剣岳小窓尾根から西仙人谷周回(ソロ)
- GPS
- 56:00
- 距離
- 14.3km
- 登り
- 1,882m
- 下り
- 1,882m
コースタイム
天候 | 5/3快晴、5/4午後より大雨、5/5快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2015年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
タカノスワリは取水口手前で渡渉一回のみで通過。白萩川のカミナリ岩から小窓尾根支稜のルンゼに取付く〜小窓尾根は雪が少なく藪山でした。エスケープの小窓から西仙人谷は半日で下山出来ました。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
雨具
ゲイター
ネックウォーマー
バラクラバ
毛帽子
着替え
靴
ザック
ザックカバー
アイゼン
ピッケル
ビーコン
スコップ
ゾンデ
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
水筒(保温性)
ガスカートリッジ
コンロ
食器
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ナイフ
カメラ
ポール
テント
テントマット
シェラフ
ヘルメット
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共同装備 |
今回のルートだけならロープは30mで可!
|
備考 | GPS初持参、心強い。個人山行は装備の軽量化が課題。 |
感想
5/3(快晴)〜馬場島の駐在所で計画書提出の確認後、満車に埋まるキャンプ場に入る。やっと駐車を済ませ雪道の林道を歩き出す…今日は暑いぐらいの快晴、ザックの重みが堪える… 白萩川の取水口では渡渉を選択する。下流の堰を素足で渡り左岸よりタカノスワリへ向かう。トレースを頼りに際どいヘツリをこなすと土石混じりの池の谷出合に着く。初のタカノスワリの雪渓トラバースに慎重になり高巻きより時間短縮にはならずとも未知のルートは楽しい。白萩川のカミナリ岩で大休止!小窓尾根の支稜を見上げると残雪帯の破断があり嫌らしい。覚悟を決め取付くと早速2mほどのクレパス越えです。登ると一部分は夏道との交差するが右手のルンゼを駆け上がる。落石と雪が少なく油断大敵!新品アイゼンを蹴り込むがツボ足で休めません!やっと小尾根に辿り着いて雪面が途切れて日陰に飛び込む。一息ついたが尾根は藪山と化し今度は雪を求め斜面のトラバースと交互に前進する。P1610でパノラマ全開〜熱中症気味でペースダウンです。(北の赤谷尾根も前半は凄い藪山だったと回想する)…一人旅は計画が遅れても気楽です。剣岳方面の上部を見渡せるが今年は残雪が少ないようです。ルートは池の谷側のトラバースと藪尾根歩きの繰り返しです〜予期せぬ沢水の音を聞き砂漠にオアシスと本日の行動を打ち切る。尾根にテントを張り終えると空身で池の谷側の谷間へ向かう。岩場の草付きトラバースは際どいが目前の水を求め5リットル確保する。もし滑落すれば永久に見つからないかも?…テントから夕焼けの日本海水平線を眺め、お湯をタップリ沸かす。久しぶりの単独行なので初日は慎重になりました。〜5/4(午後より大雨)〜出発間際に小雨が降る。少しでも遅れを取り戻すべくテントをたたむ。垂直の雪壁もトレースを辿りP1990に着くとテント跡が見られた。雨雲が垂れ込めており急かされ先を急ぐが痩せ尾根の通過はブッシュが手強い。何ヶ所か安全なテント跡を通過後に岩場の狭いコルで雨が強まり袖口より濡れてしまう。この先は岩場なので緊急避難が難しい。コル左側に雪面があり大岩のウラ側の残雪を切り拓いてテントを張る。崩れたら白萩川の藻屑となるのでテントの二ヶ所を岩壁に仮固定を施す。多分、効き目は疑問符でした。テント内に潜り込むとテントは風に翻弄されても天国です。タオルで何回か拭き取り昼寝に入る。目覚めると夕暮れ時も雨風強く吹き荒れる。(昨年の今頃もコブ尾根からジャンダルム付近で三人と風雪のビバークでした。)〜テント内は睡眠も熱いコーヒーも自由で明日の快晴を祈るだけです。〜5/5(快晴)、明方には陽が差し込むがテントは大岩からの雨垂れが凍り付いてタワシでは取れません。テントの外は断崖なので慎重にテント撤収。天気は嵐のあとは快晴!岩場を登りは残置ロープが多数あるが信用出来ません。池の谷側を巻くとニードルの懸垂点は新しい残置セットがありました。少し奥にも残置ロープが垂れており懸垂用ロープ無しも可能かも?単独なので50mロープで懸垂を選択する〜ほんの5m下降でした。巻き道を登り行くと、正面のドームは全く雪が無い。ドーム手前の狭いコルから左側に雪面が残り薄い足跡を追いかける。藪尾根との境を上手くトレースが続くが最後はピッケルをフル稼働してドームピークの雪面に出る(8:30)。前方のピラミッドも雪が無い〜朝の涼しい時にと先を急ぐがコルは痩せ尾根の藪山と残雪での踏み抜きなどで手間取る。大きく池の谷側のガレバと這松帯などの藪コースを慎重に選ぶ。馬の背の岩稜前半は馬乗りせずとも左側より足幅の歩行可能です〜通過後に残置ロープで小岩越え三級程度の岩登りでした。今日はパノラマが全開となり撮影を楽しむ。マッチ箱方面は快適な尾根歩き〜小窓の頭から三の窓を見渡し休憩する。このまま剣岳に進むには暑くなりすぎたので小窓から下山を決める。(この先は過去にも赤谷尾根から剣岳に縦走済み)…しかし携帯は圏外もエスケープの件を自宅等に送信する。小窓に向け無垢の雪面を駆け下りると途中でトレースと合流〜小一時間の駿足でした。小窓は無風快晴!今日中に下山可能と判断する(午後3時)…ガレた西仙人谷を下ると少し先から雪渓となり一気に弾みをつける。雪渓では、一時間で標高差400〜500mの下降です〜下部の白萩川では谷間両サイドから落石音がコダマするが広い雪渓の中央は安全でした。カミナリ岩の上には慰霊の花束が添えられており合掌する。タカノスワリの入口は右岸に消えかけの残雪帯トラバースがやはり鬼門でした。足元は沢水の渦巻く流水に肝を冷やす。白萩川はアイゼン装着のまま渡渉を終えると夕暮れでした。〜安堵と疲労感で日没後の林道は長い…気休めはお月様と一番星でした。静まり返った登山口に着くと、派出所に下山報告です〜隊員から「藪山でしたか?」、「はい、雪が少なく藪山でした。」と返事して馬場島を離れる。〜[追記]2011年の秋に早月尾根の日帰り山行に参加して翌日に小窓尾根の標高1500mまで下見をすませ帰郷する。しかし翌年の五月は天候不順で早月尾根ピストンで終えてしまう。それからは計画が断ち切れメンバーも揃わず小窓尾根から遠ざかる。それから残雪期は鹿島槍東尾根や奥穂高南陵や八ヶ岳と登る。昨年度は風雪のコブ尾根から稜線ビバークも経験して辛くも下山を遂げる。そろそろ雪山の引退かもと思いつつ今年の正月もコタツにこもっていました…しかし剣岳目標に二月には八ヶ岳に行くと行者小屋迄でバテてしまいリーダー失格でした。三月はトレに励み大山弥山沢東稜に参加して手応えを掴み単独行の計画を出す…ネットで試行錯誤も現地判断に期す。エスケープルートも小窓と三の窓の記録を確認すると、あとは天気次第でした。(完)
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