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Yamareco

記録ID: 658891
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ハイキング
甲斐駒・北岳

【第二次鳳凰周回(共同山行編)】ドンドコ沢〜地蔵岳〜観音岳〜薬師岳〜中道【甲54.2】

2015年06月13日(土) [日帰り]
 - 拍手
narodniki その他1人
GPS
09:59
距離
19.7km
登り
2,669m
下り
2,673m

コースタイム

日帰り
山行
8:12
休憩
1:47
合計
9:59
4:32
4
青木鉱泉駐車場
4:36
4:39
64
5:43
5:43
4
南精進ヶ滝分岐
5:47
5:51
15
6:06
6:06
10
鳳凰の滝分岐
6:16
6:22
6
鳳凰の滝
6:28
6:28
34
鳳凰の滝分岐
7:02
7:06
14
7:20
7:20
7
五色の滝分岐
7:27
7:40
2
7:42
7:42
31
五色の滝分岐(上手)
8:13
8:15
42
8:57
9:30
8
9:38
9:38
26
10:04
10:04
21
10:25
10:43
17
11:00
11:01
4
11:05
11:21
7
11:28
11:34
36
12:10
12:11
106
13:57
13:57
34
14:31
青木鉱泉駐車場
天候 晴れ後曇
過去天気図(気象庁) 2015年06月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
青木鉱泉駐車場(750円)
コース状況/
危険箇所等
2500m超級の山なので、それなりに急登はある。
稜線の砂礫歩きは長々と歩いてきた脚には応える。
中道は道が荒れ気味。土砂が流れて段差が大きい。
その他周辺情報 青木鉱泉の日帰り入浴1000円
早朝から多くの車が集結。青木鉱泉の人によると80台来たとのこと。
2015年06月13日 04:29撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 4:29
早朝から多くの車が集結。青木鉱泉の人によると80台来たとのこと。
青木鉱泉前で登山者名簿を投函して出発。
2015年06月13日 04:36撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 4:36
青木鉱泉前で登山者名簿を投函して出発。
若干、湿度高めかな。
2015年06月13日 04:49撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 4:49
若干、湿度高めかな。
樹林帯に入ると、傾斜が強まる。
2015年06月13日 05:26撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 5:26
樹林帯に入ると、傾斜が強まる。
滝のように流れ落ちる沢の下を渡渉。
2015年06月13日 05:31撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 5:31
滝のように流れ落ちる沢の下を渡渉。
沢を渡ると岩の急登。
2015年06月13日 05:32撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 5:32
沢を渡ると岩の急登。
この下も渡渉。名の無い滝も見応えがある。
2015年06月13日 05:41撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 5:41
この下も渡渉。名の無い滝も見応えがある。
南精進ヶ滝への上り
2015年06月13日 05:45撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 5:45
南精進ヶ滝への上り
南精進ヶ滝
2015年06月13日 05:51撮影 by  DSC-WX200, SONY
2
6/13 5:51
南精進ヶ滝
だんだんと岩が増えてくる。
2015年06月13日 05:53撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 5:53
だんだんと岩が増えてくる。
ここも渡渉
2015年06月13日 05:59撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 5:59
ここも渡渉
沢の渡渉にはそれほど難儀しない。
2015年06月13日 06:01撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 6:01
沢の渡渉にはそれほど難儀しない。
大きく広がるシダの葉
2015年06月13日 06:01撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 6:01
大きく広がるシダの葉
下方、勢いよく流れ落ちていく沢水
2015年06月13日 06:13撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 6:13
下方、勢いよく流れ落ちていく沢水
鳳凰の滝。上の方で左右から水が流れ落ちている。それが羽を広げている鳳凰のように見えるということだろうか。
2015年06月13日 06:16撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 6:16
鳳凰の滝。上の方で左右から水が流れ落ちている。それが羽を広げている鳳凰のように見えるということだろうか。
途中、崩壊地があり、ここは高巻く。
2015年06月13日 06:33撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 6:33
途中、崩壊地があり、ここは高巻く。
岩はだんだん大きくなり、
2015年06月13日 06:39撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 6:39
岩はだんだん大きくなり、
傾斜はさらにきつさを増す。
2015年06月13日 06:43撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 6:43
傾斜はさらにきつさを増す。
白糸の滝
2015年06月13日 07:03撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 7:03
白糸の滝
滝の前は展望が開けている。
2015年06月13日 07:03撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 7:03
滝の前は展望が開けている。
木漏れ日の中を進む。
2015年06月13日 07:10撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 7:10
木漏れ日の中を進む。
倒木に頭を軽くぶつける。何度も何度も頭をぶつけるようでは注意が散漫と言われても仕方がない。
2015年06月13日 07:16撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 7:16
倒木に頭を軽くぶつける。何度も何度も頭をぶつけるようでは注意が散漫と言われても仕方がない。
緑の中、沢の渡渉
2015年06月13日 07:19撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 7:19
緑の中、沢の渡渉
五色の滝手前の清い淵
2015年06月13日 07:23撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 7:23
