急登!急下り! 青木鉱泉より日帰り鳳凰三山周回 眺望あれは最高だが・・・
- GPS
- --:--
- 距離
- 17.5km
- 登り
- 2,108m
- 下り
- 2,106m
コースタイム
天候 | 晴れのち曇り、霧。眺望はほとんどなかった。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
行き帰りの林道が曲者、けっこうひどい・・・。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
行き ドンドコ沢コース ひたすらに登る、そして数か所川を渡るところがあるので、雨の日の次は厳しかろう。一気に地蔵岳まで標高1600m以上を登る。一気に標高を稼ぐので高山病対策が必要。そして、最後の白砂登りがかなりきつい。コースタイム6時間半 中間 縦走路 地蔵岳から観音岳・薬師岳に至るコースは壮大な縦走路。基本は岩。鞍部に降りてまた登りなおす。コースタイム1時間40分。 帰り 中道 ひたすらに下る。稼いだ標高を一気に放出してゆくのだ。途中に笹やぶが出てくるが、そこは小さな虫が多く、威嚇して来る。 最後40分は林道歩きだ。青木鉱泉への近道は今は水量が多く通れないので、青木橋を渡り、駐車場まで林道を登らなければならない。コースタイム4時間。 |
その他周辺情報 | 温泉 「甲斐駒ケ岳 尾白の湯」 1分間に160リットルほど噴出。しかし、成分が濃すぎるということで露天風呂1つと内風呂は尾白川の水で10倍に希釈してある。それでもほかの温泉よりも成分は濃いのだそうだ。 温泉成分が苦手な人は、内風呂や10倍希釈の露天風呂を使うとよい。私は源泉の露天風呂に入り浸った。 市外大人820円を高いとみるか安いとみるか・・・。 道の駅「はくしゅう」 2週間前に行ったのだが、やはり今日も行ってしまった。2リットルほど南アルプスの名水を汲んできた。今日は無理だが、明日は何で割ろうかなあ。 |
写真
感想
私は急登が苦手です。夏には行きたい山がたくさんあるのですが、急登を登ることも多いと思われます。そこで、ちょうど6月の日が長い時期に、ハードな山に行きたいと考えておりました。
昨年からこの山には目をつけていたんです。標高1600以上を登る登山道、コースの沿面距離は16km程とロングではないが、かなりハードなコースなのではないだろうか。ヤマレコを見ていても半分近くは1泊2日で行く人が多いコース、今回は早立ち日帰りで企画しました。
南アルプスNET
http://www.minamialps-net.jp/index.html
によると、コースタイムは次の通りです。
青木鉱泉→鳳凰小屋 5:30
鳳凰小屋→賽の河原 1:20
賽の河原→観音岳→薬師岳 1:40
薬師岳→青木鉱泉 3:40
合わせて12時間10分というコースタイムである。
なお、すれ違った人に夜叉神峠から地蔵岳ピストンという人がいた。その人は「いやあ、絶対こちらの方が楽でしょ」と言っていた。確かに、夜叉神峠は登り始めの標高が300mほど高いのであるが、距離は長い。いったいどちらが楽なのか・・・。
私は、尾根道や下り道はまあまあコースタイム通り歩けると思うが、急登は苦手なことを考え、3:30出発、17時ごろ下山を目標に計画しました。そして、13時までに観音岳にたどり着かなければ撤退(観音岳から鳳凰小屋に行き、ドンドコ沢を下る)、12時までに地蔵岳にたどり着けなければ撤退(そのままドンドコ沢を下る)することとし、天気予報が晴れのち曇りであった本日、実行することとしたのです。
仕事がはね、車をだし高速道路双葉SAで仮眠、3時間の睡眠で青木鉱泉に向かう林道を行く。結構ガタゴト道ですれ違いも厳しいところもあるが、夜の2時台は対向車はなかった。青木鉱泉駐車場で準備をして、ヘッドランプをつけて3:30ごろ出発。私の周りには、名古屋から来たパーティと八王子から来たパーティがいたので、計6人で登っていくが私はまず脱落、自分のペースで登ることとする。
6月なので日が出るのが早い、4:30にはヘッドランプをしまい、着実に標高を上げていく。
5つある滝は、2つほど写真に納めていく。そして、あとから登山者がくるが、すべて私を抜いていく・・・ああ、俺って鈍足なんだなあ・・・。そもそも、俺が来る山ではなかったのかなあ、山選びから間違えたか・・・?と思うが、鳳凰小屋にたどり着いたところでは40分ほどタイムを巻いている。ということは、みんながめちゃくちゃ速いんだなあ、鳳凰三山を日帰りで行こうという人は、自分の速さには自信を持っている人たちなんだ・・・と思った。
鳳凰小屋の名物は名水。それまで飲んでいたポカリスエット・レモンウォーターを飲み欲し、ここで名水2リットル追加。今日は蒸しており汗がかなり出たため、この名水も最後青木鉱泉で飲んでしまい、水分は計4リットル消費した。
