天子山地/竜ヶ岳
- GPS
- 05:02
- 距離
- 7.3km
- 登り
- 625m
- 下り
- 616m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
本栖湖キャンプ場に前泊。 本栖湖キャンプ場の湖畔側には一般用無料駐車場がある。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◆道の状況 危険箇所は無いが泥濘が激しいのでスパッツは必要。 ◆登山ポスト 尾根への取付の登山口にあり。 |
写真
感想
前夜の打合せ通りに4:30に合わせた携帯のアラームで目が覚める。K太もはね起きた。「おっ。さすがK太だな。しっかりアラーム掛けてくれたんだ」とK太に言うと何言ってんのみたいな冷めた目をして「えっ。夕べパパ自分で仕掛けてたよ」と。酔っぱらいは嫌いと言う目をしてるように感じた。けど、冷静にアラームを仕掛けて寝るなんて、散々酔っ払った自分もすごいと我ながら感心してしまった。
支度は特別なものは無い。寒いと予想していた気温も12℃と寒くないが、一応上着を着ていくことにした。特別なものは無いのだがK太としてはスパッツを着けるのは冬の雪遊び以外では初めてだ。一応ネットで読んだ山行記録で笹で濡れると言うのが書いてあったので履かせたのだが、それよりもぬかるみで泥だらけになる予防には役に立った。
一同支度が整い5:15にはキャンプ場を後にした。登山口までは前日確認しておいたので迷わずに済んだ。登山ポストの前から登りが始まる。隊列はmaunalaniさんを先頭にT橋さん、S田さん母娘、S木さん、t-kai_saraさんと女性陣が続き、O仲さん、S原さん、K太、僕と男性陣が従っていく。
シングルトラック風の登山道は結構な勾配をジグザグに登り、ぐいぐい高度を稼いでいく。登りの暑さにたまらず来ていたナノパフを脱いだ。K太も同じタイミングでフリースを脱いだ。5:50になるともう東の空が白んできた。そのほの明るさの中で本栖湖から青木ヶ原に掛けて雲海の下。更に10分程登ると尾根の陰から突然富士山が現れてきた。
ベンチがある1050m地点では樹林が薄れ富士山が大きく望め、ここでまた皆写真撮影休憩に入る。
5分余りの休憩の後はK太と先頭を歩き石仏を目指す。ガスも上がってきたので早く石仏に到着したい。しかしずっと富士山が眺められるのでその良い姿に度々立ち止まらせられる。6:20を過ぎもう富士山の左肩辺りが明るくなってきた。周囲もかなり明るくヘッドランプが不要になった。日の出も近いぞ。
遠目に東屋が見えてきた。石仏の休憩所だ。6:35に石仏に到着、もう日の出は間近。東屋は高床になっていてすでに三脚にコンパクトカメラを構えた先客が1名居た。日の出は6:44。富士山が無ければ6:11の筈だから富士山の影に30分余り隠れていたことになる。晴天だが、上空に棚引く雲がまた趣き深い。ガスはもう平地部にしか見られず、富士が長い裾野を富士宮に掛けて引いている風景が一望に出来る。翻って左側に目を転ずると西湖、河口湖北岸の山々が既に朝日を全面に受けて黄金色に輝いている。これらの山裾はまだ雲海に覆われている。右に転ずると愛鷹が遠くに見え、そして竜ヶ岳から連なる山々も遅れて陽が射し始めた。
たっぷりとしたご来光休憩の後、7:00に山頂を目指して動き出した。1500m地点からここまでは割合と緩やかだったが、ここからは最後の急登が待っている。石仏からは山頂ははっきりとは望めないが、その急登の小径が縫い目のようにつづら折りに登っているのが判る。僕が先頭を行き、K太、maunalaniさん、S原さんと続く。最初は先ほどと変わらないペースで来たが急登に差し掛かると後続がぐっと離れて行った。さて、どうしたもんかと思っていたらmaunalaniさん、S原さんが揃って「いいでしょ。先行きましょう」と声を掛けてくれたので、ギアを一段上げて(と言うかピッチを上げて)テンポ良く登ることにした。小径はシングルトラックで歩きやすかったが、見た目より泥濘がひどい所もありスパッツは大正解だった。コースタイムで石仏から本栖湖分岐点まで1時間とあったが26分で着いた。ここから山頂まではもう平地と言って良い。ここもコースタイム15分に対して11分と結構良いペースで登れた。maunalaniさんとS原さんも離れずに着いてきたがmaunalaniさんは「K太クンは私の息が上がってるの判ってたよ」と話していた。
