新茅ノ沢
- GPS
- 05:33
- 距離
- 4.0km
- 登り
- 623m
- 下り
- 607m
コースタイム
- 山行
- 3:29
- 休憩
- 2:04
- 合計
- 5:33
天候 | 曇り時々雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・水量: 平水 ・他パーティ: 無し ・参考遡行図: 「丹沢の谷200ルート」P.24-25 (1級上) ・携帯電話: docomoのみF5ぐらいまでは沢内でも電波1本アリ ・登山届: Compass及び身内のみ/登山ポスト見当たらず(滝沢園入口にあるよう) ・ソール: CL/SL共にラバー(モンベル サワークライマー)。ところどころ滑るが大きな問題無し ・ヒル: 普通にいました…… 久しぶりの「修行的」な沢。今回はSLの大滝リードデビューと、寒さ耐性アップを目的に、有名だけどCL/SL共にまだ来たことがなかった新茅ノ沢へ。 天気はほぼずっと曇り+ガスで、紅葉にも期待はしていたが眺望は終始皆無。ただでさえ暗めの沢なので、序盤のF5上ぐらいまでは夕方ぐらいの暗さで足元が見えるか若干怪しい状態だった。SLはヘッデンをヘルメットにつけていたがさすがに点けるほどではなかったようw 全ての滝を巻かずに登攀した(それぞれの滝登攀については後述)。我々パーティとしては特に難しいところはなかったが、高度感のある場所は多いので、ロープワークがきちんと出来る中級程度の沢リーダーは必要な沢。 F5上からF10までのゴーロ/小滝/水枯れ区間が本当に何もなく、天候的にもかなり飽きが来る辛いパートだった。 参考遡行図ではCo.1060の「平岩CS2m」上から登山道にトラバースとあるが、それっぽいもの=平岩はCo.1010にあった。我々は標高を目安に進み、そこよりもだいぶ上にあがった。とはいえ沢形があがるに連れて登山道へ近づいていくのはわかっていたので特に危険は感じなかったが、あまり踏まれていないガレだったので、先に歩くリードは落石を起こさないようにするためにかなり足元に気を遣った詰めとなった。 脱渓後、烏尾尾根の登山道までは特に藪漕ぎなどもなく、5分程度のトラバースで快適にすぐに出れた。計画ではその後、烏尾山荘まで行って眺望を楽しむ予定だったが、天気があまりに辛く眺望ゼロはほぼ確実だったのと、CL/SL共に烏尾山荘は行ったことがあるので、少し迷ったがそのまま下山することにした。 下山の烏尾尾根道は非常に快適で、わかりにくいところに看板やロープなどもしっかり整備されており、全く困らなかった。途中で3人組の登山パーティとすれ違った。1時間ほどで駐車スペースに戻れた。 以下、フォールナンバー付きの滝登攀/ルートと感想です。 (ロープはF2とF5のみで出しました。) ■F1 (6m) 入渓直後すぐに出てくる。左壁凹角部分をフリーで。あまり高度感はなく、岩も安定していた。核心は暗くて足元が良く見えないこと…… ■F2 (8m) CLが水流左をフリーで登った。下から見た感じは水流から離れた方にホールドが続いているように見えたが、良いホールドを繋いで登ると割と水流そばの登攀になった。高度感があるので、フォローのSLにはロープを出した。滝上に比較的綺麗なボルト支点x2と残置ロープがある。支点のみ使わせてもらった。 ■F3 (2条3m) F2直後。左右どちらの壁も簡単に登れる。CLが左壁、SLが右壁を登った。 ■F4 (5m) 割と寝ている滝で、左右どちらの壁も簡単に登れる。ここもCLが左壁、SLが右壁を登った。右壁のほうが簡単なよう。 ■F5 (大棚12m※参考遡行図ママ) メインディッシュ。目寸で落口までおそらく15m程度あるように見える。水流右のフレークを登った。プロテクションは残置ハーケンx5と、一箇所カム#.4でとった。 「左半身はズブ濡れ」と皆さん書いているが、普通に全身ズブ濡れ。見た目よりもフレーク側には良いホールドがなく水流側に多いため。とはいえ、残置のハーケン、スリングやロープがたくさんあるので、それらをゴボウすればあまり困ることはなさそう。 水流を出てから落口にあがるところが登攀としては少し悪め。ホールドが繋がっているのがハングしている直登方面で、乾いた右にトラバースしようとすると足がなくなり高度感が出るため怖い。我々は直登で登った。 ■F6 (3m) 小滝。水流を普通に歩いて登った。 ■F7は看板見当たらず、F8は看板のみで滝は無し ■F9 (7m) 左壁が寝ているので容易に登れた。 ■F10 (4m) ホールドが少し細かいが、岩は安定していたので水流を直登した。 ■F11 この辺りは連爆帯でどれがF11か分からない(看板はある)が、全ての滝をそのまま水線で登った。 ■F12 (3m) 我々パーティとしてはここが核心だった。 ぱっと見は小滝でガバも多く登りやすそうに見えるのだが、岩という岩が全て脆く、ガバというガバがどんどん剥がれ、重量のあるCLは怖くて自力で登ることができなかった(かなりたくさんガバホールドを引っこ抜いてしまった、皆さんすみません)。軽いSLに先行してあがってもらい、上から丸太を支点にお助け紐を出してもらってゴボウであがった。巻くのも難しそうな地形だったので、CLソロだったらハンマー確保で強引に登るぐらいしか安全に登れなさそう……。 ■F13 (枯れCSチムニー状5m) 狭い岩の間に身体をねじ込んでいくクライミング力(チムニー登攀)が求められる。チムニー経験がないとここが一番苦労するかも。我々は特に困らず、ザックもそのまま背負って登った。非常に良いところに残置スリングがあるためA0も出来る。 |
その他周辺情報 | ラストコンビニ: セブンイレブン 秦野戸川店 下山後温泉: 湯花楽 秦野店 |
写真
装備
個人装備 |
グローブ(沢用+テムレス#281+山用)
雨具
防寒具(未使用)
昼食
行動食
非常食
ハイドレーション
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
ファーストエイドキット/常備薬
保険証
スマホ(兼GPS)
時計
タオル
ハーネス
ヘルメット
ビレイデバイス
ロックカラビナ
スリング
セルフビレイコード(PAS)
参考遡行図
地形図
バイル
サングラス
ナイフ
|
---|---|
共同装備 |
ロープ(8mm30m)
クイックドローx5
カム(.3/.4/.5/.75)
ハーケンx4
アッセンダー
マイクロトラクション
特小無線機
ツェルト
衛星SOS発信機(inReach Mini2)
|
備考 | 横着して、テムレス#281を沢用グローブの上から着けて滝登攀してみたが、先まで指が入らず登りづらかった…… |
感想
寒さ耐性をあげるために秋冬も沢を登ろうの第一弾。実は先週にCLがソロで来る予定だったのをあまり気乗りせずで中止に。ギリギリ冬将軍到来の前日ぐらいで、気温も水温もそこまで寒さを感じず。SLはウェットスーツを着ていたが、僕自身は沢用のミドルウェア+雨具で問題なく。
沢自体は、うーん、まぁ、初心者の頃に連れてきてもらったら楽しかったかも、ぐらいの難易度。とはいえ1級上は体感値としても合ってそう。前半と後半に滝が集中していて、途中の長いゴーロ、しかも水が枯れるのでそこがダルかった。もうちょっとバランス良く見どころが配置されててほしい……
今回はSLの初めての大滝リードが主目的だったが、それを無事に達成できたのが喜ばしかった。登攀は全く問題はないが、支点構築周りに課題+時間かかりすぎ(ビレイ解除コールからフォロー登攀開始までに20分弱)ので、その辺りを改善してほしいところ……。我々はヘルメットにカメラをつけているので後から振り返りが出来るのが便利ですね。
大滝F5登攀はボルダリングで5級が登れれば十分可能と思われます。どちらかというと水流登攀への慣れのほうが核心になるかも。
寒さへの備えとして、今回は大滝登攀でテムレス#281を使ってみたけれど、水は入ってこないので手が悴んだりすることなく快適だけど、もともとつけてる沢グローブを脱がないといけない(今回は横着して外さずにつけたらめっちゃ登りにくかった)のがちょっとダルかった。このへんは色々やってみないとわからないかな。
しかし、後半の岩の脆さとガレガレは久しぶりの表丹沢に洗礼を受けた感じでした。「ああ、丹沢だーーー」とか言いながら登ってましたw僕にとっての核心のF12ではかなりたくさんガバホールドが引っこ抜けてしまったので、今後登攀する人たちすみません……
こちらの記録( http://yamare.co/5369491 )にあるように、かなり遭対協さん達が沢内でも、そして下山路も整備されていたのに感謝しかありません。フォールナンバープレートはまだ新しいものも多く「整備されてるー」と関心しきりでした。いつもありがとうございます。
天気に恵まれず、ガスガスだったので紅葉もあまり美味しくいただけませんでしたが、トータルとしてはさくっと登れるコンパクトな沢で面白かったです。入渓簡単、詰めもほとんどなく、下山路も整備されてて、滝登攀志向の初心者連れにピッタリかも。
今年はもうちょい丹沢にお世話になりそう。がんばります!
