西丹沢/ヤヒチ沢ノ頭(読図講習)
- GPS
- 05:42
- 距離
- 5.2km
- 登り
- 715m
- 下り
- 718m
コースタイム
9:30大石バンガロー(コースタイム算出)9:42-
10:52P926m-
11:45ヤヒチ沢右俣ノ頭-
12:09ヤヒチ沢左俣ノ頭(P956m)12:35-
13:10P762m13:25-
(最後の尾根末端にてムンターラペルの実施)
14:45西丹沢コテージキャンプ場(吊橋渡る)-
14:47箒沢公園駐車場
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年06月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
■講習会情報 http://homepage3.nifty.com/kanagawatozanschool/ ■板小屋沢左岸尾根 ・大石バンガローから板小屋沢を板小屋沢橋で渡り、最初は檜洞丸方面の 指導標に従い尾根上の登山道へ。途中から登山道は板小屋沢方向に降りるが 今回はそのまま急な尾根を登る。 ・標高700m、800m小ピーク(というか平坦地)は地形図を気にしていれば はっきりとわかる。標高926mピークまでは特に問題箇所はない。 ■926mピーク〜ヤヒチ沢(左俣)ノ頭(956mピーク) ・926ピークからヤヒチ沢ノ頭に向け主稜を南に下るが、高度差50mほど 下降した急な所が悪天やガスの時、下が見えない分わかりにくい。 急な斜面を僅かな踏み跡を追い木に掴まりながら悪い足場を下降する。 標高800mの痩せたコルに降りる。 ・上記コルから高度差150mほど登り返したピークに「ヤヒチ沢ノ頭」と 書かれた看板がある。その先の956mピークも地形的にヤヒチ沢ノ頭なので 前者を仮にヤヒチ沢右俣ノ頭、後者をヤヒチ沢左俣ノ頭としようか。 ■956mピーク〜向沢左岸尾根 ・956ピークから762ピークへ下降する西尾根はコンパスでしっかりと 進むべき方向をメモリーすべき。尾根の形状はある程度明確だ。 ・標高700mコルから尾根には作業用の木階段が出てくる。 ・762ピークの手前から左側に植生保護柵が現れる。 また作業径路が比較的明確に北に向け下降している。 ・西丹沢コテージキャンプ場には対岸の箒沢公園に向かって吊橋がある。 |
写真
感想
ひたすら登山道がはっきりしていて、標識もしっかりしている迷わないようなルートばかりを歩いてきた人間が、なぜ読図講習を受けようと思うようになったのか。
いろいろと低山ハイクをするようになったところ、エアリア実線のルート以外に目がいくようになってくる自分を意識しはじめたころから、地図読みは必要と認識するようになりました。
本で読んで、自分で普通の道で試してみる。
でも、なんだかしっくり来ません。距離、方向、勾配の具合。
その程度は何とか分かります。でも、結局そこからが分からない…。
自習のせいかとまずは机上講習から。
普段は登山道に頼り切っているためか、大変地図の読みが甘いということ。
特に尾根の合流において顕著でした。
そして、これは実際に現場でしか分からない部分が多そう…と、確信したときでもあります。
自分のスケジュールと照らし合わせて、この日ならばと選択。
なんと都合のいいことに、全く踏み入れていない西丹沢。
地図を見れば、難しいことが分かっている…。でも、おもしろそう。
少しドキドキしつつも申し込み。
自分でTrekking Map Editorから出力して沢を入れてみて予想ルートを考えてみたり。(予想は、今回ルートからはずれていましたが…)
ここで一つ反省点。すっかりルートタイムの算出をやってみていませんでした。
おかげですっかり忘れており、頭のなかが本番でかなり真っ白。
当日は、7時30分に渋沢駅南口ロータリーへ。すぐに待ち合わせ場所の丹沢屋は見つかりました。かなりの緊張状態…。ちょっと缶コーヒーを飲んで一息しました。
kamog先生のお車で、西丹沢自然教室で計画書を提出して箒沢公園入り口へ戻り、まずは地図で現在地の確認から。
すらすらとは頭から出てきません。焦りつつもなんとか同定。
もっと考える順序を理論的にしないといけません…。
それから、テープスリングを使った簡易ハーネスの作り方を教わります。
あわてて購入してきたテープスリングを早速使って、「たすき掛けの前交差後ろ交差で後ろを拾う…」とつぶやきながら作成。意外に簡単なので驚きました。
まずは取り付きの箒沢公園橋まで歩道を歩きます。取り付き点でさらに地形チェック。バンガローの端から板小屋沢橋を渡り、そこでルートの確認。
ルートはどんな特徴があるのか、目標点に到達したとき、根拠になりそうなことは何になるのか。そして予想タイムは。
確認が終わると尾根の取り付き点へ。登山道から登ります。尾根をこんなに一生懸命にみるのはたぶん初めて。いかにいつも登山道に依存しているのかが分かります。
登山道とは別れを告げて、早速の急登、小ピーク、コルさらに急登!