さて、地蔵名物砂登りだ。このころから私は呼吸が苦しくなり、心臓の鼓動が激しくなってくる。最初なんだろうかなあと思ったが、そうか、ここはもう標高2600mを超えている。高山病である。しかし、呼吸の増加と心拍数の増大以外の症状はなかった(嘔吐感とか頭痛とか・・・)ので、登山を続行する。この高山病は、観音岳まで続き、薬師岳に向かう稜線で消えた、標高がわずかながらも下がったからであろう。
鳳凰三山で一番高いのは観音岳(2840m)だが、一番特徴があるのは何といっても地蔵岳オベリスクだ、深田久弥さんが書かれた「日本百名山」に、鳳凰三山が入っているのだが、文章では最高峰の観音岳には全く触れておらず、ほとんどをオベリスクのことを書いている。
過去に、茅が岳からオベリスクを見たことがあり、目の前に見えるオベリスクに感動である。
そして、近くの人たちとも話をする、みなさん鳳凰三山日帰りというハードなコースを選択した人たちである、「みんなでやってやろう!」という連帯感が芽生えたのだと考える。それにしても見とれるオベリスクだ。
しかし、いつまでもオベリスクを見てはいられない、時間は貴重なのだ。観音岳へ縦走を始める。岩岩の縦走路は、気持ち良いが残念ながらガスにより眺望がない、本来は北岳・間ノ岳・甲斐駒ケ岳などがドカーンとみられる縦走路である。そこを、30歩歩いては息を整え、心拍数が落ちるまで待ち、また30歩歩き・・・を繰り返して着実に一歩一歩向かっていく。
昨年富士山に登った時は、その5日前に乗鞍に登った。乗鞍は楽に登れる3000m鋒である、したがって薄い空気に慣れたのか富士山では高山病の症状は出なかった。木曽御岳に登る前の日に木曽駒が岳に登っている、3000mに近い山だ。3000m級は連続して登ると高山病の症状は出にくいのだ、しかし季節がらこの時期楽に登れる3000m級はない。となると、てきめん高山病対策が必要となってくると感じた。
結局、私は観音岳山頂でへたり込んで、三角点も見に行けなかった。
給水、塩熱飴をでミネラルを補給して、ただただ10分ほど休む。撤退予定の時間よりもまだ前である。三山縦走の3つ目に行こう。
薬師岳に向かって下り始めるとすぐに高山病の症状がなくなり、休憩なしで歩けるようになる。高山病も現金なやつだと少しかわいく思える。
ガスが出てきて眺望のない縦走路を快速に行き、コースタイム通りの30分で薬師岳に達する。写真撮影と給水を行う。とうとう、夢のような鳳凰三山とお別れなのだなあ。
下りは中道。これまで稼いできた標高を一気に落としてゆく。反対側からは、薬師小屋に泊まる人たちが続々と登ってきていた、テント泊の人もいるようだ。
急下りが終わると、笹の下山道。一頭のシカがこちらを見ている、しかし、何もせずにただ黙ってこちらの様子をうかがっているので、写真を撮ってやった、きっとヤマレコが続く限り、君の写真は残るはずだと思いながら・・・。
そして、つづら折りの下山道、林道出合。ああ、終わってしまったなあ、という気持ちときつかったなあという気持ち。そんなことを考えながら、林道を歩き青木鉱泉にたどり着く、着替えなどを済まし、駐車料金を支払い、コーラの一気飲み。
白州方面に移動、お湯につかるためだが、下から見た鳳凰三山はどうであろうか。それはきっと甲斐駒ケ岳の横、しかしあまりにも甲斐駒ケ岳の存在感に、オベリスクまでが消されているように感じた。見る山と登る山があるのだという人もいるが、きっと鳳凰三山は「登って楽しむ山」なのだろうと思った。
その後、温泉に19:30までつかり、高速道路と一般道を使って帰宅、帰宅時刻は23時頃でした。本当に、夢のような一日でした。
なお、今回のコースのハードさは、自分の感覚からいうと「丹沢大倉→蛭ヶ岳→大倉」と同等でしょうか。自分が経験した中でもベスト3に入るハードさだったと思います。
aideiei さん
鳳凰三山日帰りとは
今の時期なら、日帰りが出来るのですね。
あ〜 でもかなり大変そう・・でもかなり興味深いです
それにしても23時に帰宅して、もう記録がアップされているとは
こちらにも驚きです
hamburg
hamburgさん おはようございます。
基本土曜日しか登山に使えないので、朝早くレポアップし、別の趣味に出発します。
思えば、金曜日から土曜日は3時間、土曜日から日曜日は4時間しか睡眠をとっていませんね。その分、今日は別の趣味から帰ったら名水に何かを割ったものを飲んで寝ようと思います。
鳳凰三山日帰り周回、コースタイムをと比較すると、高山病でスローダウンしたところは明らかにペースが落ちていますが、逆に地蔵岳までの登りはコースタイムを巻いています。中道の下りは少し遅れています。結果を見ていると面白いものだと思います。
ドンドコ沢のコースは最初2時間ぐらいは岩もなくつづら折りの登山道を行きますのでその部分をヘッドランプの夜行スタイルと考えれば行けると思います。また、昼が長い6月7月がお勧めです。
最近快速度を増している渋描隊長でしたら、大丈夫と思いますが、事前に丹沢や奥多摩のロングなど、エスケープルートが多い標高差2000m級のコースをいくつか登られて自信をつけてから行くのが良いと思います。
hamburgさんも、良い山行を!!
