下ノ廊下 黒部ダムからピストン

2023年10月07日(土) 〜 2023年10月08日(日)

• GPS: 13:02
• 距離: 30.9km
• 登り: 5,882m
• 下り: 6,045m

コースタイム

1日目

• 山行: 6:12
• 休憩: 0:48
• 合計: 7:00

6:49 スタート地点
7:07 7:17 ダム下
7:57 7:59 内蔵助谷出合
8:58 8:58 新越沢二股
9:37 9:41 黒部別山谷
10:13 10:14 白竜峡
10:54 11:17 十字峡
12:02 12:03 半月峡
12:37 12:39 東谷吊橋
12:55 12:55 仙人谷ダム
12:58 13:02 仙人谷駅
13:27 13:28 権現峠
13:49 阿曽原温泉小屋

2日目

• 山行: 5:24
• 休憩: 0:25
• 合計: 5:49

7:44 宿泊地
7:59 8:13 十字峡
9:06 9:07 白竜峡
9:53 9:58 黒部別山谷
12:14 12:16 内蔵助谷出合
13:03 13:06 ダム下
13:33 黒部ダム駅

天候

曇り時々晴れ

アクセス

利用交通機関：

バス 自家用車

扇沢駅　県営無料駐車場：前泊のため土曜日午前1時に到着時点で7割くらい埋まっていました。出発時の6時にはすでには満車

コース状況／危険箇所等

ほぼほぼ全区間黒部川沿いの崖の中段です。人工の道なので緩い上り下りのハイキングだと思っていましたが、実は高巻きの連続で累計標高差はかなりのものです。
しかも落ちたらあの世という危険地帯の連続です。ただし本当に危険な区間は番線が張ってあるのでつかまっていれば落ちることはないでしょう。
※一方通行ではないので、すれ違い時はより一層の注意が必要です。

写真

10/7 6:51

前泊だったので県営無料駐車場に停めることができました。朝6時前にはすでに満車に。

10/8 15:44

今回のザックは初おろしのトレイルバム　ステディです。ウルトラライトですがどうでしょう。　

10/7 6:59

徒歩5分ほどで扇沢の駅に。後ろに見える立山は雪で白くなっていますね。

10/7 7:02

扇沢駅では、窓口でチケットを購入する人たちの行列ができていました。

10/7 7:04

ボクはWEBきっぷを事前に購入しておいたので、並ぶこともなくスマホをかざすだけであっさり発券できました。行かれる方はWEBきっぷの事前購入をお勧めします。

10/7 7:38

無事6時30分発の朝一の臨時便に乗車できました。

10/7 8:01

乗車時間は15分ほどで黒部ダムに到着。
下ノ廊下方面に行く人は進行方向に向かって歩くように案内されます。トイレと水道があってその先にはこんな業務用っぽい出口が。とても駅の出口には見えませんね。

10/7 8:08

駅を出たらダムの下部まで急な坂を下ります。
今回はピストンなので帰りはこの急坂を登って戻らなくちゃいけません。

10/7 8:29

ダムの下部まで下りたら黒部川を渡ります。水量がすごいので落ちないか心配になりました。

10/7 8:29

上流には巨大な黒部ダムが見えました。この時期観光放水を行っているんですよね。本日も多めに放出されています(笑)

10/7 9:01

道は黒部川沿いの深い渓谷の崖を削って付けられています。

10/7 10:04

とにかく延々と川沿いの道を行きます。川の上流から下流に向かって歩くので、下り基調のはずですが、高巻きの連続なのでアップダウンの繰り返し。下っているという実感はほとんどありません。