ダイジェスト動画: https://x.com/yaklimber/status/1725138870562611595
新茅ノ沢へ!
11月早朝の表丹沢は朝から霧が立ち込めどんより薄暗く、また肌寒く、到底『沢日和』と呼べる感じではなかったのですが、初めての大滝リードをやる気でそれなりの覚悟を決めて来ていたのでウエット上下着て準備万端。
F0の小滝を進むと、どっしりしたF1登場。
朝イチでこのサイズ感はなかなかです。事前に始めから登らされる沢だと分かっていたので駐車場でラジオ体操したし、ストレッチもバッチリ。ただ朝イチ指が動いてなかったので落ちないように慎重に登りました。
続くF2はさらに高くここはCLに先にフリーで登ってもらった後、滝上からロープを出してもらいました。ルートはしっかり見えるけど下の方の岩が外傾していてちょっとやだなぁという感じ。初級者さんは絶対ロープ出してもらいましょう。
沢はどんどん滝が出てくるので前半は飽きることなく進めます。
そして今回のメイン、F5大棚に到着。
笑っちゃうくらい暗い。写真撮ろうとするとiPhoneのナイトモードが発動するくらい暗い。
(こんな暗い滝、シャワー浴びながら登るの?……嫌だな。)というのが第一印象w でも今日はこの滝を登る気で来ていたので、登らない選択肢は浮かびませんでした。すごく嫌だったけどw 仕方ないヘッドランプつけながら登るかー、くらいな気持ち。(結局つけなかった)
滝の右側から取り付き、登りながら水流へ。残置ハーケンが何個かあります。水は冷たいけど、アドレナリンのせいか凍える感じにはなりませんでした。水を浴びるよりも、私的にはリーチが足りないのがキツかったです。手足で迷っている中、何度か腕がパンプしてシャワー浴びながらレストを繰り返しました。CLには低体温症になるのではと心配されていたので、あんまり良い登りではないですね。残置のスリングが数ヶ所あり大変助かりました。残置なかったらきっと手が届かないところが多くて登れなかったでしょう。中盤水流付近が特に手が見つからなくて時間がかかって苦戦しました。
なんとか残置をフル活用させてもらって、無事登り切ることができてよかったです。達成感よりも「生きててよかったー…」という安堵感の方が大きい。
核心は中盤でシャワー浴びるところと落口のマントル返すのが少し怖いところかな。遡行図のグレード「Ⅳ+」よりかは易しい?という体感でした。水浴びする分、辛くついてるんでしょうか。
登った後のロープワークがボロッボロのボロカスで、CLには多大なるご迷惑をおかけしました……すみません。
それよりも、F12がはちゃめちゃに緊張したんですが、過去登った皆さんどうやって登ったんですか???
つかむ岩、つかむ岩全部取れた。あれはもう近々風化して登れなくなるのでは、というくらい脆い滝でした。
危険度はF5よりはるかに上な感じ。そーっと登りました。行かれる方はお気をつけて。
全体通してコンパクトな中に登れる滝が連続で出てくる面白い沢でした。
大滝リードというレベルアップができて嬉しいです!
ただ思い返すと、もっと濡れずに、優しめの大滝、他にあったのでは……?とw なんにせよ今までフォローでの景色しか見たことなかった大滝をリードで登るという経験はかなり大きかったです!CL今回は本当にありがとうございました!今後も安全に沢を楽しみたいと思います。
寒いのにヒルはいました。
たくましい、丹沢のヒルたち。
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