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Yamareco

記録ID: 6480811
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
日光・那須・筑波

荒海山 中三依からダイレクト尾根

2024年02月18日(日) [日帰り]
 - 拍手
体力度
3
日帰りが可能
GPS
09:31
距離
12.3km
登り
1,019m
下り
1,028m
歩くペース
ゆっくり
1.31.4
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
8:54
休憩
0:38
合計
9:32
5:20
380
スタート地点
11:40
12:17
153
14:50
14:51
1
14:52
ゴール地点
天候 快晴
過去天気図(気象庁) 2024年02月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
コース状況/
危険箇所等
当該コースは登山道はありません。十分な雪山経験の上で入山してください。
例年の雪量に比し寡雪と思いますが、この時期に挑まれる場合は以下の状況を鑑み、余裕を持った計画が必要です。
○積雪状況
 ・駐車地より約1.5km林地点より30〜、取付き周辺40cm超
 ・〜1,270m付近:30〜50cm超
 ・〜上部:50〜1m超(※推定)
○コース状況
 ・林道〜取付きまで5回の渡渉があります。いずれも飛び石で可能です。
 ・取付き付近に古い赤テープを確認しましたが、以降は山頂までマーキングの類
  は一切見かけませんでした。
 ・タケの沢左岸のダイレクト尾根末端取付き部分は積雪は薄く、一部地面が露出
  しており、踏み跡のような道型を認めましたが、直ぐに雪で覆われていたた
  め、山頂まで一部を除き、基本は尾根筋を忠実に進みました。
 ・標高1,360m付近からは傾斜が一気に立ち、山頂に至るまで50°を超える箇所
  が連続します。強傾斜の雪壁では気温上昇に伴う雪の緩みで足場が脆弱にな
  り、著しくペースダウンします。
 ・1,360mから岩や雪・藪の垂壁等、少なくとも核心部と思しきポイントが2箇
  所ありました。これらに阻まれた際は、登攀・ラッセル・ルート工作・迂回
  等、状況に応じて柔軟な判断が求められます。
 ・当該ルートをピストンする場合は中部まで斜度50°以上の雪面を一気に下降す
  ることになります。中〜上部では技量によっては懸垂下降が必要となる箇所も
  散見されました。
  この区間、滑落すれば自力での停止は極めて困難と思われますので慎重な足捌
  きが求められます。
 