aideieiさん、こんばんは。
3時台スタートは、気合い入りまくりのロングですね。
鳳凰三山を日帰りでやるとなると、この方法しかないんですよね。
夜又神からのピストンは現実的ではないし、
広河原に下るとバスに間に合わない。
いよいよ残雪もなくなって、南アも多くの人が歩き始めましたね。
レコ見ると、13日はaideieiさんと同じコース、かなりの方が歩かれてますね。
なんとなく、精神的には大倉⇔蛭ヶ岳の方が楽そうです。
yamaheroさん、ご来訪ありがとうございます。
確かに、登山者はかなりいて、お互い声を掛け合いながら登っていました。
ハードコースを選択した妙な仲間意識があったのだと思います。情報交換、飴の交換、「みんなで登るぞ!!みんなで帰るぞ!!」という意識がありました。
この春から、少しずつ夜間から登る山行を取り入れてきました。
情報さえしっかりと持っていれば、ヘッドランプで登れる山、登れない山の判断もつくし、出発時間の算定もできるようになると思っています。
過去の山行では「大倉⇔蛭ヶ岳」で、両膝が痛くなり次の日に行動できなかった経験がありますが、今回は膝は全く痛くならずに日曜日の別の趣味も参加してきました。しかし、精神的な部分、高山病の可能性を考えると日帰り鳳凰三山の方が気を使うということは納得です。
確かに残雪は全くありませんでした。健脚者にとってはここからがシーズンなんでしょうね。(私はひたすらに抜かされっぱなしだったので少々意気消沈です)
yamaheroさんも、良い山行を!!
aideieiさん、はじめまして。ramisukeと申します。
記録に拍手をいただいたので、どのような方かな?と思い、拝見しました。
ドンドコ沢から周回で日帰り!!!!
びっくりしました。
すごい体力ですね。
また、記録を読ませてください。
楽しみにしています。
ramisukeさん、はじめまして。aideieiと申します。
甲武信ヶ岳の山行、お疲れ様です。特に信濃川上流部にこだわった記録に心打たれました。
深田久弥さんの著書「日本百名山」に甲武信ヶ岳が取り上げられておりますが、3つの川の源流として、そしてその川がどのような所を経て海に注ぐのかを考慮して、甲武信ヶ岳の魅力の一つとして書かれておりました。私も、徳ちゃん新道から登ったことがあるのですが、ramisukeさんのコースは登ったことがなく、登ってみたいという願望もかねて拍手をさせていただきました。
ドンドコ沢から行く鳳凰三山、やはり想像以上の体力を消費します。また、日帰りを考えるならば、夜間出発が必要とあれば、関東に勤める社会人としては睡眠時間が減ります。
今思うと、よく自分にできたなと思っております。記録にも書かせていただいた通り「登る山を間違えたか・・・ここに来るべきではなかったか・・・」とも思いましたが、今となっては良い思い出です。夢のような一日でした。
これから夏にかけて、さらにさまざまな計画を立て実行していくところです。拙な記録でよろしければ、読んでいただけたら幸いです。
ramisukeさん、次回もよい山行を!!
aideieiさん、こん○×は(^o^)/
鳳凰三山縦走を日帰りで… それもおニュウの靴がいいからなんでしょうか
地蔵ヶ岳付近は先週の日向山のように○×の惑星っぽいですね。とはいえ、信仰の地なので、お地蔵様も多い。一体持ち帰り、子宝に恵まれたら二体にして戻すらしいですが、ここまで二体持って上がるなんて…信仰とはいえ、頭が下がります_(._.)_
mamepapa
mamepapaさん、こんにちは。
鳳凰三山日帰り、自分の力を把握して「できる!」と判断すれば、やってみるもの。と考えています。決して無謀な計画であったとは思わないし、時期、設定時間、持ち物(水の量、行動食)など、結構綿密に計画したつもりで「できそうだ」と判断しました。
確かにきついルートでしたが、こういう山行をやり切った後はたまらないですね。
確かに、靴についても考えるところがありました。本来は6月末ごろに買い替える予定でいたので、鳳凰三山が靴のお別れ山行と考えていましたが、予想以上に減りが早く新しいものを購入せざるを得ませんでした。よって、2回ほど履いて、今回ハードコースに投入となったのです。
靴は、快調でしたね。岩でも木でもソールが良いんで滑らずにつかんでくれますし、岩と靴がぶつかっても靴の中の足は痛くありませんでした。本当に良い靴だと思いました。確かに靴の力は大きかったのではないかとも思っています。
地蔵岳の信仰についての情報ありがとうございました。昔の人はすごかったんですね。電車も自動車もなく、足だけで移動していたのですから。
また、花崗岩の風化による白砂の地形ということでは、日向山と一緒ですね。それを昔は「極楽浄土」と呼んだのでしょうね。
コメントありがとうございました。
mamepapaさん、次回もよい山行を!!
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