御嶽山 剣ヶ峰-継子岳 〜荒涼と充足〜
- GPS
- 09:57
- 距離
- 14.4km
- 登り
- 1,342m
- 下り
- 1,325m
コースタイム
- 山行
- 3:50
- 休憩
- 0:16
- 合計
- 4:06
- 山行
- 5:11
- 休憩
- 0:36
- 合計
- 5:47
天候 | 7/16曇り時々晴れ 7/17快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
7/16(日)松本駅東口着5:20、松本駅発6:32、木曽福島駅着7:35、発8:40(おんたけ交通バス、フリーパス2500円)御岳ロープウェイ着9:45、鹿ノ瀬駅発9:50(おんたけロープウェイ、往復2600円(モンベル会員は10%割引))飯森高原駅着10:05 7/17(月)飯森高原駅発11:00(おんたけロープウェイ)、鹿ノ瀬駅着11:15、御岳ロープウェイ発11:55(おんたけ交通バス)木曽福島駅着13:00、発14:33(JR東海「特急しなの14号」、4900円)名古屋駅着16:07 ※木曽福島駅のバス乗り場は並ベないので乗り損ねに注意。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
三ノ池から女人堂へのトラバース道は、残雪で通行止めだった。 |
その他周辺情報 | おん宿蔦屋 木曽福島駅から徒歩12分(タクシー640円)日帰り温泉600円、13時〜21時、https://kiso-tutaya.com/ |
写真
感想
その日、私は、安達太良山への弾丸登山に臨んでいた。帰りのバスの中でニュースを知り、新幹線車中で西の空を見つめ祈った。
5月の連休に、例年どおりに夏山に登る決意をした。3000メートル超の山頂で静かに朝陽を受けたいと思った。御嶽山が思い浮かんだ。あれから9年、ようやく訪れる動機を得た。
ロープウェイ駅を出発したのは10時過ぎ。バスの本数の少なさから、遅い時間となるのは仕方のないことだが、雨に降られるのは避けたかった。
7合目から標高差900メートルを登る。強く意識して、ことさらゆっくりと歩いた。下山の人の数は多く、すれ違いに要す時間は予想よりも多かった。
8合目には、女人堂が在る。そのまま通過することを一瞬躊躇したが、前方を見上げ、すぐに歩き始めた。この先どこで渋滞するかわからない。
ご多分にもれず、9合目までの区間が最も厳しい。勾配の有るガラ場、焦らず、急がず登る。日差しは強く、岩場の照り返しに発汗が抑えられない。
石室、覚明堂を過ぎ、黒沢十字路へと近づく。山頂からの眺望は得られないだろうな、そう呟きながらも、どこかで晴れることを祈っていた。
右手に二ノ池と山荘が見える頃、剣ヶ峰への最後の登りにかかった。コースタイムペースを維持してきたのに疲労困憊だったが、残る気力を振り絞り、休むことなく登りに集中した。
階段を登り、御嶽神社で祈りを込める。そして、慌ただしい日常と、穏やかな非日常、3月からの上出来な日々に感謝した。3000メートル超の頂きは、期待どおり静かな場所だった。
二ノ池山荘の傍らを通り、今日の宿に向かう。ヒュッテには、14時18分に着いた。チェックイン後、着替え、コーヒータイム、そして仮眠、いつもどおりの行動ののち、夕食の時間を迎えた。
食後、外に出て周囲を散策する。風は無く適温だった。日没を見届けたあと、寝所に戻る。余裕のある配置は、快適な睡眠をもたらしてくれた。
翌日、4時に起きる。山頂で夜明けを迎える人々は、既に出発していた。4時半から小屋前で待つ。4時42分、あたりまえのように、かけがえのない陽の光を得る。今日もすべてのことに感謝。
すぐに出発する。調子が悪ければ、どこででも引き返せばよい、そう言い聞かせ継子岳を目指した。体は軽い。いつものペースで賽の河原へ下りて行った。
わずかに登り返し、避難小屋を過ぎてから巻き道を進み徐々に高度を下げてゆく。30分ほどで五ノ池小屋に到着した。黒沢口からは最も奥に存在する小屋だが、堂々とした造りだった。
飛騨頂上を経て、北上する。雲海を望みながら伸びやかな稜線の道を進む。微風が心地よい。足を延ばして良かった。40分足らずで継子岳に到達した。
北アルプス南部の山々をはっきりと確認できる。槍穂高連峰、1ヶ月後にはあそこに立っているはず、私の登山の原点、心が弾む。
コーヒーを淹れてのんびりしたかったが、バスの時間が気になった。三ノ池からのトラバース道は残雪のため通れない。やむなく往路を引き返す。
同じ道はどうにも受け入れがたい。摩利支天乗越経由で僅かな抵抗を試みた。されどこの行為が、下山を確実に厳しいものへと変えていった。
俄かに体力を消耗し、賽の河原を脱出するにも難儀。黒沢十字路までの登り返しで、山行を楽しむどころではなくなった。
8合目の女人堂まで無心で歩く。同所で、非常用の水300ミリリットルを残し、水分補給を終わらせた。あと1時間、のどの渇きを原動力に下ってゆく。
ロープウェイ駅に着く頃には、気力体力が回復していた。温泉、コーラ、特急列車、定番の「アイテム」たちが待っている。振り返り、霊峰に感謝し、頭を深々と下げた。
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