蒸し暑くて汗がしたたり落ちます。
尾根の合流を指摘されましたが、またしても登りに夢中で小さい尾根は気づかない私。
さらにP926まで登ります。さて、ここからがメインイベントの下降尾根同定です。
尾根を一本ずつ同定しながら下降点付近の等標高を回ります。
しかし、何しろ難しい。はじめはどこに尾根があるのかすら分かりません。
植生を見ることを教わりつつ、なんとか目を凝らします。
最終的にコンパスをセットして、南下開始。
コンパスを信じて下り始めるも、見た目急下降過ぎるように見えて、少し脇に外れて偵察するうち、どちらの尾根なのかが良くわからなくなってきます。
お助けをいただいて、結局は急下降の最初の地点からで正解。
コンパスを信じ切らなければいけないのですが、難しいです。
揺れてしまう心を封じ込めないといけないのですが…。
またしてもの急登をこなしてヤヒチ沢ノ頭の看板のある山頂へ。
でも、ここはエアリア地図上での山頂より500m程北東のほぼ同一標高のピーク。
さらに方角を定め、尾根を同定してP956を目指します。
しかし、またまた目標物のザレを確認しないまま進もうとする私。あらかじめ考えていかないと、確認できないです。これまた反省。
P956のヤヒチ沢ノ頭で尾根をまた同定していきます。南に延びる主稜線ははっきり。しかし、問題のP762への尾根は…少し難しい。でも、目も慣れてきて、尾根と沢での植生の見え方の違いがようやく分かるようになってきました。
コンパスを定め、進みます。急下降の後に目的のコルに乗り、突如出現する木階段と林道整備道を使いながら進みます。P762では下降尾根にコンパスをセット。
またまた林道整備道があり、ここを下ります。
整備作業の方もいらっしゃいました。ご挨拶して下降していきます。
ここで最大のミス。林道整備道にひかれて、目指す尾根が進行方向右なのにも関わらず左を巻く道を歩いていってしまい、目的の尾根を完全に見落とします。
コルを目の前にして、停止。
明らかに行き過ぎです。しかし、表示の崖地らしきものも分からず…。
停止地点やや上方に下降する尾根、さらに高い地点にもう一本ほぼ同一方向の尾根。果たしてこちらか、それとも…。
先生から発せられる様々な考え方。
そして、何度も繰り替えされた「思い込まないで仮定する」ことの大切さ。
ダメなら登り返す、そして登り返しを考えて下降すること。
さて、下の尾根と見定めて下降し始めますが、左右の沢が合流してきて、ハズレだということがはっきりします。
沢向こうの高い尾根が正解。沢に降りても登り返せそうなので、まずは尾根の終着点まで下降。沢をまたいで巻き道がついており、それで尾根上にコル付近で復帰します。少し登ってここから箒沢の駐車場付近にある橋方向を目指して下ります。
下るうちにはじめに乗っていた尾根が少し急になってつい巻き気味と鳴っている家に一本南の小尾根に乗ってしまいました。この尾根は先端がだんだんやはり急になっていて、登り返して先ほどの尾根に乗り直すか、それとも沢を…というところ。
ここで、懸垂下降を実習します。
太めの根もしっかりした木を支点に下降。
ムンターヒッチは…要練習です。
まずは先生の実演と「ゴボウ」の登り。
今度は私が真似して下降…しますが、またワタワタ。
うまく滑らすのが難しい。そして、力をかけないとなかなか下降しません。これまた要練習です。
枯れ沢を下って河内川へ。遠目は恐ろしげな吊り橋は意外にしっかりしており、これを渡って終了。階段を上がるとそこはスタート地点の目の前でした。
分界尾根であることを見ながら進むことの大切さ、植生による尾根、沢の見分け、そして目標物をとにかく頭に入れて、見やすいようなライン取りで進むこと。
夢中にならないこと。
整理しきれませんが、確かに山には机上では無理なことがたくさんありました。
行って、納得した講習でした。
「要練習」と。
さて、ロープとカラビナ買わなくては…。
そして、いつか安全にかつ自由自在に歩けるようになりたいものです。
西丹沢。東と全く違う良さがありました。
そしてやはりしっかり読図しながら歩きたいところです。
最後になりましたが、本当にkamog先生、本当にありがとうございました。
がんばってみたいと思います。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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一応、私も青森県労山の理事をしているもので、こうした他県のイベントに、ついついアンテナが立ってしまいます。
青森は指導者がいなくて・・・というより、指導して伸ばす力に欠けている様に感じます。
神奈川労山、素晴らしいです。
komadoriさん、お疲れ様でした。
すぐにお願いできる先があるというのはすばらしい環境ですね。
なかなか個人で登っているとこういうところに限界点が出てしまうのをカバーしていかれます。
本当にありがたいことです。
お疲れさまでした。
地図読み尾根下りはホントに難しいですよね、小尾根分岐から下を見ても尾根は一本しか見えず、ここが尾根分岐と気づくのはかなり降りていって上を見上げたときだったり(登り返す・・)、急坂では降りるのに精一杯でどこが尾根やら判らなくなる等、降りる時は少しでも早目に同定する手がかりが欲しいですね。
一つ興味深そうなことが書いてありましたので、教えてください。「植生を見ることを教わりつつ」とありますがどのようなことでしょうか?
