関ふれ(4)仏果連山に突入★予期せぬ積雪の経ヶ岳に冷や冷や
- GPS
- 07:25
- 距離
- 16.3km
- 登り
- 1,055m
- 下り
- 1,007m
コースタイム
- 山行
- 6:01
- 休憩
- 1:24
- 合計
- 7:25
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
G 半僧坊BS(本厚木駅まで神奈川中央バス 半原発) |
コース状況/ 危険箇所等 |
〇経ヶ岳 一般登山道(旧土山峠〜尾根)、関東ふれあいの道(尾根〜経ヶ岳〜半僧坊)は、同程度のごく一般的な登山道。 若干の岩場や急傾斜はあるも危険個所はない。指導標完備でルート明確。 かえって、半僧坊の麓近くの関東ふれあいの道がやや荒れていて倒木・落ち葉が多かった。あまり歩かれていない感じ。 雪は、麓では全く残っていなかったが、旧土山峠で出現。あって10cm程度。全く融けている個所もあったが、尾根道には多く残っていた。南面と北面の積雪量の違いはあまりなく、雪の残り具合はばらばらで、その要因はわからなかった。ときに夏道がわからない程度には積もっていた。氷結はなし。土泥はあり。岩場の雪は完全に融けていた。 |
写真
装備
MYアイテム |
翔亀
重量:0.61kg
|
---|---|
個人装備 |
長袖シャツ
ソフトシェル
ズボン
靴下
靴
飲料
GPS
保険証
携帯
タオル
カメラ
|
感想
「関東ふれあいの道」略して「関ふれ」第4弾です。おおむね神奈川県コース番号11「順礼峠のみち」の最後の0.8km弱と17「北条武田合戦場のみち」の半分となる。なぜ半分なのか、なぜおおむねなのか説明が必要だろう。そして全く予期してなかった雪のことも。
(悩んだルート選定)
自宅のそばの大磯からスタートして、いよいよ仏果連山に足を踏み入れることになる。仏果山を中心に北に半原高取山と南山が、南に革籠石山、経ヶ岳、華厳山、荻野高取山が連なり、最近では相州アルプスとも言われているようだ(南山は含まれない模様)。このうち経ヶ岳、華厳山、荻野高取山を西山三山というらしい。
思えば4弾目(=4日目)にしてずいぶん遠くに来たもので、このあたりの山域は全く知らない。前々から計画だけは立てていたが、全縦走はとても無理。一般登山道のない華厳山、荻野高取山を除いたとしても一日ですべて登るのは厳しい。どこから手を付けるのがよいか、主峰の仏果山は痩せ尾根や急登と険しそうだし、と躊躇していて時間ばかりが経っていた。
シリーズ「関ふれ」を始めたのも、その先に仏果連山が待ち受けているという楽しみもあったからだ。
「関東ふれあいの道」は、仏果連山を越える2つのルートが並行している。縦走ではなく、別々に越える。17「北条武田合戦場のみち」は経ヶ岳だけを越え、12「丹沢山塊東辺のみち」は仏果山だけを越える。いいとこ取りをして先を急ぐのなら主峰の仏果山だけを越える12「丹沢山塊東辺のみち」がよい。一方、難易度からいうと経ヶ岳だけを越える17「北条武田合戦場のみち」の方が容易そうだ。
もともと今回の「関ふれ」シリーズの方針は、ルートを忠実に踏破するものではなかった。むしろそれを手掛かりにしながら近くに面白そうな山やスポットがあれば寄り道し、ルート変更も厭わないというものだった。つまりできる限りルートの周辺を味わい尽くすということだ。その意味で見どころ多く歩きがいのありそうな仏果連山は、寄り道も含めてじっくり歩き回りたい。だから別に踏破のためではないが、17と12は両方行きたい。順序としては、仏果山の12より簡単そうな、経ヶ岳の17の方が先だろう。
かつ、これまで続けてきて、「関ふれ」ルートに限らず<赤線つなぎ>の楽しみを知るようになった。ヤマレコの「全ルートを地図を見る」楽しさだ。そうなると、11「順礼峠のみち」と17「北条武田合戦場のみち」を繋げなければならない。「関ふれ」では「連絡区間」となっている御門橋バス停と坂尻バス停の間の車道歩き3kmは、初めて訪ねる清川村の中心部となるので歩いてみたい。同時に、前回積み残しの11「順礼峠のみち」の御門橋白山分岐〜御門橋までの0.8kmも外せない。となると御門橋からピストンするよりは、飯山観音から白山を前回とは別ルートで登って合流したほうが良い。飯山観音は前回うっかり見忘れたスポットもあった(もっともこんな面倒なことになったのは、飯山観音へ抜けた前回、赤線つなぎのことを考えていなかったためだ)。
