18.甲斐駒ヶ岳 「ダイエットしろといったのに・・・・」

2005年07月17日(日) [日帰り]

• GPS: --:--
• 距離: 8.5km
• 登り: 1,086m
• 下り: 1,087m

コースタイム

北沢長衛小屋−仙水小屋−仙水峠−駒津峰−摩利支天−頂上−駒津峰−仙水峠−仙水小屋−北沢長衛小屋

天候

曇りのち晴れ

コース状況／危険箇所等

○摩利支天はルートが不明瞭なため体力に余裕がなかったらスルーしちゃいましょう。僕はここで無駄に体力を使ったので。

○北沢長衛小屋は現在の駒仙小屋です。テント場が比較的広いので、ここをベースにして甲斐駒ヶ岳、仙丈岳に登る人が多いです。
また、バスから降りて数分のところにあるので、初めてテント泊される人にお勧めのテント場でしょう。
ただし、売店で食料の不足分を補おうとは考えずに、ちょっと冒険して余分に食料を持参したり、新しい料理にチャレンジするのもいいかも知れません。

写真

甲斐駒ヶ岳山頂で
2005年　愛・地球博のマスコット、モリゾーとキッコロのぬいぐるみを持って

北沢長衛小屋(現:北沢駒仙小屋)

仙水峠の登り

ドーム状の山容をした摩利支天

駒津峰

甲斐駒ヶ岳をバックにして

しばし甲斐駒ヶ岳を眺める

鳳凰山のオベリスクの向こうに富士山

感想

akira1969

第18座　ダイエットしろといったのに・・・

　７月16日の昼過ぎ。僕は広河原から北沢峠に向かうマイクロバスの中にいた。そのマイクロバスが突然静かに止まって運転手がこういった。
「あの白い山が甲斐駒ヶ岳です」
車内の所々で歓声があがった。そう、あの山こそが明日僕が登る山なのだ。
「思ったより白いなぁ・・・・」
僕から見た甲斐駒ヶ岳の第一印象であった。
　バスは北沢峠に着き、僕はテント場がある北沢長衛小屋へ向かった。ここでテントを張る手続きを済ませた上で、テントを張った。ただここで後悔したのが、食料を少なめに持って来たことである。白飯４食分とおかず関連が乏しく、もう一食欲しいところだった。そこで山小屋で調達しようと思ったが、ビールが売っていても、カップラーメンすらもなかった。
ここが北アルプスと決定的に違うところだ。南アルプスの山小屋では必要最低限のものしか売られていない。それは漠然と解っていながらも迂闊だった。そこで空腹感をビールでごまかして、19時早々に寝た。
　
　17日の３時30分、目覚ましに頼ることなく目が覚めた。朝食を作って食べているうちに空が明るくなってきた。４時30分に北沢長衛小屋を出発した。青々とした森の中を歩いていくうちに茶色と白を混ぜ合わせた様な岩がゴロゴロした所に出た。そこからしばらく歩けば仙水峠だ。ここまで来るとピラミッドに似た山容の甲斐駒ヶ岳とドーム状の山容の摩利支天が見えた。遠くに目をやれば山脈にニョキッととんがっているのが鳳凰山のオベリスクだ。曇っているものの比較的遠くまでは展望が可能みたいだ。
　仙水峠から駒津峰までは急な登りが続き、息を切らせながら登っていく。その上、強風が激しく吹いて、容赦なく僕の体温を奪っていく。駒津峰に着くと、鳳凰山の向こうに富士山が顔を出す様になった。駒津峰から一旦降り、登りつつ山頂直下の登山道に取り付いた。ここからはほぼ茶色かかった白い砂状のザレ場の登山道に変わった。ザレ場は突出した岩が少ない分、歩きやすくなったのだが、逆に滑りやすいので注意を要した。恐る恐る歩いていると目の前には摩利支天に向かう登山道があったので山頂に向かう前に行ってみることにした。
　しかし、これが災いした。摩利支天の丸い山頂に立ったのは良かったが、問題はその帰り道だ。登山道を見失い、無意識のうちに上を登っていた。足場は滑りそうになるわ、頼りに掴んだ岩も表面がボロボロ崩れるわ、進退窮まるところであった。何とか本道に戻ることが出来たが、体力はここで消耗してしまった。
　ゼーゼー息を切らせながら、僕は山頂を目指した。10時30分、やっと山頂に着いた。
いろいろとあったけどここまでたどり着いたぞ！　恒例となった「三角点踏み」をやった後、記念撮影をして、一息ついて周りの景色を眺めてみる。鳳凰山の向こうに富士山がうまい具合に重なっていた。仙丈岳や北岳、八ヶ岳・・・・　曇っていたが、ある程度の山は確認できた。息が整ってきた所で、そろそろ下山しよう。
　でもそんなに甘くはなかった。足の動きが重いのか遅いのか・・・・　とにかく下りでも多くの登山者に抜かれてしまった。特に駒津峰から仙水峠までの下り坂は永遠に続くのではないかと思える程に苦しかった。足を引きずりながら北沢長衛小屋に着いたのは、16時５分。あと少しでコースタイムが12時間になる所だった。
　コースタイムが倍近くかかったのは歳のせいもあるだろうが、抜かれた登山者の中には中高年の方もかなりいた。ダイエットしなかったのが逆に持久力を奪われてしまった形となった。今年は無理だとしても来年に向けて体重を落としていきたいと思った。