五色の滝手前の清い淵
五色の滝まで、小さな滝が連続する。
2015年06月13日 07:25撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 7:25
五色の滝まで、小さな滝が連続する。
五色の滝
2015年06月13日 07:39撮影 by  DSC-WX200, SONY
4
6/13 7:39
五色の滝
滝の近くまで肉薄でき、滝の作り出す五色の虹を見ることができる。
2015年06月13日 07:30撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 7:30
滝の近くまで肉薄でき、滝の作り出す五色の虹を見ることができる。
イワカガミが満開
2015年06月13日 07:52撮影 by  DSC-WX200, SONY
1
6/13 7:52
イワカガミが満開
木も高い山に相応しく様変わり
2015年06月13日 07:56撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 7:56
木も高い山に相応しく様変わり
地蔵岳が正面に。
2015年06月13日 08:01撮影 by  DSC-WX200, SONY
1
6/13 8:01
地蔵岳が正面に。
見えてなお遠し。
2015年06月13日 08:01撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 8:01
見えてなお遠し。
再度沢沿いに歩き、距離を詰める。
2015年06月13日 08:06撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 8:06
再度沢沿いに歩き、距離を詰める。
沢を離れて上っていけば、
2015年06月13日 08:10撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 8:10
沢を離れて上っていけば、
鳳凰小屋
2015年06月13日 08:13撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 8:13
鳳凰小屋
残り距離1kmで標高差は約400m
2015年06月13日 08:16撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 8:16
残り距離1kmで標高差は約400m
空がだんだん近づいてくる。
2015年06月13日 08:22撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 8:22
空がだんだん近づいてくる。
急登を抜けた先には、
2015年06月13日 08:32撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 8:32
急登を抜けた先には、
風化して砂礫と化した斜面の急登。
2015年06月13日 08:39撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 8:39
風化して砂礫と化した斜面の急登。
なかなか山頂に近づかない。
2015年06月13日 08:42撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 8:42
なかなか山頂に近づかない。
観音岳
2015年06月13日 08:45撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 8:45
観音岳
2015年06月13日 08:55撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 8:55
ようやく地蔵岳に到達。
2015年06月13日 08:57撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 8:57
ようやく地蔵岳に到達。
オベリスクに寄ってみる。
2015年06月13日 08:58撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 8:58
オベリスクに寄ってみる。
祠の地蔵様にご挨拶。
2015年06月13日 09:00撮影 by  DSC-WX200, SONY
1
6/13 9:00
祠の地蔵様にご挨拶。
西側、北岳方面に早くも雲が大量発生。
2015年06月13日 09:03撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 9:03
西側、北岳方面に早くも雲が大量発生。
オベリスク手前から観音岳
2015年06月13日 09:03撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 9:03
オベリスク手前から観音岳
先が二股に分かれているオベリスクの鞍部に到達。
2015年06月13日 09:11撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 9:11
先が二股に分かれているオベリスクの鞍部に到達。
オベリスクに上っている間に辺りは雲で覆われてしまった。
2015年06月13日 09:12撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 9:12
オベリスクに上っている間に辺りは雲で覆われてしまった。
オベリスクに上ったものの、雲ばかり。また、岩上には特段プレート等は無いようだ。
2015年06月13日 09:12撮影 by  DSC-WX200, SONY
1
6/13 9:12
オベリスクに上ったものの、雲ばかり。また、岩上には特段プレート等は無いようだ。
雲に覆われ始めた地蔵岳を去る。
2015年06月13日 09:30撮影 by  DSC-WX200, SONY
1
6/13 9:30
雲に覆われ始めた地蔵岳を去る。
赤抜沢ノ頭の途中に残雪あり。
2015年06月13日 09:32撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 9:32
赤抜沢ノ頭の途中に残雪あり。
雪がなくなっても急登。
2015年06月13日 09:36撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 9:36
雪がなくなっても急登。
なお青空に期待。
2015年06月13日 09:38撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 9:38
なお青空に期待。
東側からの雲に飲み込まれる前の観音岳
2015年06月13日 09:41撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 9:41
東側からの雲に飲み込まれる前の観音岳
北岳、出てこ〜い!
2015年06月13日 09:53撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 9:53
北岳、出てこ〜い!
赤抜沢ノ頭に迫る雲
2015年06月13日 09:53撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 9:53
赤抜沢ノ頭に迫る雲
オベリスクで体力を消耗し、観音岳への上りがきつい。
2015年06月13日 09:59撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 9:59
オベリスクで体力を消耗し、観音岳への上りがきつい。
2015年06月13日 10:03撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 10:03