こうして大まかな方針ができたが加えて、「関ふれ」では12と17は両方とも仏果連山の尾根(半原越)まで法論堂林道を使っているが、山間の舗装道はつまらないので土山峠からの登山道にした。このことにより、経ヶ岳への尾根歩きが長くなる。つまり尾根道は仏果山への12「丹沢山塊東辺のみち」の一部を歩くことになり、赤線つなぎの観点からは次回の仏果山へのアプローチが短くなる。さらに坂尻から土山峠は県道ではなく、かつての生活道だったという旧宮ケ瀬道(みやがせみち)にしよう。後で考えるとこのことによる<演出効果>は大きかった(後述)。
ルートの前半半分が長い街歩きとなるので、難易度が高そうな仏果山を避け(難度の高い箇所は前半に限る)、経ヶ岳の17にするのは好都合だ。仏果山は次回に登ればよい。ただ時間的に17の中間点の半蔵坊(経ヶ岳下山口)がバスの本数が多いので、ここをゴールにする。冒頭のなぜ17の半分か、なぜおおむねかとは、こういう理由だ。
今回は後半が登山となるが、仏果山のような難所もなさそうで、距離も短く少し楽すぎるので、もう少し欲張ってもいいかもしれないと思っていたのが正直なところだった。街歩きもこれといって見所はなさそうだし山行記録も書くことがないのではないか、とも。ただ、前回の「思わぬ登山」に懲りて、靴はスニーカーもどきではなく、まともな登山靴だけは履いていった。でも軽いピクニック気分であるには変わりなかった。
ところが歩いてみて予期せぬ事態にびっくり。まさに、その事態にうってつけのルートだったのだ。仏果山ではなく経ヶ岳にして、距離を短くして、時間に余裕をもたせて大正解だった。
なぜなら、仏果連山には積雪がかなり残っていたからだ。前半ののんびり街歩きから一転して、後半は緊張を強いられた。しかし、法論堂林道でなく一般登山道にしたおかげで長くなった雪の尾根歩きを大いに楽しむことができた。
(思わぬ積雪)
雪は全く想定外だった。ここ数日、神奈川県内では雪はおろか雨も降っていないので、4日前の2月6日の雪が残っていたのだろう。塔ノ岳の北側とか大室山あたりなら当然積雪は警戒する。いや警戒ではなく、できる限り避ける。そもそも、私の場合は、雪の高原をスノーシューで楽しんだりはするが、それ以外の冬山は積雪がないところ(つまり低山)を選んでいる。積雪はあるならしっかりあったほうがよい。アイスバーンが嫌なのだ。
やはり冬に歩き慣れない山域に入るべきではないのだろう。標高600-700mと低い山域だが、神奈川県では雪が降るときは積もることも多い地域だ。雪が残っているのは、よくよく考えれば当然のことだが、しかし西丹沢とは違うだろうという全くの思い込みで、4日前の雪のことなど完全に頭の隅にさえ残っていなかった。天候で考えていたのは、暖かくなったがどのくらいの気温だろうか、防寒具は必要か、ぐらいだった。
したがって、アイゼンやストックはおろか、いつもは荷物に忍ばせているチェーンスパイクやゲーターさえ持って行かなかった。ピクニック気分というのは、こういうことである。
これが今回の経ヶ岳登山中に、大きな心理的不安要素となった。
今回は、南側から登るルートだ(土山峠からの一般登山道で「関ふれ」ルートではない)。それにもかかわらず、旧土山峠から10cmの積雪がいきなり現れた。積雪が融けて消え地面も乾いている部分もあるが、標高を上げるにつれて、どんどん積雪量が増えていくのだ。尾根に出ると、まさに雪の世界。樹雪はさすがになかったが、こんな光景が見られるとは思ってもみなかった。
今回は幸いにも低山雪山も対応を謳っている登山靴だったので、続行したが、前回のスニーカーもどきだったら、登らずに撤退していただろう。その雪はアイスバーンにはなっておらず、そう深くもないので、アイゼンなしのツボ足でも問題ない程度だった。登りや尾根歩きはかえって楽しいくらいだった。