10/7 8:57

とにかく川沿いをずーっと歩きます。それにしても深い渓谷ですね。

10/9 15:50

絶景の中を歩きます。

10/7 10:19

だんだん川からの距離が離れていきます。この高さ、落ちたら命はないですね。まさに「黒部に怪我なし」です。

10/7 10:22

いよいよ核心部の始まりでしょうか。岩盤をくり貫いた歩道が始まりました。この時は核心部だと思っていたんですが、実は核心部は何時間も続きます。

10/7 10:33

危険な場所には番線が張ってあるので、とにかく離さないようにして進みます。

10/7 10:33

こんな風景が、延々と何時間も続きます。

10/7 10:38

足場が悪いところもあるので慎重に。番線をつかむ手も緊張します。

10/7 10:39

ここに橋を架けた人、いったいどんな人なんでしょうか。感謝しかないですね。

10/7 10:41

とにかくザックを引っかけないように、躓かないように緊張しながら歩きます。

10/7 10:43

一ヶ所、道が崩落している場所がありました。高巻くために梯子を登ります。

10/7 10:45

登ったらまた下りなくちゃいけません。高度感があるので緊張します。

10/7 10:47

一番緊張するのは前方から人が来た時。一方通行ではないので登ってくる人もいるんですよ。見通しが良くないので、直前まで人が来るのに気が付かずビックリします。

10/7 10:47

すれ違いがギリギリの場所だと、お互いが体を寄せるようにして番線をつかみながらのすれ違いです。ヤバイ場所では前から人が来ませんようにと祈る気持ちです。

10/7 10:50

休憩できる場所は少ない（1時間に1か所くらい？）ので、広くなった場所で休憩します。1回逃すと1時間くらい平気で歩き続けることになります。

10/7 10:51

ここは別山沢という沢のようです。沢登りの人達が登って行きました。

10/7 10:54

こういう記録を見ると、やばいところだけ写真に撮ってあとはたいしたことないんじゃないかと思うでしょうが、大間違いです。本当に延々とこんなのが続きます。

10/7 10:55

これは振り返ってみたところ。とにかくこれが何時間も続くんです。

10/7 10:57

番線は手放せません。

10/7 10:59

最初のうちは大勢の集団でしたが、いつの間にか人はまばらになりました。

10/7 11:12

いったい、こんなところにどうやって道を作ったんでしょうか？

10/7 12:01

水が豊かな山域です。ところどころで渡渉を繰り返します。たまにシャワーを浴びて濡れる場所も。走るわけにもいかないので結構濡れます。折りたたみ傘を持ってくればよかった。

10/7 12:10

十字峡手前に広くなった場所がありました。歩き始めから4時間、休憩場所を逃したので初めての休憩となりました。あ〜疲れた。

10/7 12:29

これが十字峡です。流れがクロスしているんですね。

10/7 12:29

十字峡には吊り橋が架かっていました。

10/7 13:11

十字峡を過ぎても延々と岩壁が続きます。

10/7 13:14

もう5時間もこんなところを歩いています。緊張の連続なので精神的にも疲れます。これは大キレットとかより怖いですね。

10/7 13:29

人工の建造物が見えました！すこし景色が変わってホッとします。
確か発電所があるんですよね。

10/7 13:42

発電所向かって激下りが始まりました。

10/7 13:49

下り終わると大きなつり橋がありました。本日、初めて対岸に渡ります。

10/7 13:56

対岸には発電所があってしばらく車道歩きになります。

10/7 14:05

車道を進むと、仙人谷ダムが見えました。ダムの水は不思議なブルーです。

10/7 14:07

どうやらダムの上を対岸に渡るようですね。

10/7 14:08

ダムの上は普通に歩けます。

10/7 14:08

ダムの上から下流側を覗きます。ダム直下は枯れていましたが左から水が流れ落ちていました。

10/7 14:10

どうやらこの建物の中を進むようです。

10/7 14:11

建物の中は硫黄の匂いがして暖房でも入っているような温かさです。後で知ったんですが、高熱隧道の舞台はここだったんですね。トンネルの掘削工事中熱湯が噴き出して難工事だったとか。今でも地熱で温かいようです。

10/7 14:12

建物の中をひたすら進みます。

10/7 14:13

トロッコの線路がありました。欅平からここまで業務用のトロッコが走っているんですよね。近く観光用にも解放されるとかいう噂も。

10/7 14:42

ダムを過ぎるともう一度登山道に。急登を登り返し少し歩いたら今度は激下りが待っていました。

10/7 15:03

激下りの先には・・・　ついに阿蘇原温泉がみえました。長かったなぁ

10/7 15:27

3連休でテン場の激混みを心配したけど、朝一便に乗れたのでまだまだ余裕がありました。ちゃっちゃとテントを設営。テン場代は1200円、入浴料が800円でした。まあ、最近にしては良心的な価格ですかね。

