宇多野谷山・沢山・三本松山・白砂山・音戸山
- GPS
- 05:44
- 距離
- 15.0km
- 登り
- 985m
- 下り
- 1,038m
コースタイム
過去天気図(気象庁) | 2023年09月の天気図 |
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アクセス |
利用交通機関:
バス
帰り:京都市バス(福王子) |
写真
感想
明治14年〜17年にかけて作成された『京都府地誌』のうち「山城国愛宕郡村誌」の宇多野村では、宇多野谷山・沢山・三本松山・白砂山・音戸山の5山が挙げられています。また、『宇多野小史』(小野恵美子,1979年) では『京都府地誌』を引用しながらより詳細な解説をされています。山名としてはマイナーな宇多野谷山・三本松山・音戸山について『宇多野小史』から以下に引用。
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◇宇多野谷山
「本村の東北にあり、高さ詳ならず、周囲二里二十八丁五十間、嶺上より三分し」となっているが、標高三四四メートルで、東は衣笠、北は原谷・鷹峯に属しており、山脈は住吉山に連なっている。「樹木繁茂、登路一条、高さ三十丁道」で登り易い。「渓水三条」は鳴滝川と二つの用水溜池に入っている。この山は「旧称池ノ谷管見記」に出ている。その一つ福王子池は今はない。この山は奥行が深いため、南裾にあたる地域に限って住宅地に開発されている。
(◇澤山 宇多野谷山の西隣にあたり、澤池はこの山にある。(後略))
◇三本松山
澤山と同じく、宇多野の北西にあり、五二二メートルと、五つの山の中で最も高い。また山に囲まれているため、澤山と並んで今もなお樹木は多い。「周囲一里三十五丁、嶺上より三分」西は梅ヶ畑に属している。「登路二条、一は白砂山より登る三十五丁、険にしてかつ遠し」であったが、高鼻町より上る道は距離も近く登り易かった。「渓水二条」で、一つは清滝川に入り、もう一つは鳴滝川に合流しているところは、今も同じであり。「本村耕地に注ぐ」はずの川も現在、その耕地は失われている。
◇音戸山
「一名小松峯」は、周囲一里九丁二十間、標高一六八メートルで、北は梅ヶ畑に、西は上嵯峨に属している。位置は、山越と鳴滝の間を南北に長くのびている関係で、鳴滝を、西風から守る格好に、山嶺をなだらかに見せ、人々は、人間の横臥した姿に似た丘陵ふうの北の峯を五智山、中ほどを東にふくれた所を横山、南側の峯を御坊山と呼んで親しんで来た。(後略)
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今回は、この『京都府地誌』に挙げられた宇多野村の5山を周ってみました。
ただ、宇多野谷山については、『宇多野小史』では「標高344m」と書かれていますが、完全に一致するピークが見当たらず、最も可能性が高そうなピーク(359m)を歩いています。おそらくこのピークから、南は宇多野谷川を挟んで周山街道付近までの南北に長い山域を宇多野谷山と呼んでいたのかもしれません。
また、三本松山については、数年前にP515に「三本松山」のプレートが設置されていましたが、『宇多野小史』では三本松山は標高522mのピークとしており、現在毘沙門山と呼ばれているピークを指しているものと思われます。(昭和40年発行の地形図では毘沙門山の位置にP522の標高点あり)
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