もう一方は日本海にそそぐと表示されていた。これが「水分れ」の本体というわけだ。
登山道はこの川のすぐ横に走る尾根の末端、観音堂の建つところである。周囲は落葉樹の灌木林、その林下をぐいぐいと高度をあげていく。ところどころにコバノミツバツツジが鮮やかな紫の花で彩を添える。眼下に氷上盆地を見下ろしながらピークを目指して登っていると、福知山線の列車の音がこだまのように反響して里山の長閑さを一層増幅する。やっと頂上らしいところに達すると「二の山」の表示があり、四等三角点が埋設されていた。行く手に目をやると、まだまだ自分たちのいる地点は低い低い。ちょっと下ったらぐっと登る。結構登った末に、「三の山」の頂上に達したが、眺望はほとんど得られない。その代わりベンチが置かれている。山頂を後にして下りにかかるところで、待望のヒカゲツツジがお出迎えだ。期待通り、丁度見ごろを迎えている。この先、一旦ヒカゲツツジはカゲをひそめて??、となる。次の明るいピークには「松の台」との標識があり、なかなかの展望だ。そして、ここから先の左側は、ほとんど純林と言ってよいほどのヒカゲツツジの群落で、薄黄色の花が一面に咲いている。息を飲むスケールである。続く「四の山」から向山三角点にかけて、随所にヒカゲツツジの群落を見る。向山三角点の手前にある「ツツジが丘展望所」からは、通って来た二の山、三の山、四の山が、きれいに並んでいる様子をつぶさに目にすることができる。向山三角点は、木が茂った眺望のないピークにあり、休憩には向かないので、さらに先に向かう。やがて明るく視界の得られるピークに出る。ここが「五の山」で、今日の最高点となる。ここで昼食をとる。
五の山の山頂でルートは右に90度曲がり、ヒノキの植林帯に入っていく。蛙子峰の岩のピークに乗ってみると、見下ろす稜線の左側はヒカゲツツジの花また花。この先尾根沿いに大岩がところどころ姿を見せる。特に清水山という反射板のあるピークの前後には特徴ある形の岩が次々にあって、イルカ岩やら亀岩やら、どこをどう見立てればそう見えるのか、頭の体操をしつつ進んでいく。しばらくはヒカゲツツジを目にすることなく高度を下げてゆくが、剣爾山416mの標識のある見晴らしの良いピークから再びヒカゲツツジが増してくる(ところで、清水山の山頂には清水山(剣爾山)との表示があって、なぜなぜ感が首をもたげる)。さらに下って里近しとなったところで天狗岩と呼ばれる展望地があり、最後の眺望を楽しむ。コバノミツバツツジが随所に咲く尾根を下り切れば、集落の外れのお寺の前に出る。駐車場に戻ると満車の状態で、なおも次々と行楽の人たちがやってくる。誰もかれもが思わず浮かれる春の一日、開いて間もないヒカゲツツジを思う存分満喫する山行となった。
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