【奥多摩】丹波川本流〜泉水谷[小室川]ツヅレ沢遡行
山梨県
tamoshima
deep-blue
kaisei1027
体力度について
- GPS
- 07:45
- 距離
- 12.3km
- 登り
- 1,132m
- 下り
- 1,033m
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| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2023年07月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
【丹波川本流】 ・余慶橋〜三条橋間には、原全教「奥秩父」によると、名称のある淵が9箇所もあるが、泳ぐ前提の装備であれば、さしたる難所はない。 ・藤下り淵は、水線突破にこだわれば厳しめの泳ぎの練習になるが、右側から巻いて飛び込めば容易。 ・牛金淵は完全水線突破は不可。途中で右岸の岩棚に上がり、出口の滝壺で流心を飛び越えて左岸側に移る。かなり迫力のあるゴルジュで一見の価値あり。 【泉水谷[小室川]】 ・難所は「高へづり」のみ。右岸をトラバースしながら落ち口まで登ればIV程度。小さく巻くことも可能らしいが、かつてあったとされる残置ロープは見当たらなかった。 【ツヅレ沢】 ・林道と出合の間に落差30m程度の多段滝があるだけの沢だが、水の無い斜面を登って脱渓するよりは断然充実する。 |
| その他周辺情報 | ◎この周辺の地名・地誌については原全教「奥秩父」に詳しい。 【地名】 ・地理院地図の831m二俣から丹波川本流に合流するまでの区間について、原全教「奥秩父」では小室川としているが、「東京附近沢歩き」(1956)以降の文献では泉水谷としており、近年は泉水谷を本流とするのが一般的である。どういう経緯で変化したのかは不明。 ・余慶橋は、そのすぐ下流の右岸で合流する「ヨケ窪(除窪)」を元に佳字で命名したものと思われる。なお、奥多摩大菩薩高尾の谷123ルートに掲載されるヨケイクボは、正しくは蘆沢である。また、同書でアシ沢としている沢は不動瀑沢である。（「奥秩父」による） ・「かたなばトンネル」は、その対岸にある尾根が刀刃と呼ばれていることに拠る。尾根が鋭く刃のようであることからその名がある。 【他の記録】 ・三条橋〜小室向の遡行：https://www.kojitusanso.jp/tozan-report/detail/?fm=22555 ・牛金淵については、遡行記録は未見だが、カヤック下降の記録はあった。 http://airtrick.blog96.fc2.com/blog-entry-472.html ・ツヅレ沢の記録は未見。 |
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装備
| 備考 | ・ウェットスーツあり ・フェルトソール推奨 |
|---|
感想
【計画の経緯】
この3人で秋に大水量の沢を狙っているので、どこかのタイミングで渡渉訓練をやりたいと思っていたが、この週末は泊りで行きたい沢のある方面が雨予報だったため、渡渉訓練をすることに。
場所は、原全教「奥秩父」を読んで気になっていた、牛金淵を含む余慶橋〜三条橋区間とした。
【記録】
○丹波川本流遡行
余慶橋の少し下流側に、釣師が使う踏み跡があり、難なく本流に降りられる。すぐに滑瀞谷が右から合流し、ゴルジュとなる。「奥秩父」によれば、暗見淵、下姥淵、上姥淵、大楢淵と名前のある淵が連続するのだが、どこがどれなのかははっきりしなかった。この辺りで、流されて鯉のぼり状態になってしまった場合を想定し、ロープを切って脱出する練習をした。確かに故キノポンの教え通り、下記のようなベアクローナイフでないと厳しいことが分かった。
https://repmart.jp/products/2510.html
しばらく凡流を経て羽根戸橋をくぐると、今度は跳戸淵、狭戸淵と呼ばれるゴルジュ。一応それらしい淵を確認し、1.5mほどの小滝もあったが、脇を簡単に通過できる。
再び凡流となってしばらく進み、大常木橋をくぐってから少しで、藤下り淵。ここは水線に拘れば、結構大変な泳ぎを要求されるところで、一旦通過してからしばらく泳ぎの練習をした。また、少し進んだ流れが適度に急な所で末端交換三角法による渡渉の練習。3人で役割を変えて1回ずつ、合計3回練習して、ある程度慣れた。
また平凡になった河原を進むと御神主ノ寝屋(おかんぬしのねや)と呼ばれるちょっとしたゴルジュがあり、如何にも平凡そうな名前の平盤磧(ひらばんがわら)というところを過ぎると、いよいよ核心の牛金淵。泳いで進んでいくと、側壁は立ち、沢幅も狭まってかなりの迫力だが、突入してみると意外に浅い。と思っていたら足がつかなくなり、流れも速いので水線通しは諦める。しかし簡単に右岸の岩に上がれるので、問題なく上流に進み、いよいよ最後の小滝と釜。ここは流心を飛び越えて左岸側の反転流に乗れば問題なさそうなので、一跳び。これで終わったかと思ったが、意外と小滝の上流側の流れも強く、進むのが大変だった。
デイドコ小屋淵というのはよく分からず、三重河原に出て丹波川本流の下部の遡行は終了。まだ時間はあるので、泉水谷へ。
○泉水谷[小室川]下部遡行
泉水谷に入ると水が一気に綺麗になって、癒される。蛇淵と猿平ノ長瀞はあっさりと越えて、高へづりに来ると、結構登りにくそうな小滝があって興味深い。kaiseiが小さく巻くことを試したがちょっと悪いとのことなので、tamoshimaが右岸の岩をへつりながら登って滝上へ。そこそこ難しくてちょうど良かった。ハーケンを打ってお助け紐をフィックスし、同じルートで2人もフォロー。
高へづりを抜けるとツヅレ沢が右から出合う。登れそうな連瀑帯になっているので、どうせ林道に上がるならここからが面白かろうということで、ツヅレ沢へ。
○ツヅレ沢下部遡行
多段30m滝だが、下部は傾斜も緩く易しい(��)のでフリーソロ。最上段だけ少し難しそうで、しかもシャワークライムになるので一応ロープを出す。厄介そうに見えた下部が易しく、そうでもなさそうに見えた上部の方がやや難しいという結果だったが、それでも��+程度で快適。爽快に登ってハーケンで終了点を構築し、2人も登る。
目の前には堰堤が立ち塞がるので、右岸斜面を登って林道に上がったが、せっかくシャワーで綺麗になった靴が泥々になってしまった。あとは単調な林道を歩いてゲート前の駐車スペースまで。
【総評・感想】
丹波川本流下部は、通常遡行される三条橋〜一ノ瀬川出合間に比べると冗長であり、お薦めできるものではなかった。しかし、牛金淵はかなり迫力があり、飛び込み渡渉も練習できるので、なかなか良い。そのため、三条橋から少し戻って牛金淵の下流から丹波川を遡行すれば、一層充実すると思う。
泉水谷[小室川]下部〜ツヅレ沢のルートは、癒しと快適な滝登りを兼ね備えていて、初級者〜中級者向けの半日ルートとしては悪くない。林道が並行しているため殆ど見向きもされないが、もっと親しまれても良いと思う。
全体としては、気になっていて牛金淵を解明でき、高へづりやツヅレ沢のような意外に面白い場所も見つかったので、まずまず満足した。
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