 
駐車スペースを出て、雪に覆われた林道をひたすら歩きます。
気温の高さに雪の緩み出しが早く、スピードが上がりません。ワカン等があると楽かも
2024年02月18日 06:09撮影 by  DSC-RX100M5A, SONY
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2/18 6:09
駐車スペースを出て、雪に覆われた林道をひたすら歩きます。
気温の高さに雪の緩み出しが早く、スピードが上がりません。ワカン等があると楽かも
入山沢を別れタケノ沢へ。2つ目の堰堤をの右側斜面から巻き上がります。
2024年02月18日 06:55撮影 by  DSC-RX100M5A, SONY
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2/18 6:55
入山沢を別れタケノ沢へ。2つ目の堰堤をの右側斜面から巻き上がります。
堰堤上部
2024年02月18日 06:59撮影 by  DSC-RX100M5A, SONY
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2/18 6:59
堰堤上部
堰堤を巻き上がると、ようやく右手にダイレクト尾根取付きへ到着。駐車スペースから約2時間かかりました
2024年02月18日 07:17撮影 by  SC-51B, samsung
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2/18 7:17
堰堤を巻き上がると、ようやく右手にダイレクト尾根取付きへ到着。駐車スペースから約2時間かかりました
一登りすると尾根上は完全に雪で覆われます
2024年02月18日 07:20撮影 by  DSC-RX100M5A, SONY
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2/18 7:20
一登りすると尾根上は完全に雪で覆われます
ツボ足では雪量と斜度がキツくなってきたため、ここでアイゼンとワカン(ではないが類似のギア)を装着
2024年02月18日 07:41撮影 by  DSC-RX100M5A, SONY
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2/18 7:41
ツボ足では雪量と斜度がキツくなってきたため、ここでアイゼンとワカン(ではないが類似のギア)を装着
このような痩せ尾根も出てきます
2024年02月18日 07:43撮影 by  DSC-RX100M5A, SONY
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2/18 7:43
このような痩せ尾根も出てきます
急登を登り込むと視界が開け、屏風のような稜線が見えてきました
2024年02月18日 08:06撮影 by  DSC-RX100M5A, SONY
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2/18 8:06
急登を登り込むと視界が開け、屏風のような稜線が見えてきました
2024年02月18日 08:40撮影 by  DSC-RX100M5A, SONY
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2/18 8:40
標高1200mを越えた付近から斜度が一気に上がります
2024年02月18日 08:53撮影 by  DSC-RX100M5A, SONY
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2/18 8:53
標高1200mを越えた付近から斜度が一気に上がります
2024年02月18日 09:19撮影 by  DSC-RX100M5A, SONY
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2/18 9:19
稜線は見えるものの、傾斜がきつくなる一方で踏み抜き、足場固め等の作業により、一向に距離を縮められません
2024年02月18日 09:19撮影 by  DSC-RX100M5A, SONY
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2/18 9:19
稜線は見えるものの、傾斜がきつくなる一方で踏み抜き、足場固め等の作業により、一向に距離を縮められません
藪も出現
2024年02月18日 09:21撮影 by  DSC-RX100M5A, SONY
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2/18 9:21
藪も出現
来し方を見下ろす。斜度はますます上がり、50°くらいでしょうか。気を抜けば危険な斜度になってきました
2024年02月18日 09:22撮影 by  DSC-RX100M5A, SONY
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2/18 9:22
来し方を見下ろす。斜度はますます上がり、50°くらいでしょうか。気を抜けば危険な斜度になってきました
標高1360m付近。最初の核心部の岩場です。弱点となる中段のバンド状から左上しながら登高しました。足場は狭く手掛かりも乏しいため慎重に進みました
2024年02月18日 09:26撮影 by  DSC-RX100M5A, SONY
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2/18 9:26
標高1360m付近。最初の核心部の岩場です。弱点となる中段のバンド状から左上しながら登高しました。足場は狭く手掛かりも乏しいため慎重に進みました
バンド状の登高中に撮影。右手の岩壁の手掛かりは細かく、グローブでは保持が厳しいです
2024年02月18日 09:36撮影 by  DSC-RX100M5A, SONY
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2/18 9:36
バンド状の登高中に撮影。右手の岩壁の手掛かりは細かく、グローブでは保持が厳しいです
この付近から連続して現れる笹藪に覆われた急な岩場。このルート上部の正念場とも言える区間です。雪は緩み足場が作り難い上、笹で滑るためスタンスが取り難く、灌木を掴み身体を引き上げるような動作が続きます
2024年02月18日 09:58撮影 by  DSC-RX100M5A, SONY
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2/18 9:58
この付近から連続して現れる笹藪に覆われた急な岩場。このルート上部の正念場とも言える区間です。雪は緩み足場が作り難い上、笹で滑るためスタンスが取り難く、灌木を掴み身体を引き上げるような動作が続きます
藪岩壁を抜けると細く複雑な起伏を描く尾根上を進むより、沢状に入る方がスピードアップを図れると判断し、一旦尾根を離れます
2024年02月18日 10:14撮影 by  DSC-RX100M5A, SONY
2/18 10:14
藪岩壁を抜けると細く複雑な起伏を描く尾根上を進むより、沢状に入る方がスピードアップを図れると判断し、一旦尾根を離れます
登高中に見下ろした沢状地形
2024年02月18日 10:14撮影 by  DSC-RX100M5A, SONY
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2/18 10:14
登高中に見下ろした沢状地形
沢状を抜け、1500m付近で第二の核心部となる岩場へ。中央から左壁に取付き、灌木を掴みながら木登り登攀しました
2024年02月18日 10:19撮影 by  DSC-RX100M5A, SONY
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2/18 10:19
沢状を抜け、1500m付近で第二の核心部となる岩場へ。中央から左壁に取付き、灌木を掴みながら木登り登攀しました
岩場を越えてからも45〜50°近くある雪壁をラッセルしながらひたすら詰めていきます
2024年02月18日 10:45撮影 by  DSC-RX100M5A, SONY
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2/18 10:45
