身延山〜七面山 みのぶ道巡拝山行


- GPS
- 15:30
- 距離
- 33.2km
- 登り
- 3,162m
- 下り
- 3,207m
コースタイム
- 山行
- 4:47
- 休憩
- 0:52
- 合計
- 5:39
- 山行
- 5:06
- 休憩
- 1:04
- 合計
- 6:10
天候 | 晴 晴 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
写真
感想
もし七面山に登るなら、文脈的にも身延山とは繋げたいとは思っていました。今回は登山縦走というよりみのぶ道登拝縦走です。余裕ある行程で、きっちりと整備されている道や施設を快適に歩いてきました。そんな人の手が入った山域ですが、冬場は閑散期ということもあって静かな山の楽しみもありました。
一日目。電車、バスと乗り継いで身延山バス停に到着。先ずは御廟にお参りして、西谷の妙石坊へ移動。七面大明神が顕現したという信仰発祥の地でスタート。
来た道を戻るかたちで三門へ向かう。報恩橋のたもとで小鳥の死骸を発見。そのまま道路に放置も忍びないので沢べりに埋葬する。早々に意味深な?アクシデント。
三門をくぐると、本日のクライマックスの菩提梯が待ち受ける。一度経験済みだが、さすがにザックを背負ってこの斜度はかなりこたえる。やっとこさ登りつめ、久遠寺本堂にお参りして、東谷登山口へ。
いくつか御坊を通って、基本的に林道を登っていく。中間辺りで伐採地があり、波木井の里を見下ろす。2時間弱で山頂に到着。
先ずは思親閣にお参りしてから展望台へ。東側からは富士山、北側展望台からは白峰三山や七面山がバッチリ望める。
赤沢へ下る道も同じようにいくつか御坊を通る林道だが、だいぶ様子が異なる。今にも落石や土砂崩れしそうな崖道を進むが、小石がパラパラと落ちてくる音がしょっちゅう聞こえて気が気でない。今と昔では様相は違っているだろうが、こんな地形・地質では難所であることは変わりないのだろう。
赤沢はかつての参詣宿場。現在営業している宿はわずかだが、講中札が張り巡らされた建物や石畳がきれいに残され、当時の風情を今に伝えている。
集落から南に30分歩いて白糸の滝へ。七面山の女人禁制を解いたことで知られる養珠院が身を清めた場所。こちらが雌滝で、もう少し奥にある弁天堂にあるのが雄滝になる。今夜は隣接した増田屋旅館に一泊。
二日目。白糸の滝を拝してから、川向こうの表参道を登り始める。こちらの道はさすがに登山道の様相だが、道幅も広くてきれいに整備されている。丁目ごとにベンチが置かれ、いくつか通る御坊も茶屋仕様になっている親切設計。冬場の閑散期は閉じている所がほとんど。
そんな中で特に気になったのが、十三丁目 肝心坊。建物に張られた講中札の中に、日本映画黄金期を支えた大映社長始め大スターたちの名前がズラリ。誰もいなかったので詳細は分からずじまいだが、映画好きとしてはテンション上がらずにはいられなかった。
標高が上がるにつれて木々の向こうに富士山が見え、それを背に更に九十九折りの道を登っていく。途中で開けた場所があり、身延山や赤沢集落、遠くに甲府盆地が望める。四十町目あたりから積雪が目立ち始めるが、特に歩行には支障はない。
麓から3時間半ほどで敬慎院に到着。必要な物だけ携帯しザックを預けて山頂を目指したいところだったが、外していた手袋を片方無くしていることに気付く。何となく目星がついたので道を戻って四十三丁目で無事回収し、今度こそ上に向かう。(コースタイムで敬慎院がダブっているのはそのため)
うっすらと白い森の中を抜けて行き、大ガレを沿うように登る。気をつけながら縁から覗くと、落石の音がひっきりなしに響いてる。昨日歩いた斜面と川を挟んで同じような地形なのだろうか。あまり気持ちのいいものではないが見入ってしまう。
山頂は樹々に囲まれた小さな広場で展望は無し。晴れ間に雪がちらつく静かな落ち着く空間で補給しながらしばしまったりと過ごす。
下りは少し雪で滑べる状態で、アイゼン等があってこしたことないが、付けることなく慎重に足を運んでいく。途中で山上に虹が見えて驚く。
敬慎院に戻り、寺方と宿泊スケジュールを確認をする。それから荷物を整理したり、お風呂に入ったり、購入したガイドブックを読んでいたりしていると、あっという間に夕食の17時になる。
食事は最低限のものだが、特徴的なのは味噌汁が手桶に入っているのと般若湯がついていること。膳を下げるのと入れ替わりで湯たんぽを渡される。なかなかありがたいアイテム。
18時半からは開扉式。おごそかに七面大明神を間近で拝する。続けて夕勤に参座。電気カーペットの上で寒さはしのぐ。
拝殿奥も見学して、すべて終わったのが20時。その後、諸々やって21時に消灯。やたら外で大きな物音がするが、気にせずにぐっすり眠る。
三日目。5時半起床。布団はすぐに下げられる。6時から朝勤に参座。
日の出時間少し前に隋神門前の展望台へ移動。富士山の南側から上る御来光を拝む。これだけ富士山が大きく見られる構図はなかなかの絶景。
戻って朝食をいただく。
寺方に見送られて出発は8時。裏参道を下る。表参道より緩やかな斜度、おのずとペースもゆっくりとなる。
二の池、大イチイを通り奥之院へ。同じタイミングで一頭の牡鹿が現れる。こちらと付かず離れずで地面をあさっている。空腹のためかピーピー鳴いているのがもの哀しい。とはいえ餌付けは憚れるので、間近で写真だけ沢山撮らせてもらって後にする。
そこから2時半ほど黙々と下る。いくつか御坊は通るが、日朗上人お手植えのトキの木以外は特に何もない。
お昼前に麓の神通坊にゴール。
角瀬地区の日帰り温泉は営業しておらず、他に行くところもないので、南アルプスプラザ レストラン 早川舎でバス時間まで、ジビエカレー、唐揚げ、ビールで2時間以上過ごす。いい感じに俗界に戻る。
そして時間でバスを乗り継ぎ、無事帰宅する。
3日間の巡拝山行無事終わりました。予想以上に道が整備されていたので、距離ほどの体力的なダメージはなく、懸念していた雪もアイゼン使わずじまいで、かなり余裕がある行程でした。冬場は明らかに閑散期であり、季節が変わるとかなり表情が変わりそうなので、また来られたらいいかなと思っております。
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