鳳凰小屋分岐
2015年06月13日 10:04撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 10:04
鳳凰小屋分岐
観音岳に立つ人
2015年06月13日 10:11撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 10:11
観音岳に立つ人
青空に映える稜線の奇岩怪石
2015年06月13日 10:20撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 10:20
青空に映える稜線の奇岩怪石
観音岳までもう少し
2015年06月13日 10:21撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 10:21
観音岳までもう少し
観音岳到着。
2015年06月13日 10:25撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 10:25
観音岳到着。
観音岳から薬師岳方面
2015年06月13日 10:40撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 10:40
観音岳から薬師岳方面
観音岳から地蔵岳方面
2015年06月13日 10:40撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 10:40
観音岳から地蔵岳方面
観音岳から北岳方面。完全に曇らず、一部青空が残り、時折日が射すのがミソ。
2015年06月13日 10:41撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 10:41
観音岳から北岳方面。完全に曇らず、一部青空が残り、時折日が射すのがミソ。
体力を回復したので薬師岳へ。
2015年06月13日 10:50撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 10:50
体力を回復したので薬師岳へ。
観音〜薬師間は近い。
2015年06月13日 10:54撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 10:54
観音〜薬師間は近い。
薬師岳山頂
2015年06月13日 11:00撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 11:00
薬師岳山頂
また雲が覆ってきたので薬師岳小屋に降りる。
2015年06月13日 11:01撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 11:01
また雲が覆ってきたので薬師岳小屋に降りる。
薬師岳小屋
2015年06月13日 11:05撮影 by  DSC-WX200, SONY
1
6/13 11:05
薬師岳小屋
薬師岳小屋でココアをいただく。400円。
2015年06月13日 11:07撮影 by  DSC-WX200, SONY
1
6/13 11:07
薬師岳小屋でココアをいただく。400円。
薬師岳に戻る。
2015年06月13日 11:27撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 11:27
薬師岳に戻る。
相変わらず真っ白の山頂
2015年06月13日 11:34撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 11:34
相変わらず真っ白の山頂
天候回復は無いと見切りをつけ、中道を下ることとする。
2015年06月13日 11:36撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 11:36
天候回復は無いと見切りをつけ、中道を下ることとする。
岩の急降下
2015年06月13日 11:39撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 11:39
岩の急降下
土砂が流れてえぐれた道
2015年06月13日 11:50撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 11:50
土砂が流れてえぐれた道
しかも、急降下。
2015年06月13日 11:57撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 11:57
しかも、急降下。
苔も陽光があれば光り輝くだろうに。
2015年06月13日 12:08撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 12:08
苔も陽光があれば光り輝くだろうに。
御座石
2015年06月13日 12:10撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 12:10
御座石
さらに要注意の下りが続く。
2015年06月13日 12:20撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 12:20
さらに要注意の下りが続く。
中道の上部は道が荒れているが、
2015年06月13日 12:22撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 12:22
中道の上部は道が荒れているが、
次第に落ち着いてくる。
2015年06月13日 12:47撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 12:47
次第に落ち着いてくる。
標高2000mくらいまで下ると笹野原になる。
2015年06月13日 13:00撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 13:00
標高2000mくらいまで下ると笹野原になる。
笹原に鹿が飛び出してきた。
2015年06月13日 13:05撮影 by  DSC-WX200, SONY
1
6/13 13:05
笹原に鹿が飛び出してきた。
さらに高度を下げると笹も消え、傾斜は緩やかに。
2015年06月13日 13:44撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 13:44
さらに高度を下げると笹も消え、傾斜は緩やかに。
中道登山道入口。すなわち、無事下山。
2015年06月13日 13:57撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 13:57
中道登山道入口。すなわち、無事下山。
あとは林道を青木鉱泉へ。
2015年06月13日 13:59撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 13:59
あとは林道を青木鉱泉へ。
御所山と小武川
2015年06月13日 14:08撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 14:08
御所山と小武川
橋から稜線。以前来た時は沢を渡渉するショートカット道があったが、無くなったのだろうか。
2015年06月13日 14:26撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 14:26
橋から稜線。以前来た時は沢を渡渉するショートカット道があったが、無くなったのだろうか。
駐車場に戻り、山行完了。
2015年06月13日 14:31撮影 by  DSC-WX200, SONY
6/13 14:31
駐車場に戻り、山行完了。

