中御所谷 本谷
やっくん
めぐもぐ
- GPS
- 08:37
- 距離
- 3.2km
- 登り
- 950m
- 下り
- 21m
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| 天候 | 晴れ時々曇り |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2023年08月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
バス 自家用車
ケーブルカー（ロープウェイ／リフト）
往路: 路線バス(830円/人) 復路: ロープウェイ(1,640円/人), 路線バス(830円/人) ※路線バス＆ロープウェイのチケットは菅の台バスセンターにて往復路合わせて購入 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
・水量: おそらく少なめ ・他パーティ: 沢内ではゼロ。貸切だったと思われる。朝イチで西横川に行かれた1PT(女性2人組)とはしらび平駅で会話した ・ソール: CL/SL共にラバーソール(モンベル サワークライマー) ・参考遡行図: http://sonosoranoshitade.web.fc2.com/sonosoranoshitade5/page003.htm ・他、参考にした記録; https://yamare.co/4747689 https://sawagurui.com/nakagosyodani 去年、隣の西横川を遡行して、帰りにロープウェイで見たこの本谷をいつか登りたい…と思い焦がれて早1年。時は熟し、パートナーにも恵まれ、遡行することに。 沢ヤ界隈では著名な沢で、ガイドブックなどには載っていないが、辛いアプローチも詰めも下山もほぼ無しなのに3級がつけられている、遡行そのものが難しいとされている沢。もちろん一度でも千畳敷カールへロープウェイに乗ったことがあれば、乗車中に見える大きな滝群として一般登山者にも認知はされている沢。 数えきれないほどの小滝（とはいえほとんどが10m近いが）については、ほとんどが水流か水流横、あるいは小さく巻くことが可能。 今回比較的大きめの巻きになったのは、6m+15m及び、15m+12mの2箇所となった。 上流にいけばいくほど岩が脆く、危険に感じる割合が増えた。3段10mの左岸巻き(左岸2段50m枝沢を少し登り落口へトラバース)がもっとも岩の脆さ及びムーブ的にも難しく感じ、ここが我々としては核心となった。ここだけ体感�検� なお、日暮の滝までの観光路は通行止めになっているという記録が多かったが、特に通行止めになってはいなかった。最後は沢岸に綺麗な階段までかかっており、滝下まで容易に出られた。 以下は下流から順に大きめの滝などの登攀ルートなど。滝の名称は参考遡行図通りとした(ほとんどが実際の高さより低く感じたので別に記載)。 ■日暮の滝(1段目15m:体感�掘�2段目8m:体感�掘�) 1段目は右壁凸角を登った。最初は凹角から取りついたが序盤が悪く諦め、その左の凸角を登っていくルートとなった。残置ハーケンも多い。朝イチなこともあり、CLがリードでロープを出した。カム(#.75)で支点構築。 2段目は右のルンゼから草付きをあがった。1段目でロープをつけていたこともあり、そのままCLがリードであがり上から確保した。倒木で支点構築。 ■10mCS(体感��+) 日暮の滝2段目直後の巨大CS滝。圧巻で声が出る大きさ。おそらく15m近くありそう。右壁凹角から草付きや木を使い登った。ぶなの会の記録では凹角ではなくカンテ状を使うほうが良いとのことでその予定だったが、真夏で植生が豊かだったからか、凹角から登るほうが楽に感じたのでそうした。CLがリードでロープを出した。滝上ゴーロの岩で支点構築。 ■プチゴルジュ後の8m CLが右壁をフリーで登ったあと、フォローのSLにとっては落口が悪く高度感もありロープ要求があったので、灌木で支点構築し上からロープを出した。CLがお助けスリングを出せるところまで戻るのはスラブ面で危険だったのでロープを選択。支点はマイクロトラクションで（ペツル非推奨）。こういうちょっとした時にさくっとロープを出せるマイトラは便利で使ってしまう。 ■斜瀑群(宝剣滝)最後の12m(体感��) 右壁から登った。CLがフリーで登ったあと、SLが最後の一歩でリーチ的にあがりにくかったようで、上からお助けスリングを出した。 ■7mCS(体感�掘�) 右から草付きを落ち口の高さで小さく巻き。高さはおそらく10m程度。