記録ID: 619897
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雪山ハイキング
栗駒・早池峰
山猫森北東1017峰 幻の分水嶺を行く
2015年04月25日(土) [日帰り]

体力度
3
日帰りが可能
- GPS
- 06:39
- 距離
- 12.0km
- 登り
- 1,181m
- 下り
- 1,180m
コースタイム
日帰り
- 山行
- 0:00
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 0:00
距離 12.0km
登り 1,181m
下り 1,182m
16:15
ゴール地点
09:35 花山峠
10:25 P866
10:40 ピラミダルな920峰
11:20 P829
休憩
11:30 出発
12:55 P1017
14:20 P829
15:35 P866
16:15 花山峠
10:25 P866
10:40 ピラミダルな920峰
11:20 P829
休憩
11:30 出発
12:55 P1017
14:20 P829
15:35 P866
16:15 花山峠
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
✿例年GWに合わせて開通するが、今シーズンは4/24 12:00に早くも開通した。しばらくは17時から翌朝9時まで夜間通行止めの措置がとられる。 ✿秋田の道情報http://road.pref.akita.lg.jp/modules/tinyd0/ �播 ✿日帰りの場合、行動できるのは最大でも9:30〜16:30の7時間ほどである。(幕営を伴う山行を考える場合は、この限りではない。) ✿利用できる公共の交通機関はないので、自家用車が無い方は最寄り駅からタクシー、もしくはレンタカーを利用する事になる。 ✿例年は車1台分ほどの駐車スペースが除雪により確保されていたが、今年は無かった。路肩に少し広いスペースがあったので、駐車した。 ✿基本的にこの花山峠を起点とする登山道は無いと考えて良い。残雪期限定登山である。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
✿今シーズン麓の積雪は少なかったが、ここは中央分水嶺であり、秋田と宮城の県境。残雪の具合は例年とそんなに変わらなかった。R398の開通が例年より数日早かったことも踏破に大きく寄与した。 ✿花山峠からP866南西にある920峰までは例年通りだと、雪が繋がっており、難無くたどり着けるはずである。ちなみにこの920峰から雄大な栗駒の風景を望むことができる。 ✿920峰の西側は濃密な笹薮が広がっていて、一見してこの先を諦めようかとも思うが、南寄りの斜面に雪渓が点在している。これを繋いでいく。 ✿以後880峰で進路を北へ一旦変える。ここから先は時折藪こぎしながら途切れ途切れの雪庇を繋いでいく。もし南斜面の雪庇が切れて行詰まることがあれば、鋭利な稜線の上に乗ると良い。藪漕ぎがいくらか楽になる。また経験的に北側斜面の藪は薄いことが多いので、臨機応変に対応していく。 ✿P829では北側に臼ヶ岳がよく見える。以降は比較的雪が繋がっていた印象。830峰を越えて740鞍部に降り立つ。ここから先、P1017までキツイ登りが待っている。下りは後ろ向きで無いと降りられない場面が随所にある。登りでは気づかなかったが、北側に沼沢沼が美しい。 ✿P1017から先は分水嶺の空中散歩を楽しめる。雪も豊富。滅多に見られない虎毛山の裏の姿(東側の姿)を拝むことができる。でも今日はここまで。今回の山行ではR398が17:00で夜間閉鎖になる関係上、この山猫森北東1017峰で折り返した。 ✿沼沢沼と保呂内沢に挟まれた740鞍部、保呂内沢側の沢沿いでクマ2頭を見かけた。 |
その他周辺情報 | 《関連記録》 臼ヶ岳 西栗駒の鋭峰に立つ http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-289851.html 山猫森 竹ノ子森ダイレクト尾根を行く http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-428347.html |
写真
撮影機器:
感想
ブオッ、ブオッ、ブオッ、クオーン!
830峰から鞍部めがけて下り始めたその時、
鳥でもない、猿でもない、何だろう?
とにかく奇妙な呻き声を聴いたのだ。
その声はこの山域にみごとに調和していた。
調和を乱していたのは僕だった。
僕の存在を察知した山猫森の主たちが非常事態を知らせ合っていた。
雪渓をドッ、ドッ、ドッ、と駆け下る二頭の熊。
恐怖はない。
深山に融和する感覚だ。
熊の行方を捜しながらP1017東側の急登を登り詰めた。
あの時の明るい雪稜だった。
一年前、山猫森を越えて折り返した地点だ。
暖かい日差しの春の日だった。
あの日の僕が目の前で栗駒を眺めていた。
「やっと来たか。待ちくたびれたよ」
とても満足げに笑っている。
まさか誰もいないよねと思ったが、大きくて新しい足跡があった。
それは保呂内沢から上がって、八百切山の東斜面、春川へ藪を下って行ったようだ。
そうだ、ここは山猫の棲む森。
本来であれば、人間が足を踏み入れてはいけない領域なのだ。
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コメント
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もはや山猫森の住人として受け入れられているんじゃないですか?