感想

6月13日は晴れるとの予報に接し、梅雨の中休みは有効活用せねばと、ヒロシ氏を誘って鳳凰三山へ。当初は稜線の風速が強いとの予測もあったので、金峰山にしようかとも考えたのだが、風速予測が落ち着き、満を持して中央道を西進する。
以前、山行当日の5時頃に到着した時には駐車場が一杯で入車に難儀したものだが、さすがに早く来れば駐車も楽勝だ。満天の星空の下、就寝準備をする。おい、テン泊している連中、うるさいぞ!

寝ている間にも駐車場に車はポツポツと来、また、日の出前から出発するのかチリンチリンと熊鈴の音がいくつか聞こえた。4時過ぎに起床した時には駐車スペースはほぼ埋まった状態。既に周囲は明るく、青木鉱泉をドンドコ沢へ向け出発。麓は若干白んで湿気が多いように感じたが、目指す西側の稜線上空は青空。本山行の成功を確信する。

【ドンドコ沢】
ドンドコ沢といっても最初から沢沿いというわけではなく、沢音を聞きながらも樹林帯の中、傾斜を強めながら上っていく。小さい沢をいくつか渡ってから、南精進ヶ滝、鳳凰滝、白糸滝、五色滝と大きく見ごたえのある滝が続く。特に、最初の南精進ヶ滝は開けた所から滝全体を見渡すことができ、最後の五色の滝は、まさに五色、滝の上げる水飛沫で常時虹がかかる。真下まで接近できるのも高ポイントだ。
これらの滝は登山道本線からは外れているので毎度分岐から滝に下っていくのだが、滝に寄る都度、他の山行者と抜きつ抜かれつが続く。お互い、苦笑い。こんなに綺麗な滝群を見ないというのももったいない気がするが、山行の目的は人それぞれである。確かに、滝に寄ることで地蔵岳山頂まで30分ほど多めにかかったのではないかと思う。ま、たかだか30分だけれども。
滝を過ぎて暫くは沢から離れるが、再度沢に近接すると一気に視界が開けて眼前に地蔵岳のオベリスクを見ることができる。ここまで来れば鳳凰小屋は近い。
鳳凰小屋の水場で咽喉を潤し、残り1kmの地蔵岳へ。しかし、地蔵岳は近くない。標高差はなお400mあり、急登に次ぐ急登。そして地蔵岳直下の砂礫と化した斜面の急登。砂浜のような斜面。一歩踏み出すと砂が崩れて数センチ下がる。まさに砂をかむような思いをしつつ、ようやく青空の地蔵岳に到達。

【地蔵岳〜オベリスク体験記〜】
地蔵岳に到着して早速オベリスクへ向かう。向かう途上、周囲に雲が増えつつあるのを感ずる。東側だけでなく西側もだ。オベリスク頭頂部の肩まで来て、一旦、このくらいにしておこうか考える。しかし、特に葛藤が生じたわけでもなく、そのまま、例のロープが垂れ下がっている岩の狭間の手前まで進み、岩に足を引っ掛けられる所があるか、ロープに手が届くか、慎重に見渡す。とりあえず、右側手前に足を乗せられる所があるので意を決して一歩踏み出し、ロープに手を伸ばす。と、手が届いた。ロープの確度を確かめるため、強めに引っ張る。うん、大丈夫だ。今度は岩壁を見る。よく見れば左側はともかく、右側には小さいながらも一定の間隔でつま先を引っ掛けられる所がある。
ここで特段「よし上るぞ!」などと改めて思うわけでもなく、ただ上った。「そこに山があるから」と言った人がいたが、まさしく眼の前に(可能かどうかはともかく)上るところがある。ただそれだけだ。
そして、頭頂部に手をかける。頭頂部は二つに分かれており、手をかけたのはその鞍部だった。上半身を岩上に乗せながら、再度、これでもう降りようかという考えが頭を過ぎる。心臓がバクバクしているのは標高のためだけではなかろう。しかし、息を深く吐いた次の瞬間にはもう一つ身を乗り出して完全にオベリスク上に乗った。
オベリスクに乗ったものの岩上には特段何も無く、また岩に上っている間に辺りは雲が覆い、真っ白に。連れを待たせていることもあり、早々に降りることとする。なお、下りが上り以上に慎重さを要することは言うまでもない。