しかし、下りが大問題だ。しかも、これが北面になるのだ。だから始終、もし積雪が増えていたりアイスバーンになっていたら、どのタイミングで引き返すか、あるいはどこでエスケープするかばかりを考えていた。チェーンスパイクさえ持っていたら、そんな懸念はなかったろう。幸い、半原越で「関ふれ」ルートの法論堂林道と交差するので、エスケープにはうってつけなことに気づき、やや安心して進んだのだった。
結局、北面の積雪も南面よりやや多かった感じだが大したことはなく、アイスバーンにもなっていなかったので、エスケープせずに進んだ。ピークまで来てしまえば戻る気にもなれない。しかし、予想通りといおうか、下りはなかなかスリリングだった。九十九折の階段らしき夏道が完全に雪に隠れていて、ルートがわからない。しかし、トレースがしっかりついていたのだ。ツボ足の登りのトレースが。この日は数パーティーとすれ違ったり抜かされたりしたが、ルートが多いので、この下りのルートにトレースがあったのは幸運だった。これがなかったら、どうなっていたかわからない。ここは、チェーンスパイクが必須の地点だった。ここが今回の核心だ。
雪の後のお馴染みの泥泥道の急降下にも悩まされたが、まあこれはよくあるご愛敬だろう。
この日の、仏果山はどうだったのだろうか。雪の痩せ尾根を避けられたことはよかったと思う。経ヶ岳のコースは危険個所はなかったし、岩場の雪は融けていた。でも、「関ふれ」ルートに限っても(法論堂林道は除く)完全なる登山道だった。街歩きのコースとの落差がありすぎる。
経ヶ岳にしても仏果山にしても、その名前からわかるように仏教に関係がある。これらの山は、愛川町のこの近くの八菅山を拠点とした八菅修験の行場だったという。八菅修験は、かつては修験の中でも有力な存在だったようだ。計画では、この山に点在する修行の場を見て回りたかったのだが、雪のおかげでそれどころではなくなった。その代わり、チェースパイクなしの雪山自体が修行だった。無事登山口に下山して、よかった生還できたとほっとしたのも久しぶりだ。今回は完全に自分の情報管理のミスだが、本当の登山とは(悟りを開く)修行に近いのかもしれない。
いずれにせよ、低山といえども冬の丹沢を侮るべからずというのが教訓だ。チェーンスパイクは必ず持っていかなければいけない。
★前回の記録
関ふれ(3)日向薬師〜順礼峠〜飯山白山★東の縁でも丹沢は丹沢
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-6424379.html
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この記録に関連する登山ルート
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思わぬ形での雪山ハイク、お疲れ様でした。
植物について分かる範囲で同定してみました。
写真18:葉の裏に光沢があって銅のように見えるのでスダジイだと思います。スダジイは海岸沿いや平野部に多い種ですが、丹沢山地だと日向山(日向薬師)のスダジイ林が有名ですね。
写真39と写真70:2つともタブノキだと思います。幹が灰白色〜ごく薄い赤褐色という感じで、葉の裏がうっすら粉白色なのが特徴ですね。
写真99:高木性でトゲがあり、枝先に房状の実が付いていて、特徴的な葉痕なのでおそらくカラスザンショウで間違いないと思います。
18はやはりスダジイでしたか。70はスダジイにしては、葉の裏が白いので違うかなと思ったのですが、タブノキですか。なるほど幹もポイントですね。確かにスダジイなら裂けているはずです。
それにしても、白山のスダジイは社叢林っぽいので分かるにしても、70のタブノキは驚きです。スダジイとかタブノキは、高麗山にもたくさんあるのですが、照葉樹林帯にしか生えないものとばかり思っていました。こういう人工林にも混ざっているもんなのですね。
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