鴇が谷大橋の北詰にある路肩スペースに駐車。谷峠を越えたあたりから視界もあやしくなるほどの強い降雪がずっと続いている。写真に写っている道路の温度計はマイナス5℃を表示。(車の奥の右手あたりが,今回アプローチに使う林道下田原線の入り口)
1
鴇が谷大橋の北詰にある路肩スペースに駐車。谷峠を越えたあたりから視界もあやしくなるほどの強い降雪がずっと続いている。写真に写っている道路の温度計はマイナス5℃を表示。(車の奥の右手あたりが,今回アプローチに使う林道下田原線の入り口)
大粒のボタン雪が降りしきる林道下田原線にスキーを進める。積雪は50cm〜100cmくらいか。この時期としては積雪が少ない印象で,今年の寡雪は白山エリアでも例外ではないようだ。
0
大粒のボタン雪が降りしきる林道下田原線にスキーを進める。積雪は50cm〜100cmくらいか。この時期としては積雪が少ない印象で,今年の寡雪は白山エリアでも例外ではないようだ。
1時間半ほどのラッセル歩行で,雪に埋もれた下田原集落に到着。地形図で見かけてからずっと来てみたかった山間集落なので,感慨深い。冬季は無住となる集落に,もちろん人はいない(無雪期は元住人の方々が訪れているそうで,小ぎれいな家並みである)。
2
1時間半ほどのラッセル歩行で,雪に埋もれた下田原集落に到着。地形図で見かけてからずっと来てみたかった山間集落なので,感慨深い。冬季は無住となる集落に,もちろん人はいない(無雪期は元住人の方々が訪れているそうで,小ぎれいな家並みである)。
道場兼集会場。(道場は,北陸の真宗信仰の集落に多くみられる,説法などが行われる集会場)
0
道場兼集会場。(道場は,北陸の真宗信仰の集落に多くみられる,説法などが行われる集会場)
神社。雪囲いがされていて,社の中をうかがうことはできなかった。
0
神社。雪囲いがされていて,社の中をうかがうことはできなかった。
雪に埋もれたお地蔵さんの,おべべの赤が心に沁みる
2
雪に埋もれたお地蔵さんの,おべべの赤が心に沁みる
下田原川にかかる橋。川向うにも人家が見えた。
0
下田原川にかかる橋。川向うにも人家が見えた。
小止みなく降り続く雪を避けて,道場の軒下で休ませていただき,これからの登りに備える。
0
小止みなく降り続く雪を避けて,道場の軒下で休ませていただき,これからの登りに備える。
小憩ののち出発。当初は集落裏手の斜面に適当に取り付こうと思っていたが,積雪不足で藪が出ているため,集落裏手に見つけた地図にない林道を辿っていく。
1
小憩ののち出発。当初は集落裏手の斜面に適当に取り付こうと思っていたが,積雪不足で藪が出ているため,集落裏手に見つけた地図にない林道を辿っていく。
林道は尾根を南に回り込み,集落裏手の谷に入ったところで途切れるため,そこからは谷筋を登っていく(立木が密でヤブも出ているため,雪崩そうな雰囲気は感じなかった)。谷が割れているところもあったが,スキーを脱いだり脱がなかったり,適当に渡渉しつつキックターンで高度を稼ぐ。
0
林道は尾根を南に回り込み,集落裏手の谷に入ったところで途切れるため,そこからは谷筋を登っていく(立木が密でヤブも出ているため,雪崩そうな雰囲気は感じなかった)。谷が割れているところもあったが,スキーを脱いだり脱がなかったり,適当に渡渉しつつキックターンで高度を稼ぐ。
ここは下田原集落の裏山。稜線間際まで植林が続くが,雪を被ってまるで北国のシラビソの森のような風情で,感じは悪くない(実際はスギやヒノキですけど…)。上部の林間は藪も埋まってすっきりとしていて,帰りの滑降が楽しみだ。
0
ここは下田原集落の裏山。稜線間際まで植林が続くが,雪を被ってまるで北国のシラビソの森のような風情で,感じは悪くない(実際はスギやヒノキですけど…)。上部の林間は藪も埋まってすっきりとしていて,帰りの滑降が楽しみだ。
稜線着。晴れていれば白山の眺めが素晴らしいに違いないが,当然のことながら強い降雪で眺望は全く得られない。風がそれほど強くないのが救い。
1
稜線着。晴れていれば白山の眺めが素晴らしいに違いないが,当然のことながら強い降雪で眺望は全く得られない。風がそれほど強くないのが救い。