補足:
・岩はざらついており、素手は厳しい。
・頭頂部岩の狭間の手前まで来るのも一苦労。ここまでで難儀するような人はトライしたらダメだろう。
・上り方の詳細は我流ということもあり敢えて書かないが、ロープの使い方が肝心だ。
・上る時には、果たして自分は降りられるかということも合わせて考えるべき。
・正直なところ、私がオベリスクに登頂できたのは二人連れで気が大きくなっていたためだろう。

【観音岳】
オベリスクから無事生還したが、結構体力的、精神的に消耗してしまった。おかげで観音岳への上りがきつくて仕方がない。足場も引き続き砂浜のような箇所が多く、時々休んで西側からの冷たい風でクールダウンを図る。ようやく観音岳に到達した時はヘロヘロ。座り込んで朝食用のおにぎりをモソモソ口にする。それにしても辺りの雲はさらに濃くなったようだ。最初見えた赤抜沢ノ頭や薬師岳さえも見えなくなった。
そんな中、観音岳で一瞬陽が当たったのだが、太陽が出ると尋常でなく熱い。暑いではなく、熱い、ヤバイ、間違いない。ジリジリする。
今思えば、「お前さあ、雲が出たの雲が晴れないのと言うけどよお。俺が本気出したらこのくらい熱いんだぜ。そんな中歩き続けたいの?ああん?」という天からの忠告だったのかもしれない。この熱さにはお手上げだ。

【薬師岳】
鳳凰三山の最高峰、観音岳で十分な休憩をとり、距離も短いということもあって薬師岳への行程は比較的楽なものとなった。しかし、薬師岳でも雲は増える一方だ。仕方がないので薬師岳小屋で時間を潰すこととする。山小屋の人の話を聞いたところでは、気温が高いと、この時間には雲が出てきてしまうとのことである。となると、真夏の山では7〜8時頃には稜線に到達しないといけない。さすれば、山小屋に泊まるのでなければ、より早く出発するか、気温の下がる秋を待つかということになる。どちらを選ぶかは状況次第だろう。
山小屋でココアをいただき薬師岳に戻るも相変わらず真っ白な世界。それも岩と砂礫の世界では映えて幻想的な感を与えるので、それはそれで良いものだが。
進行状況、天候、連れの疲労具合を総合的に判断して中道から下ることとする。

【中道】
岩と砂礫の世界は、すぐに土砂が流れて抉れた、大段差の急傾斜下りとなる。岩や木の根がむきだしになった道を全身を使って下る。御座石を過ぎ、笹の生茂る頃になると、ようやく道は落ち着き、後は特段危険な箇所は無い。ただ、笹に隠れた木の根等による躓きには要注意だ。その笹原で鹿が一頭飛び出してきた。我々から距離をとり、時折耳を動かしながら辺りを見回している。さっさと逃げないのは特段の脅威とは考えられていないためだろう。「通らしてもらいます」と挨拶し、連れのヒロシ氏と野生動物に出会えて良かったねと感想を述べ合いながら下山する。

【総括】
かくして山行は無事完了。ドンドコ沢の滝群は相変わらず素敵だ。ドンドコ沢なら地蔵岳ピストンでも十分満足できる。また、オベリスクの頂に初めて立てたということも大きな成果である。
稜線からの大展望は得られなかったものの、高山で雲が生ずる状況や真夏の稜線での陽射しの程度について確認・再認識でき、収穫の多い山行となった。
これら教訓を元に今夏の山行計画、そして、次なる鳳凰三山大周回の検討を進めたい。

〜おしまい〜

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