10/7 15:31

水場で担いできたチューハイを冷やします。

10/7 15:52

チューハイを冷やしている間にお風呂に行きました。お風呂は1時間おきに男女で分かれています。ちょうど14時から15時が男性の時間でした。20時以降は混浴になるんだとか。

10/7 15:43

テン場から5分くらい下った場所にありました。脱衣所も何もないワイルドなお風呂です。温度は丁度良い感じ。疲れた体にしみわたります。気持ちよかった〜
※脱衣所代わりに簀の子が敷いてありました。

10/7 16:05

テントに戻ったらさっそく乾杯！

10/7 17:04

夕食は最近のお気に入り、日清の袋麺焼きそばをいただきます。

10/7 17:11

玉子とソーセージを入れてちょっと豪華に。

10/7 17:41

その後も続々と登山者が到着して、テン場はほぼいっぱいになりましたが、早めに良い場所が確保できたので外宴会も楽しめました。

10/7 20:25

パラパラっと雨が降ってきたので外での宴会は中断。お互いのテント内で会話しながら一杯やりました。

10/7 20:47

朝も早かったので、早めにおやすみなさい

10/8 5:02

朝は3時30分に起床。14時30分くらいから帰りの電気バスが混むらしいので、早めに出発します。
本日はうどんの朝食にしました。

10/8 5:07

茹でたうどんに粉末うどんスープ、生卵を入れて釜玉うどんにしていただきます。

10/8 7:44

帰りはピストンなので前日と同じ道を戻ります。十字峡のつり橋を渡り・・・

10/8 7:58

今度は右手で番線をつかみながら・・・

10/8 8:24

相変わらずヤバイ場所が続きます。ハラハラドキドキはもうお腹いっぱいなので勘弁してほしいんですけどね。

10/8 8:27

昨日同様、延々と崖歩きが続きます。緊張するなぁ

10/8 8:28

本当に誰がどうやってこの橋付けたんだろう？

10/8 8:34

番線はこんな感じで張ってあります。まさに命綱。

10/8 9:42

躓かないように、ザックをぶつけないように常に気を張っていないといけません。

10/8 10:30

下を流れる川は時々激しい流れになります。ゴーゴーとすごい音を立てていますね。とてダウンリバーできるかわじゃありません。

10/8 10:33

行と帰りでは景色の見え方が違うので意外と新鮮でした。

10/8 10:40

数少ない休憩できるポイントでランチタイム。帰りはきっちり休憩を取りながら戻りました。

10/8 11:06

別山沢はロープを使って降ります。

10/8 12:47

草木が多くなり川が近くなれば終わりも近いですね。もうヤバイ場所は無いでしょう。どうやら生きて還ることができました。

10/8 14:17

最後はまた黒部川を渡り・・・

10/8 14:51

急登を登れば駅ですが・・・まさかこれが駅と思わず通り過ぎちゃいました。GPSを見ながらウロウロしてもしやと思って戻ってやっと分かりました。そういえばこんな出口から出たんだっけ。

10/8 15:31

無事、14時のバスに乗って扇沢まで帰ってきました。

撮影機器：

サイバーショット DSC-TX30 SONY

感想

そーしん

一度は行ってみたいと思っていた下ノ廊下、車で行く場合、欅平まで抜けちゃうと公共交通機関で戻るのは大変だし、回送業者を使うと2万円以上かかっちゃうし・・・そればら黒部ダムからピストンしちゃえばいいんだ！ということでピストンしてきました。
テン泊装備で1日目7時間、2日目8時間と長かった。しかもアップダウンがけっこうある上に、ほぼすべての区間が落ちたらあの世行きという場所が続いてとにかく疲れました。まあ、おかげで念願の下ノ廊下を歩けたし、温泉も楽しめましたので良しとしましょう。
途中の仙人谷ダムから剣沢に登る人たちもいて、調べてみたらけっこう面白そうなルートです。次にやるならそっちかな。でも相当疲れそう。

※ログは2日目のスタートで操作に失敗したようで、スタートから2時間20分後に回し始めました。