稜線からはブナとなるが,一度伐採が入ったらしく,太い木はほとんど見られない。下田原集落は炭焼きを生業としていたそうなので,そのために利用されていたのかもしれない。
1
稜線からはブナとなるが,一度伐採が入ったらしく,太い木はほとんど見られない。下田原集落は炭焼きを生業としていたそうなので,そのために利用されていたのかもしれない。
しかし,不気味なくらいのブナ純林で,他の樹種が全く見られない。しかも同じくらいの太さの木がずっと並んでいるので,同じ風景がひたすらループしているような,不思議な感覚に襲われる。
1
しかし,不気味なくらいのブナ純林で,他の樹種が全く見られない。しかも同じくらいの太さの木がずっと並んでいるので,同じ風景がひたすらループしているような,不思議な感覚に襲われる。
稜線右手の眼下には大田和谷の穏やかな源流部の雪景色が広がっていて,心惹かれる。もう少し谷が近づいてから,横断することにしよう。
1
稜線右手の眼下には大田和谷の穏やかな源流部の雪景色が広がっていて,心惹かれる。もう少し谷が近づいてから,横断することにしよう。
と,雪が小やみになったと思ったら,急に青空が! 今日は一日中雪に降り込められると思っていたので,これにはびっくり。
0
と,雪が小やみになったと思ったら,急に青空が! 今日は一日中雪に降り込められると思っていたので,これにはびっくり。
まぶしい新雪の中を,大田和谷を大きく回り込むように,山目平の山頂へと向かう。
2
まぶしい新雪の中を,大田和谷を大きく回り込むように,山目平の山頂へと向かう。
0
ガスも一瞬晴れて,谷の向こうに目指す山目平のたおやかな山体が。予想以上の大きさと広さを感じる山で,その名の通り,「山」というよりは「平」という感じがぴったりだ。
2
ガスも一瞬晴れて,谷の向こうに目指す山目平のたおやかな山体が。予想以上の大きさと広さを感じる山で,その名の通り,「山」というよりは「平」という感じがぴったりだ。
しかし,一瞬のちには,再びガスに覆われて,大雪の底に逆戻り。
0
しかし,一瞬のちには,再びガスに覆われて,大雪の底に逆戻り。
冗長な稜線をショートカットするため,右手の大田和谷の源頭に降りる。
0
冗長な稜線をショートカットするため,右手の大田和谷の源頭に降りる。
大田和谷源流部は,雪に埋もれた何本もの枝谷のウェーブがなだらかに広がる,静謐な詩情を湛えた小空間。
1
大田和谷源流部は,雪に埋もれた何本もの枝谷のウェーブがなだらかに広がる,静謐な詩情を湛えた小空間。
この大田和谷源流部の横断が,今回の山行のハイライトかもしれない。
2
この大田和谷源流部の横断が,今回の山行のハイライトかもしれない。
と,この源流部で,やっと巨木と呼べる木に出会った。
3
と,この源流部で,やっと巨木と呼べる木に出会った。
なかなか立派な大ブナ。何本かの枝谷が合流する小広間の真ん中に立っているので,おそらくその立派さを惜しんで,あるいは山仕事の際の目印のために,意図的に切り残されたものだろう(谷の二俣などの合流部には,大きな木が残されていることが多い)。
0
なかなか立派な大ブナ。何本かの枝谷が合流する小広間の真ん中に立っているので,おそらくその立派さを惜しんで,あるいは山仕事の際の目印のために,意図的に切り残されたものだろう(谷の二俣などの合流部には,大きな木が残されていることが多い)。
大田和谷の源流をそのまま辿り,山目平のピークに直接上がった。
0
大田和谷の源流をそのまま辿り,山目平のピークに直接上がった。
しかし,地形図から予想していたとおり,のっぺりした,だだっ広い山頂台地…。三角点のある地点を求めて,雪の降りしきる迷いの森をさまよう。
3
しかし,地形図から予想していたとおり,のっぺりした,だだっ広い山頂台地…。三角点のある地点を求めて,雪の降りしきる迷いの森をさまよう。
地形図を何回もにらみ,周囲を何度も見渡したあと,一番高いと思える地点にストックを立て,ここが山目平(△1165.5m)の山頂,ということにした。もちろん三角点は雪に埋まっているし,プレートもマーキングも見えないので,確信はないが,たぶんここで合ってるだろう。