草をホールドにCL/SL共にフリーで簡単に登った。滝上にはハンガーボルトあり。 ■直登不可6m+15mトイ状巻き 15mの落口目指して右岸から大きめの高巻き。踏み跡がしっかりあり迷うことはない。6m滝の高さは10m程度ありそう。ぶなの会の記録では水流左を直登していたので軽く触ってみたが岩が脆すぎて巻きを決めた。 ■3段10m巻き(体感��) 左岸枝沢2段50mを少し登り、そこから落口へトラバースする参考遡行図通りのラインでCLがリードでロープを出した。岩が脆くかなり危険に感じた。体感高さは15m弱ぐらい。左岸枝沢2段50mを登るときにはカムが良く効き安心だが、そのあと数mトラバースするところで岩がボロボロ崩れ、支点が全くとれず、ハンドホールドも小さく、上から少なめの水流アリと、なかなかスリリングなランナウトに。なぜか足元に腐ったリングボルトがあり、昔はルートが違ったのかな…？落口まで出るとハンガーボルトあり。位置的に使いづらいので使わず、滝上のゴーロまでロープを伸ばし、灌木＋カムで支点構築。フォローのSLもここが核心と感じたよう。 ■15m+12m巻き どう見ても高さは20mはある直瀑。左右には枝沢からの滝を構え、かなり威圧感のある格好良いこの沢で最大の滝。右岸枝沢を上まで登り、そこから少しクライムダウンした、高さ15m程度のところからトラバース踏み跡を辿り、12m滝上まで。トータル40分程度。枝沢登攀含め特にロープは出さなかった。 最初は参考遡行図通り、右岸枝沢の水流右からシャワーで10m程度登り、15m滝だけの巻きルートを試みたが、午後の遅い時間で曇っていて陽も少なく、枝沢の水が冷たすぎて手が悴んだため止めた。フォローのSLについて来させると低体温症の恐れもアリ。 右岸枝沢を水量の少ない水流左から上まで登ったところ（上から懸垂下降するつもりで）、数mの水流右クライムダウンが容易にでき、そこに踏み跡があったのでそのまま巻いた。予定ルート（さらに数mの下降が必要）まではやはり懸垂下降が必要そうだったが、支点になりそうな灌木が高い位置にあり面倒だったこともあり。 踏み跡は薄めだったが、植生がしっかりしているので比較的安心できた。滝の高さを見つつ高度を上げずにトラバースしていくと自然と12m滝上に出た。 ■2:3二俣以降の10m弱程度の連瀑帯 二俣入口の滝を始めとして、左岸にルンゼを持った滝が多く、それらを使って小さく巻く滝が多い。それぞれ水流は滑りもあり直登は難しい。 ■多段80m(最上部に鏡の滝) この規模の沢では5〜7m程度の小滝はもはや滝に見えず、ゴーロのような感じで歩いていたら、気付いたら鏡の滝の上にいたようだw「え、どれだっけ」とCL/SL共になってしまった。特に鏡感は・・・？ ■三俣以降 水量はそれなりにあり、意外に数mの小滝が最後の最後まで続く。というか飽きてきてダレる。が、突然沢内に出現して行く手を阻む大岩があり、それの左からその岩の向こうに出ると、天国の草原、千畳敷カールがいきなり広がり、なんだこの演出は！となる。フカフカの苔の上を歩いていくと登山道に出て（水源地）終了。 |
| その他周辺情報 | ラストコンビニ: セブンイレブン 駒ヶ根インター店 下山後夕飯: 明治亭 駒ヶ根本店 |
写真
左岸枝沢の2段50mへ登ったライン。写真に写るCL(身長171cm)が立っているところから縦に入ったクラック沿いに12mぐらい登り、そのあと上にある出っ張った大岩の下を左へトラバース
1
ナメ滝（最上部まで感覚10m+ぐらいありそう）。右ルンゼから巻いた。右凹角はめちゃくちゃ頑張れば登れそうだったがヤル気はなかった
装備
| 個人装備 |
グローブ
雨具
着替え
昼食
行動食
非常食
ハイドレーション
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
ファーストエイドキット/常備薬
保険証
スマホ(兼GPS)
時計
タオル
ハーネス
ヘルメット
確保機
ロックカラビナ
スリング
セルフビレイコード(PAS)
参考遡行図
地形図
バイル
サングラス
|
|---|---|
| 共同装備 |
ロープ(7.1mm50m)
アルパインクイックドローx3
カム(#1/#.75/#.5/#.4/#.3)
アッセンダー
レスキューセット(プーリー/マイクロトラクション)
ハーケン数枚
特小無線機2台
ナイフ
ツェルト
衛星SOS発信機(inReach Mini2)
|
感想
去年、隣の西横川を遡行したときに、中アの沢の規模感すげえ！となった感動。そしてその帰りのロープウェイから見た大滝群。ついに登る時がきた！きたぞ！
西横川記録: https://yamare.co/4514779