岩場を越えてからも45〜50°近くある雪壁をラッセルしながらひたすら詰めていきます
3つ目の核心部。画像は一見緩そうに見えますがとんでもない。滑落に注意しながら灌木で強引に身体を引上げて登り込んでいきました
2024年02月18日 10:45撮影 by  DSC-RX100M5A, SONY
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2/18 10:45
3つ目の核心部。画像は一見緩そうに見えますがとんでもない。滑落に注意しながら灌木で強引に身体を引上げて登り込んでいきました
斜度が判るでしょうか
2024年02月18日 10:45撮影 by  DSC-RX100M5A, SONY
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2/18 10:45
斜度が判るでしょうか
ここは一見容易そうに見えましたが、垂直に近く、壁もツルツルで手掛かりがないため、体力の温存を図り、左側から何とか巻き上がりました
2024年02月18日 10:54撮影 by  DSC-RX100M5A, SONY
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2/18 10:54
ここは一見容易そうに見えましたが、垂直に近く、壁もツルツルで手掛かりがないため、体力の温存を図り、左側から何とか巻き上がりました
山頂まで約30mほどですが、50°近くの雪壁を直登が待っており、最期まで楽をさせてもらえません。時計は11時を回り雪の緩みで足場が決めにくく、遅々として進みません
2024年02月18日 11:06撮影 by  DSC-RX100M5A, SONY
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2/18 11:06
山頂まで約30mほどですが、50°近くの雪壁を直登が待っており、最期まで楽をさせてもらえません。時計は11時を回り雪の緩みで足場が決めにくく、遅々として進みません
下を見れば吸い込まれそうな傾斜です
2024年02月18日 11:06撮影 by  DSC-RX100M5A, SONY
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2/18 11:06
下を見れば吸い込まれそうな傾斜です
山頂直下の岩場ですが、直登は藪で厳しそうなので、、、
2024年02月18日 11:17撮影 by  DSC-RX100M5A, SONY
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2/18 11:17
山頂直下の岩場ですが、直登は藪で厳しそうなので、、、
右から巻くことにしました
2024年02月18日 11:17撮影 by  DSC-RX100M5A, SONY
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2/18 11:17
右から巻くことにしました
取付きから4時間超、待望の山頂に詰めあがりました。
2024年02月18日 11:27撮影 by  DSC-RX100M5A, SONY
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2/18 11:27
取付きから4時間超、待望の山頂に詰めあがりました。
山頂標識は雪の下で発見できず。
2024年02月18日 11:27撮影 by  DSC-RX100M5A, SONY
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2/18 11:27
山頂標識は雪の下で発見できず。
前方に八総鉱山跡へ繋がる分岐
2024年02月18日 11:29撮影 by  DSC-RX100M5A, SONY
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2/18 11:29
前方に八総鉱山跡へ繋がる分岐
アニマルトレースのみ
2024年02月18日 11:44撮影 by  SC-51B, samsung
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2/18 11:44
アニマルトレースのみ
高原山、七ヶ岳が遠望できます
2024年02月18日 11:44撮影 by  SC-51B, samsung
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2/18 11:44
高原山、七ヶ岳が遠望できます
高原山
2024年02月18日 11:45撮影 by  SC-51B, samsung
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2/18 11:45
高原山
七ヶ岳アップ。この時期の平均滞在時間はソロだと約5〜10分程度のところ、穏やかな陽気のせいでついついのんびりと30分ほど滞在してしまいました。
2024年02月18日 11:45撮影 by  SC-51B, samsung
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2/18 11:45
七ヶ岳アップ。この時期の平均滞在時間はソロだと約5〜10分程度のところ、穏やかな陽気のせいでついついのんびりと30分ほど滞在してしまいました。
帰路は滑落に注意しながら下降していきます
2024年02月18日 12:14撮影 by  DSC-RX100M5A, SONY
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2/18 12:14
帰路は滑落に注意しながら下降していきます
2024年02月18日 12:14撮影 by  DSC-RX100M5A, SONY
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2/18 12:14
尻セードしたいところですが、この斜度ではまず止まらないでしょう
2024年02月18日 12:17撮影 by  DSC-RX100M5A, SONY
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2/18 12:17
尻セードしたいところですが、この斜度ではまず止まらないでしょう
ほんの一時間ほどで取付きの堰堤まで降りてきました
2024年02月18日 13:05撮影 by  DSC-RX100M5A, SONY
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2/18 13:05
ほんの一時間ほどで取付きの堰堤まで降りてきました
林道から舗装路に。陽気で雪融けが一気に進みました
2024年02月18日 14:28撮影 by  DSC-RX100M5A, SONY
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2/18 14:28
林道から舗装路に。陽気で雪融けが一気に進みました
駐車スペースへ帰着。お疲れ様でした
2024年02月18日 14:39撮影 by  DSC-RX100M5A, SONY
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2/18 14:39
駐車スペースへ帰着。お疲れ様でした

装備

個人装備
アイゼン ワカン(ではないが類似のギア) ピッケル 下降器 スリング お助け紐(14m) ツエルト

感想

日本三百名山に数えられる日本海と太平洋の分水嶺である荒海山。
登山道がないと言われる栃木県側から藪の回避を考えて積雪期に登頂してみたいと思っていた矢先、今回の那須朝日岳東南稜への計画が立ったため、この遠征に合わせることとしました。
ルート選択は折からの気温上昇で境界尾根上の藪の露出が懸念されたため、一般的に歩かれているルートは除外し、今回のダイレクト尾根からの登頂を計画してみました。
コースタイムはこの時期の情報も無く、全く読めませんが、ラッセル等も想定し、12時までに山頂に達しなかった場合は撤退を設定。
当ルートでは中上部の雪・藪壁登攀の連続に時間を取られ、辛くも12時前に登頂できたものの、想定以上の難ルートでした。
次回訪れる機会にはやはり積雪期に縦走してみたいです。

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