クマの親子、昨年の親子といっしょだったりして。
tooleさん、しっかり覚えられていますね。
そして、熊鍋にされる恐怖も熊さんに植えつけていますね
熊の子の名前ピエールって…何故
久しぶりにtooleさんのレコ拝見できて
やっぱり、藪こぎ…笑っちゃいました
山猫森の住人
あの稜線上でテント張って何日か暮らすのも悪くないですよ。
山猫森から竹ノ子森、そして須金岳から虎毛山へ続くルートは素晴らしいものがあります
小熊は何度見ても可愛いですね🐻
今年も阿仁熊牧場へ通ってじっくりと観察してこようと思います。
名前はピーターでもペーターでも熊吉でも何でも良かったのですが、
ちょうどエビアンを飲んでいたので、フランス風にしてみました
藪の漕ぎ方はようやく様になってきました。
まだ行ってみたい未知の山域があるので、今後も漕ぎ続けると思います
それにしても起伏が激しいルートですね。
前にも書いたかもしれませんが,山猫の森というと谷山浩子の♪猫の森には帰れない という曲を想い出します。
いくつピーク越えたでしょうね
予定では山猫森まで行ってみるつもりでいましたが、P1017でタイムアップを迎えてしまいました
これですね↓
https://youtu.be/_FXTkN_zpsM
Tooleさん、随分久しぶりのレコですが、お元気そうで何よりです。
久方でも、到底真似できない、Toole world全開
熊激写
なお、↑のconanさんの"猫の森には…"、の続きですが、確か、"帰る道だって覚えてない"、というフレーズがあったと思います。これも"怖っ"と思いますが、Tooleさんなら、覚えてなくともルート見つけ出しちゃうんだろうな
本日中央分水嶺を貝梨峠越え、県内潜伏中のodaxでした
odaxさんもいつものodax節全開じゃないですか
いやいや、ご無沙汰でした。
山猫森の"山猫"ですが、僕は熊のことを指していると勝手に解釈しています。
熊がいっぱい住んでいる(=人の踏み入れない)森ということです
"帰る道だって覚えてない"ですか
おっしゃる通り、迷路みたいな稜線つなぎでしたね
帰りはピークの上り下り(+藪漕ぎ)が億劫になってきて、沢に降りてショートカットすることも考えました
しかし、途中いくつかマーキングしてきていたこともあり、回収しなければと思い直し、来た道を正確に戻ることにしました。
odaxさん、東北の峠は"山猫"が出没しますから気をつけてくださいね
* ̄(エ) ̄)ノいるからね!
私がたざわ湖スキー場で頂いたクマ鍋は、ピエールでは無かったようで
今度、500ミリのバズーカ貸しますか
398の開通、早かったですね!!
私は日曜日に小安峡までドライブしてきました
全然そんなつもりなく家を出たのですが、花山まで行ったついでに、いつ開通するのかと番所まで行ってみると、ゲートが開いているではありませんか!
ついつい、先へ先へと進んでしまいました。
結局、本来の目的は果たせなくなりましたが、私らしいドライブとなりました
山猫森のピエールが殺られることはないでしょうね。
深い森の中ですから、並みのマタギは入ってこれません
500mmレンズ、山で使えますかね
僕もこんなに早くR398が開通したことは近年なかったと思いましたね。
いつもゲートの前で除雪が終わるのを待ち構えていたんですけどね
ドライブするにはいいコースですよね
今年もR398には何かとお世話になりそうです
tooleさんでないと歩けない、tooleさんらしいレコ、お待ちしておりました
確かに最初は山猫たちの調子を乱したかもしれませんが
一年前の自分と出会えた頃には、すっかり深山に融和していたのでは
数少なった本当の秘境、見せていただいてありがとうございます。
野生の熊は人よりもずっと鋭い感覚を持っていて、その姿が見えなくても察知しているんですよね
敵対する心を持たなければ、恐怖することもありませんでした。
一年前の自分は本当に山頂で僕を待ち構えていたのでした
この山域は秘境と呼ぶにふさわしい場所でした。
再び足を踏み入れることがあるのだろうか、と何度も考えながら山猫の森を後にしたのでした
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