鳥屋より黍殻山往復


- GPS
- 07:52
- 距離
- 23.7km
- 登り
- 1,355m
- 下り
- 1,342m
コースタイム
- 山行
- 7:26
- 休憩
- 0:26
- 合計
- 7:52
天候 | 曇 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・コースの大半は林道の舗装路です。開始地点と山頂の約1,000mの標高差のうち半分を舗装路で進みます。 ・林道と言っても一般車通行禁止で、丹沢の山々を眺めながらだらだら歩けました。 ・大平からの登山道は全体を通して道標があり、道はよく整備されていました。 |
写真
感想
橋本駅から行ける山を訪ねるシリーズ。鳥屋から黍殻山へのコースは手元の昭文社地図では2019年水害で二箇所が通行止めとなっているが、ヤマレコ等で調べると今は通れそうだ。蛭が活発になる前に行ってみる事にした。
最後の乗客になってバスを降りると、10km以上の舗装道歩きの始まりだ。早戸川林道との分岐がある松茸山自然公園までは車がそれなりに通るが、その先はごく少ない。傾斜はそれなりにあるので、えいえいと登るが、車の心配はあまりせず気楽に進んだ。その上、その先の奥野林道は一般車通行禁止なので、広い車道を独占できた。それでもバンが一台往復していった。
足は履き慣れたスニーカーだ。単調な林道歩きが2時間半も続くが、特に尾根に出てからは南側に丹沢の峰を眺められた。桜やツツジの花も美しい。
ただ誰も居ない。マイナーなコースだとは思ったが。足は徐々に遲くなる。今日は山頂まで行けなくとも良い事にしよう、と何度も思う。
バス停から2時間半かけて登山口の大平に到着した。登山靴を履く。立派な道標があるが杉林の中は踏み跡が不明瞭で、曇天の暗い中を若干迷った。結果的には道標や地理院地図の通りで良く、次第に木段が現れた。
木段は尾根の上まで続いた。焼山もそうだが、丹沢は木段が多いと思う。段差は小さいが、歩幅を決められるのは辛い。
尾根筋は植生の境界になっていて、反対側には広葉樹林が広がっていた。鹿柵の中は下草が豊かで、中で咲く桜の花に何故かなごんだ。山頂に近くなり勾配がきつくなると、諦めたように木段は無くなった。尾根を天辺まで登ると西に方向転換して大平分岐に到着した。丹沢主脈に合流した訳だが、それでも誰も居ない。獣の気配しかしない。
昭文社地図でも地形図でもここから黍殻山山頂に行くには一旦巻き道を西に進んで尾根に登り返すように読めた。正直に従い、コルが見えた辺りで適当に尾根に乗る。そこからは緩い上りだが、もう体力を使い果たして中々進めなかった。
なんとか到着した黍殻山は完全な冬景色で、風も冷たい。晴天なら丹沢の山々も見えただろうに。パンとオムレツの簡素な昼飯をさっさと済ませて降りる事にした。道志みちへ降りる選択肢もあったが、三ヶ木行のバスは16時まで無い。三ヶ木まで歩けば、鳥屋までとそう距離は変わらなそうだ。それなら車が通らない方が楽だろうと、来た道を戻る事にした。
休日の早朝に12km歩いて灰色の山頂に辿りつき、ものの数分で同じ道を引き返す。誰とも会わない。趣味としてはなんとストイックなのかと何度も反芻した。
それでも下りは余裕が出たのか、新しい発見がいくつかあった。山頂からすぐに巻き道へ向かいそうな分岐があり、下ってみると大平分岐のすぐ近くで巻き道に合流した。ご丁寧に神奈川県の道標もあった。
大平分岐に荷物を置いて、綺麗だと評判の黍殻避難小屋に行ってみた。小屋も庭のような芝生も確かに綺麗だったが、便所は酷い有様だった。水を潤沢に使えないせいかもしれない。
苦労した登山道はあっさり降り切ってまた長い林道に出た。スニーカーに履きかえる。いつも下りは夕飯の算段ばかりしているが、それもすぐに飽きた。花や新緑に彩られたから良かったものの、それも無ければ愈々ストイシズムだ。山頂に何かある訳でもないのに、誰も居ない道を延々往復した今日の行為は何の意味があったのか。
これ迄にないくらい「何故山に登るのか」を自問してみたが、何も分からない。はっきりしているのは、分からないからこそまた登りに来るだろうという事だけだ。漸く鳥屋に着いてツツジの下でビールを呑みながら、登ってきた山々を眺めた。
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