八ヶ岳/中山尾根
yhiro
tyaku
- GPS
- --:--
- 距離
- 12.2km
- 登り
- 1,127m
- 下り
- 1,129m
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| 天候 | 晴れ（気温は-10℃程度。風は昼まで殆ど無し。昼過ぎから強くなる。鉱泉から下山する辺りから寒気が入ってきた様子で一気に寒くなる） |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2012年12月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
中山尾根ルート（tyaku） ◆下部岩壁 1P目：トポでは正面垂壁から少し右に下ったガリー だが、我々は正面垂壁から登った。見かけよりホールドが 少なく一発目としては厳しい。昨年の山渓のトポを見たら 4級だった。ガリー状の方が楽らしいが、取り付きに つくと垂壁を登りたくなる。上部はガバが続き快適。 テラスでピッチを切る。確保支点は残置が豊富だが、 古いものもあるので注意。 2P目：テラスから凹角を直上するラインと左の草付きに 回り込むラインに分かれる。先行パーティが直上ラインに スゲー苦労していたのを見て、さっさと草付きラインへ。 雪の付き具合やベルグラだと厳しいだろう。灌木を支点に 上部灌木でビレイ。 中間部雪稜：灌木帯と岩場が交互する。岩場部分はライン 取り次第で厳しくなるので、慌てず登る、必要に応じて ランナーを取る。我々はノーランナーで登った。ダブル アックス有効だが、無くても大丈夫。 ◆上部岩壁 1P目：全体の核心。�検棔１�角〜凹角をつないで登る。 取り付きから見ても心魅かれるライン。抜け口のハングの 処理が�検椶任△箸牢靄椒�バ。というかハング処理もガバ。 足置きを丁寧にこなせば、残置も多く問題はない。 ハングを抜けてすぐのところに残置があってここでも切れるが、 我々はもう少し登った灌木？でピッチを切った。 2P目：草付き混じりの岩稜。最上部小ハングの手前まで。 このピッチは中間部の雪稜の岩場比率を少し上げた程度。 ランナーは1本も取らず。 3P目：楽しいのは直上で小ハング〜凹角を抜けるルートだと 思うが、ここでも先行パーティが詰まっていたのと、急速に 風が強まり始めていたので、左の草付き、岩場から巻き気味に 終了点へ向かった。ランナーはピナクルで。難しいところは ないが、最後だけに油断しないように。 上部縦走路が見えるところのピナクルが終了点。 そこから縦走路まで50mほど日ノ岳直下をトラバース。 ノーロープで問題ないが、雪の付き具合で悪くなるかも。 回り込んだところから縦走路までは5m程度。 装備は50mロープ（ダブル）×2、アルヌン10本、カム1セット （使用せず）、ハーケン×4、イボイノシシ×2、その他 基本装備。 |
| ファイル |
非公開
6362.xls
計画書
（更新時刻：2012/12/19 13:58） |
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感想
今回の中山尾根の核心は 2 つ。
・小淵沢から美濃戸までのドライブ
先週、鹿の湯から立場川へ向かう下り坂カーブでスリップし事
故になったためトラウマ。
時速 40km 弱で走ってもらい、美濃戸口からはチェーン装着。
山道は乾いているようにみえて凍結しています。
そこを時速 100km を越えて走っているのは自殺行為。以前の
自分ならやっていたでしょうが、もうやりません。用心、用心。
・天候
3 連休初日は南岸低気圧がはいり、後半に冬型になる典型的な
パターン。
後半は寒気が入ると言われてましたが、高層天気図をみると寒
気という寒気ではなさそう。
また、後半は日本海の雪雲が流れて八ヶ岳に届くようだが降雪
量はそれほどではないかもと期待をかけて中日ワンデイに切り
替え。
これが功を奏し、好天のなかそれほど寒さを感じず登ることが
できました。
今回、ヤマテンの天気予報を使ってみましたがやや悲観的かつ
自分の予想より 3-4 時間早めに天候が崩れる予報となっている
ようです。
一度使っただけなのでなんとも言えませんが、すこし使って
傾向を見てみたいところです。
■ルート概観
三連休中日の中山尾根には先行で 3 人パーティ* 3、我々、2 人
パーティの合計 5 パーティが入っていた様子。
美濃戸から上がった我々は先行パーティのトレースを有難く使わ
せてもらいました。
1P 目(tyaku リード)
トポでは一度右のルンゼに 5m ほど下りてからスタートらしいが
目の前のストレートに伸びるラインをみたら取り付きたくなるも
の。
最初の数メートルがホールド少なく核心。テラスを上がったとこ
ろにビレイポイント
2P 目(yhiro リード)
スラブ状の凹角を登るらしいが、先行パーティが難儀しているのを
みて、左の草付きへ。上部の木でビレイ
ここからコンテで次のピッチまで 300m ほど歩く
3P 目(yhiro リード)
上部にハングがある核心ピッチ
2 つ前のパーティがハングで苦労している。
左右を見渡して横から行くかと一瞬思ったが核心なので思いとどまり
1 時間ほどのんびり待つ。
オーバーグロープをとり丁寧にホールドを拾っていく。アイゼンを置
