【身延】福士川 長瀞川遡行

- GPS
- 07:53
- 距離
- 5.6km
- 登り
- 659m
- 下り
- 503m
コースタイム
- 山行
- 7:53
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 7:53
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
遡行図と記録参照 増水時の遡行は推奨できない(核心部の10m樋状滝の登攀が困難になると思われるため) |
その他周辺情報 | ・ヤマビルは見なかった ・長瀞川の名称について、「長瀞沢」とする資料もある。 ・左岸の中腹にある高さ100m程度の岩崖は、「幕岩」と呼ばれているらしい(鈴野藤夫「中部山岳の渓流」)が、普通に遡行していると目に入らない。 |
写真
装備
備考 | ・ラバーソール適、クライミングシューズ持参推奨 |
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感想
【計画の経緯】
前日にメンバーの怪我でコンヤ沢を中退し、モチベーションが低下。残ったkumassiyと共に、大したことはなさそうだけど一応泳ぎが楽しめるのではないか、と思っていた、長瀞川へ行ってみることに。
【記録】
林道上石合山線はゲートがあって入れず残念。ゲート前に車を1台置き、下石合山線へ。こちらもゲートがあるが、どうせ路面が荒れているのでゲートの有無に関係なく車は不可。ゲート手前の空地に車を置き、林道で堰堤を巻いてから入渓。
入渓直後、立派な巨岩トンネルがあり景観としてはなかなか。さらに、簡単に巻けるが水線は難しそうな6m樋状滝が現れる。何とか頑張って2人ともフリーで突破。結構楽しい。
その後しばらくゴーロが続き、沢が屈曲して真南に向かい始める前あたりから、ナメが出てくる。傾斜した地層がそのまま滑床となっているのが、普通のナメとは違って興味深い景観。
ナメが終わると今度はプチゴルジュ。左のスラブから容易に巻けるが、ここはせっかくなので水線直登を狙う。2つの細い割れ目が特徴的な滝は容易に登り、次の5m滝は明らかに厳しそう。tamoshimaは巻こうかとも思うが、kumassiyがトライするというので見守ると、時間はかかったもののフリーで成功。それならばとtamoshimaもトライすると、kumassiyとは全然違うムーヴで登れた。なかなか面白い滝だった。
次の9m滝は釜が深く、美しい青さだが、滝の直登は叶わない。左岸支流の立派な28m滝の水を浴びながら、右から巻いて、懸垂下降で滝上のゴルジュへ。想像以上に立派なゴルジュで心躍る一方、突破できるのだろうかと、期待半分不安半分。
最初の5m樋状滝は突っ張って突破し、先を見ればザクロ谷を彷彿とさせるような、ゴルジュの細長い釜の奥に樋状10m滝。こんなの登れるのだろうかと不安になり、とりあえず退路を探すと、右岸から逃げることは出来そうで一安心。滝はkumassiyがリードしたいとのことで、空荷になって釜を泳いで取りつき、ゆっくりながらも順調に高度を上げていく。激シャワーを浴びながら1箇所エイドし、無事落ち口へ。荷上げは大変そうなので、tamoshimaは2人分の荷物を背負ってフォロー。kumassiyと同じところでA0し、無事突破。見た目も良くて登り応えもある、とても良い滝だった。
が、滝を登り終えて初めて姿を現す10m滝は、今登った滝以上に絶望的。これは駄目ではないかと早速側壁から逃げられないか探るが、それも駄目で、突破するか、懸垂下降で戻るかしかない。とりあえず、唯一可能性を感じられた左岸の斜上バンドに取りついてみるが、tamoshimaもkumassiyもドボン。しかし、多少の可能性を感じたので、tamoshimaはクライミングシューズに履き替えてトライ。すると多少は前進したが、またドボン。相変わらず可能性は感じるのでトライを続けると、4度目で良い位置にハーケンを打つことに成功、一旦セルフビレイを取って、ロープをつける。ここからはエイドするしかないが、良いクラックもリスもない。しかし、悪い態勢で薄いリスにラープをきめることができ、あぶみで一歩前進。すると、カムが決まるクラックが見つかり、さらにあぶみで前進。これで、スタンスのないセクションは越え、スラブに乗り移れた。あとは慎重にスラブを登り、落ち口へ。こんなに登り応えのある滝、滅多になく、素晴らしい。kumassiyもクライミングシューズでフォロー、深く決まっていたラープも無事回収できた。
その次の4m滝もそれなりに難しかったが、直前の滝の印象が強すぎてあまり印象には残らない。続く10m滝は、右岸に斜上ワイドクラックがあり、そこを登ってくれと言わんばかり。フリーソロで取りつくが、それほど易しくもないので途中でロープを付けてtamoshimaリード。思った以上に本格的なワイドクラックで、沢らしくないクライミングを楽しめた。
連瀑は終わらず、今度は2段10m滝。水線は無理なので右のスラブを登っていくが、水線にクライムダウンするところが少々厄介。すぐの6m滝は、これも激シャワーで沢登りらしく面白い。連瀑帯最後の6m滝は、左から巻けば簡単だろうがせっかくなのでこれも水線で。上部が細かくフリクション頼みとなり、少し緊張した。
以上で連瀑帯は終了だが、この先も小滝はそれなりにあり、水線を攻めれば面白いものも少なくない。そんな感じで楽しみながら遡行を続けていくと、右岸の少し上に林道が見えてきたし、この先の本流は平凡そうなので、ここで遡行終了。
上石合山林道は、最初は荒れていて車は通れそうになかったが、途中からは現役の、最近も使われている林道になった。
【感想・総評】
予想を遥かに超える面白いゴルジュを秘めた沢であって、大変満足できた開拓遡行であった。先日、セティゴルジュのテレビ番組(NHK)では、「初めて人類に下から眺められた滝」といったフレーズが出てきたが、この長瀞川のゴルジュ途中の滝も、恐らく同じであろう。集落や高速道路のすぐそばの里山にも、こんな人跡未踏と思われる素晴らしいゴルジュが秘められているとは。沢の地形というのはやはり面白い。
ゴルジュ好きの方には、是非訪れてみて欲しい、お薦めの沢である。
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