竜ヶ岳の山頂は1485m、高い訳ではないが非常に広々とした笹原を切り開いた山頂でまさに富士山の展望のために用意されたような頂きだが、山頂をそのまま西の端まで行くと南アルプスの展望がまた素晴らしい。堂々と座った赤石岳が先ず南アルプス南部で一番目立ち、それから北に目を転じて行けば荒川岳、塩見岳から農鳥、間ノ岳、北岳の白根三山に続く。夏に登った仙丈ヶ岳は残念ながら北岳の真後ろになって見えない。更に北沢峠が鞍部になって甲斐駒と鳳凰尾根が一体になって見える。双眼鏡を取り出すとその右肩に飛び出した感じの地蔵岳のオベリスクがはっきりと判った。maunalaniさんに双眼鏡を渡すと彼女が夏に辿った尾根と山々が見えて大興奮だった。皆で双眼鏡を廻して展望を楽しんだ。山頂にはテントが一張、男性2名のパーティで夕べ登って晩鐘の富士とご来光を楽しんだとのことだ。ただ日の出まではずっとガスが張っていたので不安だったとのこと。日の出と共にすっかりと晴れて彼らの顔も実に明るかった。本当にここならテントを持って来ても楽しいかもしれない。山頂の北側のテーブルに立つと八ヶ岳から奥秩父の山々がくっきりと見えた。
数分経って現れたのはT橋くるみちゃんだった。途中では「もうバテバテ」って感じだったのが体が暖まったのか急登を30分ペースで登ってきたようだ。更に数分経って全員揃った。7:43に太陽はちょうど富士山の頂きの真上に来た。K太が「太陽が真上に来たよ」と教えてくれたが写真はK太に撮ってもらった。その間、僕はMSRウィスパーライトでお湯を沸かし、パスタスープの準備をしていた。テント泊の1人が興味深そうに近づいてきて「燃料は何ですか?」に始まりガソリンストーブについていろんな質問をしていった。あんまり見ない道具なんだろうね。O仲さんはホエーブスを知っていた。ガスとの比較でPros and Consを説明したが、大事なことを言い忘れていた。テントの中では絶対に使えません、と。プライミングで火事になっちゃうからね。前室でもちょっと気が引けるものだ。なんだかゆっくりと朝食タイムをやっていたのは僕だけだったけど早茹でパスタのトマトスープとポンパドールのバタールが僕らの朝食。その後にもう一度お湯を沸かしてマシュマロ入りコーヒーを飲んだ。実にのんびりと1時間近く山頂で展望を楽しみながらの休憩だった。最後にテントのもう1人の住人にmaunalaniさんが頼んで集合写真を撮ってもらった。
下りは本栖湖分岐まで戻り、そこから本栖湖に真っ直ぐ降りて行くルートを採った。湖面には北岸の紅葉の山が映っている。その山越に瑞牆山、金峰山から始まる奥秩父連山が見える。本栖湖にはまるで転がり落ちるような傾斜の斜面をジグザグに付けられた道を降りて行く。僕が先頭に立ち、次にK太、その次にT橋くるみちゃん、そしてmaunalaniさんと言う4人パックが出来ていた。後の人たちはそれぞれのペースで降りて行く。取り敢えず分岐点まではそのペースでと。地図にあった「ベンチ」まではコースタイムでは45mだったが20mで到着した。ここで小休止しているとO仲さんが降りてくるのが見えて来た。一番膝に懸念があったO仲さんが一等だったので一安心。取り敢えず分岐まで先に行くと言い残し、出発した。その分岐は殆ど湖畔の降りきった先だと思っていたのだが、12分降りた所で「周遊歩道」と書かれた地図付きの真新しい標識のある分岐点に着いた。この道は先日入手した最新版の山と高原地図にも掲載されていない。一番下まで降りてしまうと詰まらない歩道歩きが長くなりそうだし、これだけ新しい標識だからこちらの道の方が整備状況が良いのかと考え、また行き先が登り口に近くキャンプ場まで迷うことも無いと考え、後続のO仲さんにmaunalaniさんから携帯電話で連絡を取りトラバースしていくこちらの道を行くことにした。
ところが期待した整備状況の良さはそれほど無くむしろルートファインディング的にも危うさがあるルートだった。標識と地図とコースを示す矢印は所々に設置してあり、とても助かったが、台風の影響だろうか、本来沢ではない谷筋での崩壊箇所が3カ所あり、特に最後の崩壊は大きく、且つ、道迷いを生じやすくなっていた。そこに至るまでにちょっとずつ後続を待って行き最後の崩壊箇所で全員が揃うのを待った。が、しんがりのS原さんに見守られてS田さん母娘が現れるのはそれほど待つ必要が無かった。足下が流れるザレ場を楽しそうにゆずちゃんは這い上がって来た。そこからは後続のペースを見ながら、降りて来た。降りきるとまた周遊歩道に出逢うがこれが地図に細線で描かれているルートのようだ。さっきの分岐点を真っ直ぐ下りここを歩いて来た方が時間的には早かったかと思われる。ここから10分も歩かずにキャンプ場に帰着した。僕はキャンプ場の炊事場でそのままクルマのトランクに仕舞うことになるハイキングポールの泥を落として行った。K太は先にコッテージまで戻って荷を下ろしてホッとしていた。S田母子と歩んで行くと愛犬のマックスがご主人様の帰還を知って駆け寄って来た。
帰着時間は10:13。休憩も沢山摂ったが、ちょうど5時間と言う所だ。標高差は500m、総獲得高度は600m強、余裕を持って楽しめた山行だと言える。特に展望の良さは印象的だった。キャンプ場も申し分なく家族で泊まりがけで歩ける山であった。
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