最高の天気、最高のコンディションで、終始「すげえ」と言いながらの、最高の沢登りとなった。序盤はずっと頭上をロープウェイが通っており、手を振ってもらったり振り返したり多めでワイワイ遡行w
山の日で他のパーティとの混雑なども覚悟していたが、それがなかったのも本当に良かった。朝が少し開始が遅かったが、先行PTもいなそうで、この一日、この沢を貸切なんて、めっちゃ贅沢！
個人的には技術的にそこまで難しい登攀が必要だった場面はなく、リードで登りはしたが、あまり自分のための中間支点は作ることはなく、ほぼフリーだった。朝イチで身体が動いていない状態での日暮の滝の登攀がちょっとダルかったぐらい……
有名沢なので、特に巻き道の踏み跡が割としっかりしていて迷うことが少なかったのが少し残念ではあった。自分たちのルートは自分で見つけ出したい！とはいえ、まだまだガイドブック沢を中心にやるレベルなのでもっと精進したいです。
なお、予定では7時間程度の遡行完了を予定していたが、全体的に時間がかかり、8時間半とオーバーになった。が、振り返って考えてみても、パーティとしてはこれが最速でベストパフォーマンスだったし、ロープウェイの最終には余裕を持って間に合っているので何の問題もないでしょう！
遡行しおわって振り返ってみると、遡行だけなのに3級は妥当と感じました。初級者にはフォローでもかなり厳しく、登攀だけでなく、持久力面も必要な沢だと思います。2級ぐらいまでの沢で「大滝」と呼ばれる高さの滝が、ここでは小滝で、数えきれないほど連続します。ゴーロ歩きも大岩だらけで大変！
最後に、少し背伸びした沢への緊張感の中、なんとかついてきてくれたSLには感謝しかない。これまでの渋い沢達での修行がついに実ったと感じたようで、脱渓時にSLはなぜか号泣していたw
もっとすごい沢、もっとすごい、見たことのない景色を見に、今後もよろしくおねがいします！
ダイジェスト動画: https://x.com/yaklimber/status/1690657743462600704
憧れ、というか自分ではまだまだいけるレベルではないだろうと思っていた中御所谷。
パートナーから「天気良いから行こうよ！」と誘われ迷ったものの、信頼しているクライミングジムのオーナー（この人に沢を教えてもらった・沢師匠）に一応確認してみたところ「あなたのクライミング力なら大丈夫（ロープ出すとこはちゃんと出しましょう）」とOKを頂いたので緊張しながら行ってきました！
行ってみたら「私はこの沢に来るために今までの沢で練習してきたのか！」というくらい全てが詰まっていて、すごく楽しかったです！
ラバーシューズの歩き方から装備一つ一つ、ザックのアイテムの配置詰め方全部細かいところから、クライミングのハイステップの足上げ・スメアリング・プッシュ・バランスの持っていき方等々…数え出したらキリがないくらい今までの経験全部使った遡行でした！
そして雄大な景色、美しい白い岩と青い透き通った水、飽きの来ない連爆とバラエティに富んだ大滝の数々、そしてヒリヒリする箇所や巻きもあり、詰めを感じない小滝が終わってから一気に広がる千畳敷カールの草原と山の景色。
出し切った感と雄大な景色と個人的な千畳敷カールの思い出とが色々重なって、感動してなんだか泣いてしまいました……。
ちょうど今回は自分の20本目の沢でもあり（本当にたまたま）、今まで行った沢の中でも一番！と言える沢に出会えていい記念日になりました。中御所谷ありがとう。
ただ、リードで行けるかというとまだ無理なので、これからもレベルアップしていきたいと思います。
パートナーにはリードはもちろんのこと行き帰りの運転もしていただき感謝しかない。そして何より連れていってくれてありがとう！！！
こんな素敵な沢に出会えて幸せです！
（※パートナーに「ちょうど20本目の沢だったよー！」と伝えたら「お前は今まで行った沢の本数を覚えているのか？」と言われましたw 本数を数えてるようなレベルじゃまだまだっすよねw 精進します！ひ〜〜）
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これを参考にいつか私も遡行してみたいと思います。
ありがとうございます！！
私はまだまだ経験少ないですが、中御所谷は登りごたえのある滝たちと綺麗な景色、沢の良いところがたくさん詰まってました！いつかぜひ！！😆
とても良い沢だったのでぜひ行ってみてください！
ただ、バスがちょっと面倒いので、できればタクシー予約で行くのをオススメしますｗ
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