どれだけ地図読みをして何回も位置確認して降りる方向を決めても「これで間違いない」と確信するのは難しく少なからず不安を抱きながら降りますので少しでも手がかりになるのであれば知っておきたいと思います。
それと、一回地図読みをして降りた尾根をまたもう一回降りてみると、気持ちに余裕ができるので最初気づかなかった様々なことが発見できて非常に勉強になります。
まずは、斜面で生えている木の種類自体が異なることがあります。植林していると顕著ですが。
高尾でも見られる現象ですね。
あと、枝振りの見え方というのでしょうか。
木の上の方の枝と、下の方の枝の幹との付き方は感じが違うので、沢に落ちている部分の木の見え方が微妙に違いますね。これは実際に注意深く現場で見てみないと分からないですね。
山頂部分でぐるりと尾根を同定しながら一周して見てみるというのはよかったです。
私も尾根上にちゃんと乗るまでは不安いっぱいで、まだうまく精神のコントロールができません。
ヒントになりそうなのは、間違い尾根のあらかじめの同定と、それに入った場合に目的尾根との違いが判明するまでの下降の距離と標高をあらかじめ算出しておくことを習ったことでしょうか。
あと、下降しているときに余裕を持つこと
登り返せるか? どのくらい下ったか? 目標になるものが見えるのは左右どちら?など、考えることがたくさんですね。なれれば自動的にできるのでしょうね。
でも、まだまだ頭の中がぎくしゃくしてます。
もう一回っていうのはいいですね。
緑の感じが違うとまた違う趣も楽しめそうなコースでした
komadoriさんも、kamogさんの門下生となりましたか!
とは言ってもわたしは劣等生で・・・道迷いもしますし・・・お恥ずかしい限りではありますが。。。
手に汗握るレポートを見て改めて難しさを痛感するとともに
段取りの重要性を再認識です。
オリエンテーリングの大会にでも参加してみたいとも思ったりもしますが・・・なかなか・・・
更なる高みを目指して頑張りましょうね!
単独でやっていると、何がまずいのかが分からないまま進んでしまいます。
前提条件を飛ばして考えていたり…。
妙な思い込みしそうだったり。
でも、読図はおもしろいですね。
道なりに歩かないってこと自体でも楽しいんですが。
もっとしっかり歩けるようにお互いがんばりましょうね
ありがとうございました。植生ってそういうことなんですかぁ。
そういう目で植物を観察したことないので、こんど山に行ったらそういう目で見てみます。
それと、是非、同じルートでもう一回行ってみてください、頭の中が整理できて冷静に地図読みコントロールができますよ。
citrusさん、こんにちわ。
同じ労山からのレスありがたいですね。
青森県勤労者山岳連盟からは2008年秋に丹沢で行われた
全国自然保護集会に成○さんがお越しいただきました。
当日の主催者でしたので、遠方からお出でいただいたこと、今更ながら感謝申し上げます。
今回の講習は神奈川労山というよりも私の個人的講習でしたが、連盟としても「一人前の自立した登山者」を一人でも多く育成していきたい外向きのベクトルを重視しております。
後進を育てないといずれ自分にも跳ね返ってきますからね。
山は「Take&Give」。そういうサイクルをいつもスパイラル状で創っていきませんと、山はきっと無法地帯になってしまうことでしょう。
そうならないようお互い頑張っていきましょう!
では機会がございましたらどこかでお会いしましょう。
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