く場所も所々にある。ハング部分は短い間にハーケンが 3 つ。有難く
A0 させてもらい上のガバをつかめば終了。
しかし天候が荒れて足元見えないと厳しいかも。そういうときは登る
べきではないでしょう。
ペツルのビレイポイントがありましたが、足場が狭いのでさらに上が
って潅木でビレイ。
4P 目(tyaku リード)
リードといってもつぎのビレイポイントまでほぼ歩くのみ。
5P 目(yhiro リード)
岩稜を越えて最後のハングを直登らしいが 2 つ前のパーティが苦労
しているのをみてこれまた左の草付きへ。
この草付きはこれはこれで楽しい。
最後はピナクルでビレイ。
おまけの 6P 目
登山道までのトラバース。ロープを解除してもよかったのですが念の
ため。この辺で風が強くなる。
渋滞待ち 1 時間いれて合計 4 時間。まずまずといったところでしょうか。
登攀自体はもっと簡単と思っていたので、反省。もっと謙虚になりトレ
ーニングを積んでいかなければなりません。
とはいえ、中山尾根はクライミング主体の楽しいルートでした。
八ヶ岳西面の初級ルート、残るは小同心クラックと
中山尾根。
が、まず一緒に行くメンバーが見つからない。
そんなわけで、バリエーションメンバー全員に
メールしたところ、yhiroさんから「行ってもいいよ」
との返信が。ありがとうございます。先輩と山に
行ける機会が格段に減っている気がしていたので、
一方で後輩を連れていくだけの山では自分の技術が
上がって行かず、やや悩んでいたところだったので、
本当に嬉しかった。
さて、
今回は天候判断が核心。
連休初日の22日は午前中に低気圧通過。この日に入った
パーティもあったらしいが、中止。24日は予報と高層
天気図から寒気流入は必至。八ヶ岳も降雪は免れない。
23日はチャンスありだが、気圧の谷が近づいているので、
昼までが勝負。ヤマテンの予報も午後から下り坂。
ということで、CL判断で23日のワンデイで中山尾根。
結果として、これは吉。
22日は美濃戸で雨、鉱泉はみぞれ、上部で雪だったらしい。
23日は朝から晴れ。気温も低すぎない。風も殆んどない。
絶好のアタックチャンス。もちろん、前日の雨、みぞれの
せいで鉱泉までのアプローチは凍結気味だったり、岩場も
やや氷結した箇所があったが、これは許容範囲。むしろ、風が
殆どなかったことで、人気の中山尾根での渋滞待ちで厳しい
状況にならなかったのは大きかった。これが、-20℃とか、
強風とかだったら、まったく状況は異なった。
今回、yhiroさんと2人で登って、渋滞ある中での、迷惑を
かけない範囲での他パーティを抜く技術を学べた。実際には
譲ってもらって抜かしてもらっただけだが、ルート取りも
トポや直登に拘らず、あくまでアルパイン（だけではないが）に
おけるスピードの重要性（特に午後から天候悪化傾向である中で）を
まざまざと見せつけられた。
数ヶ月前にyhiroさんに「私のバリエーション課題は？」と聞いた
ときに指摘されたこと、それは「核心を抜けた後、途端に気が
抜けちゃう（＝時間管理がNG）」だったが、その後、3年目に
入り、沢を中心にCLを行うことが多くなり、それが痛いほど
よく理解できるようになったので、少しはマシになったところを
見せられただろうか。
ロープワークのスピード、登攀そのもののスピードもあるが、
それ以外の、休憩の取り方、生活技術の中でのスピード、この
1年、新人と山に行って、CLの場合に一番気になるのはやはり
「それ以外」の部分だった。yhiroさんから言われたその言葉が
結局実感的に理解することとなった。
yhiroさんは
「やっぱCLやらなきゃ分からないよね」
「それを厳しく言わずに分かってもらうのがより良いCLらしいよ」
と言っていた。
会社のマネジメント論と同じだ。
前者は分かった。
後者はなかなか簡単じゃないぞ。
鉱泉付近で新品の登山具をまといキャッキャしてる若い人を
見ると、一瞬気の揺らぎが出るが、スピードの重要性は、もちろん
それが慌てになってはいけないし、山行の目的にもよるのだが、
やはり真理なんだと思う。
yhiroさんとは結構色んな話をできました。楽しかったです。
あ、岩場の話しは殆ど書かなかった。詳しくは昨年のkuri＆mjun
さんの記録を読んでくださいな。
そのうえで・・・
えーっと、一番厳しかったのは下部岩壁1P目の出だしの3m。
フェースを直登したのがいけなかったのか。体感4級。
上部岩壁1P目は八ヶ岳西面の楽しさが詰まってる感じ。
長さもあるし。途中の雪稜も石尊稜ほど長くなく、程よい。
ただ、残置がやや多すぎる気もする。但しケミカルハンガーの
殆どはボルトが緩んでる。
中山尾根はまた登りたい岩壁だ。
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良い経験の山行だよね。
こういう山行をどんどんやってほしい。
マジで。
Shimogさん、直々のコメントありがとうございます。
事前の天候判断から、アプローチ、ギア装着・確認、
岩場混雑時の所作、ロープワークそして時間管理･･･
為になること多数でした。
どこまでやれるかは分かりませんが、着実にステップアップ
できるよう頑張ります。
また、ご指導お願いします。
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