3
地形図を何回もにらみ,周囲を何度も見渡したあと,一番高いと思える地点にストックを立て,ここが山目平(△1165.5m)の山頂,ということにした。もちろん三角点は雪に埋まっているし,プレートもマーキングも見えないので,確信はないが,たぶんここで合ってるだろう。
ちなみに,山頂と推定した地点の少し北側に,そこだけぽっかりと木立がない,何となく不思議な小空間があった。
1
ちなみに,山頂と推定した地点の少し北側に,そこだけぽっかりと木立がない,何となく不思議な小空間があった。
なんだか,本当はこっちが山頂なんじゃないか,と思いたくなるような,心惹かれる空間。
1
なんだか,本当はこっちが山頂なんじゃないか,と思いたくなるような,心惹かれる空間。
ブナに囲まれた小空間の真ん中でしばらく周囲の雪景色を眺め渡したあと,山目平を後にした。
1
ブナに囲まれた小空間の真ん中でしばらく周囲の雪景色を眺め渡したあと,山目平を後にした。
大田和谷の源流に立つ老ブナともお別れ。
0
大田和谷の源流に立つ老ブナともお別れ。
おや,また青空が。こんなモノトーンの大雪の日なので,わずかな青空のかけらでも,たまらなく鮮やかな色彩に見える。
2
おや,また青空が。こんなモノトーンの大雪の日なので,わずかな青空のかけらでも,たまらなく鮮やかな色彩に見える。
1
帰りはラッセルから解放されて,自分のトレースをスキーでグライドできるので,早い早い。
1
帰りはラッセルから解放されて,自分のトレースをスキーでグライドできるので,早い早い。
さて,P1044mまで戻って来た。お,大嵐山やショウガ山のほうもちらりと見えるな(どうせすぐまた雪が降り出すんだろうけど…)。
0
さて,P1044mまで戻って来た。お,大嵐山やショウガ山のほうもちらりと見えるな(どうせすぐまた雪が降り出すんだろうけど…)。
ここからはシールを剥がして,お楽しみの滑降タイム。
2
ここからはシールを剥がして,お楽しみの滑降タイム。
気温が低いので,最高のパウダー!
0
気温が低いので,最高のパウダー!
楽すぃー
1
楽すぃー
なんか北欧のモミの森を滑っている気分になる。実際は植林だけど
0
なんか北欧のモミの森を滑っている気分になる。実際は植林だけど
下部は藪をかわしながらの狭苦しいスキーにはなるが,雪質がいいので十分愉快。
1
下部は藪をかわしながらの狭苦しいスキーにはなるが,雪質がいいので十分愉快。
谷割れしている箇所は,対岸にスキーを放り投げてから,ツボ足でヨジヨジと。
3
谷割れしている箇所は,対岸にスキーを放り投げてから,ツボ足でヨジヨジと。
林道着地。林道もよく板が走って楽しい。
1
林道着地。林道もよく板が走って楽しい。
つづら折れ部分は適当にスキーでショートカット
1
つづら折れ部分は適当にスキーでショートカット
下田原集落まで滑り込んだ。
0
下田原集落まで滑り込んだ。
再び粉雪がふんわりと舞い始める中,雪に埋もれた下田原集落を後にした。
2
再び粉雪がふんわりと舞い始める中,雪に埋もれた下田原集落を後にした。
充実した山行となったようで、何よりでした。
山目平は私の大好きな山の1つです。
京都府在住とのことですが、
全く無名の
山目平をお知りになったきっかけというか、機会というか、
お聞かせいただければ幸いです。
はじめまして!
地形図を眺めていて、穏やかで特徴的な地形の広がる山頂部にまず惹かれ、点名を調べてみたら「山目平」という不思議な名前でさらに惹かれ、また山ろくの下田原集落も訪れてみたいと思い、登らせていただいたのでした。
大田和谷の源頭部のあたりの雰囲気は特に印象的でした。山目平は本当に静かで良い山ですね。
ご返信ありがとうございます。
地図で気が付かれたのですね!
私も初めて訪れた時は、たおやかな尾根と源流部に広がるブナ林に息をのみました。
今後とも、いい山旅を!
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する